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静的計算の結果

ドキュメント内 絶滅した長頸竜類の遊泳性能に関する研究 (ページ 34-38)

第 3 章 流体力計算

3.5 静的計算の結果

3.5.1 𝑥軸並進抵抗計算

𝑥軸並進抵抗計算の結果をFig. 3.9に示す.横軸は速度𝑈であり,縦軸は無次元 化された𝑥, 𝑧軸方向流体力,𝑦軸周り流体力モーメントである.

両モデルの速度𝑈(= )に伴う変化に着目する.0.3m/sec から 1.0m/sec では 𝐹′𝑥,𝐹′𝑧,𝑀′𝑦に大きな変化は見られない.そこで,0.3m/secから1.0m/secにつ いての平均値を流体力係数 ′𝑢𝑢, ′𝑢𝑢,𝑀′𝑢𝑢とした((3.4)~(3.6)式参照).この 平均値をL型は灰色の実線で,S型については灰色の破線で表している.

L型と S 型の計算結果に着目する. ′𝑢𝑢については大きな違いは見られない.

これは長頸竜類モデルを前方から見た時の投影面積が変わらないからと考えら れる. ′ と𝑀′ についてはL型の方が絶対値の大きさがS型より少し大きい.

これは L 型の頸部が S 型より長いため,頸部に働く流体力が増加したことが原 因と考えられる.

静的流体力係数についてはTable 3.3にまとめている.

3.5.2 𝑧軸並進抵抗計算

𝑧軸並進抵抗計算の結果を Fig. 3.10 に示す.横軸は速度𝑈(= )であり縦軸は 無次元化された𝑥, 𝑧軸方向流体力,𝑦軸周り流体力モーメントである.

両モデルの速度𝑈に伴う変化に着目する.0.2m/sec から 0.4m/sec では𝐹′𝑥, 𝐹′𝑧,𝑀′𝑦に大きな変化は見られない.そこで 0.2m/sec から 0.4m/sec について の平均値を流体力係数 𝑤𝑤|𝑤|𝑤 ,𝑀|𝑤|𝑤 とした((3.10)~(3.12)式参照).平均 値をL型は灰色の実線で,S型については灰色の破線で表している.

L型とS型の計算結果に着目すると, |𝑤|𝑤 と𝑀|𝑤|𝑤 の絶対値の大きさがL型の 方が大きいことがわかる.これは長頸竜類モデルを下方から見たときの投影面 積が頸の長いL型の方が大きいことに由来すると考えられる.

3.5.3 迎角変更計算

迎角変更計算の結果をFig. 3.11に示す.横軸は迎角𝛼であり,縦軸は無次元化 された𝑥, 𝑧軸方向流体力,𝑦軸周り流体力モーメントである((3.19)~(3.21)式参

照).𝛼 = 0degの時の流体力・流体力モーメントを0とし(プロット全体をシフ

トし),による流体力・流体力モーメント変化の特徴をわかりやすくしている.

Fig. 3.12は迎角変更計算時の速度分布をである.L型とS型について,𝛼 = 6deg

と𝛼 =18degを示し,迎角の速度分布に対する影響を示している.

両モデルの迎角𝛼に伴う変化に着目する.両者ともに迎角が−12deg よりも小 さいとき,鰭角が 12deg よりも大きいときで失速が確認された.迎角が− 12degから12degの区間で𝐹′𝑥については最小二乗法で2次式に,𝐹′𝑧と𝑀′𝑦につ いては最小二乗法で1次式に近似できた.そこ迎角が-12degから12degの区間 で𝐹′𝑥については𝛼2の係数を,𝐹′𝑧と𝑀′𝑦については𝛼の係数を,それぞれ ′𝑤𝑤, ′𝑤,𝑀′𝑤とした.迎角が-12degから12degの区間について最小二乗フィットし た結果を L 型については灰色の実線で,S 型については灰色の破線で表してい る.

L型とS型の計算結果に着目する.いずれの流体力係数についても違いが見ら れた.特に,傾斜 ′𝑤と傾斜𝑀′𝑤は頸の長いL型の方がS型に比べて大きかった.

最後にFig. 3.12の速度分布を確認する.L型とS型ともに𝛼 =18 degの時は6

degの時に比べて,胴体回りの流速が落ちているのが確認できる.このことから

𝛼 = 18degの時には失速が起きていることが速度分布からも確認できた.

3.5.4 左右同位相鰭角変更計算

左右同位相鰭角変更計算の結果を示す.前鰭が Fig. 3.13 であり,後鰭が Fig.

3.14である.横軸は鰭角であり,縦軸は(3.25)から(3.27)式に示した無次元化し た流体力と流体力モーメントである.鰭角が 0 の時の流体力・流体力モーメン トを0とし(プロット全体をシフトし),鰭角による流体力・流体力モーメント 変化の特徴をわかりやすくしている.両モデルの鰭角 と に伴う変化に着目 する.両者ともに鰭角が−12degよりも小さいとき,鰭角が12degよりも大きい ときで失速が確認された.鰭角が−12deg から 12deg の区間で,𝐹′𝑥については 最小二乗法で2次式に,𝐹′𝑧と𝑀′𝑦については最小二乗法で1次式に近似できた.

そこで,−12degから12degの区間で,𝐹′𝑥2, 2の係数を,𝐹′𝑧と𝑀′𝑦は , の 係数を,2で除し,それぞれ ′𝛿

𝐹𝑅𝛿𝐹𝑅, ′𝛿

𝐹𝐿𝛿𝐹𝐿, ′𝛿

𝐴𝑅𝛿𝐴𝑅, ′𝛿

𝐴𝐿𝛿𝐴𝐿, ′𝛿

𝐹𝑅, ′𝛿

𝐹𝐿, ′𝛿

𝐴𝑅, ′𝛿

𝐴𝐿,𝑀′𝛿

𝐹𝑅,𝑀′𝛿

𝐹𝐿,𝑀′𝛿

𝐴𝑅,𝑀′𝛿

𝐴𝐿,とした.最小二乗フィットした結果 をL型には灰色の実線で,S型は灰色の破線で表している.

L型とS型の計算結果に着目する.前鰭でL型とS型に傾斜の違いが見られた 一方で,後鰭ではL型とS型の間に傾斜の違いは見られなかった.このことは,

前鰭によって後鰭に流れ込む流れが乱され,後鰭は同じような結果になったと 考えられる.

3.5.5 𝑦軸並進抵抗計算

𝑦軸並進抵抗計算の結果をFig. 3.15に示す.横軸は速度𝑈であり,縦軸は無次 元化されたx, y軸方向流体力,z軸周り流体力モーメントである.

両モデルの速度𝑈(= )に伴う変化に着目する.0.1m/sec から 0.4m/sec では 𝐹′𝑥,𝐹′𝑦,𝑀′𝑧に大きな変化は見られない.そこで余裕を見て 0.2m/sec から 0.4m/secについての平均値を流体力係数 𝑣𝑣|𝑣|𝑣 ,𝑁|𝑣|𝑣 とした((3.37)~(3.39) 式参照).この計算結果の平均をL型は灰色の実線で,S 型については灰色の破 線で表している.

L型と S型の計算結果に着目する. 𝑣𝑣 については大きな違いは見られず,前 後非対称性の影響は小さいと言える.|𝑣|𝑣 と𝑁|𝑣|𝑣 については大きな違いが見られ た. |𝑣|𝑣 と𝑁|𝑣|𝑣 についてはy軸方向に一様流れを設定していることから,鰭の影 響は少ない.y軸方向の投影面積が頸部の長さで大きく異なることから,頸の長

いL型の流体力係数の絶対値が大きくなったと考えられる.

3.5.6 斜航角変更計算

斜航角変更計算の結果を Fig. 3.16 に示す.縦軸は無次元化された𝑥, 𝑦軸方向 流体力,z軸周り流体力モーメントである((3.46)~(3.48)式参照). =0degの 時の x 軸方向流体力を 0 とし(プロット全体をシフトし),による流体力・流 体力モーメント変化の特徴をわかりやすくしている.Fig. 3.17には斜航角変更計 算時の速度分布を示している.L型とS型について,𝛽 = 6degと𝛽 = 18degを示 し,斜航角による影響を示している.

最初に,両モデルの斜航角𝛽に伴う変化に着目する.両者ともに斜航角が

−12degよりも小さいとき,斜航角が12degよりも大きいときで,迎角変更計算

時ほどの失速は確認されない.斜航角− 12degから12degの区間で,𝐹′𝑥につい ては最小二乗法で 2 次式に,𝐹′𝑦と𝑀′𝑧については最小二乗法で 1 次式に近似で きた.そこで斜航角が− 12degから12degの区間ついて𝐹′𝑥については𝛽2の係数 を,𝐹′𝑦と𝑀′𝑧については𝛽の係数に−1を乗じたものを,それぞれ無次元化された 流体力係数 ′𝑣𝑣, ′𝑣,𝑁′𝑣とした.Y’, N’から ′𝑣,𝑁′𝑣を求める際に-1を乗じる

のは(3.45)式による.最小二乗フィットした結果をL型は灰色の実線で,S型は

灰色の破線で表している.

L型とS型の計算結果に着目する.いずれの流体力係数についても若干の違い が見られた.𝐹𝑦と𝑀𝑧の傾斜については,迎角の𝐹𝑧と𝑀𝑦のものに比べると違いは 小さい.これは鰭の揚力影響がないからである.

Fig. 3.17の速度分布を確認すると,L型とS型ともに𝛽 =18degの時と6degの 時を比べても,迎角変更計算の時ほど大きな違いは見られなかった.Fig. 3.11と

Fig. 3.16 を見比べると,迎角変更計算の時は鰭のために失速すると考えられる

が,斜航角変更計算の時は鰭の影響が少ないため失速しづらいと考えられる.

3.5.7 左右反位相鰭角変更計算

左右反位相鰭角変更計算の結果を示す.前鰭が Fig. 3.18 であり,後鰭が Fig.

3.19である.横軸はそれぞれ鰭角であり,縦軸は(3.50)で表した無次元化された 流体力モーメント𝑀𝑥である.

両モデルの鰭角に伴う変化に着目する.両者ともに鰭角が−12degよりも小さ い と き , 鰭 角 が 12deg よ り も 大 き い と き 失 速 が 確 認 さ れ た . 鰭角が− 12degから12degの区間で𝑀′𝑥については最小二乗法で1次式に近似できた.そ

こで鰭角が− 12degから12degの区間で,𝑀′𝑥については鰭角の係数を2で除し,

𝐾′𝛿

𝐹𝑅,𝐾′𝛿

𝐹𝐿,𝐾′𝛿

𝐴𝑅,𝐾′𝛿

𝐴𝐿,とした.最小二乗フィットした結果を L型につい ては灰色の実線で,S型については灰色の破線で表している.なお,この計算で はS型の−18deg(𝑈 = 1.0 m/sec),+18deg (𝑈 =0.5,1.0 m/sec)で計算が途中で 打ち切られた.メッシュ条件を改善しても計算が正常に終了しなかったことか ら,左右の鰭角差が大きく計算が出来ないと考えられる.

L型とS型の計算結果に着目する.前鰭でL型とS型に傾斜の違いが見られた 一方で,後鰭では L 型と S 型の間に大きな傾斜の違いは見られなかった.この ことは,前鰭によって後鰭に流れ込む流れが乱され,後鰭は同じような結果にな ったと考えられる.

ドキュメント内 絶滅した長頸竜類の遊泳性能に関する研究 (ページ 34-38)

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