SDDPCM は、ESS 装置で使用するロード可能なパス制御モジュールで、パス管理
機能とエラー・リカバリー・アルゴリズムを備えています。 ESS 装置を MPIO 対 応装置として構成すると、ESS 装置の構成時に SDDPCM がロードされ、AIX
MPIO SCSI/FCP (ファイバー・チャネル・プロトコル) デバイス・ドライバーの一
部になります。 ESS SDDPCM モジュール付きの AIX MPIO 対応デバイス・ドラ イバーは、データ可用性と入出力ロード・バランシングを強化します。
この章では、SDDPCM を AIX 5.2.0 ML3 (またはそれ以降) ホスト・システムにイ ンストールし、ESS 装置を Multipath I/O (MPIO) 対応装置に構成する方法をステッ プバイステップ手順で説明します。
AIX 5.2.0 ML3 (またはそれ以降) MPIO サポートの詳細については、次の Web サ
イトを参照してください。
AIX MPIO 対応デバイス・ドライバーは、すべてのストレージ・デバイス・パスを
自動的に発見し、構成し、使用可能にします。 SDDPCM は、パスを管理して、以 下の機能を提供します。
v 高可用性およびストレージ入出力のロード・バランシング v 自動パス・フェイルオーバー保護
v ESS ライセンス内部コードの並行ダウンロード
v ホスト・システム上の失敗した単一バス・アダプター、SCSI、ファイバー・チャ ネル・ケーブル、または ESS のホスト・インターフェース・アダプターに対す るデータ・アクセス中断からの保護。
この章で取り上げていない更新情報や追加情報については、CD-ROM の Readme フ ァイルを参照するか、または次の SDD Web サイトを参照してください。
www-1.ibm.com/servers/storage/support/software/sdd.html
SDD と SDDPCM は、1 種類のストレージのサーバーにインストールされる排他的
ソフトウェア・パッケージです。両方のソフトウェア・パッケージを ESS 装置のサ ーバーにインストールすることはできません。 ESS 装置が非 MPIO 対応装置とし て構成されている場合 (つまり、1 つの物理 LUN について複数の論理装置インス タンスが作成される)、SDD をインストールしてマルチパス・サポートを取得する 必要があります。
ESS 装置を MPIO 対応装置に構成するには、SDDPCM をインストールする必要が
あります (この場合、1 つの物理 LUN について 1 つの論理装置インスタンスのみ
が作成されます)。AIX 5.2.0 ML3 以降で SDDPCM を実行するには、その OS レ ベルの最新の PTF をすべてインストールする必要があります。
MPIO 対応装置または非 MPIO 対応装置への ESS の構成は、ESS ホスト処理装置 接続機構によって制御されます。
http://publib16.boulder.ibm.com/pseries/en_US/aixbman/baseadmn/manage_MPIO.htm
ESS 装置を非 MPIO 対応装置として構成するには、32.6.100.x のバージョンと一緒
に ibm2105.rte パッケージをインストールします。
ESS 装置を MPIO 対応装置として構成するには、33.6.100.y のバージョンと一緒に devices.fcp.disk.ibm2105.mpio.rte パッケージをインストールします。
ESS ホスト処理装置接続機構パッケージの最新バージョンについては、次の SDD ダウンロード Web サイトの Readme ファイルを参照してください。
www-1.ibm.com/servers/storage/support/software/sdd.html
注: ESS SCSI 装置は SDDPCM でサポートされていません。SCSI MPIO サポート
用の ESS ホスト処理装置接続機構 (devices.scsi.disk.ibm2105.mpio.rte) は配布さ れていません。
サーバーが ESS と SAN ボリューム・コントローラーの両方に接続されている場合 は、ESS については SDDPCM をインストールし、SAN ボリューム・コントロー ラーについては SDD をインストールして共存をサポートします。
サポートされる SDDPCM 機能
以下の SDDPCM 機能は、このリリースでサポートされます。
v 32 ビットおよび 64 ビット・カーネル
v ヘルス・チェッカーによる自動障害パス・レクラメーション v 次の 4 つのタイプの予約ポリシーがサポートされます。
– No_reserve ポリシー
– 排他的ホスト・アクセス単一パス・ポリシー – 永続予約排他ホスト・ポリシー
– 永続予約共用ホスト・アクセス・ポリシー
v 次の 3 つのパス選択アルゴリズムがサポートされます。
– フェイルオーバー – ラウンドロビン – ロード・バランシング
v フェイルバック・エラー・リカバリー・アルゴリズム v ファイバー・チャネル動的装置トラッキング
v ESS Model 750 装置モジュールのサポート
v システム・ブート装置としての外部 ESS MPIO 装置のサポート v 1 次または 2 次ダンプ装置としての外部 ESS MPIO 装置のサポート v ESS マルチパス装置 (システム・ページング・スペースとして)
v 拡張パス・ヘルス・チェック機能用の SDDPCM サーバー・デーモンのサポート v ESS MPIO 装置用の Web-based System Manager (WebSM) のサポート (WebSM
についての詳細は、www-1.ibm.com/servers/aix/wsm/ を参照) v 最大 1200 LUN のサポート
v パスまたはアダプターの動的追加 v パスまたはアダプターの動的除去
v AIX 5.2.0 ML3 (またはそれ以降) の新規コマンド・オプションを指定した iostat コマンド
v 装置の最後のパスが予約され、失敗状態にされることはありません。
v SDDPCM の pcmpath プログラムへの essutil プロダクト・エンジニアリング・ツ
ールの組み込みサポート
サポートされない SDDPCM 機能
以下の SDDPCM 機能は、現在サポートされていません。これらの機能に対するサ
ポートは、将来のリリースで追加されます。
v HACMP
v GPFS
v SAN ボリューム・コントローラーに対するサポート
v SAN ボリューム・コントローラー for Cisco MDS 9000 に対するサポート
ハードウェアおよびソフトウェア要件の検査
SDDPCM が正常にインストールされ、動作するようにするには、以下のハードウェ
アおよびソフトウェア・コンポーネントをインストールする必要があります。
ハードウェア
v ESS
v ESS が直接接続でない場合は、1 つ以上のスイッチ v ホスト・システム
v ファイバー・チャネル・アダプターおよびケーブル
ソフトウェア
v AIX 5.2.0 ML3 (またはそれ以降) オペレーティング・システム
v ファイバー・チャネル・デバイス・ドライバー
v devices.sddpcm.52b.rte (バージョン 2.0.1.0) インストール・パッケージ
v SDDPCM 用の ESS ホスト処理装置接続機構 (devices.fcp.disk.ibm2105.mpio.rte)
サポートされない環境
SDDPCM では、以下の環境はサポートされません。
v 共用 ESS 論理装置番号 (LUN) への SCSI 接続とファイバー・チャネル接続の両 方を持つホスト・システム
v LIC の並行ダウンロードおよびインストール時の単一パス・モード、および、パ ス接続に影響を与える ESS 並行保守時 (ESS ホスト・ベイ・アダプター置き換 えなど) の単一パス・モード。
ホスト・システム要件
ESS 用の SDDPCM を正常にインストールするには、次の Web サイトに示されて
いる AIX 必須フィックス、APAR、およびマイクロコード更新と一緒に、AIX 5.2.0
ML3 (またはそれ以降) をホスト・システムにインストールする必要があります。
www-1.ibm.com/servers/storage/support/
ESS 要件
SDDPCM を正常にインストールするには、正しい ESS 接続パッケージがサーバー
にインストールされていることを確認します。
v devices.fcp.disk.ibm2105.mpio.rte (バージョン 33.6.100.y)
ファイバー要件
最新のファイバー・チャネル・デバイス・ドライバー APAR、保守レベル・フィッ クス、およびマイクロコード更新を調べ、それらを次の Web サイトからダウンロ ードしてください。
www-1.ibm.com/servers/eserver/support/
ホストにファイバー・チャネル・アダプターが 1 つしかない場合は、スイッチを使 用して複数の ESS ポートに接続する必要があります。アダプター・ハードウェア障 害またはソフトウェア障害によるデータ損失を防止するには、少なくとも 2 つのフ ァイバー・チャネル・アダプターを持つ必要があります。
AIX ホスト・システムで使用できるファイバー・チャネル・アダプターについて は、次の Web サイトへ進んでください。
www-1.ibm.com/servers/storage/support
SDDPCM ファイバー・チャネル・サポートを使用する場合は、ホスト・システムが
以下の要件を満たしていることを確認してください。
v AIX ホスト・システムが、AIX 5.2.0 ML3 (またはそれ以降) を備えた IBM RS/6000 または pSeries である。
v AIX ホスト・システムに、すべての最新 APAR を適用したファイバー・チャネ ル・デバイス・ドライバーがインストールされている。
v ホスト・システムは、単一のプロセッサー・システムでも SMP のようなマルチ プロセッサー・システムでも構いません。
v 各ファイバー・チャネル・アダプターが光ファイバー・ケーブルで ESS ポート に接続されている。
v SDDPCM I/O ロード・バランシング機能とフェイルオーバー機能が必要な場合
は、装置へのパスが少なくとも 2 つ接続されていることを確認してください。
SDDPCM インストールの準備
SDDPCM インストール・パッケージは、いくつかの主要ファイルを AIX システム
にインストールします。 SDDPCM インストール・パッケージの一部である主要フ ァイルは、次のとおりです。
ファイル名 説明
sddpcmrtl ESS 装置構成メソッドを拡張して PCM KE の構成
操作を容易にするために、装置構成メソッドに追加 された動的ロード・モジュール
sddpcmke ESS 装置にパス管理機能を提供する AIX 5L カー
ネルに追加された動的ロード・モジュール
sdduserke sddpcmke に API を提供する AIX 5L カーネルに 追加された動的ロード・モジュール
pcmpath SDDPCM コマンド行ツール
pcmsrv 拡張パス・ヘルス・チェック機能のデーモン
sample_pcmsrv.conf サンプル SDDPCM サーバー・デーモン構成ファイ
ル
fcppcmmap SCSI コマンドを使用して ESS ファイバー・チャネ
ル装置情報を収集する
SDDPCM をインストールする前に、以下のセクションで示されているタスクを実行
しなければなりません。
ESS での SDDPCM インストールの準備
SDDPCM をインストールする前に、以下のものを構成する必要があります。
v ホスト・システムに対する ESS および接続する必要なファイバー・チャネル・
アダプター。
v 各 LUN の単一ポート・アクセスまたは複数ポート・アクセス用の ESS。
SDDPCM でロード・バランシング機能とフェイルオーバー機能を使用するには、
同一論理装置を共用する少なくとも 2 つの独立パスが必要です。単一パスの場合 は、フェイルオーバー保護は提供されません。
IBM ESSの構成方法について詳しくは、「IBM TotalStorage エンタープライズ・ス
トレージ・サーバー 入門と計画のガイド」を参照してください。
SDDPCM をインストールする前に、以下操作を行う必要があります。
v 正しいインストール・パッケージが用意されていることを確認する。
v SDD パッケージがインストールされていれば、それを除去する。
v ibm2105.rte (バージョン 32.6.100.x) がインストールされていれば、それを除去す る。
v 必要な場合、AIX ファイバー・チャネル・デバイス・ドライバーをインストール する。
v ファイバー・チャネル・アダプターのファームウェア・レベルを検査し、アップ グレードする。
v MPIO 対応 ESS 接続機構 (バージョン 33.6.100.y) をインストールする。
正しいインストール・パッケージの確認
SDDPCM は、AIX 5.2.0 ML3 (またはそれ以降) オペレーティング・システムにの
みインストールできます。 SDDPCM のパッケージ名は devices.sddpcm.52b.rte で す。
SDD パッケージがインストールされているかどうかの判別
SDD がインストールされているかどうかを判別するには、次のようにします。
1. lslpp -l *ibmSdd* および lslpp -l devices.sdd* コマンドを使用して、SDD パッケージがシステムにインストールされているかどうかを判別します。