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4. 2 防災課題のまとめ

ドキュメント内 習志野市防災アセスメント調査 (ページ 62-69)

被害想定結果をもとに、地域の危険性を総合的に把握し、防災対策上の課題を抽出・

整理したものを、想定地震別に表- 4. 2.1、表- 4. 2.2にそれぞれ示す。また、内水はん 濫による防災対策上の課題を表- 4. 2.3に示す。

表- 4. 2.1 防災課題のまとめ[東京湾北部地震(M7.3)](その1)

予測項目 防災課題

地震動の予測

東京湾北部地震による地震動の強さは、震度6弱から6強の強い揺 れに見舞われる予測となった。この地震動の強さは、平成23年(2011 年)3月11日の東日本大震災時に経験した震度5強より、1~2ラ ンク大きいものであり、今後このような強地震動に対する防災対策 の充実が必要である。

液状化の予測

市南部の大半は昭和 40年代以降に埋め立てられた埋立地であり、

東京湾北部地震による強い揺れによって液状化しやすいと評価さ れた。また、菊田川・浜田川に沿った谷底低地でも液状化の可能性 が予測された。

これらの液状化対象地域では、液状化しやすさマップの作成や液状 化対策についての情報提供・啓発といった対策が必要である。

急傾斜地崩壊の予測

市内には急傾斜地崩壊危険箇所が37箇所ある。うち13箇所が、平 成23年(2011年)3月11日と平成24年(2012年)6月5日に土 砂災害警戒区域・特別警戒区域に指定されている。この急傾斜地崩 壊危険箇所37 箇所を対象に、東京湾北部地震での危険度判定を行 ったところ、「危険度が高い」と評価されたのは25箇所となった。

今後、地震に伴う土砂災害のみならず、地震後の降雨による複合的 な土砂災害についても検討する必要がある。また、危険箇所の情報 や、土砂災害のおそれがある場合の避難に関する情報を住民に周知 させるよう情報伝達に努める必要がある。

建物被害の予測

市の全建物棟数は33,540棟であり、そのうち木造建物は25,170棟

(75%)である。1981年(昭和56年)以前の木造建物は9,932 棟 あり、全建物の30%にあたる。

東京湾北部地震の揺れ・液状化現象により、全壊は2,240棟、半壊

は6,051 棟、計8,291棟の建物が半壊以上の被害を受ける予測結果

となった。

木造建物、とくに1981年(昭和56年)以前に建築された建物の所 有者に対し簡易耐震診断の実施を促すよう啓発することや、耐震改 修費の助成制度について周知に努める必要がある。

地震火災の予測

冬の18 時に発生した地震の揺れにより全壊した建物から出火・延

表- 4. 2.1 防災課題のまとめ[東京湾北部地震(M7.3)](その2)

予測項目 防災課題

ライフライン被害の

予測 ライフラインの機能停止は生活支障に直結し、避難者を生み出す原 因となる。とくに、上水道の停止による避難者は避難者数の7割以 上を占めるため、上水道施設の耐震化や老朽化した水道管の更新、

応急給水の迅速な実施といった対策の強化が望まれる。また、自 助・共助の範囲での対策として自宅内、あるいは町内会や自治会単 位での備蓄を促進するよう啓発を行うことも必要である。

下水道の機能停止では、トイレが使用できないことによる生活環境 の不安や衛生面の悪化による疾病の発生といった問題があるため、

仮設トイレの設置などの対策や、簡易トイレの備蓄を促進するとい った対策を進める必要がある。

電柱の被害による停電は、11,003軒で発生すると予測された。停電 による影響では、冷暖房や空調、家電機器の停止による生活支障の ほか、高層住宅では配水用のポンプ停止による断水のおそれもある など、避難者への影響が懸念される。上水道の場合と同様に、生活 必需品の備蓄や通信・情報機器の備えを促進するよう啓発の必要が ある。

交通施設被害の予測

交通施設については、市内を通る緊急輸送道路、道路橋梁、鉄道路 線について評価した。

緊急輸送路では、千葉県・習志野市指定の緊急輸送路総延長70.5km に対し、8箇所の道路被害が予測された。災害時には緊急車両や防 災関連機関の活動に利用される緊急輸送路の被害は、応急対策活動 全般の妨げとなるため、盛土部分や法面の点検などを通し、道路被 害の抑制に努める必要がある。

道路橋の被害では、習志野市道にかかる 10 箇所の橋梁を対象に、

建築時に適用した道路橋示方書の年度に基づき、起こりうる最大の 被害を予測した。中規模被害が1箇所、大規模被害が6箇所、落橋・

大被害が3箇所という結果となった。橋梁の耐震化の促進が必要と される。

鉄道の軌道被害では、3事業者計17.0kmの営業路線に対し、16箇 所の被害が予測された。鉄道の被害は、習志野市における帰宅困難 者の最大の発生要因であるため、各事業者などと協働した対策が望 まれる。

表- 4. 2.1 防災課題のまとめ[東京湾北部地震(M7.3)](その3)

予測項目 防災課題

人的被害の予測

東京湾北部地震では、建物の倒壊などによる死者は162人、火災に よる死者は61 人と予測された。重傷者を含む負傷者は、建物倒壊 や室内での転倒・落下物を原因とするものが1,683人、火災による ものが130人となった。

すでに建物被害の対策として挙げられた住宅の耐震化促進、地震火 災の対策として初期消火の徹底を推進するほか、室内の家具・家電 の転倒防止策の啓発も必要とされる。また、大量の負傷者に対応す るため、迅速な救急・救助活動と医療搬送体制の整備が必要となる。

また、住民主体の初期医療を可能とするため、救急・救命に必要な 応急手当の知識や技術の普及を促進することや、医薬品・医療資機 材の備蓄といった対策も望ましい。

避難人口の予測

避難者の想定は建物被害と上水道の断水による原因から算出した。

避難者が最大となる発災1日後には、89,699人となり、市の人口の

54%が避難者となる可能性がある。そのうち65%の58,304人が避難

所生活者となる。市の避難施設での収容人員は、21,827人とされる ため、避難者の収容力は大きく不足している。小学校区単位で評価 した場合では、実花小学校区、袖ヶ浦東小学校区を除く 14 小学校 区で収容力が不足した。

このことから避難者の発生を抑制する必要があり、ライフラインが 停止した場合でも住宅が無事である住民が避難所生活の必要が無 いような対策を講じる必要がある。ライフライン被害での対策と同 様、自助・共助レベルでの備蓄を促進するよう啓発に努めることが 必要である。

表- 4. 2.2 防災課題のまとめ[習志野市直下の地震(M7.3)](その1)

予測項目 防災課題

地震動の予測

習志野市直下の地震による地震動の強さは、市内ほぼ全域で震度6 強の非常に強い揺れに見舞われる予測となった。この地震動は平成 23年(2011年)3月11日の東日本大震災の地震動よりも2ランク 大きく、今後このような強地震動に対する防災対策の充実が必要で ある。

液状化の予測

市南部の大半は昭和 40 年代以降に埋め立てられた埋立地であり、

習志野直下の地震による強烈な揺れによって液状化しやすいと評 価された。また、菊田川・浜田川に沿った谷底低地でも液状化の可 能性が予測された。

これらの液状化対象地域では、液状化しやすさマップの作成や液状 化対策についての情報提供・啓発といった対策が必要である。

急傾斜地崩壊の予測

市内には急傾斜地崩壊危険箇所が37箇所ある。うち13箇所が、平 成23年(2011年)3月11日と平成24年(2012年)6月5日に土 砂災害警戒区域・特別警戒区域に指定されている。この急傾斜地崩 壊危険箇所 37 箇所を対象に、習志野市直下の地震での危険度判定 を行ったところ、急傾斜地法に基づく対策工事を行った6箇所を除 く31箇所で「危険度が高い」という評価となった。

今後、地震に伴う土砂災害のみならず、地震後の降雨による複合的 な土砂災害についても検討する必要がある。また、危険箇所の情報 や、土砂災害のおそれがある場合の避難に関する情報を住民に周知 させるよう情報伝達に努める必要がある。

建物被害の予測

市の全建物棟数は33,540棟であり、そのうち木造建物は25,170棟

(75%)である。1981年(昭和 56年)以前の木造建物は9,932棟 あり、全建物の30%にあたる。

習志野市直下の地震の揺れ・液状化現象により、全壊は5,600棟、

半壊は8,558棟、計14,158棟の建物が半壊以上の被害を受ける予測

結果となった。

木造建物、とくに1981年(昭和56年)以前に建築された建物の所 有者に対し簡易耐震診断の実施を促すよう啓発することや、耐震改 修費の助成制度について周知に努める必要がある。

地震火災の予測

冬の 18時に発生した地震の揺れにより全壊した建物から出火・延 焼すると想定した。結果は33箇所で火災が発生し、24時間後まで の延焼を含めた焼失棟数は7,040棟、地震の揺れや液状化による全 壊との重複を除いた焼失棟数は5,852棟と予測された。

木造住宅が密集する地域は延焼の危険性が高く、火災が発生すると 消火が困難なことから、住民による初期消火の徹底が望まれる。消 火器具の設置を促進するとともに、防災訓練などにより初期消火に 関する知識や技術の普及を図ることが必要である。また、延焼を防 止する効果のある幅員の広い道路や都市公園の整備などを推進す

ドキュメント内 習志野市防災アセスメント調査 (ページ 62-69)

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