−96−
促成温度(℃)
□10
−97一 第1項 自然条件下の花芽の促成可能時期
加温のみによって促成できる時期を検討するため,1971年9月3日から5過ごとに,最低夜温100Cおよび 200Cのフレームに入室した ただし,促成湿度は,自然温度がこれらの設定温度より高い間は自然温度とした一
人室後10週間の調査では,栄養芽は入室期が遅いほどよく発芽し,また初期には促成温度100Cより200Cで よく発芽する傾向があった これは,時期が遅いほど自然低温によって芽の休眠が破れることを示していると考 えられる
山・方,開花状態を調べた結果,開花率は入室時期や温度に関係なく80〜90%となり,すべて自然における開花 以上であった(第13副因).入室から開花初めまでの日数は9月3日入室区で約100日で,入室期が遅いほど減少
し12月17日入室区では20日以7■となった しかし,9月3日から開花までの日数は入室期が遅いと増加する傾向 があった.また,開花は初期には100Cより200Cで促進されたが,入室期が遅くをるにつれ温度による差は小 さくをった,このことば,低温要求が満たされるにつれて開花可能温度が低くをる52)ことを示している.
ツツジ類の入室期についてはいくつかの報砦がある中静ら84)によれば,アサレアは入室期が早いほど開花 期は早くなるが開花そろいは悪くなるそして,開花そろいが良くをる時期は品種によって異なる,したがって,
冷蔵せずに促成する場合は,その時期と品種を充分に検討する必要がある.
第2項 冷蔵による促成
ツツジ類には開花のためにほとんど低温要求を示さない種や品種もあるが,多くのものは多少とも低温要求を
もつ8・4,1岬,7 6,10佃1,185) 低温は,開花率を高め開花を早く斉−・にするのに有効であるが,低温の作用機作は明
らかでない 横井・卜部135)は,花芽が発達する程低温の開花促進効果が大となることを示し,またPost96)も同 様のことを報告し,低温は完成している花芽の生長を抑制すると同時に遅れている花芽の発達を促進することを 示したMartinら72)は,低温ほ花芽生長を抑制するが開花そろいを良くすると述べている低温はツツジの開 花を斉−・にする点で,開花促進に有効であると言えよう
そこで1971年9月3日から11月12日まで5過ごとにけい光灯100〜200luxの50C室で冷蔵し,0,2,4,6週 間後に100および200Cのフレームに入室したその結果9月3日冷蔵開始区は,冷蔵中に凍蕃を生じたが,
他の区では正常に開花した
低温は栄養芽の発芽を促進し,入室後の到花日数 を減少させ(第139図),開花そろいを良くした(第 140図)が,10月以後の冷蔵は冷蔵期間に相当する だけは開花を促進しないので,むしろ実際の開花日 を遅らせたい これは,前述の報告と−・致している
したがって,早期促成においては短期の冷蔵が有 効であろうが,開花期の促進のためには,低温はむ
しろ阻賓的であると言えよう
0 0 0 <U O 54321
5%〜50%開花所要日数
93 108 1112121′7121自然
冷蔵開始l](月・・目)
第140図 クルメッツジの開花に対する冷蔵の影 響(197ト1972)
第8節 コ デマリ
コデマリは,切り枝花木として重要な種で,古く から促成されている.しかし,自然では11月以後に
花芽始発し,しかも12月〜2月における花芽発達が頼めて緩慢であるなどのため,従来の方法では早期促成が困 難であった62)近年,早生系品種の利用等によって促成時期もやや早くなっている例もあるが,それでも年末か
ー 98−
らの促成は容易でないけ そこで,品種 ミズホ における促成方法を検討した.
第1項 自然条件下の花芽の促成可能時期
畑で養成したさし木3年堕株を18cm鉢に鉢上げし,1970年10月6日から12月15日まで2過ごとに,1971年1 月12日から4月6日まで4過ごとに,最低夜温150Cの温室に入室し,自然条件下の花芽が,促成した場合に開 花し得る時期を調べた.
入室時期とその時の花芽発達状態および開花との関係はつぎの通りであったすをわち,花芽が花序分化初期 ないしそれ以前にあたる11月上旬までの入室ではどの株もほとんど開花せず,11月中旬以後はたとえ花芽が発達 停止状態であっても,入室時期が遅いほど発雷,開花率が上昇した
従来, コデマリの入室可儲時期は1月中旬以後とされており62),加温方法によってはかろうじて12月下旬入室 が可能とされているが,本実験の結果もほほ一徹したすなわちコデマリは花芽の20〜30%以上開花すれば商品 価値があるが,この点から考えると12月下旬からの入室が可儲であると言える・なお,開花率と入室時期との関 係からみる限り,コデマリが開花するかどうかば発達状態とは関係なく花芽の低温遭遇の多少によって決定され
ると考えられるけ 第2項 冷蔵による促成
コデマリの早期促成に関する研究例は少なく,とくに冷蔵による促成に関する研究報告は触いしかし,第2 章第2節で述べたように,コデマリの花芽は00〜50Cの低温を経過す−ることによって開花可儲となるので,冷 蔵と開花の関係を検討した‖
1970年10月6日から12月15日まで2過ごとに,第1項に述べたものと同様の株を,00または50C暗室に置き,
0,2,4,6週間後にとり出して促成した
開花に関して調査した結果,10月20日以後,時期が遅くなる程また同時期では冷蔵期間が長い程,発雷率と開 花率が高くなった(第141図)しかし,実用的に容認できる開花率の点から考えると,4週間冷蔵で12月上旬に 入室するのが限度で,それより早期の促成は無理と考えられた.到花日数は処理による差がrなくほほ30〜40日で
(第20表),他の花木類とは異をる.これは,コデマリの花芽は2月上旬までは開花のために必要な低温期間経 過後も小包形成期のままであり,十分な低温要求が満たされた場合は,その後の花芽発達が時期にかかわらず同
じ速度で進むからであろう,
% 60
50
40
30
20
10
0
ト ⁚●u
0 先哲率
● 開花率 6 0 2
﹄
4 6 0 2 4 60 2 4 6 0 2 4 6 0 2 4 6 0 2 4
1215
10.6 10.20 113 1117 121
冷蔵開髄日(月・日)および冷蔵期間(50c,過)
第141図 コデマリの開花に対する冷蔵の影響(1970−1971)
− 99 −
第20表 コデマリの開花に対する冷蔵温度および期間の影響(1970)
5 0C 冷 蔵 0 0C 冷 蔵
冷蔵方法 開花状態 冷蔵方法 開花状態 籠始晋 処理期間 到花日数a 小花数b 篇始晋 処理期間 到花日数a 小花数b
月・日 過 = 月・日 週
0 43 12。8 0 43 12.8
2 2
106 106
4 4
6 6
0 0
2 2 50 11.0
1020 1020
4 4
6 34 18.0
0 39 120 39 12.0
2 34 290
3
34 135
113
4 34 13小5 4 38 120
6 36 18.0 6 34 144
0 34 126 0 34 12り6
2 34 23,6
11.17
2 34 21.1
1117
4 36 16,.6 4 36 11.8
6 40 154 6 40 168
0 34 23小3 0 34 233
2 36 18.9 2 36 178
121 12小
4 35 21.1 4 35 195
6 32 23.1 6 31 163
0 36 17.2 0 36 172
2 35 21‖8 2 35 207
1215 1215
4 31 200 4 31 26,0
6 31 23,1 6 37 125
112 0 35 21‖2 1…12 0 35 213
2小 9 0 30 160 2. 9 0 30 160
39 0 24 13.5 3‖ 9 0 24 135
46 0 15 22.6 4. 6 0 15 226
鉢植え2〜3年生株を摘葉後,ポリエチレン袋に入れ,暗黒で冷蔵し,出席後150〜200Cの ハウスで促成した
ここで,早期冷蔵の無効性の原因を調べ,また長期の低温の効果を調べるため,以下の実験を行ったl・
花芽始発期の1972年11月13日より21cm鉢植えの大株を2株ずつ,00C暗黒で0,2,4,8週間冷蔵した後,
故低夜温120Cのハウスで促成したところ,冷蔵期間が長いほど花芽は早く高率でそろって開花した(第21表)・
また,同様の株を1973年10月2日と11月12日から00C暗黒で6週間冷蔵して,150C以上のハウスで促成した結 果,11月12日より冷蔵した区では高率で開花したが,10月2日より冷蔵した区では腋芽はよく発芽したにもかか わらずその頂端は座止し花芽は発達せず,したが・つてほとんど開花しをかった(第142図,22表)い無冷蔵では,
10月2日,11月12日のどちらに入室しても腋芽は発芽しをかった顕微鏡観察の結果では,10月2日には腋芽頂 端はまだ柴原基を分化しており,11月12日には小花を形成し始めていた1これらの結果は、コデマリの開花に対
−100−−
第21表 コデマリの開花に対する冷蔵期間の影響(00C,1972)
開 花 率b 冷蔵期間 別花 日 数a
2月2日 2 月20日
過 0 2 4 ︹0
0 % 0 %
165 20 O
288 46 7
481 553
3 9 2
6 4 3
冷蔵は花芽が花序分化期で,自然の低温を受けてい覆い11月3日に開始した a:促成開始後,開花までの日数 b:枝の上部20節に対する割合 第22表 コデマリの開花に対する低温の効果と冷蔵時の花芽形成状態との関係(1973)
冷蔵開始 花芽形成段階 冷蔵期間 発芽率a 開花率b
月・日 通(0 C)
10 2 未分化
(3
%
63 0
493 82
11・12 小包形成期
(3
54。0 0 8 40 O 03a:潜芽を除く全芽に対する割合 b:枝の上部20節に対する割合 促成夜濫:150C以上
第142図 コデマリの開花に対する冷蔵の影響と冷蔵時における花芽形成状態との関係(1973)
A:10月2日(花芽未分化)
B:11月12日(花序分化)
左:00C6週間 右:無冷蔵 より冷蔵
−101−
する低温の効果が,花芽発達と開花に対する後作用としての効果であるという第2茸1節10項に述べた結果を再 び証明している
これらの結果から,コデマリの促成にあたっては,花芽の存在を確認した上で株を00C6週間冷蔵後150〜
250Cに保てばよいもし,12月以前に入室して促成しようとすれば,生長期を早め高冷地などで花芽始発を早 くする必要がある(第2華2節10項).この方法は鉢養成によって可能である
第9節 ユキヤナギ
ュ.キヤナギほ促成される花木としては最も重要な種の一つであるため,その実用的な促成に関する研究例が報 告されている.田中114)は冷蔵促成に関する研究を行い,10月下〜11月上旬から−20〜00Cで20日冷蔵して加 温すれば,実用的開花が得られることを明らかにしたが,入室時期や冷蔵期間の詳細については明確な判断を示
していない
第1項 自然条件下の花芽の促成可能時期
1964年10月21日から12月2日まで2過ごとに,また1967年には9月21日から11月16日まで毎週切り枝し,摘菓 日 %
80 80
60到開60
花 日花 40数 40
20 20
到 花 日 数
0 0
012 4