第 6 章 養豚業廃棄物処理における環境経済性評価
6.5 臭気調査の結果
6.5.1 臭気測定結果
A 牧場では,図 -6.11 に示す箇所で臭気の測定を行った。
測定地点 1 コンポスト( 0m 地点)
測定地点 2 PQ 設置地点( 30m 地点)
測定地点 3 PQ 設置地点( 50m 地点)
測定地点 4 PQ 設置地点( 100m 地点)
測定地点 5 PQ 設置地点( 160m 地点)
測定地点 6 堆肥置場 測定地点 7 しさ置場 測定地点 8 曝気槽 1 測定地点 9 曝気槽 2 測定地点 10 脱臭槽
図 -6.11 A 牧場における各測定地点
家畜の糞尿が存在するため臭気源となりうる地点を測定地点として採用している。コ ンポストから測って 30m , 50m , 100m , 160m 地点では,各豚舎から排出された糞尿が PQ によって集積され, PQ によってコンポスト( 0m 地点)に送られている。換言すれ ば, PQ によってコンポストに送られるまで糞尿が処理前の状態で放置される地点であ ると言える。残りの各地点は,糞尿が堆肥化されているなど処理された状態で管理され ている地点である。
臭気測定機器によって,各測定地点の臭気濃度を測定した結果を表 -6.6 に示す。
表 -6.6 A 牧場における各測定地点での臭気濃度
また,得られた臭気濃度を臭気指数に換算した結果を表 -6.7 に示す。表 -6.7 の測定地 点 1 ~ 5 のみの結果を距離と臭気指数の関係を示したグラフを図 -6.12 に示す。この結果,
コンポスト地点が最も臭気が強く,コンポストから距離が離れるほど臭気が低下してい く傾向を把握できる。つまり,コンポストが A 牧場全体の臭気源として考えることがで きる。 PQ を設置している 4 地点では,糞尿に起因する臭気を特に感じることはなく,
施設内外の臭気に差はなかった。一方,堆肥置場は,堆肥化された糞尿の状況によって 臭気が大きく幅を持った結果が得られた。
また,しさ置場は常時強い臭気を感じることができたが,曝気槽ではほとんど臭気を 感じることはなかった。これは,尿から一次処理によって分離されたしさに悪臭物質が 多く含有してしまい,曝気槽に貯留される尿にはほとんど悪臭物質が残らないためと考 えられる。
脱臭槽では,糞を発酵させ脱臭炭によって臭気を低減させている。その際には,脱臭 槽外にメタンが排出されるため,糞尿とは異なる臭気が発生している。 A 牧場における 臭気を大別すると,家畜自体に起因する臭気,糞尿に起因する臭気に加えて,脱臭槽に 起因する臭気が挙げられると言える。測定時期別に結果を比較すると, 2012 年 6 月より も 2011 年 9 月に測定した臭気指数が高くなっていることがわかる(表 -6.7 参照)。この 理由として,後者の気温が高く,糞尿からより高強度の臭気が発生したためと考えられ る。特に, 2011 年 9 月 9 日, 10 日の気温は苫小牧市でも年間最高気温に近く,気温に着 目して言えばワーストケースに近い結果が得られたと言える。また,実際に A 牧場から ヒアリングを行った結果,冬季に比べて夏季は非常に臭気が強いということである。 A
測定地点 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
2011/9/9 14:40① 308 86 67 42 30
2011/9/9 14:40② 308 44 80 42 105
2011/9/9 16:00 657 64 57 84 77
2011/9/10 9:00① 640 87 72 43 72
2011/9/10 9:00② 640 108 51 33 25
2011/9/10 11:00 195 66 73 31 18 31 77
2011/9/10 14:30 181 79 56 36 34 60 21
2012/6/15 9:30① 300 42 36 57 24 145 90 19 24 126
2012/6/15 9:30② 300 42 36 57 16 55
2012/6/15 13:00① 292 46 46 62 37 145 140 18 21 178
2012/6/15 13:00② 292 65 53 39 12 70
表 -6.5 各検証サイトの調査時期および外的条件に関して 検証サイト 測定時期 天候 気温 測定内容
臭気 害虫 風速 A 牧場 2011 年 9 月 9 日 晴れ 26℃ ○ ○ ×
2011 年 9 月 10 日 曇り 31℃ ○ ○ × 2012 年 6 月 15 日 晴れ 17℃ ○ ○ × B 牧場 2012 年 5 月 17 日 雨後曇り 16℃ ○ × × 2012 年 9 月 25 日 雨後曇り 20℃ ○ × × 2012 年 9 月 26 日 晴れ 21℃ ○ × ○
6.5.1 臭気測定結果
A 牧場では,図 -6.11 に示す箇所で臭気の測定を行った。
測定地点 1 コンポスト( 0m 地点)
測定地点 2 PQ 設置地点( 30m 地点)
測定地点 3 PQ 設置地点( 50m 地点)
測定地点 4 PQ 設置地点( 100m 地点)
測定地点 5 PQ 設置地点( 160m 地点)
測定地点 6 堆肥置場 測定地点 7 しさ置場 測定地点 8 曝気槽 1 測定地点 9 曝気槽 2 測定地点 10 脱臭槽
図 -6.11 A 牧場における各測定地点
測定地点 1 堆肥置場 測定地点 2 堆肥置場 測定地点 3 しさ置場 測定地点 4 しさ置場 測定地点 5 脱臭槽 測定地点 6 PQ 設置地点 測定地点 7 ~ 18
図 -6.13 B 牧場における測定地点
各測点地点の臭気濃度を測定した結果を表 -6.8 に示す。また,得られた臭気濃度を臭 気指数に換算した結果を表 -6.9 に示す。堆肥舎および浄化槽が最も臭気濃度が大きくな り, B 牧場全体の臭気源であると言える。浄化槽を 0m として,距離と臭気指数の関係 を図 -6.14 に示す。図 -6.14 にて,臭気指数が上昇している地点は堆肥置場や浄化槽, PQ 等の臭気源である。距離が約 105m (測定地点 No.12 )にて臭気指数が上昇している原因 として,豚舎が近く豚自体に起因する臭気が考えられる。浄化槽では,糞尿から分離さ れたしさが放置されており非常に高強度の臭気を発していた。 PQ 付近では, A 牧場同様 に糞尿に起因する臭気はほとんどしなかった。脱臭槽では,やはり A 牧場と同様に糞尿 とは異なる臭気が感じることができた。しかしながら,規模が小さいためか脱臭槽に起 因する臭気はそれほど強くなかった。一方,臭気源ではない各地点では,臭気源に近い ほど臭気濃度は高くなり,臭気源から遠いほど臭気濃度は低くなる傾向がみられた。ま た,敷地境界線上では臭気指数を 15 より低い値となっており,規制基準を満足していた。
A 牧場の結果と比較すると,比較的臭気は抑えられているという結果が得られた。これ は,測定時期による気温の低さも考えられるが,最も大きいのは養豚場の規模の違いで あると考えられる。養豚場で肥育している豚数から見ても,排出される糞尿の量は大き く差があることが推測される。また, 2012 年 9 月 25 日の測定の前には,雨が長時間降っ ており臭気が抑制されているという情報もヒアリングから得られた。
また,実際に臭気の測定を行うと,非常に臭気濃度の値がばらつくということがわかっ 牧場における敷地境界線上に沿って,簡易的にではあるが臭気測定も同様に行った。臭
気指数は 11 ~ 13 という結果が得られており,養豚場の規制基準である臭気指数 15 を十 分満足しているという結果が得られた。
表 -6.7 A 牧場における各測定地点での臭気指数
図 -6.12 臭気指数と距離の関係(測定地点 1 ~ 5 )
B 牧場では,臭気源として PQ 付近,堆肥舎,浄化槽および脱臭槽にて,また図 -6.13 のように臭気源ではない各地点で臭気の測定を行った。
測定地点 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
2011/9/9 14:40① 24.89 19.34 18.26 16.23 14.77
2011/9/9 14:40② 24.89 16.43 19.03 16.23 20.21
2011/9/9 16:00 28.18 18.06 17.56 19.24 18.86
2011/9/10 9:00① 28.06 19.40 18.57 16.33 18.57
2011/9/10 9:00② 28.06 20.33 17.08 15.19 13.98
2011/9/10 11:00 22.90 18.20 18.63 14.91 12.55 14.91 18.86
2011/9/10 14:30 22.58 18.98 17.48 15.56 15.31 17.78 13.22
2012/6/15 9:30① 24.77 16.23 15.56 17.56 13.80 21.61 19.54 12.79 13.80 21.00
2012/6/15 9:30② 24.77 16.23 15.56 17.56 12.04 17.40
2012/6/15 13:00① 24.65 16.63 16.63 17.92 15.68 21.61 21.46 12.55 13.22 22.50
2012/6/15 13:00② 24.65 18.13 17.24 15.91 10.79 18.45
0 5 10 15 20 25 30
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170
2011/9/9 14:40① 2011/9/9 14:40② 2011/9/9 16:00 2011/9/10 9:00① 2011/9/10 9:00② 2011/9/10 11:00 2011/9/10 14:30 2012/6/15 9:30① 2012/6/15 13:00① 2012/6/15 13:00②
測定地点 1 堆肥置場 測定地点 2 堆肥置場 測定地点 3 しさ置場 測定地点 4 しさ置場 測定地点 5 脱臭槽 測定地点 6 PQ 設置地点 測定地点 7 ~ 18
図 -6.13 B 牧場における測定地点
各測点地点の臭気濃度を測定した結果を表 -6.8 に示す。また,得られた臭気濃度を臭 気指数に換算した結果を表 -6.9 に示す。堆肥舎および浄化槽が最も臭気濃度が大きくな り, B 牧場全体の臭気源であると言える。浄化槽を 0m として,距離と臭気指数の関係 を図 -6.14 に示す。図 -6.14 にて,臭気指数が上昇している地点は堆肥置場や浄化槽, PQ 等の臭気源である。距離が約 105m (測定地点 No.12 )にて臭気指数が上昇している原因 として,豚舎が近く豚自体に起因する臭気が考えられる。浄化槽では,糞尿から分離さ れたしさが放置されており非常に高強度の臭気を発していた。 PQ 付近では, A 牧場同様 に糞尿に起因する臭気はほとんどしなかった。脱臭槽では,やはり A 牧場と同様に糞尿 とは異なる臭気が感じることができた。しかしながら,規模が小さいためか脱臭槽に起 因する臭気はそれほど強くなかった。一方,臭気源ではない各地点では,臭気源に近い ほど臭気濃度は高くなり,臭気源から遠いほど臭気濃度は低くなる傾向がみられた。ま た,敷地境界線上では臭気指数を 15 より低い値となっており,規制基準を満足していた。
A 牧場の結果と比較すると,比較的臭気は抑えられているという結果が得られた。これ は,測定時期による気温の低さも考えられるが,最も大きいのは養豚場の規模の違いで あると考えられる。養豚場で肥育している豚数から見ても,排出される糞尿の量は大き く差があることが推測される。また, 2012 年 9 月 25 日の測定の前には,雨が長時間降っ ており臭気が抑制されているという情報もヒアリングから得られた。
また,実際に臭気の測定を行うと,非常に臭気濃度の値がばらつくということがわかっ 牧場における敷地境界線上に沿って,簡易的にではあるが臭気測定も同様に行った。臭
気指数は 11 ~ 13 という結果が得られており,養豚場の規制基準である臭気指数 15 を十 分満足しているという結果が得られた。
表 -6.7 A 牧場における各測定地点での臭気指数
図 -6.12 臭気指数と距離の関係(測定地点 1 ~ 5 )
B 牧場では,臭気源として PQ 付近,堆肥舎,浄化槽および脱臭槽にて,また図 -6.13 のように臭気源ではない各地点で臭気の測定を行った。
測定地点 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
2011/9/9 14:40① 24.89 19.34 18.26 16.23 14.77
2011/9/9 14:40② 24.89 16.43 19.03 16.23 20.21
2011/9/9 16:00 28.18 18.06 17.56 19.24 18.86
2011/9/10 9:00① 28.06 19.40 18.57 16.33 18.57
2011/9/10 9:00② 28.06 20.33 17.08 15.19 13.98
2011/9/10 11:00 22.90 18.20 18.63 14.91 12.55 14.91 18.86
2011/9/10 14:30 22.58 18.98 17.48 15.56 15.31 17.78 13.22
2012/6/15 9:30① 24.77 16.23 15.56 17.56 13.80 21.61 19.54 12.79 13.80 21.00
2012/6/15 9:30② 24.77 16.23 15.56 17.56 12.04 17.40
2012/6/15 13:00① 24.65 16.63 16.63 17.92 15.68 21.61 21.46 12.55 13.22 22.50
2012/6/15 13:00② 24.65 18.13 17.24 15.91 10.79 18.45
0 5 10 15 20 25 30
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170
2011/9/9 14:40① 2011/9/9 14:40② 2011/9/9 16:00 2011/9/10 9:00① 2011/9/10 9:00② 2011/9/10 11:00 2011/9/10 14:30 2012/6/15 9:30① 2012/6/15 13:00① 2012/6/15 13:00②