• 検索結果がありません。

陶 磁器

ドキュメント内 東北大学埋蔵文化財調査年報4・5 (ページ 40-71)

接合作業後の総破片数は、1577点を荻 えるが、資料 のほ とん どは細片であ り、全体形を把握 で きるものはわずかである。破片 も含めて観察す ると、時期的には、江戸期か ら昭和初めまで の ものがみ られ るが、多 くは幕末前後である。 出土状況は、

 8〜

10区の

H〜 V層

に集中 して出 土 している。層位別 に見 ると、

HoⅢ

層の資料 では、磁器 は瀬戸や平清水等の東北産 と思われ るものが、肥前産 よ りやや多 くなる。陶器 は、そのほ とん どが大堀相馬・ 堤 な どの東北産で占

め られ る。 また、第二師団で使用 された と思われ る もの も多 く、染付 は コバル トに よる ものが 多 い。一方 、Ⅳ・

V層

で は、磁器 は瀬戸・ 東北産 と思われ るもの よ り肥前産 の 占め る割合 が高 くな る。染付 は呉須 に よるものが ほ とん どで、 コノミル トに よるものは少 ない。陶器 は、 H・ Ⅲ 層 と同 じ く東北産で 占め られ る。

V層

以下で は、江 戸期 の肥前・ 大堀相馬産 な どで 占め られ る が、出土数 は きわめて少 ない。各層 を通 じて、全体 的 な器種構成 の大 きな変化 は認 め られ ない。

用途 別 で は、碗・ 皿・ 土瓶類 な どの食器類が大半 を 占め、括鉢・ 賠烙 な どの台所製 品の数 は少 ない。 それ以外 の火入・ 香炉 。灯 明皿 な どや、水滴 な どもわず かであ った。 ここで は比較的特 徴 の明か な資料 につ いて示す。

磁 器 (図 14)

1〜

4は

、 コバル トに よるやや盛 り上 が った濃 い染付 がな され る。 これ らは、胎上 の光沢が 強 く、肥前以外 の産地 が考 え られ る。

 5は

幕 末前後 の平清水の隅切小皿 で、型抜 きで卍崩文 が 施 され る。

6は

18世 紀後半以降の肥前産 の皿 で、 山水文 が施 され る。

7は

肥 前産 の飯茶碗 で、

見込 み に鷺文 があ る。

8は

角形 の水滴 で型押 しで菊花文 が施 され る。

9は

山 に武 田菱文 の飯茶 碗 で平清水産。 この山に武 田菱文 の飯茶碗 は、二 の丸跡第

2地

点 で同様 の ものが 出土 してい る (東北 大学埋蔵文化財調査委員会 1985)。 また第

2地

点 で は、同 じ く山に武 田菱 文 を施 した皿 も多 く出土 してお り、二 の九跡 出土陶磁器 の特徴 の一 つであ るが、今 の ところ産地 を含 め他 の 遺跡 では出土例 を見 ない。 10は 徳利 の胴部 で、19世 紀 の肥前産で、器厚 が薄 い。 11は よるけ縞 文 の販茶碗 で平清水産。 12は 見込 み に菊花文 のあ る二重編 目文 の飯茶碗 で、18世 紀 の肥前産。

高 台裏 に変形 した渦福文 が施 され る。 13は 若松文 の半筒型 の猪 口 (小碗

)で

18世 紀 の肥前製 品。

陶器 (図 15)

14は 灰釉 の上瓶 で、胴部二面 に銅緑釉 を流掛 け る。胎土 は薄 い黄 白色 の緻密 な もので、明治 以降の大堀相 馬の製 品であ る。 15は 大堀相馬 の灰釉 の飯茶碗で、 口縁部 の内外 に鉄釉 が横方 向 に流掛 け られ る。16は 緑灰色 のやや厚 い灰釉 が掛 け られた堤産 の火入であ る。焼締 は良 く、底 部 は無釉 糸切 りで粘土粒 の三足が付 く。見込 み には火を受 けた跡 が残 る。

妬 器 (図 15)

17は 妬器 の鉢 で、明治以降 の もので、第二師団が使用 していた ものであろ う。

土師質・ 瓦質土器 (図15)

18・19は 土 師質 の皿で あ る。土師質土器 は各 区 よ り多量 に出上 してい るが、大部 分が細 片で、

全体 の特徴 が判 明す るものは、 この

2個

体 しか ない。20は 、堤産 の植木鉢 と思わ れ るもので、

焼 成最終段階で灰素を付着 させ てあ る。

(本 田泰貴)

7地

点 出土陶磁器集計表 Tab 2 Distribution of ceranlics at lW 笙7

    土 帥 質 含 討

その他 Ill

その他

l 1層 1 1

2層 1 不明2 3

ξ 1 1

1層 2

2層 1 2 鉢 類2 8

瓦溜中 1 碗 皿 類2 3

3 1層 l 鉢類2 碗 皿 類3

3層上面 1 1

3層 5

4 1層 碗皿類1 1

3層上 商 1 l

1埋± 1層 1 香炉2 鉢 2 碗 皿 類 13 18

1埋±2層 l 不 甥2 碗 El類 3 6

1埋 火入1 碗 皿 類14

5 1層 1 l

2層 鉢類1 2

6 1層 1 11

ピ ット 不明3 3

7 l層 ll 不 舅1 不明1

油差 し1

鉢 類2

2層上面 l 魚 須 ̀rl 1 9

ピッ ト l 5

8 Ⅱ層上面

I層 11

Ⅲ 層 1 1 1 不明1

1 猪 口2

1 1 鉢類13

蓋物?2 不 切37

観 皿 類14 不 切 17

IV層 1 1

猪 日]

4 不 明2 碗 皿 類4

不 明2 66

V層 1 1 水滴1 1 4 1 4 仏花器1

豆甕 2 不 切4 硯 皿 類 8不 明 23

ピッ ト1 1 碗 皿 類1

ピット5 碗皿類1 1

2埋±1層 1 1 1 碗皿類1 4

2埋±2層 不 明 碗皿類4 5

不 明 1 1

9 I層 l l 袋物5 鉢 類1 不 明4

I層 不 明6 不 切l

Ⅲ 層 水滴1

鉢類6 4L類4

不 明21

Ⅳ層 1 1 火入1 不明1 不 明4

V層 4 水滴1 I 1 威櫃1 碗皿類5

l号騰 Ⅵ 層 1 1

It 不 明1 14

I層 1 l 鉢 類11 不 明1 碗 皿 類2

II層 鉢類9 l 不 努4 糟 鉢1 2

不 明14

248

IV層 1 碗 皿 類2

V層 水滴1 l l

不 明 3

碗 皿 類8 不 明 14

VI層 碗 皿 類 3

I層 1 鉢類4

MI堤鉢類5 碗皿類1 14

tV層 鉢 1 21 不 明1 碗皿類2

VI層 1 不 切2 碗皿類8

Ⅵ‖ 猪 口l ] 1 不 明4 碗 皿 類 24

IX層 I FFE皿18

不明23

I層 レンゲ1 1

不 明 1 1 鉢類5 碗 皿 類3

1 γ 4 I

″ 鰺・、

鞠 翰

旺 狗 ⊂

1

14 

7地

点 出上磁器 Fig.14 Porcelains from NM7

0       1o

19c.(12・ 1318c。)

15 

7地

点 出土陶器

Fig。 15 Ceramics from NM 7 表

7地

点 出土陶磁 器観 察表 Tab.3 Notes on ceramics at NM7

0       10cm

19c.

  出 上 場 所

 

胎 土 焼 成     与 具

口笹 器 高 種 類 貫 入 図 版

場呑茶罷 8区V L 染付団円文、 コパル ト 石 灰 やや密 不 明 粥 治 6‑3

2 小型碗 8区V 葵文?、 コバル ト 石 灰 やや密や や 良 示 明

3 振茶碗 8区V M 宝珠喜文字文、ヨバル ト 石 ラ やや密 やや良

^明 6‑4

坂茶碗 8区V層 染付菖蒲文?、 コ′ヾル ト 石 灰 やや宅やや良 平清水 6‑5

8区V層 聖抜卍崩文 石灰 やや冦 平 浩 大 6‑1

小皿 9区II層 柴付楼閣山水文、呉須 石 灰 やや 好 やや甘肥 前 18C後半〜19C 8

7 飯茶 伽 9区I層 染付山水文、見込鷺文、呉須 目跡右 石灰 工副 18C後半 〜19C

8 水 満 9区V層 染付型抜菊花文、呉須? 石 灰 6‑7

9 飯茶 碗 9区V層 染付山に武田菱支、呉須 石 灰 子清水 幕末前後

徳 利 10区Ⅱ層 付着松梅文、呉須 石 灰 マや准 単剛 6‑12

11 茶 続 10区H層 染付 よるけ縞文、呉須 石 灰 争や涌 や 自 浩 大 真 芙 前 絡 6‑

12 飯茶碗 10区Ⅱ層 S 二重網 目立 皇菊 盲台蔓k 石 灰 ゛や長把前 6‑10

1〔 11区Ⅷ層 染付着松文、呉須 石灰 ゛や甘 単別

1」 土 瓶 7区II

嗣緑釉流掛 丈堀 相 馬 明治

坂茶 腑 1区Ⅵ層 炎釉流掛 糠 白 やや自大堀相罵

lt 火 入 9区Ⅳ拒 やや粗やや艮 6‑17

■区1層 168 嘘文 石 灰 やや湘

8 皿 8区V層 無 支

Il 11区 IX層 S 無文

直木鉢 4区簿1埋1

【文 災素 や 甘 6‑20

B.瓦 a:分

発掘 区全体 の層序 は概 ね対応 づ け られ るが(図 6)、 各調 査 区間 の距離 がか な りあ り、廃棄 の 単位 が異 な る可能 性 が強 い ので、地 区・層 ご とに集計 を した (表4)。 これ らの資料 の うち、特 に量 が多 く、 出土状況 か ら一括性が強いのは、

8区

Ⅳ 層 、同

V層

同 ピ ッ ト、

4区

溝 出土 の各資 料 で あ る。 ただ し、第

7地

点 の瓦 は全体 として

8区 V層

出上 の「 山 に武 田菱」文 の茶碗 、Ⅲ・

Ⅳ 層 か ら出土す る洋釘 か ら、いずれ も明治初期 に廃棄 された もの と考 え られ る。分析 してみ る と、層・ 地 区 に よって瓦 の組成 に若千の違 いがあ るが、 いず れ も平瓦 と丸瓦 が主体 であ り、以 下 で は全体 を一括 して扱 う。

b:分

析 方 法

瓦 は一般 に 出土量 が多 く、その大半 が平瓦 の破 片 (近 世 で は桟瓦の場合 も

)で

あ る こ とか ら、

報告書作成上 の時間 な どの制約 もあ り、軒丸瓦、軒平瓦 な ど、特徴的 な ものだけを抽 出 して記 述す るに とどま る場 合 が多 い。 また、発掘 時 に採 集 資料 の選択 が な され る場 合 もあ る。 目的 や 現実的 問題 か ら資料 と分析方法 の選択 が な され るの は当然 として も、で きるだ け まず発掘 資料 全体 の何等 かの記述 を し、それ と分析 のため に抽 出 した資料 の関係がわ か るのが望 ま しい。

近 世 の瓦 は種 類 が多 く、 それぞれ の種 類 につ いて、時代 、地 域 、個 々の建築 に よって形 態 的 にか な りの変果 があ る ことが予想 され る。実際 これ まで仙 台城二 の丸跡 の調査では、地点 ご と に瓦 の種類 にかな り違 いがあ り、 これは、 あ る程度近 隣 にあ った建物 の瓦 の違 いを反映 して い る と考 え られ る。

遺跡 出上 の瓦 の量 を種 類 ご とに記述す る場 合 に問題 なの は、資料 の大半 が破 片で あ り、破 片 の特徴 か ら種 類 を同定 しなければな らない点であ る。 そ のためには、各種類 の完形 品が基準資 料 として把 握 され て なけれ ば な らない。 しか し、仙 台城 二 の丸 で は、 どの よ うな種 類 の瓦 が用 い られていた かを、 これ か ら調べ なければな らない段 階 にあ り、最初 か ら破 片の特徴 で細 かい 種 類 まで 同定 し、資料 全体 を記述す る こ とはで きない。調 査地 点 ご とに、異 な った建物 の近 隣 を発掘 す るわ けだか ら、 こ うした状態 は少 な くとも当分続 くと考 え られ る。 また、存在 し得 る 瓦 の種 類 が リス ト・ ア ップ され て いた として も、破 片 か らは ひ とつ の種 類 を特定 で きない場 合 が あ る。 た とえば、軒丸瓦 の瓦 当部が失われた破 片 は、丸瓦 の破 片 と識別 困難であ る。

以上 の点 を踏 まえて、作業員 を使 って、統一 した基準 でかつ迅速 に資料全体を記述す るため に、図16の よ うな整理 の基準 を用 いた。 まず 、資料全体 を破 片の特徴 か ら簡単 に識別 し得 るい くつ か の種 類 に大別 す る。 この段 階 で大別 した種 類 ご との数量 を記述 す る。次 に、可 能 な物 に つ いて は平瓦 、九瓦等 の種類 の レベル に細別 を進 め るが、大量 にあ るものにつ いては (今 回の 場 合 、平瓦 類 と丸瓦類)、 基準 を設 けてあ る程度 以上 の大 きさの ものを抽 出 して観察 し、細別 を

7地

点 出土瓦集計表

Tab.6 Distribution Of roof tiles at N 1 7

[破片数・重畳(単kg)の順に表示]

地 区 層 遺 摘          軒 丸 瓦

不 明 瓦 稔違 ヽ 面 その忙   

1区 1層 3 0 02 10  03

2層 2 26  29 2  03 2 00 72  26

1 0 01 5  02

1層 3 0 9  02

2層 7 1 13  11 1  001 1  02 149  45

瓦溜中 3 21  49 2  07 101  25

3層 502     32 ( 236  286 4  11 14 12 516  176

3区 1層 2 0 4  01 1  004 1 1 001 40     1 1

3層 402     72  335  487 13  4 1 6 10 577    25 5

5層 3 1

瓦致 き 23  48 1  001 58     2 4

4区 63   10( 47 1 00〔 79  42

3層 7 42     4 8 1  04 3  06 186  79

2層溝理 十 7 33  36 2  02 84     4 0

吾埋± 1層 156    29 1 132  262 2  02 7  08 1  00 3 30 44

善埋 ±■ 6 1 18  34 1  04 1  03 1 1 01 17  07

語埋 土III 2 0 1  001 6  03

5区 l層 2 0 1  004 1  02 21  08

2層 189     41 100  188 3  04 4  10 233    15 2

3層 3  24 58  122 2  17 13  40 2 04 48  26

1層 3  0 10  09 29     1 2

)it l

Dit 2埋 土 12 [ 02 4  01

7区 1層 5 0 29  14

2層 2 1 01

3層 11 2 05 28  13

田層 04 2  02 1 1 06 33     1 5

II層 24 37 45  34 1  001 1  01 14 20 [17  42

V層 721  257を 194  566 6  19 14  114 6( 3 117  36 0 480    24 0

V層 88     39 31  166 13  94 4 12 53 47     2 6

I層 10 2 02

tl埋±1 134  51 60  188 1  01 1 2 07 122  61

t2理1 1 01 2  06

1埋 上1 3 12  25 15  09

1理2 1 0 4  04 4

11層1号 溝内pit 5 5 13  22 1 1  00+ 1 3 07 31  18

9区 3 0 19    01

H層 11 1 5  03 1 01 32  15

MI層 6 l 12  07 38  1

IV層 158    37( 148  242 1  09 6  19 2  04 16 39

V層 5 2 8  28 2 09 18  0

Ⅵ層 1号 潜上部 2 2  00̀ 3  02

川隠 埋 土 1 0 1  00と

I層 2 2  04

その他撹乱 ビット 2 0 5  06 6  0

10区 I層 10  09

H層 5 0 25  0

II暦 59  197 43  81 3  16

V層 5

'1    1 8

1  00( 1 1 2 03 52     2

39     10 ̀ 41  80 1  00[ 1

I層 10 3 17 22 2  02 20     1 4

11区 I層 9  17 11  09

H層 2 0 1  02 1 1 01 3  02

V層 15  32 2  04 1 1 02 36     2 2

n層 54  11 65    10 1 08 3  151 1  05 II 1 007 54     4 0

Ⅲ層 86  10 25  67 2  11 1  001 1  05 11 2 06 44  31

X眉 76  18 37  70 1  00̀ 3  02 11 1 01 82  50

9 12 1  02

F区 3 1  0041 5  02

不 明 36     10 23     3 4 I 11 12 32 19

不明とえ採 3  50 1  20 2  21 1 1 06

3268 8120 985   363 0 106  440 258  66 131 1897上

完形平均童畳 2 385 225 6251

徐重 量 平吻 重量 3405 1613

ドキュメント内 東北大学埋蔵文化財調査年報4・5 (ページ 40-71)

関連したドキュメント