CHG(0.1w/v%)
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する本菌の抵抗‘性によるものか,それとも不適正な消毒法に起因するのかは明らか ではない。
本章では,FFEを介したHpyノ0㎡による交叉感染の原因を明らかにする目的で医 療施設における内視鏡消毒法の実態調査およびHpyjo〃に対する各種消毒薬の殺菌
力試験を実施した。
まず内視鏡消毒法の実態調査の結果,内視鏡検査を受ける被験者のすべてに対し 検査の施行前にHBV,HCV,M肋eMosjsなどの重症疾患をもたらす病原微生物の
スクリーニングは確実には実施されてはおらず,この様な状況下において同一の FFEが複数の被験者に連続して用いられていることが明らかとなった。しかもその 際の消毒法に関しては,驚くべきことに消毒薬を使用せずに中性洗剤を使用してい る施設があり,また消毒薬を使用している施設についてもHBV,HCV,肌加be1℃Ⅸノo巾
に対しては殺菌効果の認められないBAC,CHG,ADEGなど内視鏡消毒に用いるには
不適切な消毒薬を使用しており,GTAを使用しているのは20施設中わずか2施設 にすぎなかった。
FFEの洗浄・消毒に関する同様の調査はReynoldsら’00)によっても行われており,
彼らも同様の結果を報告している。すなわち,FFEの洗浄および消毒法の手順が施 設毎に異なっており,中には効果のない洗浄・消毒を実施している施設があったと
している。
日本消化器内視鏡学会の消毒委員会は消化器内視鏡検査に基づくHBV感染の有無 に関するprospectivestudyl0l)の結果,GTA使用のルーチン消毒により内視鏡検査
に基づくHBV感染は防止できたとしており,また米国消化器内視鏡学会も「InfEction c
o n t r o l d u r i n g g a s t r o i n t e s t i n a l e n d o s c o p y
・lrcfbsnelieidGu i n i c a l a p p l i c a t i o n
」により
FFEの消毒には2W/v%GTAを使用するように勧告しているlo2)。この様に消化器
内視鏡の消毒については,国内外ともに栄養型細菌,細菌芽胞,結核菌,真菌およ びウイルスなど広範囲の微生物に対し強い殺菌力を示すGTAを用いた高度作用消毒 がガイドライン化されているのだが,実際にこれを遵守している施設は少数である
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ことが調査で明らかとなり,この様な現状を考えるとFFEがHpy伽に限らず多く の病原微生物感染の媒介物となっている可能性は極めて高いものと推定された。
次に,医療施設で繁用されている7種類の消毒薬のHpyjorjに対する殺菌力を invitroにおいて有機物共存および非共存の条件下で試験した結果から,内視鏡消毒
における前処置としての予備洗浄の重要性が再認識された。すなわち,検査終了後 のFFEはまず十分に水洗いして,被験者の体液あるいは血液などの有機物をできる だけ洗い落とすことにより,微生物数を直接減少させると同時に消毒薬の殺菌力を 適正に維持することが可能となるのである。また,Hpyノorjのこれら消毒薬に対す
る感受性は極めて高く,高度作用消毒薬であるGTAではもちろんのこと,一次消毒 に用いられるBAC,CHG,ADEGなどによっても速やかに殺菌されたことから,適正
な消毒法を厳守しさえすればFFEを介したHpyノo〃感染は発生しないものと考え
た。
内視鏡消毒法の実態調査およびHpy伽に対する各種消毒薬の殺菌力試験の結果 から,上部消化器内視鏡検査に基づくFFEを介したHpy伽感染は,消毒薬に対す る本菌の抵抗性に起因するものではなく,検査後のFFEを十分に消毒もせずに次の 被験者に用いるなど,内視鏡検査後の器具汚染に対する認識の低さにより生じた不 適正な消毒法に起因するものと考えた。また,感染症スクリーニングが確実には実 施されていない現状を考慮すると,すべての被験者は感染しているものとみなすの が妥当であり,感染者に使用した場合でも非感染者に使用した場合でも,一貫した 高度作用消毒法を適用することでFFEを介した病原微生物感染の可能性を最小限に することができるものと結論した。
当然のことではあるが,免疫抑制患者などのcompromisedhostに対してはエチレン オキサイドガス滅菌済みのFFEを用いる必要がある。
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第 8 章 総 括
消毒薬にはそれぞれに固有の殺菌スペクトルがあり,栄養型細菌,抗酸菌,細菌 芽胞,真菌,ウイルスなど幅広い微生物すべてに対して有効なものは少なく,とく に細菌芽胞を短時間に死滅させるものは極めて少ない。また,材質に対する影響や 人体に対する刺激性・毒性なども消毒薬によって異なるため,今のところあらゆる 場面に万能な消毒薬は開発されていない。したがって,医療施設において実際に消 毒薬を使用する場合には,その場に応じて消毒薬を選択する必要があるが,現状で は必ずしも適切な選択が行われているとは限らないようである。本研究では,医療 施設で繁用されている消毒薬をSpauldingl03)の分類に準拠し,高度作用(GTA),
中等度作用(ChloIinecompounds,PVP-I,EtOH)および低度作用(BAC,CHG)に分
け,それらの殺菌力を同一の試験法により同一の菌株を用い試験した。また同時に,
実際使用時を考慮し血清共存下における殺菌力試験および安定性試験を行い,各消 毒薬の殺菌力に及ぼす有機物の影響を調べた。さらに,院内感染対策において医療 現場で常に問題となっている手指消毒法および内視鏡消毒法についても検討を行い,
これまで無意識且つ習慣的に使用されがちであった消毒薬の適切な選択法および適
●
正な使用法を医療スタッフに提供するための基礎資料とした。本研究で得られた知 見を以下に総括する。
l)栄養型細菌7種9株(S,α"re"SATCC25923,S、α"re"SKN93-256,Sepjdg”伽 KN93-188,E、血ecaノjsKN93-35,E,CO〃ATCC25922,E、CO〃KN93-152,P.αeノwg伽sa
ATCC27853,X腕αノ叩h伽KN93-17,AC伽肋aaersp・KN93-25)に対する殺菌力は,
EtOH(75,95v/v%)が最も強力であり,9株すべてを15秒で殺菌した。ただし,55
V/v%EtOHではこれら9株の殺菌に30秒~5分の作用時間を要した。また,GTA
(.34W.34,300,267,2.1.v%/)およびnds(mpouinecohlorC01,00,500,;100I,SHCSD
ppm)は9株すべてを30秒で殺菌した。次いで,PVP-I(0.05,0.5,5W/V%)は9株
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を30秒~1分で殺菌した。PVP-Iの殺菌力については0.5W/V%濃度においてやや強 い傾向を示した。BAC(0.05,0.2,0.5W/V%)およびCHG(0.05,0.2,0.5W/V%)で
はこれらの菌株の殺菌に30秒~5分の作用時間を要した。また,S、α”e“および P.αe叫伽sαの当院臨床分離株各々8株を用いた殺菌力試験の結果,BACおよび CHGでは同一菌種であっても感受性に差が認められ,かなり抵抗性を有する菌株が 存在することが明らかとなった。これらの抵抗性菌株に対しては,CHGに低濃度(7
~lOv/V%)のEtOHを加えることで速やかな殺菌効果が得られ,とくにICUや新生
児室など厳格な感染対策を要する部署での環境消毒や器具類の一次消毒に有効なも のと考えられた。
2)抗酸菌3株(〃肋eノ℃"ノ“jsKN93-7,M伽sasjjKN93-21,M.αw"mco”伽KN
93-13)に対する殺菌力は,EtOHが最も強力であり,3株すべてを30秒~5分で殺 菌した。次いで,GTA,Chlorinecompounds,PVP-Iの順に殺菌力は強く,それぞれl
~30分,3~45分,15~45分の殺菌時間を要した。BACおよびCHGは試験時間(120
分)内では殺菌効果は認められなかった。また,非定型抗酸菌のM畑"s伽および May伽CO抑ノexは,ヒト型結核菌である肌加be'1c"伽sに比べ消毒薬に対する抵抗 性が強く,いずれの消毒薬においても殺菌に比較的長時間を要した。
3)本試験において用いた菌株中B・皿6伽ATCC6633の芽胞が各消毒薬に対し最も 抵抗性が強く,PVP-LEtOH,BACおよびCHGは試験時間(360分)内では殺菌効果 は認められず,GTA,Chlorinecompoundsにおいても殺菌にそれぞれ30~120分,15
~180分の長時間を要した。一方,C叩omge"esATCCll437およびC叩舵"Ojdes
ATCCl9403の芽胞はBs"br肋の芽胞に比べ消毒薬に対する抵抗性はやや弱く,
EtOH,BACおよびCHGでは殺菌効果は認められなかったものの,GTA,Chlorine compoundsおよびPVP-Iではそれぞれ3~10分,3~60分,10~30分の作用時間で 殺菌することができた。
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4)真菌に対する消毒薬の殺菌力を検討した報告は細菌に比べると非常に少ないが,
年毎にQmdi血症,Aspe堰j伽症を代表とする真菌感染症は増加しており,医療施設
においては感染防御の対象となっているが,有用な資料が少ないため医療スタッフ に具体的な指針を提供できない状況である。真菌は細菌と異なり,酵母と胞子を形 成する糸状菌に分類され,それぞれの消毒薬に対する感受性は異なるものと考えら れている。本試験においても太田ら’04)の報告と同様,酵母様真菌のcα伽cα"s ATCC10231と胞子形成真菌のMrace"zos"sKN93-5,R〃jgrjcα"SSN32,
A〃gerATCC6275およびA舵rrg"SKN93-11では消毒薬に対する抵抗性に差が見
られた。すなわち,cα伽cα"sは各消毒薬に非常に感受性が高く,速やかに殺菌さ れたのに対し,Mracemos“,R、〃jgrjcα"s,A・〃jgerおよびAre〃e"sでは,GTA,
Chlorinecompounds,PVP-I,EtOHでそれぞれ3~30分,5~45分,30~60分,15~90
分の殺菌時間を要した。また,BACおよびCHGの0.05W/V%濃度では試験時間(120
分)内では殺菌効果は認められず,0.5W/V%濃度においても30~60分の殺菌時間を 要した。
5)HBVに対する消毒薬の有効性をHBS抗原の不活化を指標として試験した結果,
GTA,Chlorinecompounds(SDI,SHC;5,000,10,000ppm)およびEtOH(75,95v/v%)
によりHBS抗原は30秒~3分以内に不活化されたが,PVP-I,BACおよびCHGでは
120分の作用時間でも不活化されなかった。今回の試験結果および小林らのチンパン
ジーへの感染実験結果を併せ考えると,EtOHもGTA,Chlorinecompoundsと同様に
HBVの有効消毒薬として推奨でき得るものと考えられた。
6)消毒薬の殺菌力を適正なものとするには,薬剤濃度,作用温度,作用時間が重 要な因子となるが,実際使用時においてとくに留意すべき点は消毒薬の殺菌力にお よぼす有機物の影響を十分に把握することである。なぜならば,消毒薬の中には作 用環境に存在する血液,熔疾,排池物などの有機物やガーゼ,脱脂綿などと化学反
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