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ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 86-93)

n u  

U

3 . 0  

(b)

2)

80

,  n~2) + 

40 

図 ‑3.10  2次の流速分布 [kh= 1.00

, 

h2/ h = 0.50

,川+

1 = 300

η2 

1 = 150] 

80 

の分散方程式で与えられる 2倍周波数に対応した波速で進行する自由波の二つがあ る。これら3つの成分が重合して2次の水面波形を形成している。

(3)速度ポテンシャルに含まれる未定係数を算定するためにポテンシャル接続法を用いる が、従来行われていた直交関数に関する積分演算をせずにきわめて簡単に精度のよい

解を得られる方法〈選点解法)により未定係数を決定した。この計算を行うときの注 意点を以下にまとめる。

(i)計算点(選点)の間隔は一定に取る。

(ii)計算点の個数と対応する領域のポテンシャルの級数の項数とを一致させる。

(iii)  2次のポテンシャルの打ち切り項数ザ)と 2次の計算における Sは esの強制 項の算定に用いる 1次解の項数同との関係は、

4 2 )

訊 を 満 足 し な く て は 妥 当な解が得られない。

(iv)無限級数項を計算上有限項で打ち切ることによる 2次解への影響を防ぐため2 次の計算には 1次解の未定係数をすべて使用するのではなく項数の大きい係数 を用いない方が精度のよい解を得られる。このとき、死+1 

=  (n~2) + 

1)/2と すると 1次と2次の計算点を変えずに計算できるので数値計算上便利である。

(4)  1次の解の係数とは異なり、 2次の解の未定係数は項数が大きくなるにしたがい一様 に増大するが、 2次の未定係数の級数和である自由波の項と 1次の未定係数から求め られる Stokes波成分の項との和で与えられる 2次の速度ポテンシャルは一定値に収 束することを数値的に示した。また、鉛直境界面で隣合う領域の速度ポテンシャルか

ら得られる流速分布の連続性が1次のそれと同程度とれることが分かった。

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Chapter  4 

波 の 分 裂 現 象 に 関 す る 理 論 解 析

4 . 1   まえがき

本章では、第 3章で提示した理論解析法の妥当性と適用限界について検討し、その解析 法によって波の分裂現象を理論的に明らかにする。理論解析法の検証に関しては、他の非 線形理論解析法との比較により、本解析法の特徴を述べると共に理論解の妥当性を検討す る。また、水理実験により没水水平版および矩形不透過潜堤周辺での水面変位のデータを 測定し、水面の時間波形やフーリエ解析によって得られる調和成分波の振幅を理論値と比 較して解析法の検証とその適用範囲について考察する。

波の分裂現象の理論的な解明に関しては、 2次の速度ポテンシャルの解を用いて、没 水水平版の上部領域やその入射波側、反射波側領域における 2次の自由水面の変位を求め、

この水面変位を自由波およびStokes波、時間に関係ない平均水位の各成分に分離して、各 領域におけるこれら成分の成長の大きさや特性、さらにそれらが重合した2次の水面波形 の特徴および1次と 2次が重合した水面波形の特徴について調べることになる。また、波 長に対する相対的な没水水平版の版長や没水深を変化させて2次波の成長の特性について

も検討する。

4 . 2   理論解析法の検証

前章で提案した理論解析法の妥当性の検証を行う。一般的に、有限振幅波理論による解 の妥当性とその精度を検討する場合、 2つの方法が考えられる。その一つは、理論的に検 討する方法で、近似解がもとの支配方程式(非線形水面境界条件式)をどの程度満足する かを調べることと、ここで示した理論解析とは別の解析法で得られる高精度の解と比較す

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ることである。他の一つの方法は、実験で得られる水面変位や波峰の変形あるいは波の山 谷通過時の水平水粒子速度等の物理諸量についての実損JI値と計算値の一致の程度を検討す

ることである。

4 . 2 . 1  

理 論 的 な 検 証

理論的に検討する方法のうち近似解がもとの支配方程式をどの程度満足するかに関して は、 Dean(1968)や堀川ら (1977)、磯部(1985)らが、 Stokes波理論およびそのほかの理論 の適用範囲について詳しく論じている。ここでは、本理論解析法と他の解析法との比較に ついて述べる。

第1章の第2節における既往の研究で述べた通り、没水構造物と有限振幅波の非線形干 渉問題に対して、非定常解析と定常解析の理論がある。非定常解析の理論では、非線形の水 面境界条件を数値計算上で厳密に考慮することができるが、計算領域の境界面において波 の通過条件をどの様にして与えるかが分からないこと (Orlanski,1976; Larsenら, 1983)、 およびここで取り扱っている非線形干渉問題のように定常な現象の場合には定常解を得る までに多くの計算時間を要し、時間ステップごとの誤差の累積が生じることから、定常問題 に対して必ずしも精度のよい解を得られるとは限らない。本論文で取り扱っているような 定常問題に対しては定常解析を用いるのが妥当であると考えられることから、これから先、

定常解析法のみについて考察する。定常解析の理論は、 Massel(1983)によるポテンシャル 接続法と Potash(1971)や経塚(1981)または吉田ら (1989)によって提示された境界要素法 の2つだけであると思われる。ここで、これら 2つの解析法と本解析法の違いを述べると 次のようになる。

前者の方法は、支配方程式から速度ポテンシャルの表示までここで示した解析法と同 じであるが、速度ポテンシャルに含まれる未定係数に関する連立 1次方程式を導く際に、

Masselの方法では従来から用いられている直交関数に関する積分演算を行って求めている のに対し、本解析法では境界面上に取った計算点(選点)のみにおいて連続条件が成り立つ ことを規定して一次関係式を求めている。これにより、式の誘導が非常に簡素化され、従 のポテンシャル接続法では式の煩雑さから不可能と思われる境界面が多数ある場合や ε の高次の項まで考慮した場合、あるいは入射波が多成分波の場合に対しでも本解析法を拡 張して適用することにより対応できると考える。

後者の境界要素法(周辺積分法)は、支配方程式と速度ポテンシャルの取扱は基本的に

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本解析法と同じであるが、構造物周辺での流体運動を記述するとき、グリーンの公式とい う一種のブラックボックス的な方法を用いるのに対して、本解析法では定常散乱波の項ま で含めた形でそれぞれの成分波相互の干渉を式で表示しているためそれらの干渉の程度を 把握し非線形干渉の現象を理解する上で有利である。また、境界条件に関して物理量の微 分値を算定するとき、境界要素法では離散化手法を用いているので微分値の算定は数値微 分によらざるをえず、高次解への差分誤差の累積が生じる。これに対し、本解析法では物 理量の微分が理論的に得られるので誤差の累積問題は起こらず、数値的に高精度の解が得 られると考えられる。しかし境界要素法では、矩形流体域に限らず任意の形状の流体域に 対応できるため没水構造物の形状を任意に取ることができる。

いずれにしも、両解析法はここで提示した解析法と同様に摂動展開法を用いた近似解で あり、また摂動法を用いないで高精度の解が得られる解析法がいまのところないため、本 解析法で得られた解の精度を理論的に検討することはできない。ただし、計算法およびそ れから得られる解の妥当性を検討することに関しては、それぞれの近似解法の解を比較す ることは意味のあることと思われるので、ここではMasselによって示されている無限長ス テップにおける各成分波の無次元振幅の大きさを比較した。その結果が表‑4.1である。表 中の(, ηの添え字の lと2は、それぞれ入・反射波領域(1)と通過波領域(2)を表してい る。 2次の自由波成分を表す

l c j f ) !

l d ) │

の値以外は二つの解析法による解はほぼ同じ 値であると言える。 Masselは、未定係数の打ち切り項数に関して触れていないので計算法 の詳細は分からないが、図‑3.8に示したように、一次解の打ち切り項数

m

I I

rnpの算 定に用いる一次解の項数百i.

1の関係や打ち切り項数引の違いによる未定係数値の差異

表 ‑4.1  本解析法と Masselの解析法との比較 kh=l.OO  h2/h=0.50  (o/h=0.077 

Massel  本解析法

~反射率)

0.1348  0.1350 

I  ( ; : J ! (

ストークス波成分) 0.1043  0.1067 

I ( } ; ) I  

(自由波成分) 0.0304  0.0100 

1 1]~1) I 

(通過率) 1.0696  1.0681 

I(~;) I 

(ストークス波成分) 0.3957  0.3965 

I I ( g ) 1  

(自由波成分) 0.3108  0.3220 

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がO(f2)の解に大きく影響することから、二つの解析法による値の相違はこのことが起因 していると考えられる。

4 . 2 . 2  

実 験 的 な 検 証

没水水平版と不透過潜堤の水理実験を行い、理論値と実験値を比較することにより理論 解析法の妥当性を検討する。実験は、第2章で用いた実験装置を使用し、水深を

h = 

0.35m  の一定とし、水路の中央付近に堤体を設置して行った。水面変動は、容量式波高計を用い て計測し、造波板後方 3mで入射波高を測定した。理論値を検証するための測定項目は、

次の2つである。

(i)堤体中心から前方1.575m(4.5h)、後方3.675m(‑10.5h)の範囲において、0.105m(0.3h) に取った計51点の測点で、台車に乗せた5本の容量式波高計により水面変動を測定

した。各測点においては、水路端および造波板からの反射が入る前の水面変動を、サ ンプリング間隔 50msecで、個数300から 400個 を デ ジ タ ル デ ー タ レ コ ー ダ ー に 記 録 し た 。 実 験 に お け る 波 の 条 件 を 表 ‑4.2に示す。表中の URl'UR2は、それぞれ次 式で表される入射波領域と水平版上領域における Ursell数である。

R1 Q. 

=   !

一一一一一

1

O • L

' )

1

3  

L1  ¥ h1) 

J

11 El f / 

4

q a

r lu

hM

1/ ・ 11

¥

ん 一

一 一 ん

ここに、 Ll'L2は、それぞれ領域

( 1 )

( 2 )

における微小振幅波理論により得られる 波長である。これらのデータより、各測点における水面変動の時間波形を求め、また 時系列データをデータ長512個 で フ ー リ エ 解 析 を 行 っ た 後 、 基 本 角 周 波 数 と そ の2 倍、 3倍近傍のフーリエ係数について、それぞれ自乗平均を求め、各成分波の振幅の 大きさを算定した。

(ii)水平版の後端から 1m離れたところから 0.105m(0.3h)間隔で4本の容量式波高計を 固定して各位置における通過波の水面変動をサンプリング間隔50msecで、個数300 から750個のデジタル値として収得した。これらのデータに (1)と同様にフーリエ解 析を行い基本角周波数およびその 2倍、 3倍角周波数成分の振幅の大きさを求めた。

これより、式(2.7)で与えられる 1倍、 2倍、 3倍角周波数成分波の energy世uxと 入射波の基本角周波数の energyfluxとの比の平方根 (WTj;i = 1

2

3)および振幅比 を求めた。実験に用いた波の条件としては、相対水深を h/L = 0.075 ‑‑0.450まで 変化させ、波高をぐ

0 /

h = 0.28

, 

0.038

, 

0.045とした。

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