O〜6年 7〜9年
28 山 形 喉 2.6 ei>oe
28 山 形 喉
. 習 韻 29 いはその子音が鼻音化するのか。枝は[e−da]か[e−da]か。 自分で発音し てみると,そのいずれでもある。横山辰次氏のように「母音が鼻母音となると 共に子密も亦鼻子音となるもので,葛がgに対するものであると同じように,
その鼻濁音は夫々普通dbの濁点に対するもので, dbとは別にdbと表記し
たい」と考える。 しかし,肌着[hadaBi],下り [ktndari]を例にとれば,第2音節にアクセントをおくときはその前の母音は鼻畜化しないように思われ るし,鼻の両側を抑圧して[haj,£k田3を鼻音化した後には,[d]音を鼻音 化せずにはこのことばは発音できない。そこで,第2音節以下に鼻子(濁)音 の存在を認め,そして第1音節にアクセントがある場合には煎の母音が鼻母音 になるのであると考える。つまり,肌をハダといえば[haaa],パダといえば
[h瀬aコとなる。一型アクセントのこの地方では,音調高低の場所が一定して いないからハダとも犬ダともいえる。本稿の表記に当たり,[姻以外は,償例 に従って,母音の.貝こ〜印をつけて表わす。
4.2 饗母音化の語
〈1)第2音節以下の[9]・[dz]・[d]・[d3]・[b〕の前
釘[k鞠iコ,禿げ[h的e],癒[adza],謎[nadzoコ,腐εhada],木戸[kIdo3,風
[kad.se], }旨[さ{hb茎コ。
(2>清音化した[kl](kruの設),[ts躰],〔P1],[P{郵の前
[mδklSae]みぐさい,〔∫inaklSaeコきなぐさい,[m鱗SO]馬糞[m1t鱒SaW講
コ ばな ガ
水沢,[m1t鱒pana]かく嵐〔katsglkaコ鰍(かじカ・),[翻ts塚1kae]短い, [k tupl to]
首,[s磁pita]瀞(へた),[kfiptpkerua]かぶれる。
これらは濁音が清音化したもので,この中には通鼻音が独立して1音節の[n]
音にな:ることもある。
馬糞〔mankISO],みぐさい[menklsae〕
5.子音
5.1 [k], [9]音
(1)第2音節以下の[kjは次にあげる例外を除いて,すべて[g]になる。
締[kagf],鳴く〔nagzu],酒[sage],箱[hago].
例外 1)揆音の次(行火・うんか・関係・参考・爾こ餅)
例外 2)促音の次(真赤・薄雪・四El・さっき・真っ暗)
ただし,促音化したルの次の[k]は濁る 例。来るか〔kvagga],煮るか
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︶2
︵
(3)
という。(行かない[euane],行け[eoe])。ときに[n, pu1]「行く」,[ppane]
「行かない」ともいう。「.死ぬ」を置賜地方で[∫ iPUJ]という所もあることを考 えると,「行く」の皐月でなく「往ぬ」の残存形態([inUJ]一[iPUJ]一[閃UI])と 見るべきものかも知れない。
(4)[ki]は[kgi]のように口蓋化した発音のため,他の地方の人にはチ
[t∫i]と聞き誤まられる。(私も金色をチンイロといったとて笑われた経験を もつ。地方人はお互に正しくキ音を発音してると信じている。)置陽・庄内地方 では,村山地方の人の耳にも.ル様に響くほどこの傾向が強く,特に拗音にはっ
きりとあらわれ,「今日」は[t∫o=],「教室」は[t∫o:sidz苗]と聞こえる。(斎
藤秀一一「王国方言における子音の特徴」にも,チャダチ 脚楊,チョー 灸・今日,チャ
ファン 脚絆,チョネソ 去年,チョーデ 兄弟 などの例をあげている。)
(5} クワ,グワ音 村山地方では聞かない。庄内地方では,かつては行われ 山 形 県
〔nigga],生れるか[mmareg9 a].
例外 3) 無声母音の次
[klkane]聞かない(聞くは[kigua]という),[s中kae]酸い,[∫lkarl]光,
[tasu工ka]外力、e
例外4)長音(ほとんどが漢語)の次の〔k]音は濁らないものもあり,濁る ものもある。
濁らない語例一休暇・農家・陛下・定価・二三・通勤・休憩 濁る例 廊下・十日・城下町・正気・平気・窮屈・証拠 例外 5) 通鼻音の次に来る無声母音を持つツの次
わずか[watsφka],鰍[katsil」ka],短い[mitsφkae].
例外 6) 接尾語のコ
猫子[negokoコ,子守こ[kornmoriko],杓子こ[∫aguls中ko].
例外 7)擬声・擬態語の畳語の[k]音
ポカポカ,ポキポキ,ハキハキ,チャキチャキ,ポコンポコソ.
例外 8)接頭語を伴う語の頭に来る[k]音および複合語の第二要素の頭に来 る[k]音
カラ小績,ウスきたない,鼻くそ
第2音節以下の[g]は[1]に.なる。(鼻母音の項参照)
上る[agartU],苺[edz苗go]など。
「行く」という一語だけは,内陸方言では[egcu]といわずに[ePtU]
音 韻 3三 たが,今は無いと「東北の方謝に書かれている。しかし,鶴岡在の老入から
[kwabuunjo](ありがとうの意)など聞かれる。 r桑」は,耕由地方で〔k學F講と も[k伊wa]とも書うが,2音節である。東村由榔で「桑扱き」をカーコギという 所もあるが,[ka:]であって[kwa]ではない。庄内・飽海郡の調査によると,
「桑」は[ka:1と[kwa]が並用されている。「唐鍬」も村山地方では[togwa]
で なく3音太f 3 e・こし、うG
(6)kゼ亙>kl(例.草[1〈lsa])については母音の項参照。
{7)語頭のk>9の例
か ヰ
蟹〉ガニ,容穰〉ガサ,かさばる〉ガサパル,郎子〉ガエラゴ,ガエラグ,かば ん〉ガパン,からっぽ〉ガラソポ,がらあき〈ガラアギ,感付く〉ガソヅグ,棺箱 〉ガソバゴ、皮〉ガワ(饅頭の鹸よリガワがうまい),周闘〉グルリ,くるつと〉グ ルツト
かか
その他,庄内に,母さん〉ガガチャなどの例がある。
5.2 サ行・ザ行巷
(1) シとス(付.ズかヅか)
東北方言のシスチツの混岡はよく論ぜられ,改めて説く必要もなかろう。北 奥方欝系の庄内では[si](または[∫茎])でシに近く,南奥方雷系の内陸地方 では逆にシが[s滋]となり,スに近く発音する(母音の項参照)。 ヂとジ,ヅ
とズの区劉はもちろんないが,その音価は[dz],[d3]か[z],[3]かとい うに,たとえば「癒」を舌頭に音表現してみると,ザの養の位置はツァと同じ であって,サの発音部位にはないことを実験できる。これは本来のジが無声愚 音化した場合にはシとならずに,チないしツとなることでも菰明される。本寸山
かじか みじか
方需の例でみると,鰍[kstsquka],案じ事〔誰s夢kodo],短いrm笠ts夢kaeユ のようである。なお,金田一博士・小林博士・小倉博士・横Lti辰次氏らも[dzj,
[d3]と見ておられるQ
(2)スにならぬシ 共通語のシは南奥方雷ではスに銚るから,シが全然な いかのように考えられがちだが,語腹にあって次にタ,テが来る時は無声母音 のシとなり,スとはならない。
貸した[ka∫il ta], 明臼[a∫難a],
消して[keSlte], 決して[ke∬iLte]