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(2)1993年プライバシー法に関する勧告の概要

ドキュメント内 personal report 2403caa (ページ 170-173)

①  報告書の概要

ロー ・コミッションがなした勧告のうち、第3段階の報告書におけるそれも、私的な個人による監視 装置の利用に関する法律の大きな改正に関するものであり、重要であるが、とりわけ、重要な勧告は、

プライバシー法全般において改正すべき点を検討している第4段階で示されているものであるため、こ れについてみてみることにする。

この第4段階の報告書における各章の項目は、次の通りである。

(本章)

・  第1章  はじめに

・  第2章  範囲、アプローチ、重要概念

・  第3章  プライバシー原則

・  第4章  例外と適用除外

・  第5章  プライバシー ・コミッショナーの役割、機能及び権限

・  第6章  苦情、執行及び救済

・  第7章  データ保護違反通知

・  第8章  他の法律との交錯

・  第9章  法執行

・  第10章  科学技術

・  第11章  個人情報の越境的移転

・  第12章  その他の問題点

(補遺)

・  補遺1  情報共有

・  補遺2  情報照合

・  補遺3  情報プライバシー原則

・  補遺4  意見提出者のリスト

既に指摘したように、ニュージーランドでは、主に欧州委員会から十分性審査において、十分な保 護レベルを有するとの判断を得るため、2010年にプライバシー法の改正をしたばかりであるが、その 本体である1993年プライバシー法は、既にロー ・コミッションの報告書発表の段階では、18年を経過 しており、プライバシーのような進化・進展の早い領域では、同法の改正が必要な段階に来ていると解 されている。

  勧告内容

 ロー ・コミッションでは、プライバシー法が改正されるべき点について、136もの勧告を出している。

これらの勧告内容は、29条作業部会がニュージーランドのプライバシー法制度に対する十分性の審査

の際に指摘した問題点と重複している部分もあるが、その多くは、ロー ・コミッションが独自に、法制 度として改正すべきと考えているものである。ここでは、ロー ・コミッションが出した勧告のうち、そ の主な内容について、同コミッションが行った2011年8月2日の報道発表をもとに、以下詳述するこ とにする。

プライバシー ・コミッショナーのための新しい権限

(New tools for the Privacy Commissioner)

 現在、プライバシー法の執行は、苦情が申立てられたことを契機として行われている。個人はプラ イバシー ・コミッショナーに苦情を申立てることができるが、コミッショナーが行使できる権限は限ら れている。コミッショナーが、イニシャティヴをとり、効果的にプライバシー法の遵守を確保できる ようにするため、次の2つの重要な権限をコミッショナーに与えるよう勧告する。

・   コミッショナーは、プライバシー法違反の機関に対して、その法を遵守する措置を執るよう命じる 通知を出すことができる。その機関は、人権審査裁判所に上訴する権利を有する。このような権限 付与は、多くの海外のコミッショナー権限と歩調を合わせるものである。

・   コミッショナーは、十分な理由がある場合、個人情報の処理に関する機関の実務や制度の監査

(audit)を求めることができる。

データ保護違反通知(Data breach notification)

 データ保護違反通知によって、重大な害悪の危険を減少させる措置を人々がとりうる場合、又は、デー タ保護違反が重大な場合には、この通知を義務的とする(mandatory)ことを勧告する。

苦情処理手続の簡素化(Streamlining the complaints process)

 プライバシー法の苦情処理手続は、不必要に複雑であるように思われる。現在のところ、プライバ シー ・コミッショナーは、苦情に対して、何ら拘束のある決定を出す権限はない。人権審査裁判所(the  Human Rights Review Tribunal)のみが、これをなしうる。和解によって解決できないプライバシー の苦情に対して、以下の改正をすべきことを勧告する。

・   プライバシー ・ コミッショナーが、人権審査裁判所で訴訟を追行できるか否かについて決定で きるべきである。現在のところ、この決定は、人権手続長(the Director of Human Rights  Proceedings)によってなされており、手続が複雑化している。

・   「アクセス」に関する苦情については、コミッショナーが拘束力ある決定をなすことができるべき である。個人が機関のアクセス拒否をコミッショナーに申立てた場合、コミッショナーは、その機 関がその情報を開示すべきか否かについて決定できるようにすべきである。なお、その機関は、上 訴する権利を有する。

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さらに、代理による苦情申立てに関する規定をより明確にするよう勧告する。代理による苦情申立 ては、たとえば、より匿名性を保持できること、多くの人々に影響する制度上の欠陥に対して、より 効果的に対処できることなど、個人による苦情申立てよりも数多くの利点を有している。

情報共有(Information Sharing)

政府機関相互の情報共有は、より効果的なサービスの提供や違法行為の発見などの観点から望まし いことも多いが、プライバシー法がその障害となっている場合もある。それゆえ、これを認める新た なメカニズムが必要である。

政府間の情報共有が認められるためには、プライバシー ・コミッショナーを含めた議論を重ね、最 終的には、プライバシー法で明記された基準を遵守すべきことを定め、内閣によって承認されるべき である。すべての共有プログラムは、その機関のウェブサイト及びプライバシー法の附則で列記すべ きである。また、議会及びプライバシー ・コミッショナーによる審査に服するべきであろう。

越境的に移転される個人情報のより良い保護

(Better protection for personal information sent overseas)

ニュージーランドの機関が、その機関のために保管又は処理してもらうことを目的として、越境的 に個人情報を移転する場合、その機関がその情報に対する全面的な責任を依然として負担すべきであ る。他方、機関が、その機関のために保管又は処理してもらうことを目的としてではなく、越境的に 個人情報を開示する場合、その機関は、その情報が受け入れられるプライバシー基準に服するよう合 理的な措置をとらなければならない。また、プライバシー法において、コミッショナーに対して諸外 国のプライバシー保護執行機関と協力する権限を付与すべきである。

不快感を与えるオンライン上の情報に対するより良い保護

(Better protection against offensive online publication)

インターネットの力は、他人の私的な情報をオンライン上に載せることで濫用されうる。プライバ シー法は、オンライン情報にも適用されるが、いくつかの広範な例外が現在存在する。だが、その情 報がとりわけ不快感を与える場合には、その例外規定が適用されるべきではない。

たとえば、以前の恋人の裸の写真をその同意なしにネット上に載せるというケースがある。現在の ところ、その者は、個人の私的又は家庭内での事柄と関連して収集又は保有している者であり、プラ イバシー法が適用されないと主張することが可能である。しかし、情報の収集、利用又は開示が「高 度に不快感を与える」場合には、この適用除外規定は適用されるべきではない。さらに、このような 情報は、「公に入手可能な情報」であるが、その更なる利用や開示を禁止するよう改正されるべきである。

健康と安全(Health and safety)

現行法では、機関が、健康や安全に対する「深刻かつ差し迫った脅威を防止又は軽減させる」ため

に個人情報を利用又は開示することを認めているが、差し迫ったという文言を削除すべきである。脅 威が深刻であっても、差し迫っていないという理由で、機関が情報を開示できないという場合が現実 に存在している。また、新たに、健康や安全を理由として、本人以外からの情報収集を認める例外規 定をおくべきである。そして、本人がその情報へのアクセスを求めた場合、機関は、健康又は安全にとっ て深刻な危険が存在することを理由としてその情報開示を拒むことができるようにすべきである。

電話禁止登録とダイレクト・マーケティング

(Do Not Call register and direct marketing)

 現在、マーケティング協会によって行われている電話禁止登録については、立法的な根拠を与え、

業者はすべからく人々の意向を尊重すべきよう義務付けるべきであるが、これは、プライバシー法と いうよりは、むしろ、消費者法を通じてなされるべきである。もっとも、オプト・アウトの規定をプラ イバシー法におく必要が将来的に生じる可能性があるだろう。また、オンライン・マーケティングに関 するプライバシー問題やこれに対する諸外国の反応にも注視し、この分野における更なる措置の必要 性を注視していくべきである。さらに、産業界は、自働決定に対するマーケティングに関する現行の プライバシー保護規範の妥当性について検討すべきである。

ドキュメント内 personal report 2403caa (ページ 170-173)