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高温エロージョン摩耗挙動に及ぼす

ドキュメント内 室蘭工業大学学術資源アーカイブ A396 (ページ 67-96)

酸化の影響

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第四章 高温エロージョン摩耗挙動に及ぼす酸化の影響

4. 1 緒言

本研究に け 高温エロージョン摩耗試験 ,Fig.4. 1に示すErosion-Oxidation Map1,2 推定す とア ナ粒子の衝突速度 速く,粒径 大 いた ,エ ロージョン支配領域に入 と考え ,10 サイク 実験後の測定 あ た

に,加熱時の ケー の生成と摩耗挙動 明 と い い.

そこ ,3%C高クロム鋳鉄のCr量を変化さ 本実験条件に い 酸化の影響 実用 無視 固溶Cr量を求 た. た,酸化しやすい3C-12Cr鋳鉄と酸 化し難いオー テナイト テン 鋼SUS310Sを主に用い ,加熱-粒子衝突の サイク 数を変えた試験を行い酸化と摩耗の進行状況を観察 し エロージョン 摩耗に及ぼす酸化の影響を明 にした.

4. 2 実験方法

4. 2. 1 供試材

2章 述べた鋳造法に 作製した3C-12Cr鋳鉄,3C-17Cr鋳鉄,3C-22Cr 鋳 鉄,3C-27Cr鋳鉄,1.4C-27C-3Ni鋳鉄,及び市販の圧延材SUS310S,SUS430を 用いた.SUS310S 及び SUS430 の化学成分を Table4. 1 に示す. た,3C-12Cr 鋳鉄,3C-17Cr鋳鉄,3C-22Cr鋳鉄,3C-27Cr鋳鉄の4 種 鋳放し材(As Castと 称す)の他熱処理材(HTと称す) 試験に用いた.熱処理方法 1323Kに加熱し 2時間保持後室温 空冷し,続い 723K 2時間保持した後室温 炉冷の 熱処理を施した.

4. 2. 2 高温エロージョン摩耗サイク 試験方法

酸化と摩耗の進行状況を調査す た 加熱-粒子衝突のサイク 数を変えた試 験を行 た.サイク 試験パターンをFig. 4. 2に示す.試験要領 ,3章Fig. 3. 2 に示した うに繰 返し10 サイク 行う試験に対し,1,2,3 サイク 試験 を止 摩耗面の観察,摩耗重量測定,摩耗最大深さ, 及び摩耗断面の組織の 観察に 酸化と摩耗の進行を調査した.3C-12Cr鋳鉄及びSUS310S 1,2,3,

10サイク ,3C-17Cr鋳鉄,3C-27Cr鋳鉄 3,10サイク の試験を行 た.

た,各サイク 間の酸化量を観察す た 3C-12Cr 鋳鉄及び SUS310S の 1,2

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サイク ア ナ粒子衝突後に装置内 放冷した試験片と,30 分の再加熱後 にア ナ粒子を射出 に 773K に加熱した圧縮空気の を吹 付け こと 摩耗の無い1サイク の酸化状態を再現した.圧縮空気を30秒吹 付けた後 通常試験の終了時と同様に炉内 放冷した.

3C-22Cr鋳鉄,1.4C-27C-3Ni鋳鉄,SUS430に い 10サイク の 試験を

行 た.

4. 2. 3 ケー 厚さ測定

サイク 試験後の試験片の摩耗面の ケー 膜厚を断面 光学顕微鏡に 測 定した.測定部位 試験片端のア ナ 粒子の衝突し い位置 測定した.

た,1,2 サイク に い 最大摩耗深さ近傍の再加熱前後の ケー 厚さ 測定した.

4. 2. 4 XRD ケー 同定

サイク 試験終了後の試験片表面のXRD分析を行 た.X線源とし Co管 球を用い,30kV-100mA, ポット径約20mmの条件 走査領域2θ,10~105deg.

の範 得 た回折 ーク 同定を行 た.

4. 2. 5 SEM-EDX観察( ケー 組成)

3C-12Cr鋳鉄の1サイク 試験後摩耗断面の ケー 組成をSEM-EDX,加速

電圧15kV 観察した.

4. 3 実験結果

4. 3. 1 高温エロージョン摩耗試験結果

3C-12Cr鋳鉄,3C-17Cr鋳鉄,3C-22Cr鋳鉄,3C-27Cr鋳鉄As Cast及びHTの 摩耗表面外観写真と等高線図をFig. 4. 3及びFig. 4. 4に示す.Fig. 4. 5及びFig. 4.

6に断面プロフ イ を示す.

等高線図及び断面プロフ イ た摩耗面を比較す と,Cr 増加す に 伴 摩耗量 減少し い .

た,Fig. 4. 7にCr量と ー 顕微鏡 測定した摩耗深さの関係を示す ,

Cr量 増加す に伴 摩耗量 減少し い .

4. 3. 2 高温エロージョン摩耗サイク 試験結果

摩耗試験前後の重量変化とサイク の関係をFig. 4. 8に示す.初期の重量変化

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マイナ と の ,酸化に 試験片重量 増加したということ あ .

3C-12Cr鋳鉄 最初マイナ と重量増加 た後,直線的に摩耗減少量 増

加し い .SUS310S 2サイク 目 ぼゼロ 3 サイク 目 摩耗

減少量 双曲線的に増加し い .3サイク 試験を行 た3C-17Cr鋳鉄 最初 マイナ 直線的に増加し い う あ ,3C-27Cr 鋳鉄 SUS310S に近 い放物線的 摩耗曲線を示し い う あ .

サイク 毎の摩耗表面の外観写真をFig. 4. 9, ー 顕微鏡等高線図をFig. 4.

10に, た断面プロフ イ をFig. 4. 11及び4. 12に示す.サイク を繰 返 すと次第に ップ マーク 鮮明に 変形 大 く .3C-12Cr鋳鉄 1サ イク 既に 形状と い ,広い面積 摩耗 進行し い .SUS310S

1サイク ップ マーク ッキ と現 塑性変形 大 い 3C-12Cr

鋳鉄の様に 形状と ベー ライン ぼ一直線 あ ,3サイク その傾向 変わ 塑性変形 大 い 摩耗 進行し い い.10 サイク の等高線図を と 3C-12Cr 鋳鉄 視野を 出す程大 楕 状の摩耗痕

特徴的 ,こ 外観 ケー の く離に のと考え .

4. 3. 3 ケー 厚さ測定結果

サイク 試験 生成したア ナ粒子の衝突し い い ケー 断面の光学 顕微鏡写真をFig. 4. 13に示す. た,3C-12Cr鋳鉄の2サイク 後と再加熱後 の摩耗部 ケー 断面の光学顕微鏡写真を Fig. 4. 14 に示す. ケー 組成

4.3.4のXRD測定結果 述べ ,再加熱後に新たに生成した ケー Fe2O3

あ 色合いの違い 判断し 厚 を測定した.

サイク 試験の結果を サイク 数と ケー 厚さ及び最大摩耗深さ の関係を

Fig. 4. 15に示す.3C-12Cr鋳鉄の定常酸化部(非摩耗部) 1サイク 目 既に

約40μmの ケー 厚さ 観察さ ,10サイク の ケー 厚 少し増加した

け 約50μm あ た.Fig. 4. 16に示す うに高クロム鋳鉄の基地 固溶Cr

量 低く M7C3炭化物 優 酸化す 不均一酸化 あ ケー 厚 さ 基地の最大深さを測定した.Crを含有す M7C3 バ アと 酸化 停滞 し一定の深さ 進行しにくいと考え . こ に対し 摩耗部 再加 熱に 増加した ケー 厚さ ,1 サイク 目 約 4μm,2 サイク 約 7 μm あ ,1サイク 摩耗面に 新たに4μm以 の ケー 生成す こ

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と 判明した. ,試験後の冷却中に新たに生成した ケー 光学顕微鏡 観察さ たた ,試験後の酸化増量 無視 .

SUS310Sに い 1サイク 1μm以 あ 光学顕微鏡 測定 ,

10サイク 約6μmと ケー 厚さ 薄 た.

ア ナ粒子衝突に ケー の変化を と,外層 ケー く離し い ,内層 ケー 摩耗面に一部押し込 い .た し,生成した ケー に対し 押し込 た ケー 少 く, 生成した ケー エロー ジョン試験 と く離し い .

4. 3. 4 XRD測定結果

XRD測定結果をFig. 4. 17に示す.3C-12Cr鋳鉄及びSUS310Sと にFe3O4と Fe2O3 同定さ た.SUS310Sの Cr2O3の ーク Fe2O3の ークと重畳し 同

定 た. た,3C-12Cr鋳鉄に M7C3とαーFe ,SUS310Sに σ

(FeCr)とγ-Fe 検出さ た.σ(FeCr) 表面 検出さ た 10サイク 試験後

内部に 検出さ た.摩耗面にAl2O3 検出さ た 衝突粒子 あ ア ナ粒子 破 し 付着した物と考え .

4. 3. 5 SEM-EDX観察結果( ケー 組成)

摩耗を受け い い ケー の断面を面分析した結果をFig. 4.18 に示す.写 真の 方の試験中空気に晒さ いた面に 外層 ケー FeとO 検 出さ た.内部 Fe濃度の高い基地と,Cr濃度の高いCr炭化物 確認 た.

この Cr 炭化物に面し Cr の濃化と酸素 同 個所に一致し 検出さ い こと Cr2O3 あ と判断さ .その周 の内層 ケー に Fe,Cr,O

検出さ XRD 同定さ たFe3O4 M3O4(M:Fe,Cr) あ と判断さ

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その外にあ 外層 ケー Cr を全く含有し Fe2O3と推測さ

4. 4 考察

4. 4. 1 エロージョン摩耗に及ぼす ケー の影響

3C-12Cr 鋳鉄のサイク 試験の定常酸化部と摩耗部のサイク 数と ケー

厚さの関係をFig. 4. 15に示す.定常酸化部の約50μmに対し 摩耗部 述した うに ケー く離し い た 2~10 サイク 目 の ケー

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厚さを 4μmェ9=40μm 新たに生成したと考え 1 サイク 目の ケー 厚 さ40μmに40μmを加え80μmと すこと .摩耗の影響を受け い い10サイク 目の ケー 厚さ約50μm と摩耗面 生成す ケー

, く離を繰 返すた に1.6倍多く いた.後述す うに3C-12Cr 鋳鉄の10サイク 後の最大摩耗深さ 178μm あ エロージョン摩耗に及ぼ す酸化の影響 大 い.

ケー ア ナ粒子の衝突に 外層 ケー Fe2O3 く離し,密着性 の高い内層 ケー Fe3O4 の一部 く離 に基地と一緒に塑性変形し 舌 状突起に巻 込 いた.

Fig. 2. 9 示した うにCr/C 小さく と基地中のCr量 減少す た 酸

化しやすい.鋳造の 使用さ 高クロム鋳鉄の場合に 非平衡凝固した組 織 ,高温 使用さ こと 安定 M7C3二次炭化物 析出し固溶 Cr 量 減 少す . た,後述す うに試験中に 加工歪 に 拡散 促進さ こ と M7C3二次炭化物 析出し,基地の固溶 Cr 量 減少す た 試験中の耐酸 化性の低 免 い.す わち添加 Cr 量 く基地中の固溶 Cr 量 耐酸化 性を決定す ことに .

ここ Fig. 4. 19にサイク 試験の供試材に加え 3C-22Cr鋳鉄,SUS430の 2

種類の固溶 Cr 量と 10 サイク 試験片の ケー 厚さの関係を示す.基地中の 固溶 Cr 量 10%程度 ケー 厚 30μm 以 あ 12%以 と と

ケー 厚さ 薄く い こと ,12%以 Cr 固溶し い 実用 耐酸化性に有効 あ といえ . た,添加Cr量 2章 述べたFig. 2. 9のCr/C 比と固溶Cr量の関係 C/Cr比 決 .たとえ 3%Cの高クロム鋳鉄に い と,添加Cr量 18%以 固溶Cr量12%以 と .

4. 4. 2 摩耗の進行挙動

Fig. 4. 8 示した うに摩耗の進行挙動をサイク 数と重量減少量 と,

3C-12Cr 鋳鉄 直線的 摩耗挙動,酸化 少 い SUS310S 双曲線的 摩耗挙

動 変化し いた.一方,サイク 数と最大摩耗深さ とFig. 4. 20に示す うに摩耗の進行挙動 3C-12Cr 鋳鉄 ぼ放物線的 あ ,SUS310S 直線

的 あ .こ ,Fig. 4. 11及び4. 12のサイク 試験断面プロフ イ を

と理解しやすく,3C-12Cr 鋳鉄 ぼ定常的に摩耗 進行し い のに対し

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SUS310S 3 サイク 塑性変形の 摩耗 と 見 い.す

わち,3C-12Cr 鋳鉄 酸化-摩耗の繰 返し 摩耗 進行し い のに対し ,

SUS310S 初期に 塑性変形し 形成さ 最大摩耗深さ 深く 重

量減少 いこと 摩耗片 生成し ,サイク 増え塑性変 形量 あ 臨界点を超え と摩耗片の脱落 始 重量 減少す という摩耗 の進行挙動 あ .

た,酸化 比較的多い 3C-17Cr 鋳鉄の摩耗挙動 3C-12Cr 鋳鉄に類似し,

酸化 少 い3C-27Cr鋳鉄の摩耗挙動 SUS310Sに類似した摩耗曲線を示し

いた ,共晶組織 脆性材料 あ 3C-27Cr 鋳鉄 高延性材料 あ SUS310S と類似の摩耗挙動を示すこと 興味深い.この点 6章 詳述す .

4. 4.3 高クロム鋳鉄のエロージョン摩耗に及ぼす熱処理の影響

3C-Cr鋳鉄のAs Castと3C-Cr鋳鉄HTを比較す とFig. 4. 7に示す うに,

高Cr含有量 As Cast HTの摩耗量 少 く,低Cr量 HT

As Castの摩耗量 少 い.3C-Cr鋳鉄 熱処理に マト ック に二次炭

化物 析出す の ,高温硬さ 昇し 摩耗量 減少す と考え .他 方,二次炭化物 析出す ことに 固溶 Cr 量 減少す た 低 Cr 鋳鉄

耐酸化性 低 し ,摩耗量 増大す と考え

二次炭化物の析出に 摩耗量の増減 Cr量 17%と22%の間にあ 添加 Cr量 と3%Cの高クロム鋳鉄 18%以 のCr量 必要との結果と一致 し い .

4. 5 結言

加熱-粒子衝突のサイク 数を変えた試験を行い酸化と摩耗の進行状況を詳細 に観察した結果,次の点 判明した.

1) 3C-Cr鋳鉄の摩耗量 ,Cr量 増加す に伴 減少し 3C-27Cr鋳

鉄の熱処理品の摩耗量 最 少 い.

2) 3C-12Cr鋳鉄 ,摩耗部 ケー の く離-再酸化を繰 返すた 摩耗し

い い定常酸化部の1.6倍の ケー 生成し ,摩耗に及ぼす ケ

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