ゆえに,
片_1
5.円周率πの無理数性
65
以上の補題より,今回の本題である以下の定理が証明できる。
定理5.2.5πは無理数である。
証明先ほどの補題(5.2.4)から,tan ;μ(μはOでない有理数,O< <π/2)とすれば,
仮に が有理数ならば,μは無理数となり矛盾である。よって,tan =ん(ん∈Q,ん≠o)の π π
とき, は無理数である。これを利用すると,tan一=1であるから,一は無理数である。従っ 4 4
てπは無理数である。 口
5.3 微積分を用いた無理数性の証明
この節では,まず以下の定理の証明を行う。
定理5.3.1α2が無理数ならば,αも無理数である。
証明上の式の対偶をとると,「αが有理数ならば,α2も有理数である。」となる。これは,
自明であるため,この対偶である題意は満たされる。 口 補題5.3.2あるη≧1を固定して,
ガ(1一 )n
∫( )= (531)
η!
とおく。このとき,以下の3つのことが成立する。
!2帆
関数ル)はル)rΣ・ハ・1一(一・γ一㌦q一η) (・・…)
{=れ 1
0<エ<1に対してlO<ル)<莉 (5・3・3)
すべてのん≧Oに対して,微分係数∫(た)(0)と∫(為〕(1)は整数である。 (5.3.4)
証明まず,(5.3.2)から,証明を行う。(5・3・1)式より,以下のように計算できる。
が(1一 )れ
ル)=
、η!
一証帆一η・れ十!・・…(一1)肌刈 12れ
rΣ・〆
4=n
ここで,2行目より,ぺη≦{≦2η)の項は必ず整数のため,題意を満たす。
次に,(5.3.3)の証明を行う。まず,(5.3.3)式をη!>Oより,以下のように書き換えられる。
0<η!ル)<1
この式に(5.3.1)式を代入すると,
O< η(1一 )れ<1
となり,上式を証明すればよい。ここで,0< <1のため,
O<〆<!
また,O< 一1<1ともなるため,
O<(1一 )n<1
ゆえに,
0<πれ(1一 )η<1 ゆえに,題意を満たす。
最後に,(5.3.4)の証明を行う。まず,(5.3.2)によって,プ(z)のだ次の微分係数∫(胎)( )は,η≦
ん≦2ηでない限り, 二〇のとき0である。また,その範囲ではプ(馬)(O)=た!μcみは整数で ある。∫( )=∫(1一 )から,すべての に対して,
∫(k)( )=(一1)為∫(k)(1一 )
であり,それゆえに,
∫(た〕(1)一(一1)k∫(た)(O)
となって,整数である。 口 次に,π2が無理数であることを証明する。
定理5.3.3π2は無理数である。
証明まず,本定理では,補題(5.3.2)で用いた記号を使用する。ある整数α,6(6>0)に対 して,π2=α/6と仮定する。ここで,
F(・)=うn(π2れル)¶2九一2∫(2)(ω)十π2η一4∫(4)(・)一...)
は,次を満たす。
F (・)=一π2F(・)十6帆π2n+2ル)
5.円周率πの無理数性
67
ここで,補題(5.3.2)の(5.3.4)からF(0)とF(1)は整数である口両辺を微分すると,
d
ポ(・)・i・πHF(・)…π・1一(F (・)・π2F(・))・i・π・
二6冊π2帆十2∫(・)・i・π・
=π2α肌ル)・i・π・
となるため,
・一
¥ル)・i・舳
一[〜)・i・π・一F(・)…π・ll :F(O)十F(1)
は整数となる。さらに,(境界を除いて)正の関数の積分として定義されているので,wは正 π帆αη
である。しかし,十分大きくηを選び, <1となるようにすると,補題(532)の(533)
η!
から,
…一 Sル)・i…あ
クrαn
<一<1
η!が得られる。これは,矛盾であるため,つまりπ2が無理数であることがわかる。
定理(5.3.1)及び定理(5.3.3)より,πは明らかに無理数である。