15.01 英語紙パキスタン・トゥデイ(Pakistan Today)が2013年3月6日の選挙前の記事で報じたと
ころによれば、
『 パ キ ス タ ン で は 政 党 が 増 え 続 け て い る 。 現 在 パ キ ス タ ン 選 挙 委 員 会(Election Commission of Pakistan) には227の政党が登録されている。未登録の政党を含めれば、政 党数は300を超えるだろう。この数字は今後2週間でさらに増えると思われる。ただし、
全ての政党が候補者を立候補させるとは限らない。無所属候補者を除き、35から40の
政党が連邦議会及び州議会選挙に打って出る可能性がある。このうち注目を集めるの は15から20程度になると予想される。』[36a]
政治的表現の自由
15.02 米国務省(US Department of State)が2013年4月19日に公表した国別人権報告書2012 (USSD Report 2012)によれば、
『法律上、国民の多数派が自らの政権を友好な手段で交代させる権利を有する旨が規 定されており、2008 年中に行われた国及び州レベルでの選挙の結果、野党連合が政権 に就くこととなった。ギルギット・バルティスタン州(Gilgit-Baltistan)アザド・カシミ
ール(AzadKashmir)及びFATAは、異なる政治制度の下に置かれている。このうち下院
に代表を送っているのはFATAのみである。
『FATAの住民は 、下院に代表を選出しているが、部族地域に対する連邦政府の意思決 定に際して何ら発言権を与えられていない。こうした事項は大統領の専管となってい る。部族住民には彼らの地方政府を変える権利はなく、これは選出されたのではない 文民官僚が部族機関を名目上運営しているためである。FATA で選出された協議会 は、部族地帯内での地方代議制度を定めるために2007年に設立され、部族地帯の統治 に関する積極的な役割を与えられてはいない。2011年8月にはザルダリ(Zardari)大統領 が、部族地域への政党指令 2002の拡張(Extension of the Political Parties Order 2002 to the Tribal Areas)に署名した。この法令によって、政府は、政党が FATA で自由に活動する ことを認めている。
『アザド・カシミール(Azad Kashmir)は、暫定憲法、選出された一院制議会、首相、及 び議会によって選出された大統領を有する。大統領及び国会議員の任期は5 年である。
議会49 議席のうち、41席は直接選挙によって埋まり、8席は指定議席である(5席は女 性指定議席であり、海外のカシミール人、技術系出身官僚、及び宗教的リーダーの各 代議員がそれぞれ1席を占める)。しかしながら、連邦政府は政府の構造と選挙政治に 対して相当な支配を及ぼしている。法案の通過には政府の承認が必要であり、カシミ ール業務連邦大臣(federal minister for Kashmir affairs)は日々の統治と予算に関して絶 大な影響力を行使している。連邦職員とカシミール人議員からなり、連邦首相が議長 を務める カシミール評議会(Kashmir Council)も、行政、立法、及び司法権を有する。軍 部は、政治と統治の問題に関する指導的役割を保持している。パキスタンへの アザ ド・カシミール(Azad Kashmir)の加盟を支持しない人々は、政治プロセス、政府雇用、
及び教育制度から締め出されている。また、彼らは監視、嫌がらせまた場合によって は、治安部隊による投獄の対象となっている。』 [3n] (第3節)
15.03 パ キ ス タ ン 人 権 委 員 会(Human Rights Commission of Pakistan)が2012年3月 に 公 表 し た年次報告書、『2011年の人権状況(HRCP Report 2011)の中で述べたところによれば、
『大統領は2011年8月に、政党法(Political Parties Act)を連邦直轄部族地域(Federally Administered Tribal Areas)(FATA)に拡張し、政党が当該地域の政治活動に参加し、立候 補者を推薦して選挙で戦わせられるようにした。HRCPは同法のFATAへの拡張を歓迎 しているが、政治活動を実現するには、さらなる措置、特に結社の権利、表現の自由 及び情報アクセスの自由等の、基本的権利の実施に向けたメカニズムが必要である。
FATAはパキスタンの上級裁判所の管轄外であるため、これらの権利の施行は地方行政 の思いのままであった。』[27g] (p145)
司法: 辺境地域犯罪法規(FCR)も参照のこと。
15.04 2012年7月30日に公表された米国務省(US Department of State)の世界各国の信教の自由に 関する年次報告書2011(USSD IRF Report 2011)によれば、
『信仰又は特定の宗教集団への忠誠は、与党又は中道野党の党員に義務付けられなかっ た。宗教政党を含むどの政党も個別の少数派閥を置いており、宗教政党の一部は2008年 の総選挙後に州議会で宗教的少数派の議席を提供した。パキスタン政府は、特定の宗 教グループ、信仰若しくは宗教上の教義の解釈に基づいた政党を結成することに制約 を課していなかった。しかし政府は、かつてテロ組織や過激派組織とつながりを有し ていたとして、イスラム系政党や関係のある聖職者らの活動については、これらを監 視した...
15.05 2013年5月20日に公表されたUSSD IRF Report 2012によれば、
『宗教的少数派には下院及び州議会に両方に指定議席があった。議席は議会の代表総数 で決定される比率に基づいて各政党に配分される。下院の342議席のうち、13議席が少 数宗教集団に割り当てられており、このうち10議席は少数派の指定議席で、残り3議席 は女性の指定議席である。第18次改正の一環として、上院104議席のうち4議席が各州 の宗教的少数派に1議席ずつ留保されるようになった。宗教的少数派の指定議席は州議 会にもある。ハイバル・パフトゥンハー州(Khyber Pakhunkhwa)(KP)には3議席、パンジ ャブ州(Punjab)には8議席、シンド州, (Sindh)には9議席、バロチスタン州(Balochistan)に は3議 席 が 確 保 さ れ て い る 。 少 数 派 は 、 各 州 の 地 方 政 府 条 例(Local Government Ordinance)の規定に従って、県(zila)評議会、群(tehsil)評議会又は町村(union)評議会に各1 議席ずつ、地方政府に代表を選出している。バロチスタン州(Balochistan Province)で は、宗教的少数派の代表数は人口を基準にする仕組みで、各県(zila)から2人ずつ選出さ れている。』 [3k] (第II節: 法的/政治枠組み)
15.06 HRCP Report 2010によれば、
『2010年末の時点で、 342議席を有する下院の内訳は、PPP [パキスタン人民党(Pakistan People‘s Party)]が127議席、PML-N[パキスタンムスリム連盟・ナワズ(Pakistan Muslim League – Nawaz)]が90議席、 MQM[統一民族運動(Muttahida Qaumi Movement)]が25議 席、 ANP[人民民族党(Awami National Party)]が13議席、JUI-F[イスラーム・ウラマー党 ファッズルル・ラーマーン派(Jamiat-e- Ulema Islam – Maulana Fazal ur-Rehman)]が8議 席、 the PML-Q 50 [パキスタン・ムスリム連盟カーイデ・アーザム派(Pakistan Muslim League – Quaid-e-Azam)]が50議席(ただし、半分は志を同じにするグル―プ(Like-Minded Group)から分派した者[原文のまま])であった。無所属は19人であった。2010年末の時 点で、100議席の上院、つまり議会の上院の最大政党はPPP議員で27議席を占め、次い で22議席でPML-Qが第2政党となっていた。PML-Nは7議席、JUI-Fは13議席、MQM及 びANPは6議 席 ず つ 、BNP- Awami及 びJamaat-e-Islamiは そ れ ぞ れ3議 席 、 国 民 党 (National Party)は2議席、ジャムフーリ・ワタン党 (Jamhoori Watan Party)、パキスタン人 民党シャヒード・ブット派(PPP-Shaheed Bhutto)、パキスタン人民党シェルパオ派
(PPP-Sherpao)及び PKMAPがそれぞれ1議席ずつであった。』[3k] (第II節: 法的/政治枠組み)
[27e] (p191) [27e] (p191)
15.07 ギルギット・バルティスタン州(Gilgit-Baltistan)で行われた選挙についてUSSD Report 2010が述べたところによれば、
『2009年に、24議席の立法議会をめぐってギルギット・バルティスタン州(Gilgit
Baltistan)の第1回選挙が行われ、PPPが過半数を得て勝利を収めた。シード・メヘデ
ィ・シャー(Syed Mehdi Shah)が初代首相に就任し、連邦政府の直接支配を返上した。
FAFENの分析によれば、選挙結果は政府の介入、脆弱な管理体制、手続き上の不正行
為及び有権者一覧の誤記に左右されたということである。選挙は概ね平和的に行われ たが、複数の暴力事件で2人が死亡し、40人が負傷した。[2010年]3月23日に、 シャー マ・ハリッド(Shama Khalid)がギルギット・バルティスタン州(Shama Khalid) の女性二代 目の州知事に就任したが、9月15日に癌で死亡した。 [3g] (第3節)
政治制度及び言論の自由とメディアも参照のこと。
結社及び集会の自由
15.08 USSD Report 2012によれば、『結社及び集会の自由は法の定めるところであるが、複数
の制限事項を条件とする。[3n] (2b節)
15.09 同報告書の集会の権利に関する記述によれば、
『県当局は法により、警察の許可のない、4人を超える集会を阻止することができる。
政府は法の下に、葬列を除く全ての種類の大会を、治安を理由に禁止することができ る。当局は、アフマディー教徒の会合又は集会を概ね禁止した。
『シンド州(Sindh)全域において、抗議活動、ストライキ、及びデモは平和的なものも 暴力的なものも含めていくつかは成功している。警察は、集会に介入しこれを阻止す ることはできなかった。』 [3n] (2b節)
15.10 パキスタン人権委員会(Human Rights Commission of Pakistan)が2013年3月に公表した年次 報告書、2012年に人権状況(HRCP Report 2012) の中で述べたところによれば、
『2012年を通じて、パキスタン国内では暴力的なもの及び平和的なもの両方の抗議運 動が盛んに行われた。大勢の人々が公共の場に集合し、主要幹線道路を封鎖して、電 力不足、燃料の欠如又は物価上昇、インフレ、法律違反、パキスタンの部族地域で発 生する無人機の攻撃、米国の牧師による聖書コーランの冒とく及び、冒とく行為とみ なされたインターネット上でのコンテンツ公表等の不安な問題に抗議するものが一般 的であった。パンジャブ州(Punjab)の与党を初めとする政党は、計画停電やインフレに 抗議する大会を行い、これらはほぼ全て連邦政府のせいだと主張した。パンジャブ州 (Punjab)首相もラホール市(city of Lahore)で行われたデモに参加し、長引く計画停電に抗 議した。
『抗議運動を阻止するために、治安という名の下に様々な禁止令が発令されたが、市民 も政党も無視することがあった。2012年を通じて、路上で抗議したことで交通を妨害し た等の表面上の理由から、平和的な集会に参加した抗議者が複数逮捕されたり殴打され たりした。場合によっては拘留されることもあった。』[27b] (p132-133)
15.11 HRCP Report 2012は、2012年を通じて結社の権利を行使する個人及びこの権利の制限の
事例を複数提供した。[27b] (p134-139)
15.12 結社の自由についてUSSD Report 2012が述べたところによれば、『結社の自由は憲法の
定めるところであるが、法の課す制限を条件とする。現在は解散された、パキスタン社 会福祉・特別教育省(Ministry of Social Welfare and Special Education) によれば、国内で活 動しているNGO[非政府組織]は100,000組を超えるが、法規制枠組みにばらつきがある ため、NGOの正確な数はわからないということである。』[3n] (2b節)
15.13 HRCP Report 2012によれば、『2012年における労働組合結成に関する制限は、結社の自
由を不当に制約するものであった。これには、労働者が50人以下のパンジャブ州
(Punjab)の組織又は20人以下の他州の組織に労働組合結成を禁止する法規定などがあ
る。非正規労働者及び正社員だが在職証明書がない労働者も組合を結成することがで きなかった。』[27b] (p142)
野党勢力及び政治活動家
15.14 HRCP Report 2012によれば、
『バローチ族(Baloch)、シーア派ハザラ人(Shia Hazara)及び宗教的少数派等の、国内の虐 げられた集団はそれぞれ個別の政党を設立しているが、党内に民主主義精神が明らかに ないものばかりであった。2012年に国に登録された全162政党のうち、自由且つ公平な 党内選挙が行われたと主張できるのはごく少数の政党だけだった。民間の社会団体の 報告で明らかになったように大多数の政党は、有意義な内部選挙を実施しようとせ ず、お馴染みの公務員を要職に就かせる本心が見え見えの選挙プロセスを披露した。
主 要 政 党 の 大 半 は 民 主 主 義 精 神 に 欠 け 、ECP[パ キ ス タ ン 選 挙 委 員 会(Election Commission of Pakistan)]の条件に適合するように、総選挙の直前に、党内選挙を行っ た。』[27b] (p152)
15.15 またHRCP Report 2011によれば、『正当な学生及び労働者政治組織が運営上の障害に直
面した一方で、非合法化過激派集団は、その強靭な回復力と禁止令を実行できない政 府の無能を行動で示した。』[27g] (p126)
15.16 HRCP Report 2010によれば、
『連邦政府は、バローチ解放軍(Baloch Liberation Army)(BLA)、バローチ解放戦線 (Baloch Liberation Front)(BLF)、 バ ロ ー チ 共 和 軍(Baloch Republican Army )(BRA)、 Lashkar-e-Balochistan (LB)及び 、Baloch Musalla Difa Organization等の5のバローチ族組織 を非合法化した。ラーマン・マリク(Rheman Malik)内務相は、この5組織は自爆攻撃、
ロケット弾攻撃及び無実の人々の殺害に関与したと述べた。同相によれば、「軍」又 は「在郷軍」(lashkar)を名乗る組織は州内での就労を許可されず、治安部隊はそれに対 する標的作戦を開始するということである。また、パキスタン国立銀行に組織の口座を 凍結するよう要請したとした。バローチ人分離主義組織は市民団体組織及び非バローチ 政党が州内で自由に活動を行うことを頻繁に禁じた。』[27e] (p178)
治安状況及び補遺B: 政治組織も参照のこと。
政治的動機による暴力
15.17 南アジア・テロリズム・ポータル(SATP) が2012年3月21日に閲覧したパキスタン評価報
告書2012年度版の中で、『標的殺害行為』について述べたところによれば、