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2019特2‑4

ドキュメント内 研究成果報告書 (ページ 49-52)

分野融合 特定研究 2

り、ここではモード数と再構成誤差のトレードオフを解析してパラメータを決定した。その結果、計測 データは 7 つの DMD モードに分解された。そのうちの 3 モードを図 1 (b)(c)(d)に示す。(b)のモード はドリフト波(周方向伝播構造)を示している。(c)のモードでは、特定の周方向において大きい振幅が 確認された。さらに、スライディングウィンドウ解析からは、その大きい振幅を示す周方向が変化して いく様子が確認され、周方向バンチング構造との関連が示唆された。これらの構造は、先行研究で報告 されていたストリーマー構造の特徴と整合している。また、(d)のモードは 1ms 以下の時間スケールで の減衰構造を示しており、乱流を通した非線形なエネルギー輸送による過渡的な励起との関連が示唆さ れた。

図 1 (a) 計測パターン、 (b)(c)(d) DMD により抽出された特徴的パターン。

4. おわりに

本研究では、実験室プラズマの時空間データに SP-DMD を適用した。その結果、ドリフト波構造・

周方向バンチング構造・短時間スケール構造といった特徴的構造の抽出に成功し、ストリーマー構造を 捉えるとこができた。今後は、半導体材料プロセスにおける相界面現象の時空間データ(ステップダイ ナミクス等)に対しても DMD 解析の適用を進める。また一方で、本解析では一定の成果が得られたが、

DMD は非線形な隠れ状態の発展に対して、その観測量に線形遷移の仮定を課している。これは強い仮 定であり、高い非線形性をもつ対象や状況によっては不適切である。そこで現在、線形遷移の仮定を課 さない時空間データ解析手法の開発を進めている。

5. 研究成果報告

発表論文

[1] Sparsity-Promoting Dynamic Mode Decomposition of Plasma Turbulence, Akira Kusaba, Tetsuji Kuboyama, Shigeru Inagaki, Plasma and Fusion Research 15 1301001 2020 年 1 月

学会発表

[2] DMD 法を用いた PANTA プラズマ乱流データの非定常解析,草場彰,NIFS 共同研究(研究会)

「プラズマの複雑現象を対象としたデータマイニングの活用」 2019 年 12 月 12 日

[3] スパース動的モード分解によるプラズマ乱流データの解析,草場彰, 久保山哲二, 寒川義裕, 稲垣滋,

第 36 回プラズマ・核融合学会年会 2019 年 12 月 1 日

[4] 動的モード分解におけるモード数低減手法の実験的比較,草場彰, 久保山哲二,人工知能学会第 110 回人工知能基本問題研究会 2019 年 9 月 24 日

[5] プラズマ乱流データの動的モード分解,草場彰,NIFS 共同研究(研究会)「プラズマインフォマテ

ィクス研究会」 2019 年 9 月 18 日

6. 研究組織

研究代表者 久保山 哲二 学習院大学・教授 研究協力者 草場 彰 学習院大学・PD 研究協力者 稲垣 滋 応用力学研究所・教授 所内世話人 寒川 義裕 応用力学研究所・教授

沿岸海洋循環場の予測にむけた高解像度数値モデルとデータ統合手法の開発

海洋研究開発機構・付加価値情報創生部門 情報エンジニアリングプログラム プログラム⾧

石川洋一 研究の目的

沿岸海洋における海洋循環は複雑な地形に支配された小さなスケールのローカルな変動 から、海盆スケールの大きなスケールの影響をリモートに受けた変動までさまざまなスペ クトルを持つことがよく知られている。このような重層的なスケールにまたがる変動を高 精度で予測することは科学的に挑戦的な課題であるだけでなく、海運・水産など沿岸にお ける活動へ有益な情報を提供することができるので社会的にも重要な課題の一つである。

このような課題に対して本研究では、沿岸域を対象とした高解像度海洋大循環モデルの開 発および観測データと組み合わせたデータ同化手法の開発を行う。特に本研究では、沿岸 域において重要となる海流場を面的に観測することが可能な HF レーダーデータを有効活 用することを目的として、高解像度数値モデルと組み合わせたデータ同化手法や予測手法 に関する研究開発を行う。

研究の方法

本年度は、HF レーダーデータのデータ同化にむけた数値モデルとの比較および HF レー ダーデータのみから統計的な手法で短時間予測を行う手法、沿岸海洋循環場の統合的な予 測にむけた要素技術の開発を行った。

数値モデルとの比較としては、海洋研究開発機構が「東北マリンサイエンス拠点形成事 業」の中で開発している東北沖高解像度モデル(THK50)と海洋研究開発機構が津軽海峡東部 で観測を行っている HF レーダーデータの比較を中心のその他の観測データも併せてデー タ同化にむけた数値モデルの検証を行う。東北沖高解像度モデルの解像度はおよそ 1.7km であり津軽海峡の流れはある程度再現可能であることが期待できるとともに、海面境界条 件としては大気再解析データセット JRA55、側面境界条件としては海洋再解析データセッ ト FORA-WNP30 を用いることにより、現実的な条件での計算を行ったものであるので、観 測データと直接比較することが可能である。

また、津軽海峡東部 HF レーダーデータの解析をもとに、統計的な関係から数時間程度の

短期間予測を行う。これはいわゆるナウキャストと呼ばれている手法に類似するものであ

り、時系列データセットに対する自己相関や移動平均を組み合わせることで時間的な外挿

を行うことで流速データの予測を行うものである。

ドキュメント内 研究成果報告書 (ページ 49-52)

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