2014
年のFIFA
ワールドカップに加え、2016
年のオリンピック開催が新たに決まったこと も後押しし、人気となりました。(2) 販売チャネルの拡大
2009
年度は販売チャネルの拡大でも大きな成果がありました。特に、比較的利回りの高 いブラジル・レアル建債券等を投資対象とする「ブラジル・ボンド・オープン(毎月決算型)」が、銀行のお客様に人気となった結果、銀行窓販チャネルにおいて取扱社数が大幅に増加 しました。
2010 年度の重点戦略
大和投資信託は、大和証券グループの中期経営計画「“
Passion for the Best
”2011
」のなか で、2011
年度の経常利益目標を150
億円としています。この目標を達成するために、2010
年度では以下に代表される戦略を実行していきます。1.
運用力・商品開発力の強化E大型ファンドの新規設定の継続
2010
年度も、引き続き投資家の海外資産への投資意欲が持続すると予想されるなか、大 和投資信託ではアナリストの現地採用を増やし、グローバルなリサーチ・運用体制を一層 強化することで、新興国株式ファンドや外国債券ファンドなどの商品開発を推進していき ます。このグローバル体制の強化により自社運用比率をより高め、投資家からの信頼向上 につなげます。アセット・マネジメント
大和住銀投信投資顧問の運用資産残高推移
6
5
4
3
2
0 1 (兆円)
投資顧問 公募投資信託 私募投資信託
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
2008年度 2009年度
2009 年度の業績
1.
事業環境と業績のレビューE公募投信部門の健闘により、収益は前年度より微増
2009
年度は投資家の投資意欲の緩やかな拡大を反映し、特に公募投信の分野で資金流入 が進み、営業収益は前年度比5 . 7
%増加の205
億円、経常利益は前年度比6 . 9
%増加の31
億円と、いずれも前年度を上回る結果となりました。2009
年度末における運用資産残高は、前年度末比で33 . 2 %
増加の4
兆5 , 540
億円とな りました。このうち、投資顧問の運用資産残高は、ポートフォリオ・リバランスに伴う内外 公的機関からの資金流出があったものの、その他の資金流入や株価の回復に伴う増加分も あり、前年度末比14 . 4
%の増加となりました。一方、公募投信の運用資産残高は前年度末 比63 . 7
%の大幅増となりました。これは特に外貨建債券ファンドが牽引役となり、資金導 入額が大幅に拡大したことによるものです。2.
実績と成果の検証E高い運用力を維持しつつ、プロダクトと販売チャネルを拡充 (1) 運用力の向上とプロダクトの拡充
新たに設置した「投資戦略部」により、トップダウン機能およ び運用の意思決定プロセスを強化し、運用力向上を図りました。
R&I
「年金情報」の「2009
年運用会社の年金顧客評価」において は、運用能力や情報開示などを総合的に判断する「全体評価」の分 野で第1
位を獲得しています。また、機関投資家向けのアジア株式 ファンドを組成するなどプロダクトの拡充も進んでいます。(2) 公募投資信託の強化
2009
年度は公募株式投資信託5
本を新規設定しました。加え て既存ファンドにおける販売会社開拓・拡大への取組みの成果も 表れ、大幅な資金純増につながりました。販売チャネルの開拓が 進んだことで、取扱販売会社数は前年度比23 . 5
%増加しています。E年金運用におけるトップクラスの評価と実績
運用資産の約
6
割を占める投資顧問の分野では特に年金運用に強みを発揮しており、格付投資情報センター(
R&I
)が発行する「年金情報」の顧客評価で常に高い評価を受けています。また投資信託の分野においては、年金運用で培ったノウハウを商品開発・運用に活かすとともに、米国の大手資 産運用会社
T.
ロウ・プライス社との提携によりグローバルな運用・調査体制を確立しています。2010 年度の重点戦略
大和住銀投信投資顧問は、大和証券グループの中期経営計画「“
Passion for the Best
”2011
」のなかで、2011
年度の経常利益目標を50
億円としています。この目標を達成するた めに、2010
年度では以下に代表される戦略を実行していきます。E市場環境と顧客ニーズに即した商品開発・運用に注力
大和住銀投信投資顧問では引き続き、「運用力の向上」、「運用プロダクトの拡充」、「事業 基盤の強化」、「業務効率化の推進・リスク管理体制の強化」を推進していきます。特に
2010
年度はアジア資産の運用能力強化を重点戦略と位置付け、アジア株式の運用・リサー チ体制の一層の強化を図っていきます。トピックス 1
—不動産アセット・マネジメント事業に本格参入トピックス 2
—インドでのアセット・マネジメント事業に参入大和投資信託および大和証券グループ本社は、2010年3月29日、インドにおいてアセット・マネジメント事業等を行なっ て い るShinsei Asset Management (India) Private Limited( 以 下、「SAMI」)お よ びShinsei Trustee Company (India) Private Limited(以下、「STC」)の全株式を(株)新生銀行およびその他株主から取得することを決定しました。今後は、インド 金融当局および中央銀行からの承認を取得後、SAMIおよびSTCを大和証券グループの100%子会社とする予定です。その 狙いは主に2つあります。ひとつは、急拡大を続けるインド国内のアセット・マネジメント事業への新規参入。もうひとつは、
日本の投資家に対する商品供給力をさらに強化・拡充していくことで、インド経済の高成長を享受することです。
大和証券グループ本社は2009年7月1日、DAオフィス投資法人(以下、「DAO」)の資産運用会社であるダヴィンチ・
セレクト(以下、「DS社」)の全株式を取得するとともに、DAOの第三者割当増資の引受けを行いました。なおDS社は、その 社名を「大和リアル・エステート・アセット・マネジメント」に変更しています。
これによって、当社グループは J-REIT の資産運用会社を傘下に収め、不動産アセット・マネジメントビジネスへの参入 を果たしました。
今後の戦略としては、当社グループの資金調達力を活かしてDAOの財務基盤を強化する一方で、当社グループが持つ不動 産関連情報をフル活用して物件の取得を拡大し、優良な不動産投資商品を継続的に供給できる体制の構築を目指していきます。
システム、リサーチ
基本成長戦略
E大和総研
リサーチ部門では、蓄積されたリサーチノウハウをもとに、市場価値の高いレポートの 提供を一層進めていきます。また、金融・資本市場活性化に向けた提言活動を促進し、当社 のプレゼンス向上を図ります。そして、大和証券グループで掲げるアジアビジネス強化を支 援するため、中国・インドなどの資本市場・マクロ経済の調査体制の拡充とクオリティ向 上を図ります。
コンサルティング部門では、特に大和証券
CM
のインベストメント・バンキング部門の 支援につながる活動を強化します。そのため、グループ内の連携を高めつつ、経営基盤の強 化、サービス拡充およびアジア投資ビジネスへの提案を推進していきます。システム部門では、
2011
年度の開業を目指すインターネット銀行のシステム構築を始 めとして、他のグループ各社との連携も強化し、SOR*
、デリバティブ、外為システム等の グローバルシステムや海外拠点ネットワークを構築します。またコスト効率性を追求し、「ミドルバックシステムの内製化推進」「データセンター機能に関する規模・配置の最適化」
および「システム構築コスト・期間の圧縮」を促進していきます。
*Smart Order Routingの略
E大和総研
BI
大和総研
BI
では、事業の持続的な成長を実現していくため、お客様との関係をより一層 深めるとともに、商品の拡充やコンサルティングサービスの充実などの競争力を強化して いきます。また、システム開発・運用業務の品質向上およびコスト効率化に向けた業務改 革を行うなど、事業基盤を強化していきます。大和総研ホールディングスは、大和総研と大和総研ビジネス・イノベーション(以下、大和総研
BI
)を子会社に持 つ中間持株会社です。大和総研と大和総研BI
では、リサーチ、コンサルティング、システムの各機能を担っています。大和総研は、グループ各社に対してマクロリサーチ情報、システムサービスを提供するとともに、グループにお ける総合的なコンサルティング機能を担っています。リサーチ部門では、国内外の経済、資本市場、産業等に関し てグローバルなネットワークを駆使した調査・分析を行い、グループ各社を通じて投資情報として提供しています。
コンサルティング部門では、専門的な知見と経験にもとづいた、経営戦略、事業評価、人事制度、財務提案など幅広 い分野にかかわるソリューションを提案し、その実現をサポートしています。システム部門では、グループ各社に 対して社会インフラともいえる大規模情報システムの構築から保守、運用にいたるトータルなシステムサービスを 提供しています。
大和総研