E強みを持つ商品・サービスを重点的に拡大
アジアビジネスの拡大を図る一方で、既存ビジネスについても以下のような取組みに よって強化していきます。
(1) ブローカー評価の向上
ブローカー評価の向上による新規のお客様の獲得と収益の拡大に取り組みます。そのた めに、金融証券研究所による質の高い情報提供と、お客様との関係強化に注力します。すで に
2010
年3
月には国内外の機関投資家を対象とした過去最大規模のコンファレンスを主 催し、国内外から高い評価をいただきました。(2) 商品力の向上と大和証券との連携強化
市場環境やお客様のニーズ・リスク選好の変化を的確に捉えた商品を提供していきます。
大和証券
CM
では、国債、社債などに加え、外国債券、資産担保証券、仕組債など、さまざま な商品を取り扱い、国内外のお客様に販売しています。今後は全国119
店舗*
、約330
万の 証券総合サービス口座を有する大和証券との連携を強化することで、収益の拡大に結び付 けていきます。*2010年7月1日現在
トピックス
—アジアでの新規株式公開(IPO)引受け業務が本格化大和証券CMと上海証券が2004年に設立した合弁会社「海際大和証券」は、中国における日系で唯一の合弁証券会社で すが、2010年、中国での新規公開(IPO)の単独主幹事を日系では初めて務めました。この新規株式公開企業はレンズメー カーの「上海康耐特光学」で、中国の深セン取引所にあるベンチャー企業向けの市場「創業板(中国版ナスダック)」に上場し ました。海際大和証券は新株を引き受けて、現地の投資家に販売するほか、同公開企業のIR活動や公開後の資金調達なども 支援する予定です。大和証券CMは中国以外でも、2009年度に韓国の東洋生命の新規上場で主幹事を務めています。この ように、アジア地域の事業基盤を活かし、新興企業の新規公開に沸くアジアの需要を着実に取り込んでいきます。
投資対象 日本を含むアジア企業に対するグロース投資 投資対象地域 日本以外のアジア(約75%)/日本(約25%)
ファンド規模 80百万米ドル(2009年10月30日時点)。今後もファンド規模拡大を目指す。
Daiwa Quantum Capital Partners I, L.P.
の概要投資
基本成長戦略
大和
PI
パートナーズは、旧大和証券SMBC
プリンシパル・インベストメンツで培った 投資経験やノウハウを承継し、日本の再生とアジアの成長をテーマに、金銭債権やプライ ベート・エクイティ等への投資を行なっていきます。こうした投資事業においては、より 厳選した投資を行うとともに、投資先企業の成長、再生に資するような投資を目指します。また、大和クオンタム・ファンドなどのファンド運営業務に積極的に取り組んでいき、
収益構造の安定化を図るとともに、投資家に魅力的な投資機会を提供することを目指して いきます。
大和
PI
パートナーズの前身である大和証券SMBC
プリンシパル・インベストメンツは、2001
年の営業開始以 来、日本を代表する投資会社のひとつとして、プライベート・エクイティや金銭債権、不動産などへの投資を行なっ てきました。大和証券
SMBC
プリンシパル・インベストメンツは、2010
年2
月に保有していた資産を(新)大和証券SMBC
プリンシパル・インベストメンツに移管するとともに、「大和PI
パートナーズ」に商号を変更し、大和証券グルー プ100
%の投資会社として新たなスタートを切りました。トピックス
—大和クオンタム・キャピタルが第一号ファンドの運用を開始大和PIパートナーズとソニー(株)の元CEO出井伸之氏が代表を務めるクオンタムリープが設立した合弁会社である大和 クオンタム・キャピタルは、2009年10月30日よりプライベート・エクイティファンド「Daiwa Quantum Capital Partners I, L.P.」の運用を開始しました。当ファンドは環境・省エネルギー関連事業や消費関連事業に従事するアジア企業と、
これらアジア企業に資本や知的資源を提供する日本企業の成長を支援し、相互の長期的な企業価値の向上を目的としたグ ロース投資を行なっていきます。
基本成長戦略
2009
年度は、国内における新規上場案件が19
社(うち旧大和SMBC
キャピタルが関与 した企業は5
社)に留まるなど、事業環境に底打ちの兆しが見られませんでした。今後も本 格的な事業環境の回復には時間を要すると考えられるなかで、大和企業投資はこれまで蓄 積してきた知見とノウハウを活かし、バイアウト投資やアジアを対象とした投資ファンド の運営の拡大などに取り組みます。(
2010
年7
月1
日より大和SMBCキャピタルより商号変更)大和企業投資は、大和証券グループと三井住友フィナンシャルグループ間のベンチャーキャピタル合弁事業の 解消に伴い、当社グループの
100
%子会社として再出発しました。合弁事業を行う以前より、長年ベンチャーキャ ピタル事業に従事してきた経験を通じて培ってきたノウハウを活かし、多くの企業の成長支援・株式上場に携わっ てきました。大和企業投資では、
IT
やライフサイエンス分野などの最先端企業を的確に評価するための専門家を揃え、投資先 企業の成長に応じた経営支援を行う体制を整えています。トピックス
—ベトナム企業を対象とする未上場株投資ファンドの運用を開始当社グループは2008年より、ベトナム国内最大手の証券会社であるサイゴン証券を戦略的パートナーとしてベトナム 関連のビジネスを行なってきました。2009年にはさらにその子会社であるサイゴン証券アセットマネジメントと共同で、
ベトナム国内の高成長企業を対象とする未上場株投資ファンドの運用を開始しました。
アジア地域でも高い経済成長が期待できるベトナムでは、ハノイ UPCOM 市場の開設など、未上場株式取引のプラット フォームの整備が急速に進んでいます。大和企業投資は、当ファンドの高パフォーマンス実現を目指すと同時に、アジアを 対象とした投資ファンドの規模拡大を図っていきます。
投資
大和投資信託の公募株式投信残高
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
12
8
6 10
4
2
0 ( 兆円 )
公募株式投信(ETF除く) ETF 公募公社債投信
2008年度 2009年度
アセット・マネジメント
2009 年度の業績
1.
事業環境と業績のレビューE業界最大の資金純増額シェアを獲得
2009
年度の国内投資信託業界は、株価の回復と投資家のリスク 許容度の上昇に伴う資金流入の増加によって運用資産残高は拡大 しました。2009
年度における業界全体の公募株式投資信託の資金 純増額(ETF
を除く)は、4
兆8 , 383
億円に達しています。こうした市場環境のなかで、大和投資信託は毎月分配型の債券 型投資信託や新興国の株式・債券ファンドを新規設定し、強まる 投資家ニーズを的確に捉えたことで、公募株式投資信託(
ETF
を除 く)の資金純増額は国内最大となる9 , 189
億円(シェア19 . 0
%)と なりました。この結果、当社の公募株式投資信託(ETF
を除く)の 運用資産残高は2008
年度末の4
兆1 , 561
億円から2009
年度末に は5
兆7 , 424
億円へと拡大し、国内シェアは11 . 5
%となりました。金融危機の影響を大きく受けた
2008
年度下期を底に、半期 ベースの業績は期を追って回復したものの、2009
年度通期の営 業収益は前年度比6 . 4 %
減の637
億円、経常利益は同14 . 5 %
減 の99
億円となりました。2.
実績と成果の検証E投資家ニーズを捉えた商品開発と販売チャネルの拡大に成果 (1) 大型ファンドの新規設定
2009
年度は、「ダイワ外国債券(毎月分配型)–ダイワスピリット–」と「ダイワ・ブラジル 株式オープン–リオの風–」の2
本が、運用資産残高1 , 000
億円を超える大型ファンドとなり ました。「ダイワスピリット」は先進国と新興国の債券に分散投資することにより、着実な成長 と安定した収益を目指した商品の特徴が投資家の強い支持を獲得し、当社グループの中核商品 に成長しています。一方、高い経済成長が期待されるブラジル株式に投資する「リオの風」は、E充実したリサーチ力とリスク管理体制に裏付けられた運用力
投資信託に対する投資家のニーズが急速に多様化するなかで、特に新興国株式ファンドや外国債券ファンドの人 気が高まっています。大和証券投資信託委託(以下、「大和投資信託」)の強みは、早くからグローバルリサーチ体制 を整えたことで、これらのほぼ全てのファンドを自社内で運営管理できることです。組成するファンドは、できる だけわかり易い仕組みにすることでリスクの状況などの把握も容易になり、投資家や販売会社から強い信頼と支持 を獲得しています。
2014
年のFIFA
ワールドカップに加え、2016
年のオリンピック開催が新たに決まったこと も後押しし、人気となりました。(2) 販売チャネルの拡大
2009
年度は販売チャネルの拡大でも大きな成果がありました。特に、比較的利回りの高 いブラジル・レアル建債券等を投資対象とする「ブラジル・ボンド・オープン(毎月決算型)」が、銀行のお客様に人気となった結果、銀行窓販チャネルにおいて取扱社数が大幅に増加 しました。
2010 年度の重点戦略
大和投資信託は、大和証券グループの中期経営計画「“
Passion for the Best
”2011
」のなか で、2011
年度の経常利益目標を150
億円としています。この目標を達成するために、2010
年度では以下に代表される戦略を実行していきます。1.
運用力・商品開発力の強化E大型ファンドの新規設定の継続