第 3 章 PV 設置住宅群の PV 用パワーコンディショナによる無効電力
3.5 長期間運転時の各無効電力制御方式の比較・評価
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図 3- 24 系統別IallSUPrateの推移
図3- 24より,天候条件の差によりIallSUPrateが大きく変化することが確認できた。また,
休日は特に高圧需要家の日中の消費電力が低減するため,IallSUPrateが上昇する傾向である ことが確認できた。
(2)力率設定
3.4 節では2007 年 4月 29日の発電・負荷パターンを用いて,IallSUPrateが 25%となる設 定にて,提案手法の最適化検討を実施したが,本節における評価は前述のとおり IallSUPrate
が変化する前提であり,且つ IallSUPrateが 25%よりも大きい日も存在する。よって,提案 手法については,3.4節で決定した力率設定では IMPallSUPrateの最大化が達成できない可能 性を想定し,前節で決定した最適力率に対して,全部若しくは一部の住宅で力率設定を下 げた場合の評価についても同時に実施することとした。表 3- 4に,各方式の比較評価を実 施するための力率設定を示す。
表3- 4 各方式の評価のための力率設定
力率設定① 力率設定② 無効電力量最小化制御
方式
3.4.1 項で決定した各住宅の力
率設定を採用
3.4.1 項で決定した各住宅の力
率設定が 1 の住宅以外では,
同力率設定から 0.25 低い値を 設定
無効電力量均平化制御 方式
3.4.2 項で決定した力率設定を
採用
全軒で3.4.2項で決定した力率
設定から 0.25低い値を設定 0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
45%
5月1日 5月3日 5月5日 5月7日 5月9日 5月11日 5月13日 5月15日 5月17日 5月19日 5月21日 5月23日 5月25日 5月27日 5月29日 5月31日
IallSUPrate
A1 C1 C2 D2
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無効電力量最小化制御方式については,力率設定 ①では 3.4.1 項で決定した力率設定を そのまま採用するが,力率設定②では,力率設定①にて力率が 1に設定されていない住宅
(=無効電力制御を実施している住宅)の力率設定を一律 0.25 低下させることとした。ま た,無効電力量均平化方式については,力率設定①では,3.4.2項で決定した力率設定をそ のまま採用するが,力率設定②では,全軒で力率設定①から 0.25 低い力率設定を採用する こととした。これらは,1か月間の間にIallSUPrateが変化するため,力率設定①でIMPallSUPrate
を最大化できない可能性を想定して設定した条件である。
なお,力率一定制御については,電力会社の推奨値として採用されている 力率設定0.9(3-4) を全軒一律で採用するものとし,また標準方式についても同様に力率設定 0.9 を全軒一律 で採用することとした。
3.5.2 各方式の比較・評価
表3- 4に記載した2種類の力率設定及び標準方式,力率一定制御を含む合計 6パターン について,5月 1か月間の運転を行った際の,PVの出力抑制回避率 IMPallSUPrate,無効電 力注入率 Qrate,無効電力量のばらつきσQについて系統別に比較評価を実施した。図 3- 25 に各系統の月間 IMPallSUPrate (MIMPallSUPrate),図 3- 26に各系統の月間Qrate (MQrate)を,図 3- 27に月間σQ (MσQ)の分析結果をそれぞれ示す。なお,図3- 25,図3- 26,図3- 27にお いて,「均平化力率低」,「最小化力率低」は,表 3- 4 で記載した「無効電力量均平化制御 方式」及び「無効電力量最小化制御方式」の力率設定②を意味する。
図 3- 25 MIMPallSUPrate 0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
最小化 最小化力率低 均平化 均平化力率低 力率一定制御 標準方式
MIMPallSUPrate
A1 C1 C2 D2
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図 3- 26 MQrate
図3- 27 MσQ
図 3- 25より,いずれの系統においても,MIMPallSUPrateは,力率一定制御が最も小さく,
標準方式が最大になることが確認できた。また,提案手法の一つである「 無効電力量最小 化制御方式」については,他の三つの提案方式(「無効電力量最小化制御方式(力率低)」,
「 無 効 電 力 量 均 平 化 制 御 方 式 」,「 無 効 電 力 量 均 平 化 制 御 方 式 ( 力 率 低 )」 と 比 較 し て MIMPallSUPrateが小さくなった。これは,3.4.1 項で最適化した条件と比較して,IallSUPrate
が大きい日があり,その際の PV の出力抑制回避率 IMPallSUPrateが低くなったために発生 した現象である。他の三つの提案方式の MIMPallSUPrateは,標準方式の MIMPallSUPrateとの 差 が 最 小 0.6%, 最 大 3.9%と な り , 特 に D2 系 統 に お け る 標 準 方 式 と 提 案 方 式 の MIMPallSUPrateの差が大きくなった。これは,図 3- 24 に示したとおり,D2 は他の系統と 比較して,休日のIallSUPrateが大きくなることから,標準方式と比較して休日のIMPallSUPrate
が小さくなったことが要因である。D2を除くと,標準方式のMIMPallSUPrateと無効電力量 0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
最小化 最小化力率低 均平化 均平化力率低 力率一定制御 標準方式
MQrate
A1 C1 C2 D2
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3
最小化 最小化力率低 均平化 均平化力率低 力率一定制御 標準方式
MσQ(kvarh)
A1 C1 C2 D2
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最小化制御方式を除く 3つの提案方式の MIMPallSUPrateの差は,平均 1.6%となり,提案手 法の採用による大幅な MIMPallSUPrateの低下が発生しないことが確認できた。
MQrateは図3- 26より,力率一定制御方式が最も大きくなり,次に 無効電力量均平化制御
方式(力率低),無効電力量均平化制御方式,標準方式と続き,無効電力量最小化制御方式
(力率低),無効電力量最小化制御方式については,標準方式よりも MQrateが小さくなり,
無効電力量最小化制御方式(力率低)の MQrateは標準方式の MQrateに対して最大約 4%低 減可能であることが確認できた。
MσQは図 3- 27 より,無効電力量最小化制御方式(力率低),無効電力量最小化制御方
式が大きく,無効電力量均平化制御方式(力率低),無効電力量均平化制御方式については,
標準方式を下回り,標準方式の MσQに対する無効電力量均平化制御方式のMσQが,最大
約 80%低減されることが確認できた。
以上より,いずれの提案手法においても MIMPallSUPrate が標準方式と比較してやや小さ くなるが,無効電力量最小化制御方式(力率低)により標準方式よりも MQrateが小さくな ること,無効電力量均平化制御方式により標準方式よりも MσQが小さくなることがそれ ぞれ確認できた。