花芽始発促進 := 20 30
温 度(℃) 温 度(Oc)
三l==
温 度(℃) 温 度(℃)
二=
低温感応増加
温 度(℃)
開花促進
別図 温帯花木の花芽の温度反応
− 72−
では上限がほぼ150Cで,下限は凍専が生じるためはっきりしをいが,花芽が正常に生存できる範囲では確認で きない.すをわち,CはちょうどAl,A2と逆の温度範囲である‖ したがって,この温度領域を低温と考え,そ れに対する花芽の反応を低温反応と表わすことができる.なお,低温反応は花芽の形態的変化をほとんど伴わを い場合が多い‖
一・定期閤(短くて約4週間,長くて約6週間)の低温を経過した花芽は再び涼温(Dl:ツバキ,レンギョウ,
カイドウ,サクラ,モモ,コデマリ,フジなど,D2:ウメ,ボケなど)下に移されると正常に開花するい 以上の温度反応は花芽形成の進行とともにA→B→C−→D の方向に進み,この順序が崩れると正常な開花はお こらない.ただし,サザンカのようにA−すBの過程で開花するものがあり,また種によっては,これらの温度範 囲の−∴部が重なる場合があるので,実際の花木の開花過程では,これらの温度反応を見分けることはかをり困難 である一
第3節 新棉の生長と花芽形成
果樹では澱粉の蓄積が花成ホルモン集前の指標118)とをるとされる.花木類では枝が早く充実する程,花芽形 成は正常で早くをる傾向があるい これは本章第1節および第2節で,日長および温度と花芽形成の関係で述べた
し,生長開始期が遅く,その後の生長が劣る条件では花芽形成が遅れるという報告29)などからも説明されよう‖
福田・黒群0)は数種の果樹の枝棉内の澱粉の消長を調べたが,モモやナシでは枝の伸長後,生長が緩慢となる 7月から8月にかけて澱粉の蓄積が多くをるり すなわち,−・般にこれらの果樹の花芽形成が始まる直前に澱粉の
蓄積がある.ツツジ類は暖地では遅く発芽した枝にも着花する82)と言われているが,その原因の一つは暖地で はそれらの枝の充実が可能な高温が長く続くためと考えられているPettersen89)は摘心法を変えでアザレアの 花芽形成を調べ,hardpinchではsoftpinchに比べ生長が遅れると同時に花芽始発も遅れることを明らかにし ている
さらに,近年,生長抑制物質による花木の花芽形成促進効果が多数報告されている12・18・糾明,略Tl,欺75,9い0…5・
111・118・182,188)。その効果は,新梢の伸長抑制による充実と関係しているようである小 以上のような観点から,本節では主に新棺の生長と花芽形成との阻係を検討する..
第1項 新輪の生長開始時期と花芽形成
花岡84邦・8、7)は花木類の栽培地の高度と花芽形成の関係を研究し,高冷地では,ふキヤナ・ギの花芽形成はやや
早いが,早生コデマリ,サクラ,モモ,ウメ,レンギョウ,ヒュウガミズキ,ニワウメなどはむしろ生・長が遅れ,
また花芽始発も遅れることを報告している飯田相)は,ツツジの花芽形成の早晩を新栴の生長期間との関係で とらえようとした.萩屋27)によれば,ツバキは新柄の生長開始期が早ければそれだけ花芽形成時期が早くなり,
開花も早くなる可能性があるい これらの報告から考察すると,新梢の生長期間の差が花木の花芽形成に影響する 可能性がある
本項は,これらの問題を検討するため,腋芽が冬の低温を受け生長可儲とをった時期から,温室で生長させた 抹と自然栽培の株の花芽形成を比餃した結果をまとめたものである.
1小 サザンカ
1972年12月31日,1973年1月30日および2月28日に,15cm鉢植えの4年生株を5株ずつそれぞれ戸外より温 室(最低硬温120C以上)に搬入し,発芽伸長した新楷頂芽における花芽形成を調査した.新棺の伸長期は予想 よりも遅れ 入室順に2月下旬,3月上旬,3月中旬であった14月下旬以後は戸外に置き7月9日に観察した 結果,自然区では花芽形成初期であったが,12月入室区では雌ずい,他の2区では雄ずい形成期であった(第
−73−
106図).すなわち,早く生長し始めた枝では,遅く生長し始めた枝でより花芽形成は早くなると言える・この結
果は萩屋27)がツバキで明らかにした結果と劇致した・・ツバキやサザンカの花芽形成は新杓の熟度と関係してい ることが伺われるけ
2Lレンギョウ
戸外で育成した21cm鉢植え大株を切り炭した後,1973年1月31日および2月28日に入室し,5月31日に調査 した結果,レンギョウにおいても生長開始期が早いほど明らかに花芽形成時期は早くなった(第107図)・
654 花芽形成段階
自然 1.31 2..28 生長開始日(月・日)
第107図 レンギヨウの花芽形成に対する生長開始 時期の影響(1933)
第106図 サザンカの花芽形成に対する生・長開始時 期の影響(1973)
3ツツジ類
サザンカと同様の方法で,クルメッツジ 著楓,の3年生株,ヒラド系 御代栄,の3年生株,サツキ 真如月 の 5〜6年生株を用いて実験した… これらはそれぞれ入室後1カ月前後で新梢が伸長した・新棺の茎頂における 花芽形成を観察した結果,どの種も生長開始期が早いほど花芽形成時期が早くをることが明らかとなった(第
108図).
花芽形成段階
第108図 ツツジ顆の花芽形成に対する生長開始時期の影響(1973)
ー74−
これら3種類の花木に関する実験結果だけ で結論を出すのは早計に過ぎるが,他の種類 についても同様の現象がしばしば観察されて いることから,枝棉の生長開始期の早晩は花 木の花芽形成に影替すると言える.
第2項 生長期における新棉の切り返しと 花芽形成
枝栴の生長期間を調節する−・方法として,
伸長中の新棉を切り返して2次新棺を用いる 方法があるl.本項では,この方法を用いて新 棉の生長期間と花芽形成との関係を検討した 結果をまとめる…
1. レンギョウ
1973年5月9日,30日,6月20日に,ほ場
花芽形成段階
8日16 10小21 調査日(月・日)
第109図 レンギョウの花芽形成に対する新棺の切り返し 時期の影響(1973)
に植栽している大株の新梢を基部を残して切
り返し,発生した2次粁棉の腋芽における花芽形成を調査したその結果,花芽形成は対照区に比べて切り返し 日が遅いほど遅れることが明らかとをった(第109図)
2 ツ ツ ジ
レンギョウと同じ方法で,5月6日,6月6日,7月6日に切り返したツツジにおいても結果は同様な傾向 であった(第110図).
3. ユキヤナギ
1973年5月16日,6月20日,7月25日に,ほ場に植栽している大株の新棉を基部まで切り返した.10月21日に 2次新梢腋芽を調査したところ,花芽形成は切り返し日が遅いほど遅れていた(第111図)
第111図 ユキヤナギの花芽形成に対する新棺の 切り返し時期の影響(1973)
一 75 − ユキヤナギは秋に花芽始発する種であるため,5月に切り返しても新杓の生長期間は十分であると考えられる が,花芽形成状態には明瞭な差があった.花芽形成の適温が早く来る高冷地で必ずしも花芽形成が早くならな い29)のは,高冷地では新梢の生長が十分を状態でないことによる場合があるためであろう小
以上の結果は,枝棉の生・長期間の差,す−をわち新楷の充実の差が花芽形成に影響することを明らかにLたと考 えられる日
常3項 新婦の生長停止と花芽形成
ハイドランジア90)やオ・オペニウツギ16) の花芽形成は枝の伸長抑制と関係している可能性があるそこで,新 栴の生長状態によって着花状態が変化しやすいモモを用いて検討した.
1976年7月13日から7日ごとに,18cm鉢植え2年生株にGA500ppm,BA500ppm,IAAlOOppmの単独ま たは組み合わせ散布を行い新梢の生長停止期の延長をはかり,生長停止と花芽形成との関係を検討した.
新棺の生長状態を調べた結果,鰊処理(水散布)では8月中・下旬に生長が止まり,IAA区でもほほ同様で あった.これに対し,GA単独およびGA+BA+IAA の組み合わせ処理区では10月中旬でも新梢は生長し続け ていた.BAおよびBA+IAA区では,初期成長は促進されたが,9月中旬までに生長停止状態とをり,生長が 止った順に落葉した‖ 一・方,11月30日に調査した結果でほ,佃処理およびIAA区では着花率が高く,GA およ
びGA+BA+・IAA区では,10〜30%の君花率であった(第12表).
第12衷 モモの花芽形成に対する生長調節物貿の影響
(品種ヤエカラモ・モ,1976)
生長調節物蚕 腋芽数a 花芽数b 着花率C
個 個
GA500ppm IAAlOOppm BA500ppm IAA+BA GA+IAA+BA
水
7 8 0 8 9 莫リ
6 8 4 2 1 7
1 1 2 2 4 3 0 0
6 1 4 5 3 0 0 4 0 4
7 1 3 6
6月19日に新檜を切り返し,2番枝が伸長し始めた7月13日よ り9月6日まで毎週散布した一.
a:肉眼で碇認されるもの b:着花節数
c:者花節数÷腋芽数×100
以上の結果は,用いたホルモンの種類よりも生長停止時期の差によって花芽形成に差があることを示している.
すなわち,生長停止が早い程花芽形成期は早くなる傾向が認められた‖
第4項 生長抑制物質処理と花芽形成
先述のように,生長抑制物質処理によって,花水の花芽形成が促進されることが知られている..この生長抑制 物質の花芽形成に対する効果の解析はまだ充分には行われていないこれまでの報告から判断する限りでは,生 長抑制物質が花芽を直接誘起するとする考えもあるが26),むしろ新棺の徒長を抑制することによって,花芽形成 の前提条件である枝栴の充実を促がす12,19′100)と考えるのが安当であろう、
これらの点を考慮して,生長抑制物質の花芽形成促進効果が,新棺の生・長(伸長)とどのように開運している かを検討した.1976年6月17日にクルメッツジ 若楓 の15cm鉢楯大株の新村を基部2部を残して切り返し,
短日(自然光10時間)または長日(自然光10時間+2時間光中断)で腋芽が伸長し始めた6月25日から14日ご