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とする。例えば,「後後部」のdaroo, deroo,
jaroo, Nrooなどを比較するとrooの部分が共通 であり,これを「後後後部」とする。また,
daroo, daro, daraa, dabeeなどを比較すると daの部分が共通であり,これを「後後前部」と する。もうひとつには,意志形「後後部」との対 応に配慮し,意志形「後後部」と同じ部分をここ では「後後後部」と認める。例えば,dabee,
Ndabee, darubee, naNbeeなどについては,意 志形でbeeを「後後部」としているため,ここで はそれを「後後後部」とする。以上,2つの観点 を併せて,「後後前部」と「後後後部」とを分割 する。その結果は表2−la〜dに示したとおりであ
る。
1.1.2.1.「後後後部」の形態→【記号の形】
【記号の向き】
(1)最初の音を重視し,全体の形も考慮しながら いくつかのグループに分類し,表2−Ia〜dの ように【記号の形】を与える。意志形との対応 をはかり,意志形と同一の形態には同一の記号 の形を与える。
②上記の各類のなかを,さらに「後後後部」の 2番目以下の音により分類し,それを【記号の 向き】で区別する。その際,b〜類, Nb〜類,
P〜類で共通に,
〜ee 上向き 〜e 右下向き 〜εε 下向き 〜ε 左下向き 〜ja 左上向き
としたように,各類間で統一に配慮する場合も ある。
なお,各グループ,所属形態の数が8つを越 える場合は,1つの方向を2つ以上の形態に与 える。ただし,その場合でも,1枚の地図の内 部において同一記号が生じることのないよフに する。また,ここでも意志形との対応をはかり,
意志形と同一の形態には同一の記号の向きを与 える。
1.1.2.2.「後後前部」の形態→【記号の塗りつ ぶし方】
全体の形の類似度に応じて【記号の塗りつぶ
し方】を付与する。同じ形態には同じ塗りつぶ し方を与える。例えば,以下のとおり。
da ■■▲
Nda 回■▲
zja □囚 ja Z皿町
i ΦくトUΨ認ぬ
なし □図006△ムロ〈>Ad口 1◇ムoqΨ↑Y留図A
ただし,「後後前部」の形態のバラエティーが,
それぞれの記号の形の塗りつぶし方の限度を越 えているため,大まかな与え方にとどまらざる をえない。具体的には表2−Ia〜dを参照。
なお,意志形では【記号の塗りつぶし方】は 「前後部」のバラエティーを表すために用いて おり,この点推量形の場合とは異なることに注 意してほしい。
1.2.「前部」の形態(表2−2参照)
エ.2.1.「前後部」の形態→【特殊線の形】
項目ごとに,「前後部」の形態に応じて,記号 の真下に表2−2のような線を付加する(仮に円形 記号を例として示す)。この線が特殊な形をして いるのは,終助詞付き回答を表す一本線と識別す るためである。なお,この線は,前述の「後後 部」の形態により【記号の向き】が決定された後 その向きを基準として真下に付加するものとする。
表2−2
112図「書くだろう」
kO(線なし)
99
・(〜
h〜)
「前後部」なし ⊆⊇
113図「来るだろう」
k O ・(⊇
h9 ・g θ9
114図「するだろう」
s O
θ9 §9
§§(・§)9
h9
これらの記号にさらに終助詞付きを表す一本線が 付加される場合には,次のようにする。
♀9
エ.2.2.「前前部」の形態
原則として,この部分を記号に反映させること はしない。すでに,ここまでの記号化で,ほとん どの見出し語形が区別可能となる。唯一,112図 において,〈kakuraa>とくhakuraa>とが区別 できないまま残るので,後者の記号に,本来「前 後部」がhである形態に与えるべき特殊線を臨時 に付与する。
2語彙的回答(「〜で(は)ないか」類を含む)
語彙的回答については,「前部」「後部」などの分割 を行わず,全体で次のように記号を与える。
(1)【記号の色】は紺とする(前述)。
②【記号の形】は,原則として線記号とする。
なお,「〜で(は)ないか」類の形態は,「で(は)ない か」にあたる部分に各項目間に共通性が見られるため,
その部分について統一的な記号化に配慮する。
●終助詞付き回答
原則として,終助詞の付かない同形と対応する記号に,
真下方向に一本線を付けた記号とする。この点,他の活 用形と同様である(詳しくは,第2集解説書10ページを 参照)。なお,「前後部」の記号化にも真下方向の線を用 いるが,これとの関連については,上記エ.2.1.で説明 したとおりである。
以上,「推量形」記号化の規則を述べた。これを,記 号のどの要素が,語形のどの部分を反映するかという観 点からまとめ直すと次のようになる。
際1】(真下方向以外)】}一
ll翻』 }「騰部」
【記号の塗りつぶし方】 「後後前部」
【特殊線の形】 「前後部」
【真下方向一本線】 「終助詞付き回答」
また,具体例により解説すれば,例えば,112図「書く だろう」の,
補〉 〈ka g uN dap Pe−naa>
前前部 前後部 後前部 後後前部 後後後部 終助詞 においては,
【記号の色】(紺色〉が,「後前部」がVQ・VNの類 もしくは「後前部なし」の類であることを,
【記号の大きさ】(小記号)が,「後前部」が上記の 中でさらにVQ・VNの類であることを,
【一本線の向き】(左上向き)が,「後前部」がVQ・
VNの類の中でさらにUNであることを,
【記号の形】(爪形)が,「後後後部」がペーの類で あることを,
【記号の向き】(右下向き)が,「後後後部」がペー の類の中でさらにpeであることを,
【記号の塗りつぶし方】(特殊な半ぬき)が,「後後 前部」がdapであることを,
【特殊線の形】(T字形)と【真下方向一本線】(併 せて,下に向けた十字形)が,「前後部」が9で あることと「終助詞付き回答」であることを,
それぞれ示していることになる。
2.2.3。凡例における記号の並べ方
1.【記号の色】により,まず大きくグループ分け し,原則として表2−la〜dで上から下へ順に配列 する。語彙的回答(「〜で(は)ないか」類を含む)
は最後とする。すなわち,水,緑,茶,赤,紺 (「後前部なし」類),榿,紺(「後前部」VQ・VN 類),紺(語彙的回答)の順が原則。ただし,共 通語形に相当する色のグループを先頭に配置する ことを優先する。このため,各図ごとに上記の順 序に変更が加わる。
2.茶・榿のグループについては,その中を【記号.
の大きさ】により分類し,表2−Ia〜dで上から下 へ順に配列する。すなわち,小記号,大記号の順。
3.それぞれの色・大きさのグループの中を,次に 【一本線の向き】により分類し,表2−Ia〜dで上 から下へ順に配列する(表2−la〜dでは語形のみ 表示。対応する記号については「各図の解説」中 の表2−3〜5を参照)。
4.それぞれの線の向きのグループの中を,次に
【記号の形】により分類し,表2−la〜dで左から 右へ順に配列する。
5.それぞれの形のグループの中を,次に【記号の 向き】により分類し,表2−la〜dで左から右へ順 に配列する。
6.それぞれの向きのグループの中を,次に【記号 の塗りつぶし方】により分類し,表2−Ia〜dで左 から右へ順に配列する。
7.それぞれの塗りつぶし方のグループの中を,次 に【特殊線の形】により分類し,表2−2で上から 下へ順に配列する。
●終助詞付き回答(記号垂直方向下向きに一本線を付 加)の凡例の位置
終助詞の付かない同形での採用語形があれば,その見 出しの直後に位置させる。終助詞の付かない同形がない 場合は,その位置を想定して同様の処理を行う。
2.3.各図の説明
ここでは,各図ごとに個別のことがらについて解説し ていく。「推量形」に特有の問題点やすべての地図に共 通する事項の多くは,すでに2.1.「語形の採用と統合」
で述べた。
l12.書くだろう
共通語における五段活用動詞の代表として「書く」を 取り上げ,その推量形を見ようとした地図である。推量 の意味を担う付属形式のバラエティーが豊富に見えてい る。まず,カクダロー,カクジャロー,カクヤローなど
「だろう」の類が西日本を中心に,カクローが新潟・山 口・高知などに,カクラが山梨・長野・静岡・愛知など に分布する。また,東日本にはべ一の類が優勢であり,
意志形の分布と比較してみると,両者を区別なくべ一で 表す地点が東北全般に多い一方で,意志をべ一,推量を ダンベー・ダッペーとダの挿入で区別する関東地方,意 志をべ,推量をべ一と長さで区別する福島浜通り,そし て,意志には別語形を用い推量のみにべ(+終助詞)を 使う青森・秋田など,いろいろな組合わせが認められる。
さらに,長野・静岡・愛知にダラズ・ズラの類がまとまっ た領域を形成しており,この他,東北北部にゴッタの類 が,入丈島にノーワが,九州にドの類が,琉球にハズの
類が分布する。この地図では,いわゆる動詞活用語尾の 形式に変種は多くないが,カコーが中国・九州北部およ び富山などに認められるのは注目され,109図「書こう」
(意志形)における同形の分布との重なりも興味深い。
さて,語形の採用にあたり,終助詞付き回答で不採用 にしたものは次のとおりである。いずれも,終助詞の付 かない同形が併用で回答されており,そちらを採用とし ている(終助詞の扱いに他の活用形と異なる点があるが,
それについては2.1.「語形の採用と統合」を参照)。
2785.15 [kag亡Ubεnε] [kag亡abεsε]
3649.73 [kag亡αbela]
3725.49 [kag亡Ube:na:]
3734.14 [kag亡αmbe=na]
3766.24 [kag山be:na]
3774.64 [kagl血be:na]
5508.16[カクヤロカ。イ]〈多〉(「書くだろうよ」
にあたる。)
6656.31 [kakube:rajo] [kakube:3a:jo:]
8314.52 [kakudodai]
8343.28 [kaddodai]
このうち,6656.31の回答については,それぞれrajo,
3a:jo:の部分を終助詞相当とみなした。
「推量形」の定義に合わなかったり,調査文の文脈か ら逸れた回答であるため不採用としたのは次のものであ る。まず,
7308.37[kako:ke:]〈「書くだろうから」〉
は,話者の注記のとおり接続助詞につながる形であり,
言い切りになっていない。また,
8352.61 [ketadodai]
は,同地点の過去形の回答が[keta]であり(第2集 96図「書いた」参照),したがって,上記の回答は「書 いただろうよ」にあたると考えられる。さらに,
1747.55 [kaidekurerundene:gana]
1801.80 [kaitekulreruldaro:]
7339.04 [kaitekureru3aro:]
は,「書いてくれるだろう」の意味,
6500.66 [kεe:teokosudaro:]
は,「書いてよこすだろう」の意味にそれぞれあたり,
いずれも調査文から外れている。
不採用にしたものの,意志形と.の関連で気を付けてお きたいのが次の回答である。
4761.07[kagulbe:]〈意志だけ〉(P)