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ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 46-51)

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H / H  

図‑2.28波分裂があまり起こらないときの通過波の波高頻度分布

40 

2 . 6   む坑 F

以上示したように、本章で明らかにしたことは次のようである。

(1) 水深の深い海域を進行する規則波が没水深度の浅い没水水平版に入射するとき、水深 の急激な減少と自由表面条件の非線形性によってそれが微小振幅波であっても変形し ソリトン分裂を起こす。そして、水平版上での砕波が起こると否とにかかわらず水平 版を通過した波が再ぴ深い海域を進むとき、基本周波数の 1

2

3倍等の周波数をもっ 成分波に分裂し、各成分波がそれぞれの周波数に対応する位相速度で相互に作用する

ことなく、自由波として進行すると考えられる。

(2)波が有限な長さの水平版上を進行するときの各成分波における振幅の変化は、反射波 の影響により多少の変動を伴うが、無限長の水平版の場合と類似している。そして、

水平版を通過した後の各成分波の振幅は、その終端における値からほとんど変化しな い。従って、その値は水平版の長さにより異なることになる。

(3)水平版を通過した波において、 2倍以上の周波数の振幅が1倍のそれよりも大きくな ると、各成分波が自由波として進行すると考えられるため、通過波の波長は入射波の それよりも見掛けよ短縮されることになる。従って、没水水平版は、入射波をその波 長よりも短波長の有義波に変換する機能を持つことになる。

(4)波分裂にともなう高周波成分波の発生と成長に関して、水平版と不透過な矩形潜堤と では大きな違いはみられないことから、波の分裂現象が版上の流体域における有限振 幅波としての自由表面条件に拘束されて起こるものと解される。このとき、波長の長 い波に対しては水平版の版長を長くし、短い波に対しては版上水深を浅くすること により励起する高周波成分波の成長を促し、入射波を効果的に分裂させることがで きる。

(5)単一成分の入射波よりも 2つ以上の成分よりなる入射波の方が、水平版を通過すると き成分波相互間で非線形干渉が起こるため、励起される 2次・ 3次波の振幅が著しく 成長し、波の分裂が起こり易い。

(6)エネルギースペクトルの有義波周波数付近に尖鋭なピークをもっ海洋波が没水水平版 を通過するとき、そのエネルギーの一部は反射されるとともに高周波数成分波へ移行

41 

し、水平版を通過した後の波のスペクトル形状は版上で偏平化が行われたまま一定の 形を維持する。このとき、通過波の有義波周期は入射波のそれより 50%以下になる 場合があり、そのときの通過波の波高分布はレーリ一分布に従わず、また有義波高と

スペクトル波高の比例係数は 3.3程度になることを明らかにした。

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Chapter  3 

有 限 振 幅 波 の 定 常 非 線 形 干 渉 に 関 す る 理 論 解 析 法

3 . 1   まえがき

第2章で明らかにしたように、没水水平版による波の分裂現象は、たとえ入射して来る 波が微小振幅波であろうと、没水水平版による水深の急激な減少と自由表面条件の非線形 性に拘束されて起こるものと考えられ、また波と没水水平版との非線形干渉に関する定常 現象であると考えられる。そこで、本章では、没水水平版による波の分裂現象を有限振幅 波の定常非線形境界値問題として理論的に解析する方法を導き、数値計算法に関して検討 する。

ここで提案する理論解析法は、入射波の振幅と波長の比を微小パラメータとする摂動 展開法により速度ポテンシャルや水面変位などの未知量を級数展開し、それら未知量を基 本周波数の調和成分の和として表せると仮定した定常有限振幅波理論で、微小パラメータ の次数の小さい解からポテンシャル接続法によって随時解いていくものである。このとき、

従来のポテンシャル接続法で行われている固有関数に関する積分演算を行わずに、きわめ て簡単に解を求める方法(選点解法)を提案する。

本章の具体的な目的は、次に示す通りである。

(1)定常問題におけるすべての自由波動運動と強制的な波動運動を考慮にいれた2次の速 度ポテンシャルに関する解を導く。

(2)  (1)で得られた速度ポテンシャルを用いて、没水構造物(水平版と不透過潜堤、無限長 ステップ)に対する計算式を導き出す。

43 

(3)数値計算におけて精度のよい解を求めるための方法について検討する。

(4)  2次の速度ポテンシャルおよびその法線微分値である流速の収束性や鉛直境界面での 連続性に関して考察する。

3 . 2 理 論 解 析

3.2.1  基 礎 支 配 方 程 式

海域にある構造物に対して, xの正方向から (p)次の有限振幅波(Stokes波)が入射す る場合を考える。 1次のオーダーの波(微小振幅波)の振幅を (0、波数を k、角周波数を

σ(= 

27f

/T  :  T

は周期)で表し、図‑3.1に示すように流体域を鉛直の境界面によってい くつかの一定水深 hj(i= 1,2,'一)の領域に分割する。流体運動は非圧縮性かっ非粘性完 全流体の非回転運動を仮定することから、速度ポテンシャルが存在し、速度ポテンシャル φ

( x , z ,

t)が満足すべき支配方程式と境界条件は次のようである。

ラプラス方程式

θ2 争 θ2~θ2 争

一~+~+ーで =0ax2 . ay2  . az2  ‑ (3.1) 

運動学的境界条件

θ( θφθ

θ争 《

‑ー一一一一一

θt 'θzθzθz 

(3.2) 

力学的境界条件

寄 付 ( + H ( ) ¥( } = Q

(3.3) 

水底面と構造物表面の不透過条件

nu

‑ ‑

 

z

n d τ

σ  

(3

. 4 )  

44 

I  ( 2 )   h  2  I  x 

h d   I j ! 1  

( 1 )  

h 4   ( 4 ) ↓ c c ; ; : 4 7 ; ; 日 ヨ h l  

i T  

( 3 )   h 3   I 

図 ‑3.1  流体域の分割と諸量の記号

3 . 2 . 2  

摂動展開

( 3 . 2 ) , ( 3 . 3 )

の境界条件は、水表面z=((x

t)で成り立つべき条件であるが、水面波 形((x

t)自身が未知量であって、

( 3 . 2 ) , ( 3 . 3 )

式を厳密に適用することができない。そこで、

静水面 z=Oのまわりのテーラー展開により

( 3 . 2 ) , ( 3 . 3 )

式を z=Oにおける争Fθ争/θx.. 

等で近似すると次式を得る。

運動学的境界条件

¥1 BI tt f 

Z ‑

n d τ

z

σ  

/r f1 E1

¥ 

‑Z 

f

f

︑ 一

z

n

φ一z σ

n d

M Z

n d τ

‑ z

σ  

釘 一

+引委主)̲  2 ; 手 ( 芸 ) . . .  

( 3 . 5 )  

力学的境界条件

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純一

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