132
133
のGlcNAcを 1残基のみ有する遊離型N—グリカンである可能性が高いことが示された。
134
Fig. 4-3-1. 逆相HPLCによる対照区O. sativa芽部の構造特性別 N−グリカンパターン
3 4 5 6 7 8 9 3 4 5 6 7 8 9 3 4 5 6 7 8 9
Fluorescence intensity
Elution time (min)
5 10 15 20
0
Elution time (min)
5 10 15 20
0
Fluorescence intensity Fluorescence intensity
Elution time (min)
5 10 15 20
0
a1 Peak a
Peak b
Peak c
Peak d
Peak e
Peak f
Peak g
Peak h
Peak i
Peak j
Peak k
Peak l
Peak m
Peak n
Peak o b1
c1
e1 e2 e3
f1
g1
h1
k1
m1 m2
n1
o1 h2
135
Fig. 4-3-2. 逆相HPLCによる SNC曝露区 O. sativa芽部の構造特性別 N−グリカンパター ン
3 4 5 6 7 8 9
Fluorescence intensity
Elution time (min)
5 10 15 20
0
Elution time (min)
5 10 15 20
0
Fluorescence intensity Fluorescence intensity
Elution time (min)
5 10 15 20
0 Peak a
Peak b
Peak c
Peak d
Peak e
Peak f
Peak g
Peak h
Peak i
Peak j
Peak k
Peak l
Peak m
Peak n
Peak o
3 4 5 6 7 8 9 3 4 5 6 7 8 9
a1
c1
e1 e2 e3
f1
g1
h1 h2
k1
m1 m2
n1
o1
136
4.3.2.3遊離型ハイマンノース型 N—グリカンの構造解析
質量分析の結果、フラクションlは1780.3210 (Na+)のm/z値を示した。このm/z値から、
フラクションlは還元末端側のGlcNAcが1残基のみ結合した遊離型ハイマンノース型N
—グリカンのM9構造であることが予想された。続いて、構成糖およびその結合様式を確 認するため、フラクション l はのα—マンノシダーゼ消化を行った。ポジティブコントロ ールには糖鎖標準品のM8A(2 pmol/µL)を用いた。α—マンノシダーゼ消化の結果、M8A
(G.U = 9.66)はG.Uが 4.48、5.80および6.53前にシフトしたフラクションが得られ、
G.Uからそれぞれのフラクションは M8A からα—マンノースが 5〜7 残基遊離した M3、 M2およびM1構造であることが示された(Fig. 4-4A-II)。ポジティブコントロールの結 果を踏まえ、フラクションlはのα—マンノシダーゼ消化を行った。なお、Fig. 4-3-1の逆 相 HPLC 分析においてフラクション lはほぼ単一フラクションであったため、α—マンノ シダーゼ消化はサイズ分画HPLC にて分取後のフラクション lを用いた。α—マンノシダ ーゼ消化の結果、lは(G.U = 9.96)はG.Uが 6.67および 7.45前にシフトしたフラクシ ョンが得られ、G.Uからそれぞれのフラクションは遊離型 M9 からα—マンノースが 7 残 基および8残基遊離したM2および M1構造であることが示された(Fig. 4-4B-II)。α—マ ンノシダーゼ消化後のG.Uが9〜10付近のフラクションについては、逆相HPLC分析に てlとは異なる G.Uをもち、非還元末端にα—マンノース残基が結合していない別の糖分 子である可能性が高い。酵素消化の結果から、フラクションl1は遊離型ハイマンノース
型N—グリカンのM9 であることが示された。
さらに、逆相HPLC分析において遊離型ハイマンノース型N—グリカンを含む可能性が 高いフラクションについて質量分析を行った。フラクション g およびフラクション j の 質量分析の結果、それぞれ1456.6669 (Na+)および1619.2116 (Na+)のm/z値を示した。こ のm/z値から、フラクション gおよびフラクションjは還元末端側の GlcNAcが 1残基の み結合した遊離型ハイマンノース型N—グリカンの M7およびM8構造であることが予想 された。従って、フラクション g およびフラクション j の構成糖およびその結合様式を
137
確認するため、フラクションgおよびフラクションjのα-マンノシダーゼ消化を行った。
フラクションgのα—マンノシダーゼ消化の結果、フラクションg(G.U = 8.36)はG.Uが 5.07および 5.85前にシフトしたフラクションが得られ、G.Uからそれぞれのフラクショ ンは遊離型 M7 からα—マンノースが 5 残基および 6 残基遊離した M2および M1 構造で あることが示された(Fig. 4-4C-II)。また、フラクションjのα—マンノシダーゼ消化の結 果では、フラクションj(G.U = 9.21)はG.Uが 5.92および6.70前にシフトしたフラク ションが得られ、G.U からそれぞれのフラクションは遊離型 M8 からα—マンノースが 6 残基および7残基遊離した M2およびM1構造であることが示された(Fig. 4-4D-II)。
138
Fig. 4-4. フラクションl、フラクション gおよびフラクションjのα-マンノシダーゼ消化
産物のサイズ分画HPLC 結果
A-I, M8A、A-II, A-Iのα-マンノシダーゼ消化後、
B-I, フラクションl、B-II, B-Iのα-マンノシダーゼ消化後 C-I, フラクションg、C-II, B-Iのα-マンノシダーゼ消化後 D-I, フラクションj、D-II, B-Iのα-マンノシダーゼ消化後
Fluorescence intensity
Elution time (min) 4 5 6 7 8 9 10 3
10 15 20 25
4 5 6 7 8 9 10 3
30 10 15 20 25 30
5 5
Elution time (min)
Fluorescence intensity
I
II
I
II
A B
Fluorescence intensity
Elution time (min) 4 5 6 7 8 9 10 3
10 15 20 25
4 5 6 7 8 9 10 3
30 10 15 20 25 30
5 5
Elution time (min)
Fluorescence intensity
I
II
I
II
C D
139
4.3.2.4. 対照区と SNC曝露区の O. sativa芽部に存在する N—グリカンについて
対照区と SNC 曝露区において得られた全ての N—グリカンの構造および存在比は Fig.
4-5 に 示 し た 。 存 在 比 は 対 照 区 お よ び SNC 曝 露 区 に お い て 最 も 多 く 存 在 し て い た
GN2M3FX構造を100として算出した。比較解析の結果、対照区と SNC曝露区間おいて
N—グリカン構造や相対比は全体として同様のパターンを示したが、パウチマンノース型
N—グリカンと一部の複合型N—グリカンおよび遊離型N—グリカンはSNC曝露区において
僅かに減少していた。M3X は7(対照区)から2(SNC曝露区)、M3FXは 74(対照区)
から60(SNC曝露区)、Gal2F1GN2M3Xは 19(対照区)から 10(SNC曝露区)、遊離型 M8は19(対照区)から13(SNC曝露区)、遊離型M9 は36(対照区)から23(SNC曝 露区)であった。また、相対比較の結果、SNC曝露区において増加した N—グリカンは検 出されなかった。しかしながら、SNC曝露O. sativa芽部は対照区との生長度の差が殆ど 確認されなかったことから、本節におけるN—グリカンの減少量では、表現型の変化に大 きな影響がないことが示唆された。
140
Fig. 4-5. 対照区および SNC曝露区の芽部における N—グリカン相対比の比較
M3X
100 50 0
Ratio
50 100
Ratio
0
Control SNC exposure
0 20 40 60 80 100 120
M3X M3FX
GNM3 GNM3FX GN2M3FX