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0〜6年 無職(もと農業)O・V6年

ドキュメント内 日本方言の記述的研究 (ページ 151-164)

農業 農業 農業 農業 無職 無職 農業 農業 農業

   ξ ヤ ソ

(騨校)

0〜6年 0〜6年 0〜6年 0〜6年 0〜6年 0〜6年 0〜6年 0〜6年 0〜6年 0〜6年 0〜6年

神職(三十八柱神社宮司)

       0〜6年

無職(もと農業)O・V6年

145

はじめ{こ

 1.奈良県方奢のあらまし

 奈良漿の方言は,川が瞭を境に南と北に州充しているように,天辻糠・笠木 峠・伯母峯瞭を境に南北に鋭い対立を示している。 したがって,南北いずれか

の1地点を選んで,それを県下の方言の代表とすることは無理ということにな る。ともかく北部大和は平雌・丘陵地帯で,交通上は大阪の支配下にある。南 部大和は由間部で,古来有名な書語島である十津川・北出・洞川を有している

ところである。

 1.1アクセントの対立

 北部は甲種アクセントであるが,南部はほとんど乙種アクセントである。北 部では特に開音節名詞第五類(雨)に特徴(ノL)があり,三音節名詞では京 阪地方に比べて多少の出入がある。南部では一音節名詞の「印「火」や形容講 の「赤い」 「白い」が同型であったり,また独立的に異なった型を示すところ

(下北山村南部)もあったりして乙種型の例外もあるが,繭北の対立から見る と,その差の方が甚だしい。

 1.2 音韻の対立

 北部では一音節名詞が長音化するが,南部では全くしないのを初めとして,

南部特有の音韻酌特徴は多い。 たとえぽ, 「窓」[mando](下北山村上桑原),

[mado](+溺U全村);「人」[ciso], [iso](YliJll*雪面ID;連母音/ai/が[a:](下 北山村,上北山村,十津川村,天川村洞川)となったりする。

         なお,県下全般の特徴として[kw],[gw],[なwヨ音の存在と,ザ行音が「dz]音 であることがあげられる。

 1.3語法の対立

 北部では「イケヘル」(奈良市「行きなさる」),「イッコッタ」(磯城郡「行きよった」〉

「アノミー」(奈良市,三輪駐Fあのねえ3),「ハヤハス」(磯城郡「早し・です」)などの 特殊なのを除いて,概して,打消「見ン」,「見ヤヒン」;命令「見イ」;断定「ヤ」,

      アコ        ワロ

「ヤPt 一」,「ヤッタ」;尊敬「ハル」,「ナハル」;丁寧「ダス」;音便「赤なる」,ヂ笑

 i46       奈  良  票

   の      カツ      サイ

た」,「買た」,「借た」,「差て」;助詞「ヨッテソ」(から),「カテ」(でも),「ナー一」

(ねえ)など,中部近畿の特色を担うものである。南部では「受クル」「落ツル」

「笑ワルル」(十津川村)の二段活用が残り,敬語に「タモレ」(下北山村)が聞 かれるQ 動詞㌃こ「出ラソ3「見ラソ」,打消「ソ」「セソ3,命令「イコーラ(イ)」

(十津川村,下北山村,天川村坪内)「イカンシ(ヨ)」(天1騨衡剛D,断定「ヂャ」「ダ」

がある。尊敬・丁寧は助詞による表現を用いる。音便「トーダ」(飛んだ)「ノー ダ」(十津川,下#ヒ由村「飲んだ」)罫オヤンダ」(溝痛「泳いだ」)「オヨインデ」(坪内

「泳いで」)の形は撹音便形成論の一一 ,Si料となろう。終助詞「ノーラ」(+津川)「ネ ヤ」(大塔村,坪内,下北由,上北由)「ニヤ」「=ヨ」(澗1の は,形態・ 」一ig法とも 注目される。

 2.方書から見た調蚕地点の位置と性格

      セ キ   ナ ダ

 調査地点は磯城郡織田村である。同村は北部大和の平環部の中心地域を占め ている純農村である。したがって,前述のような,北部の方言的特色を十分持 っている○また隣接地域(纒向村・多村・耳成村・大福村・三輪町)とは方言 的視野からは大差がない。特に同村は近畿臓本鉄道に遠いため直接大阪の影響 を受けることなく,織田村方需の純粋性を保っていると書えよう。

 1.1 はしがき

 奈良県磯城郡織濁村の音韻調査にあたり,同村生え抜きの60歳以上の数入を 選んで調査したが,いずれも特異な音韻を示すものはなく,まず織田村の音韻 とみなされるものである。同村はもと旧幕時代織田一万石の所領であって,現 今なお少数の±族が残存しているが,その士族某氏について観察したところ,

音韻的には全く他の被調査者と等質であることを確認し得たっ

 記述の体裁は,母音・子音・音節の順序に従う。母音と子音は語頭および語 中尾の場合につき発音上の差の有無に注意し,音節においては必要に応じて子 音・母音にまで分解して考察することにした。

 また語彙的な現象こは触れないことにしたが,ただ一一・.ndでもきわめて特色の

      音 銀       147 ある発音(1. 2の13参照)については,従来その実態が知られていないだけに特に 取りあげることにしたQ

 発音記号はすべて国際音声記号によった。ただし,下記項暦のうち, 「一音 節名詞の長音化」以下は,音韻論的見地から,音韻記号を使用することにした。

また,慣用と異なる記号には特に説明を加えることにしたQ  l、2 織磁村方言の音声の特微

 織田村方書の音声は中郡近畿方雷に属する。いわゆる発音が正しい,詑音現 象の少ない地方であるため,特に取りたてて言うべき特徴はないと言えよう。し かし,全圏の方雷から見ればやはり幾つかの特徴をもっている。いま,その法 則的・やや法則的な特微についてあげると,次のようなものである。

 (1)語頭単独母音[i]の後続頭子音が[W]の時は,その[i]は[ju]となる。

 (2)語頭の単独母音[U]の後続頭子音が[m][g]の時は,その[U]は〔m]

[項となる。

 (3)連母音の「ei]はすべて[ei]となる。

 (4)連母音の[ou]はすべて[o:]となる。

 (5)連母音の[ea]はある綱限をもって£a]となる。同じく[eo]は[o],

[ei]は[ej,[玉ojは[O] となる。

 (6>連母音〔aaヨには[w][」],[ua]には[w],[ia,圭0, ae]には[j]の グライドがはいるQ

 (7)ガ行音は語頭では[9],語中尾では[8]となる。

 (8}室町期の京都語の/kw, gw/がそのまま〔kw, gw, ljW]として残存

している(、

 (9)[s]膏はしぼしぼ[h]音と交替する。

(10)サ行のr∫]は〔9]に近く,破裂子音の前の[∫]が[9]になる。

       

 樋 ザ行の音価は[dz]であり,[i]の前では[3]となる。

 ㈱ 語中の[m 1と[b]とは交替することがある。

 働 語中尾のハ行音の中,「塩」に限り,両唇の有声摩擦音(平唇)[β]が聞 かれる。

 〈U) [ju]は[i]となることがある。

 148       奈  良  票

 ㈲ [3u]は[3i][zu][ri]と交替することがある。

 飼 一音節名詞は長音化される。

 ㈲ 陣列の長音において多く短音化される。

 (18)介音は,[d][b][m][n][g]音の前で,また「長音節」「鼻音節」に

:おいて起る。

 働促音は後続音節の母音が[a,o]のとき,また Lk][t;t∫;ts][s]

[∫] [P]の前で起る。

 圃 拗音は後続音節が母音[a,o]のとき,また擁音・促音のあとで起る。

 おもな特徴は上のようなものであるが,音韻変化がわずかの語にしか見られ ないようなものは,ここでは取りあげなかった。また織田村以外の特徴と比較

して,同村では絶対にそのような特徴はあり得ない場合は,それも特色として 考えられると思うので,末羅に簡単に付け加えることにした。

 2.その特徴の説明

 (1)[i]十[W]→[ju](語頭の場合)

      いわれ

 たとえぽ「岩」ゼ祝い3「鰯」「由緒」などの語は,それぞれ,[juwa]・[iuwai]・

[juwa∫i],[juware]と発音される。語頭の〔i]が後続子音[W]の影響によって

[ju]となるものである。語彙的なものとして 「位牌」 [juha月, 「衣桁」

[juko(:)]があるQ

 (2)[U]十[m]→[m],[U]十[ll]一一〉[8](語頭の場合)

 だいたい「ウ」の音は,東京の唇の燐めを伴わない[田]に対して,京阪の は唇の円めをともなう[U]であると言われているが,やはり織田村でも[U]

音である。しかし,後続子音に[m][glが来るときは,その子音に[罵化されて

[m][O]となる。たとえば,「馬」「うまい」「梅」「海」はそれぞれ,[mma],

[mmaiコ,[mme],[mml]のように発音される。また,「鶯」「動く」なども

[1311uiSU],[鞠oku]のように発音される。もっとも,これらは,語彙的に,

[均oku][inoku](動く),[船oiSU](鶯)と形を変えることもある。

 (3) [ei]→[ei]

 rイ」を含む連母音の中,「エイ」はすべて[e:]となる。たとえぽ,

  [elser]衛生  [te:ner]丁寧  [lceisatsu]警察  [se=to]生徒

      者 韻      !49 のようなものがある。ただし,「アイ」「ウイ」「オイ」の連母背では変化がな        すいかい。たとえば,「無い」は[nai]であり,「西瓜」は[suika]であり,「太い」

は[Φutolコである。ただし,[kai](痒い),1:e:](良い)は例外。ついでに

「イエ」は[merrul(見え.る),[ke:ru](消える)の2語を例外として,あと は[9沁ru](冷える),[墨eru](癒える),[nieru](煮える)のように連母音 のままである。

 ←4) [OUヨ→[0:], [au ]→[0(1)]

 いわゆる一行四段のウ音便および形容詞のウ音便が近畿方雷の特色でもある が,いまその語中のハ行音の「フ」を/u/であらわすならぽ,/ou/,/au/の 連母音が考えられる。たとえぽ「負うた」「良うなる」などの場合は,/outa/,

/jou naru/のような達母音が考えられる。ところが,それらの連母音は[o(:)]

と発音されるわけである。たとえば,

[0:ta]負うた    〔jOinaru]良うなる

[∫ironaru]白うなる  [orta]会うた

[warote]笑うて

[jatote]雇うて

[no:naru]無うなる

のようなもの。これらは共通語との対応においては考えられないものではある が,著しい特徴である。このうち,第一音節の長音化以外は,rjatote](雇うて)

[∫ironaru](白うなる)のように短音化される。

 これと同じく京阪語の「コナイ(=)」 (こんな(に))に紺応ずるものとして

「コネソ」[koneD]がある。/ai/カミ[e]となった例と醤え.よう。 これはいわ ゆるコソアド系(〔sonen, anep, doneDコ)に見られるものである。

 (5) [eaヨ→〔a 」,[eQ]→[o],〔ei]→[e],[io]→£0](語中尾の場合)

 たとえば「書ってあった」のような,動詞の連用形(あるいはrテ」を介し て)にいわゆる補助動詞(後述)を付けた形における連母音では,1:jurtattal

(言ってあった),[mitOIAU](見ておる),[ka重teku](書いていく),[ikkoruコ(行き おる)のようになる。また補助動詞「やる」の半母音[jlのときも,たとえぽ,

[kitaru](来てやる),[mitaru](見てやる)のように,/eja/はしa]となる。た だし,この種の熟合の場倉以外は変化を起さない。

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