備されるが注 12)、恒久化後も団地全体の集会施設として利用しやすく、
効率の良い計画であるということができる。( 写真 3-23)
3-3. まとめ
木造仮設住宅を恒久住宅に転用できる状況と転用後の利活用方法 について下記にまとめる。
(1)熊本地震の事例では、公営住宅跡地や未利用公有地、公園・広 場といった規模の小さな公有地に建てられた木造仮設住宅が転用 されやすいことがわかった。
(2)グラウンドや都市公園法に基づく公園に建てられたものは、グ ラウンドや公園の代替地を用意できれば転用の可能性を広げるこ とができる。
(3)民有地で転用するには土地所有者との交渉が必要であるが、農 地については農地転用許可も不可欠となり、そのための費用や時 間を見込む必要がある。
注 12) 熊本地震では、20 戸以上が集まる仮 設住宅団地には災害救助法による集 会施設が建設された。
写真 3-22. 2 棟 4 戸の規模の小さい木造仮設住宅団地
写真 3-23. 既存公営住宅近くの木造仮設住宅
いるが、当初県では様々な運用方法が検討されていた。地域の状 況に合わせた転用後の用途を考えることで、木造仮設住宅の転用 に新たな可能性を広げることができると考えられる。
小さな公有地に建てられた木造仮設住宅が恒久住宅へ転用しやす いという現状を把握したが、被害状況によっては公有地を選べない 地域も多い。農地を転用するにあたり制約がかかったとしても、長 期的に考えると却って恒久住宅に転用した方がメリットが大きいと いう結果も考えられる。最初の建設段階だけでなく、その後の転用 についても発災前から準備することで合理的な災害対策ができる。
4-1. はじめに
本章では、木造仮設住宅が転用された後、住民の引越し経緯を調 査することで、被災者の自立再建を考える上で木造仮設住宅がどの ような役割を果たしているかについて考察する。現行の制度におい て、仮設住宅が閉鎖された際に被災者の再建方法として考えられる のは、自宅の再建・購入、民間賃貸住宅への入居の他に、国の補助 によって建設される災害公営住宅への入居がある1)。熊本の事例では 木造仮設住宅が転用されたことによって、被災者の恒久的な住まい に選択肢が増えたこととなる。そこで、木造仮設住宅を恒久的な住 まいとして選んだ住民の属性や引越しの経緯を調査することで、各 自治体の政策の特徴を比較分析する。