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2. 14 応急対応能力算定調査

ドキュメント内 習志野市防災アセスメント調査 (ページ 49-59)

2. 14. 1 救出活動

1995年(平成7年)兵庫県南部地震の事例から、自力脱出困難者と全壊率の関係式 により自力脱出困難者数を算出した。自力脱出困難者のうち 70%は住民等によって救 出され、残りの30%が消防によって救出されると設定した。なお、算出時刻は18時と する。想定地震別の自力脱出困難者数を表- 2. 14.1に示す。

表- 2. 14.1 救出活動の対象者 想定地震 自力脱出困難者数の

合計(人)

消防による救出対象者(人)

木造建物 非木造建物 合計 東京湾北部地震 610 108 75 183 習志野市直下の地震 1,630 278 211 489

救出活動の条件を以下のとおり設定した。

① 救出隊は消防本部および消防団を対象とした。

② 救助工作車が 2 台あることから、地震発生直後から 2 隊の救出隊(レスキュー 隊)が出動するものとした。

③ 消防団員は167人(平成24年4月1日現在)である。そのうち地震発生直後に 動員できるのは、習志野市地震被害想定調査(平成18年3月)で動員できる人 数と全消防団員の割合を適用して39人と設定した。また、6時間以内に団員の 半数が救出活動に加わるとした。

④ 救出時間は、1995年(平成7 年)兵庫県南部地震における消防救助記録から、

救出隊 5人編成で 1 人の救出に木造建物の場合117 分、非木造建物の場合252 分を要するとした。

⑤ 夜間(午後6時から午前6時まで)の救出活動能率は、昼間の1/3とした。

⑥ 現場への駆けつけ時間は、習志野市地震被害想定調査(平成18年3月)と同様

想定地震別の救出活動算定結果を表- 2. 14.2に示す。

東京湾北部地震の場合、全員を救出するのにかかる最大時間は55時間で、10時間以 内で救出可能な人数は20人、10時間以内で全員を救出するためには238隊が必要とな る。

習志野市直下の地震の場合、全員を救出するのにかかる最大時間は 153 時間で、10 時間以内で救出可能な人数は20人、10時間以内で全員を救出するためには811隊が必 要となる。

表- 2. 14.2 救出活動算定結果

想定地震 消防による救 出対象者(人)

救出所要時間

(時間)

目標時間10時間 救 出 可 能 者

(人)

救出不可能者

(人)

全員救出する ために必要な 救 出 部 隊 数

(隊)

東京湾北部

地震 183 55 20 163 238 習志野市直下

の地震 489 153 20 469 811

2. 14. 2 応急医療

震災時の医療機関の物的な医療機能を対象とし、建物被害やライフラインの支障に よる医療機能低下の評価および、予測される患者数に対する利用可能な病床数の過不 足量を算出した。

■要転院患者数

災害時に医療機関建物の損傷などによって被害を受けることが予想され、被災した 医療機関から転院する必要がある要転院患者数を算出した。

■医療需給過不足数

災害時の医療機能支障を定量化するために、地震後の対応能力がどれだけ不足する かを算出した。

要転院患者数を表- 2. 14.3、医療需給過不足数を表- 2. 14.4にそれぞれ示す。

表- 2. 14.3 入院患者数および要転院患者数

想定地震 入院患者数(人) 要転院患者数(人)

東京湾北部地震 1,084 204

習志野市直下の地震 1,084 319

表- 2. 14.4 医療需給過不足数

項目 東京湾北部地震 習志野市直下の地震

重篤

ICU病床数 6 6

緊急入院需要量(人) 40 93

対応可能重篤患者数(人) 1 1

医療需給過不足数(人) -39 -92

重傷

病床数(ICU除く) 1,387 1,387

入院需要量(人) 291 519

対応可能重傷者数(人) 192 126

2. 14. 3 避難所

建物被害、ライフラインの機能停止等によって発生が予想される避難所生活者数を 算定し、避難所収容能力をもとに、充足率を算定した。

避難所収容能力算定の流れを図- 2. 14.1に示す。

図- 2. 14.1 避難所収容能力算定の流れ

避難所収容能力算定の対象者は、避難者予測調査で算定された避難所生活者数とす る。この避難所生活者は、建物被害によって住家を失った人に加え、ライフライン機 能障害による避難所生活者を含めたものである。避難所生活者は以下のとおり設定し た。

① 避難者予測調査で算定された建物被害と建物焼失による避難所生活者を基本と する。

② 避難所生活者数が最多となる地震発生1日後の避難所生活者数とした。

③ 避難所の収容可能な人員は、屋内面積3.3m2当たり2人で算出した。

④ 習志野市では市有建築物を対象に、平成29年度までに耐震改修を行うことを目 指している(市有建築物の耐震化整備プログラムより、平成 24年 4 月)。その ため、避難所収容能力は、全ての避難所の耐震改修が完了したことを前提に算 出した。

避難所生活者数

【需要】

避難所の収容可能な 面積、人数の整理

収容可能人数

【供給】

充足率の算定

東京湾北部地震による避難所生活者に対する収容能力算定結果を表- 2. 14.5に示す。

市全体の避難所充足率は 37%で、避難者の約 6 割が収容できない結果となった。小学 校区ごとは、実花・袖ヶ浦東小学校区の避難所充足率は100%を上回るものの、他の小

学校区は100%を下回る結果となった。

習志野市直下の地震による避難所生活者に対する収容能力算定結果を表- 2. 14.6に 示す。市全体の避難所充足率は 30%で、避難者の 7 割が収容できない結果となった。

小学校区ごとの充足率も100%を下回る結果となった。

表- 2. 14.5 東京湾北部地震(M7.3)による避難所生活者に対する収容能力算定結果

小学校区 避難所名称 面積

(㎡) 収容人員 小学校区ごと

収容人員 A

最大避難所 生活者 B

(1日後)

避難所 充足率 A÷B

実花小学校(体育館等) 885 536

習志野高等学校(体育館等) 4,458 2,702

東習志野小学校(体育館等) 866 525

第四中学校(体育館等) 1,753 1,062

東部体育館 2,912 1,765

第二中学校(体育館等) 1,098 665

実籾小学校(体育館等) 835 506

屋敷小学校(体育館等) 814 493

第六中学校(体育館等) 2,446 1,482

大久保東 大久保東小学校(体育館等) 824 499 499 2,992 17%

大久保 大久保小学校(体育館等) 875 530 530 4,816 11%

藤崎小学校(体育館等) 814 493

第五中学校(体育館等) 1,621 982

鷺沼 鷺沼小学校(体育館等) 855 518 518 5,033 10%

津田沼 津田沼小学校(体育館等) 1,097 665 665 5,236 13%

谷津小学校(体育館等) 984 596

第一中学校(体育館等) 1,634 990

向山 向山小学校(体育館等) 813 493 493 2,415 20%

谷津南 谷津南小学校(体育館等) 885 536 536 3,765 14%

袖ヶ浦西 袖ケ浦西小学校(体育館等) 802 486 486 3,330 15%

袖ケ浦東小学校(体育館等) 1,743 1,056

第三中学校(体育館等) 814 493

袖ケ浦体育館 2,409 1,460

秋津 秋津小学校(体育館等) 850 515 515 2,981 17%

香澄小学校(体育館等) 855 518

袖ヶ浦東 3,010 2,688 112%

藤崎 1,476 3,914 38%

谷津 1,587 5,937 27%

実籾 1,172 3,210 36%

屋敷 1,976 3,205 62%

実花 3,238 2,457 132%

東習志野 3,352 3,621 93%

表- 2. 14.6 習志野市直下の地震(M7.3)による避難所生活者に対する収容能力算定結果

※合計は、小数点以下の四捨五入の関係で合わない場合がある。

小学校区 避難所名称 面積

(㎡) 収容人員 小学校区ごと

収容人員 A

最大避難所 生活者 B

(1日後)

避難所 充足率 A÷B

実花小学校(体育館等) 885 536

習志野高等学校(体育館等) 4,458 2,702

東習志野小学校(体育館等) 866 525

第四中学校(体育館等) 1,753 1,062

東部体育館 2,912 1,765

第二中学校(体育館等) 1,098 665

実籾小学校(体育館等) 835 506

屋敷小学校(体育館等) 814 493

第六中学校(体育館等) 2,446 1,482

大久保東 大久保東小学校(体育館等) 824 499 499 4,218 12%

大久保 大久保小学校(体育館等) 875 530 530 6,683 8%

藤崎小学校(体育館等) 814 493

第五中学校(体育館等) 1,621 982

鷺沼 鷺沼小学校(体育館等) 855 518 518 6,206 8%

津田沼 津田沼小学校(体育館等) 1,097 665 665 5,918 11%

谷津小学校(体育館等) 984 596

第一中学校(体育館等) 1,634 990

向山 向山小学校(体育館等) 813 493 493 2,737 18%

谷津南 谷津南小学校(体育館等) 885 536 536 4,303 12%

袖ヶ浦西 袖ケ浦西小学校(体育館等) 802 486 486 3,806 13%

袖ケ浦東小学校(体育館等) 1,743 1,056

第三中学校(体育館等) 814 493

袖ケ浦体育館 2,409 1,460

秋津 秋津小学校(体育館等) 850 515 515 3,375 15%

香澄小学校(体育館等) 855 518

第七中学校(体育館等) 2,072 1,256

36,014 21,827 21,827 72,888 30%

58%

97%

67%

27%

43%

27%

24%

藤崎 屋敷 実籾 東習志野

実花

97%

1,172

1,976

谷津

5,475

合計 香澄

袖ヶ浦東 3,108

3,079 3,010

1,774

6,714 1,476

1,587

3,325

4,978

4,376

4,586 3,238

3,352

2. 14. 4 給 水

地震後の給水需要量を算出した。地震発生日からの経過日数に応じて給水量を増加 させる場合の給水量の設定には、(財)水道技術研究センターが 1995 年(平成 7年)

兵庫県南部地震などの実績をもとに定めた給水量の目安を用いた(表- 2. 14.7)。ここ で、対象となる給水人口は、建物の被災による避難所生活者と、建物は被災しなかっ たが断水する人口を合計したものである。

表- 2. 14.7 (財)水道技術研究センターによる給水量の目安

時期 目標給水量 主な用途

地震発生~3日目 3リットル 飲料(生命維持に最小限必要)

4日目~10日目 20リットル 飲料、水洗トイレ、洗面など(日周期の 生活に最小限必要)

11日目~21日目 100リットル

飲料、水洗トイレ、洗面、風呂、シャワ ー、炊事など(数日周期の生活に最小限 必要)

21日目~ 被災前の給水量

(約250リットル) ほぼ通常の生活(若干の制約はある)

習志野市では、非常用飲料水として、22箇所の備蓄倉庫に254箱(1箱=12リット ル)、すなわち、3,048 リットルの飲料水を備蓄している。また、市内 7 箇所に非常用 給水施設が設置されており、そのうち 3 箇所の給水場から、県水道局(船橋水道事務 所)や市企業局の給水車へ給水を行う。給水場には十分な水が確保されているため、

災害時の給水能力を左右するのは、給水タンク車等の運搬能力である。そこで、県水 道局(船橋水道事務所)と市企業局が保有する給水車の台数と給水タンク容量、それ による運送可能な回数を1日3回と設定し、備蓄の飲料水による供給に加えた。1日当 たり給水車等により給水できる量は 33,000 リットルである。ただし、給水車等からの 供給は震災2日後からにする。

東京湾北部地震による給水能力算定結果を表- 2. 14.8に示す。発災1日後の避難所生

活者数が58,304人で、必要とする給水量は174,912リットルである。市の供給量3,048

表- 2. 14.8 東京湾北部地震(M7.3)による給水能力算定結果 発災経過

日 数

避難所 生活者数

1 日・1 人当たり必要 量(リットル)

要給水量

(1 日当たり、リットル)

過不足量

(1 日当たり、リットル)

1日後 58,304 3 174,912 -171,864

4 日後 28,516 20 570,320 -537,320

1ヶ月後 15,750 250 3,937,500 -3,904,500

表- 2. 14.9 習志野市直下の地震(M7.3)による給水能力算定結果

発災経過 日 数

避難所 生活者数

1 日・1 人当たり必要 量(リットル)

要給水量

(1 日当たり、リットル)

過不足量

(1 日当たり、リットル)

1日後 72,888 3 218,664 -215,616

4 日後 42,854 20 857,080 -824,080

1ヶ月後 29,982 250 7,495,500 -7,462,500

ドキュメント内 習志野市防災アセスメント調査 (ページ 49-59)

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