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(2)教育と学生生活

ドキュメント内 工学部工学部 (ページ 81-84)

1968(昭和43)年は全国の大学紛争が激化した年であり、その影響を受けて卒業単位 不足の留年生が多くなってきた。この流れの中で、大学改革の気運が高まり、1970〜

1973年にかけてこれまでの必須科目を大幅に減らし、学生の自由選択により履修させる 方針を打ち出すとともに、卒業に必要な専門科目の修得単位数を80〜90単位以上とした。

1980年には、これまで単位が与えられていなかった卒業研究を、10単位の卒業認定単 位とすることになり、各学科は「従来の修得単位数+10単位」以上を卒業に必要な専門科 目の修得単位数とした。1984年には卒業研究を8単位とし、1985年にこれまで各学科独 自に制定されていた卒業に必要な専門科目の修得単位数を全学科で統一し、84単位以上と なった。

1992(平成4)年に教養科目は第3学年終了時までに修得しなければならないと改正 されたため、教養部での留年はなくなった。この改正は学年進行で適用されるため、翌年 10月には各学科の教養部残留年生、総計約200名が専門課程に進学してきた。過度的現象 とはいえ、現実には実験室及び教室の大きさと数が限定されているため、急増した進学生 に対して専門課程で必須となっている実験などを時間割表の時間帯で実施することが不可 能となる場合が生じてきた。当時、専門課程進学の一部の学生に対しては実験などを夏休 み、春休みに集中的に実施するなど各学科では必須科目の開講に苦慮した。

1994年には新カリキュラムが施行され、第1、2学年に専門教育科目が開講されるく さび型の授業体制となった。学生教育の充実のため制定された新カリキュラムでは、卒業 に必要な専門科目の修得単位数は86単位以上となった。

学生生活

図10−11には1949年度〜1998年度に至る年間授業料と入学金の変遷を示した(縦 軸は対数になっている)。1963年文部省の大学入学者の実態調査によって国、公、私立大 学の授業料の格差があり過ぎることが明らかにされ、以来それを是正すべきとの社会情勢 から国立大学の授業料、入学料ともに1978年まで急激に上昇し、以降毎年緩やかな上昇 を続けている。大学発足時には入学料400円、授業料3,600円であったものが、50年後の 1998年度入学ではそれぞれ275,000円(690倍)、469,200円(130倍)となっている。

1963年金大生の実態調査では、1949年に入学した学生の21.2%が移動している。移動 理由として最も多いのは「一身上の都合、家庭の事情」で37.2%、次いで「病気」が 24.0%、「他大学へ転学」が21.6%、「除籍・停学などの処分」が15.6%などとなってい る。病気は呼吸器疾患が一番多く、精神神経疾患、及び消化器疾患であり、処分は授業料 不納のための除籍処分、行き過ぎの学生運動に従事した者であった。これらの結果は終戦 後の社会情勢を如実に表している。

1959年度の実態調査では家庭からの仕送りだけでは賄えず、アルバイトの必要がある 者は63%にも及んでいる。この時代はしたくてもアルバイト先がなく、また奨学金制度も 少ないため、欲しいがもらえない人が42%にも及んでいる。この時の日本育英会の奨学金

は2,000円、入学料は1,000円、授業料は9,000円であった。

1980年代後半に入ると、学費をアルバイトで稼ぐという苦学生の姿はほぼ過去のもの となっている。学費は家庭からの仕送り、あるいは奨学金(例/日本育英会、41,000円)

で賄っており、生活費は教養・娯楽、物品購入を下回り、レジャー・旅行資金をかろうじ て上回るにとどまっている。精神的・物質的に豊かさを求めてアルバイトに励む現代学生 の姿が浮き彫りにされている。

本学においては北溟、北斗、泉学(いずれも男子寮)、白梅(女子寮)の四つの学生寮が あり(1964年:白梅寮(定員164名)、1965年:泉学寮(定員194名)、1968年:北溟 寮が鉄筋コンクリートに新築され、北斗寮は北溟寮に吸収された(定員396名)。総収容定 員754名)、1975年ころまでは、学生寮は部屋代が安く、集団生活が可能であるなどの利 点から、定員をほぼ満たす90%以上の入寮生がいたが、1985年ころから入寮生数が少な くなってきた(入寮率75〜85%で変動)。女子寮の白梅寮ではほぼ定員を満たす90〜

95%の入寮率であるから、男子寮への入寮生が減ってきている。ちなみに1997年度の入 寮率は白梅寮95.1%、泉学寮79.9%、北溟寮69.2%であった。1995年の学生生活実態調 査によると、入寮を希望しない理由として、プライバシーが保ちにくいが約35%、通学に 不便が約22%、狭く汚いが約15%となっており、現代の学生気質がそのまま現れている。

1949 1959 1969 1979 1989 1999 100

1,000 10,000 100,000 1,000,000

入学料 

授業料(年額) 

年度 

 

図10−11 入学料と授業料の変遷 

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