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51 1.海外展開の経緯

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富山県高岡市は 1600 年代始めに大阪から鋳物師を 7 人呼び寄せたことから始まった、400 年の歴史あ る工業の街であり、日本唯一の銅合金鋳物の産地として幅広いジャンルの製品を製造している鋳物産地。

しかし、伝統工芸のご多分に漏れず、バブル期をピークとして、売上は 3 分の 1 程度にまで減少。ライ フスタイルの変化とともに仏具や茶道具の需要が減り、(株)能美も売り上げが低迷した。そこで同社は、

従来の問屋からの受注生産とは別に、自社開発製品による市場開拓に乗り出した。

転機となったのは 2001 年。能作克治社長が自らデザインした真鍮(しんちゅう)製のハンドベルを東 京原宿のギャラリーで発表すると、素材の美しさを生かしたシンプルなデザイン、真鍮ならではの澄ん だ音色のハンドベルが来場者から高い評価を受けた。また、ギャラリースタッフからの「風鈴にしたら もっと売れるのでは」という意見により、早速、ハンドベルを風鈴にアレンジして販売したところ、3000 個を売り上げるヒット商品となった。

海外に進出を企図したのは、金属製品は欧州が本場であり、そこで評価を受けることにより世界ブラ ンドになりたいと考えたからである。また、高岡銅器の中でも輸出に力を入れようという話が持ち上が っており、そうであれば同社が先頭に立って轍を作ろうと考えたためだという。そこで 2010 年からパ リのメゾン・エ・オブジェや上海の IHDD(インターナショナル・ホーム・デコール・アンド・デザイン)

に、2012 年からドイツのアンビエンテ、ニューヨークの国際ギフト・フェアーに、2013 年からフラン ス・リヨンのシラ見本市に出展している。

2.海外展開状況

同社では、とにかく出展し続けることが重要だという実感を持っている。実際に、海外の展示会に出 展し始めて 2 年後に、フランス・パリの百貨店、ボン・マルシェからオファーが来たという。その他に も多くの商談があり、ヨーロッパやアジアの企業からの受注やフランス大手セレクトショップとの取引 につながるなど、思っていた以上の成果を得ることができた。また、継続出展することで、小間位置も、

次第に良い場所を確保できるようになっている。国際的な展示会はマーケットの縮図であり、商品のサ イズ・色などのマーケティングができ、海外の著名なブランドとのスケールの大きな出会いもある。ま た、通訳や協力者などの人脈もできるため、得られるものは大きいという。出展に係る経費負担は大き いが、年々売上げが増加しているため、現在ではその利益を出展費用に充てられるようになっている。

続けていくことが力となるため、海外の展示会への出展も最低5年は必要と考えている。

なお、海外では、基本的には日本国内で販売しているものとは異なる商品を展開。その理由は、その 土地にあった商品を作って売ることが大事だからという側面と、価格設定の観点からも、市場ごとに違 う商品を販売していれば各市場で価格を揃える努力をしなくて良いというメリットがあるためである。

ただし、すべての商品を現地化させることは容易ではないため、国内外の取引先や顧客から信頼を失わ ないよう合理的な範囲で、各市場ごとに価格の設定をしているという。また、海外事業に関するノウハ ウを社内に蓄積するため、海外事業の担当者を設け、メールの返答や展示会出展業務、契約書締結業務、

通関業務など、海外事業に関する全ての業務を内製化。これにより海外の人的ネットワークも、より強 固に繋ぐことができている。

現在はイタリアのミラノに直営店を出店。順調に売り上げを伸ばしているが、海外に直営店を出すの は現地のニーズを把握するため。例えばイタリアでは、テーブルクロスを汚さないよう、赤ワインのグ ラスを置くためのテーブルウェアとしてのお皿の市場があるが、そういった声は現地にいなければ耳に 入ってこない。そのほかにも、フランスでは盃をソース入れに、小鉢をフィンガーボールに使用したり、

中国は赤と金が好きなため梱包用の桐箱を真っ赤に塗ると高好評だったり、現地に出向くとその国なら ではのニーズが分かるため、海外に赴いて現地の声を集め、日本で海外仕様の製品を開発し、海外へ販 売していくとしている。

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Ⅱ.海外市場動向の把握 1.生産の状況

(1) 世界における主要生産地域の生産数量と動向

2015 年の世界の真珠生産数量は、海産真珠で 47.5t(12,670 貫)、淡水も入れたすべての真珠では 1,598t(42.6 万貫)となっている。この数字は各国の現地統計、輸出統計及び業界関係者へのヒアリン グにより算出したものである。

海産真珠のうち日本の占める割合は生産量で 42.1%、金額では 33.5%となっている。一方淡水真珠 を含めたすべての真珠においては圧倒的に中国の生産が多く、数量で 97%、金額で 87.3%ものシェア を占める。

真珠の主要な産地としては、アコヤ真珠の日本と黒蝶真珠のフレンチポリネシア、白蝶真珠のオース トラリア、インドネシア、フィリピン、ミャンマーである。

アコヤ真珠は日本とベトナムのみで、以前中国でアコヤ真珠が盛んに養殖されていたが、2016 年現在 ではほぼなされていない。なお南洋真珠は前処理はされるが、後処理は殆どされないので、日本に輸入 されるとすぐに香港へ持ち出される。

生産される 主な真珠の 種類

2015 年生産量

生産量 (kg)

生産金額 (億円)

生産量

(貫) 匁単価(円) 数量 シェア

金額

シェア 将来見通し 日本 アコヤ 20,000 134 5,333 2,513 42.1% 33.5%

オーストラリア 白蝶 2,100 67 560 12,008 4.4% 16.8% 700-800 貫 フレンチポリネシア

(タヒチ) 黒蝶 12,887 84 3,437 2,439 27.1% 21.0% 3000 貫 インドネシア 白蝶 6,649 38 1,773 2,129 14.0% 9.4% 1500 貫 ミャンマー 白蝶 1,500 40 400 9,983 3.2% 10.0% 600-700 貫

フィリピン 白蝶 2,071 24 552 4,382 4.4% 6.1% 650-700 貫

ベトナム アコヤ・南洋 2,250 12 600 2,017 4.7% 3.0% 700 貫

フィジー 黒蝶 56 1 15 4,033 0.1% 0.2% 30 貫

海産真珠合計 47,513 400 12,670 3,154 100% 100.0%

中国 1,550,000 2,739 413,333 663 97.0% 87.3% 45 万貫(政府の 2018 年予測)

海産+淡水合計 1,597,513 3,139 426,004 737

※日本は農林水産省「漁業生産統計」。ドル換算は 2015 年の年間平均為替レート 121 円を採用。日本では一部淡水真珠と 南洋真珠が生産されているが、ごく少量のため表の数字には含まれていない。

※オーストラリアの生産量は全体の 8 割を占めるパスパレイ関係者へのヒアリング数字を基に算出。生産金額は輸出統計 を基に計上した。将来推計についてもパスパレイ関係者へのヒアリング。

※タヒチは輸出統計を生産数字に当てはめた。将来予測はタヒチパールプロモーション(日本の主要タヒチアンパールの 輸入企業とタヒチの真珠生産者連合が広報事業協定を結び設立した組合)らへのヒアリングを基に算出。

※インドネシアはインドネシア真珠協会統計及び輸出統計による。ヒアリングによる金額は倍近い乖離があるが、ここで は統計上の数値を採用した。

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※ミャンマーは、日本のミャンマー産真珠輸入関係者へのヒアリングから現状数字及び将来予測を推計。

※フィリピンは輸出統計を生産数字に当てはめた。

※ベトナムは養殖業者 3 社中のシェア大半を占める 2 社への取材により現状と 10 年後を推計した。

※中国は政府統計。但し金額は 2013 年度のもの。

(2)国別の生産量と今後の生産見通し

① 世界シェア

※P68の調査方法による

日本 42.1%

オーストラリア 4.4%

フレンチポリネ シア(タヒチ)

27.1%

インドネシア 14.0%

ミャンマー 3.2%

フィリピン 4.4%

ベトナム 4.7%

フィジー 0.1%

海産真珠生産量シェア

2015

世界合計47.5t

日本 33.5%

オーストラリア 16.8%

フレンチポリネ シア(タヒチ)

21.0%

インドネシア 9.4%

ミャンマー 10.0%

フィリピン 6.1%

ベトナム 3.0%

フィジー 0.2%

海産真珠生産金額シェア

2015 世界合計

400億円

海産真珠合計 3.0%

中国(淡水)

97.0%

真珠生産量シェア

2015 世界合計1,598t

海産真珠合計 12.7%

中国(淡水)

87.3%

真珠生産金額シェア

2015 世界合計 3,139億円

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② 世界の中の日本のシェア

下図は、日本を取り巻く世界の真珠流通の総図である。日本は世界の海産真珠の生産の中で実に 69.1%の流通に関わるまさに真珠の中心地と言える。

※各国の貿易統計や生産統計数字等より矢野経済研究所が推定。推定方法については

P68

参照

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③ アコヤ真珠のシェア変化

Seawater Cultured Pearl Industry by Andy Muller

より

25 年前に世界の海産真珠の9割以上の金額シェアを占めていたアコヤ真珠は現在 3 割を切る状況とな っている。これはアコヤ真珠の生産減少と南洋真珠の生産拡大が要因である。

しかし、近年アコヤ真珠のシェアは再び拡大傾向にある。

■アコヤ真珠のシェア変化

アコヤ真珠 93.2%

白蝶真珠 5.6%

黒蝶真珠 1.2%

種別金額シェア

1983 世界合計 429百万ド ル

アコヤ真珠 75.5%

白蝶真珠 15.1%

黒蝶真珠 9.4%

種別金額シェア

1993 世界合計 795百 万ドル

アコヤ真珠 26.8%

白蝶真珠 44.4%

黒蝶真珠 28.8%

種別金額シェア

1999 世界合計 489百万ド ル

アコヤ真珠 26.6%

白蝶真珠 48.8%

黒蝶真珠 24.6%

種別金額シェア

2005 世界合計 508百万ド ル

アコヤ真珠 17.7%

白蝶真珠 46.9%

黒蝶真珠 35.4%

種別金額シェア

2009 世界合計 367百万ド ル

アコヤ真珠 28.0%

白蝶真珠 48.4%

黒蝶真珠 23.6%

種別金額シェア

2013 世界合計 397百万ド ル

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