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MMoriarityの論文 LはLouderbackの論文 M l、M 2は1975年の論文 他は1976年の論文から作成。

2章 相 互 満 足 的 配 分 49  特に重要なのは、 Moriarityが独立的調達法として、 Xiと(]十五)との小さい 方の代替案を選択し、 Xiに限定していないことである。そして節約額が負の場合 は、独立的な資源調達のシグナルとみて、結合的資源調達を行わない。

A、Bの例では、①A、Bを共同購入し、修理費のかかりすぎるBを捨てて、

新たにBを外部から購入する(M3、M4)、②A、Bを共同購入し、 Bを修理す る、③A、Bを別々に購入する(L1、L2)、という 3つの代替案がある。Louder‑ backは①を考慮に入れなかったのである。

3.  Moriarity, Louderbackによる配分方法

Moriarityによる配分法は、以下の式で表現される。

tiYi‑(Y/~Y,) (~Yi-X)  (1)  Yiは、生産物ないしサービスを独立的に獲得するならば発生するであろう原価 であり、 Xは同ーの生産物ないしサービスが結合的に提供される場合の原価を意 味する。この配分では、財・サービスの結合的な獲得による節約額 (~Yi-X) を、

それらを独立に獲得する場合の原価の総原価に対する割合に応じて配分すること が考えられている。

これに対し、 Louderbackは、上述の事例2について、さらに追加加工費を必 要とする場合の数値例をあげ、 Moriarity法を拡張している。すなわち、事例2

と閉じA、Bを1500ドルで購入でき、 Bについてのみ1200ドルの追加費用が必 要な状況を考えているO 例えば、表1のL2のような場合、配分きれる総原価が 増分原価/;よりも小さい675<780という Bへの総原価の配賦に関して、 A生産物 生産部門は、 Bが追加加工費/;さえ負担していないのは不公平だと感じるという 問題点がLouderbackによって指摘されているo ところが、 Louderback(1976)  に対する Moriarity(1976)による反論は、以下の諸点において両者の見解が食 い違っていたことを指摘している。

1に、 Moriarityの外部からの資源調達コスト Xiは、

J + / ;

と比較されて、

小きい方 Yi が選択され、 Yi/~Yi を配分率とすべきところを、 Louderbacl王は、

それらの大小にかかわりなしあ/~Xi をもって配分率と誤解していた。

50  II 業績管理のためのコスト・アロケーション

第2に、 Moriarityが、増分原価と結合原価を区別していないという批判は妥 当で、はないということである。

さてそれでは、 Moriarity法には問題はなかったのであろうか。その長所と短 所を、Louderbackが新しく提起した方法と比較しながらみてみることにしたい。

Louderbackが提起している jの配分公式は次式のとおりである。

(Xi 五)/~ (Xi

)}xJ iεN  (2)  ただし、 Xiがj;以上であるすべての iに対してのみ(2)式は適用され、めがj;よ りも小さい場合には、結合原価は配分されない (Xi‑j;Oが前提)。

この配分方法に従えば、 iへ配分きれる総原価川土、 j;五三ti五三Xiとなる。また、

Xi<j;ということは、財・サービスを外部から購入すべきことを示すから、配分さ れる結合原価はOである。ここで、 iへ配分される総原価川土、以下の数式のよ

うに書ける。

ti =j;+{ (Xi 一五 )/~(Xi 一五)}x ] 

=Xi‑{ (Xi-五 )/~(Xi 一五 ) }{~Xi-(J 

~五)}( i εN)  (3)  一方、 Moriarityの(1)式は、次式のように書ける。

ti=Yi 一 (Y,/~YJ {~Yi 一(J十 2五)}  ( i EN) (4)  (3)式と (4)式を比較すれば明らかなように、 (4) は配分比率が Yi/~Yi であるのに 対し、 (3)は配分比率が (Xi 五 )/~(Xi 五)となっている。これらの(3) と (4)の相違 は、各セグメントの管理者の公平感に影響を及ぼす。すなわち、 Louderbackの (3)の公式に基づく配分は、 Xif,.ならば、各部門にとっての総原価ん豆島であり、

五三五tiであることを保証する。これは、 j;豆島ならば、 (3)式の第2項はOか正、お よびj;=ん‑);三五んだから、五三五ん三五んである。

ところが、 Moriarity法による配分は、必ずしも五三五ん豆島を満たさない。この ことが、不公平感を生じることを以下の数値例を用いて説明する。

この場合、部門2、3については、 j;壬ん三五あが成立しているけれども、部門 1 については、 j;=770、ti=666だから、五>んとなっており、部門1のみがj;さえ 負担していないという点で他部門の反発を招しこの反発は、管理者が組織全体

表2‑2

830 

0=830  1620 {1620‑(270+ 1030) )今666 280 

t2=280 1620 X320225 510 

tJ=510一一一一1620 X320409

2章 相 互 満 足 的 配 分 51 

Balachandran等、(198、)1p.87数値例を一部利用。

J=270  .Eyi=1620  .Ef; 1030 

の原価を最小にしないような部分結託を行ったり、あるいは全体の結託に加わら なかったりする、いわゆる逆機能的行動をもたらす。この数値例では、部門2、 3が結託して

J + 

/z+ h=530を分担する方が、ら+ゐ=634を分担するよりも分担 額を少なくできる(ただし、結託の中の配分は、ん<225、お<409という条件を満 たきなければならない)。ところが、組織全体としては、

J+ : E

五三1300の方が、

X,+ (J 十五十五)=1360より小さくなることから好ましいといえる。

では、 Louderbackによる配分方法ではど7か。上述の数値を(3)式に代入すれ ば、 t,=797、ち=136、ら=367となり、五三五ん三五Xiという関係の成立していることが わかる。部分提携は起こらないのである。 Xi 五>0は、独立的な資源調達のため に離脱しない、という負担に耐える能力を表しているo したがって、 Louderback の配分率は、この種の負担能力を考慮、した配分という意味で公平で、ある。では一 般的にはどうか。 Balachandran等(1981)では、この点に関して肯定的な見解が 示されている。

4.  L ‑ Mスキーム、 ]IM法、]lL法

(3)式は、 (4)式の Yi を Xi に変え、配分率を Yi/~Yi から (Xi 一五 )/~(Xi 五) へ変更することにより得られる。 f=0、均三Yiの時、 (3)(4)は一致するから、両者

は共通点を持っている。 Balachandranet  al.は、 (3)(4)を結合したスキームとし て、旧式で、表現されるL ‑ Mスキームを提示している。

52  II 業績管理のためのコスト・アロケーション

ti二九一 {(Yi 一五 )/~(Yi メ)}{~Yi 一(]十 2五)

二五+{ (Yi‑j;) /2:: (Yi  メ)}x] (i εN)  (5)  このスキームも、 Louderbackのいう公平感(つまり、財・サービスを共同で 調達することによる節約額をすべての iに分配することから生じる公平感)を もっており、あに代わってYiを用いている点で、最善の購入機会が選択されるイ ンセンティブを管理者に与えるという Moriarityがあげているメリットを継承 していると思われる。

一方、このL‑Mスキームとは別に、 (3)(4)それぞれを修正したJIM法、 JIL法 を、 Johnson等は考案している。彼らは、①Moriarityの分析が

]+F<Y

、し かし五主主Yiという場合について述べていないこと、②MoriarityもLouderback

も/;~三 Piの場合に関して検討していないことをその修正理由としている。

結論を先に言えば、 Johnson等は、 JIM法、 JIL法の方が一般的に優れている という。

これらの配分方法は、以下のとおりである。

① メ<minlhxilのようなすべての生産物jに対して、以下の式のように表現 できる。

JIM法

ん=(] +F')Zo

Z L

ti

bi Pi ti

Zi minl(]+五), Pi, xil 

F'=~ん Z'=~Zi

JIL法 ん=ji+

人=]・(min

l P

 'iXi I一五)o(MIN' ‑F')  bi=Pi‑ti 

2章 相 互 満 足 的 配 分 53 

a U

A a EAn

n︐ ・

a

2‑3

j;Pi 生 産 物 航 Yi minlPi.ぬ│ 14  7 21  18  16  18 

‑ 2 12  10  13  13  10  9  3 15  18  11  11  11  8  5 13 

22  14  13  合計 23  39  62  54 

H  F 

J+fi 

聞は、耐=Pi‑fjという純実現可能価値を表わす。

Thorn8s(1977)p.33より作成

②  他の生産物については、 JIM法、 ]IL法共にj;=0 、L二五、 b;=Pi一五であ るo

Thomas (1977)があげている数値例を部分的に利用して、 IMoriarity法、 Louderback法」と IJIM法、 JIL法」との相違点についてみることにしようo

生産を完全に停止する場合以外は、/は一定額9(ポンド)発生し、合理的な 生産も、外部から別々に生産物を購入することもできると仮定する。

全体として利益が極大になるのは、 R、Wを結合的に生産し、 Vは外部から購 入、Uは生産・入手しないというケースである。この場合の利益は、 (PR+PW‑,rf. fw‑J) 

(Pv‑Xv) =20と計算できる。

きて、五 <minIPi x;1であるような生産物(上の例ではRと

W)

とそうでない 生産物を区別する意図は何か。

/;<minIPi• xilを満たす生産物については、 ]IM法では、例えば

ら=(J 

+ F ' )

ZR‑:

Z

(9

12)・16‑:‑29 

11. 59である)。

(J十ん+fw)をZRとZwの比で配分する意義は、より小きな原価で生産物 を入手できる代替案を選択するほど、あるいは価格が低くなるほど、より小さな 配分を受けることであると思われる。したがって利益をあげる代替案を選択する インセンティブを与える一方で台、価格下落の結果生じる利益の減少については、

その生産物の原価負担額を増加させるどころか、むしろ他の生産物に原価を負担 きせて、生産物聞の利益差を減少させる傾向をもっ配分といえよう。これはMor‑

iarity法との相違点の一つである。

54  II 業績管理のためのコスト・アロケーション

表2‑4

①  ②  ③  ④  ⑤ 

PR  21 21 21  21  XR  ⑬  18  ⑬  18  ⑬ 

PW ⑬  ⑬  13  13  ⑬  @ 

Xw  22  22  ⑬  ⑬  22  22 

lR  5.21  5  6.  19  6  5.57  3.81  lw 3. 79  4  2.81  3  3.43  5.  19  ヨドと比較して,

PRのみが減少し.PRXRとなる場合

Xwのみが減少し.Pw>xwとなる場合

⑥ 

50  30 

4.06  4.94 

PR. Xw が共に減少し • PR <XR. Pw>xwとなる場合

XRのみが増加したが.XRPRのままの場合

Pwのみが増加したが.xw<Pwのままの場合

XR.  Pwが共に増加し.XR PR.  XW< Pwとなる場合

また」己主minlPixilとなる生産物(例ではUとV)については、ん=/;であり、

結合原価の配分はない。

J I L

法でも

J I M

法と同様に生産物を区別し、結合生産が望ましいものについ てのみjを配分するとされる。

J I L

法では、

L o u d e r b a c k

法と異なり、五<minIPixilである生産物 (RW)  について Xiの代わりに minlPixilを計算し、 X'の代わりに MIN'を計算して いる。

この例において、 /;<minIPi,ぬ│である生産物RとWについて、 PiXiが変動 する場合に、 jの配分がどのように変化するかを見てみると、以下のようになる

[ただし、んニ 7<minIPR, XR 1, fw 5

min w, Xw 。]

上述の数値例をみた限りでは、②③のぬの減少、④のXRの増加の場合にみら れるように、より低い(高い)購入代替案の探求は、より低い(高い )jiの配分に つながる可能性がある。けれども、⑥にみられるように、価格上昇が同時に起こっ たために、ゐの増加にもかかわらず、最初の

h

よりもんが減少する場合もある。

他方、価格の変動についても、①⑤⑥にみられるように、価格の増減と同じ方向

2章 相 互 満 足 的 配 分 55 

L

も増減する傾向もあるが、③におけるように、Xwの減少による相殺効果が働

く場合もある。

5 ̲各種スキームの比較

前述の第1の問題点は、上述の例があてはまるo すなわちMoriarity法では、

J +F=48<54=Yであるが、 /v>Yvというケースについて、 tv

T ‑Yv ‑:‑Y =  48・11‑:‑54 = 9 . 8と計算きれる。だが、 tv<xv </vとなり、これが問題となること は既述のとおりである。また第2の問題について、すなわちん>PUのような場合 については、MoriarityもLouderbackも考慮、していなかった。たとえばMoriar. ity法では、 tu= 48 ‑13 ‑:‑54 = 11. 56となり、んよりも小さな原価しかUは負担し ていないことになる。 Louderback法では、 R、V、Wについて X;>/;が成立す るから、ん

=J

(Xu‑/u) ‑:‑(X'‑F') =9‑(13‑12) ‑:‑(53‑24) =0.31と計算され る。 tu=12.31> /uであるから、少なくとも /uだけはUが負担している点では、

Moriarity法よりも優れている。さらにこれらを改良した JIM法、 JIL法は、

U、Vのような生産物に結合原価を配分しないという点では合理的で、ある(した がって、

NRV

法、

SV

法、 Moriarity法のように

L

がマイナスになることもな

' ν

 

ただし上述のすべてのスキーム(および後述のシャプレイ値による配分)につ いても、全社的な利益最大化をもたらす諸活動の決定という観点では、その妥当 性は検討きれていない(以上の計算方法のどれについても、総利益は14となり、

極大利益20より小さい)。

第3節 コア概念とゲーム論的思考

前節であげたスキームでは、一定額の共通費の各部門ないし生産物のパッチへ の配分が考察されていた。しかも一部を除いては、独立的な行動のみが前提とさ れていた。これに対して、ゲーム理論ではあらゆる提携が考慮、され、共通費は提 携毎に相違する。

Hamlen等は、ゲーム理論で利用されるコア概念を、望ましい配分方法を選択 するための一つの基準として適用している。コアとは協力N人ゲームの一つの解

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