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住宅リストの作成方法

第 4 章 PV 設置住宅群のヒートポンプ給湯機による有効電力制御方

4.5 代表日における HPWH の最適運用方法検討結果

4.5.2 住宅リストの作成方法

本章においてHPWHの最適運用方法を決定するために,住宅リストを使用する。住宅リ ストとは,住宅間の PVの出力抑制量の大小関係を簡易的に算出するための指標である。

本章では HPindex1の最大化を目的としたHPWH の運転方法を策定することを目的として いるため,PVの出力抑制率ISUPnrateが小さい若しくは発生しない住宅における HPWHの 昼間運転を避ける必要がある。そこで,次項以降の HPWH最適運用方法の検討では,HPWH の昼間運転を実施しない場合の住宅間の ISUPnrateの大小関係を把握し,最適運用方法の検 討に用いることする。

住宅リストでは,具体的には系統インピーダンスを用いて住宅間のISUPnrateの大小関係 を把握するものとする。これは ISUPnrateが,系統連系箇所(=系統インピーダンス)の差 により大きく変化することが理由である。ただし,各住宅の系統インピーダンス を直接的 に計測することはできないことから,以下のとおり,夜間における HPWH 運転による電圧 降下ΔVnを実測し,これを系統インピーダンスの代替とすることとした。ΔVnは,以下に 示す二通りの手法を用いて比較評価することとした。

手法1:夜間一斉にHPWH を運転し,その際の各住宅の電圧降下ΔVnを実測する方法。

手法2:夜間一斉にHPWHを運転し,その際の各住宅の電圧降下ΔVnを実測。電圧降下 が最も大きい住宅以外で,再度 HPWH を一斉に運転。最後の住宅までこれを繰 り返す方法。ΔVnは,(4.14)式を用いて算出。

6.45 6.5 6.55 6.6 6.65 6.7

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 20%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 10%

IallSUPrate 5%

送り出し電圧(kV)

2月7日 11月15日

5月21日 8月10日

IallSUPrate 10%

IallSUPrate 5%

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 20%

IallSUPrate 15%

79

 

 

K

k

L

l

n l n

k

n

V V

L

K

1 1

) 1 (

V ・ Δ Δ

Δ

(4.14)

ここに,ΔVnk:住宅nでHPWHを運転した場合の電圧降下(V),ΔVnl:住宅nで HPWH を運転しない場合の電圧降下(V),K:住宅 nでHPWHを運転した回数,L:住宅 nでHPWH を運転しなかった回数

以上,二通りの手法を用いて,サイト全体で各住宅のΔVnとPVの出力抑制量との相関 について分析を行った。図4- 18に手法1のΔVnISUPrateの相関図を, 図4- 19に手法2 のΔVnISUPrateの相関図をそれぞれ示す。

図 4- 18より,手法1を用いた場合は,4日間ともに,二重のラインが発生し,個々のΔ

Vnに対して,ISUPrateが二点定まるケースが多いことが確認できた。一方,手法 2を用い た場合は,図 4- 19(a)及び図4- 19(b)にて赤丸で囲んだ 2月 7日及び 8月10日の25%の一 部を除き,個々のΔVnに対して,ISUPnrateが一意に定まることが確認できた。これは,手 法 2による,末端のΔVnが大きい住宅の HPWHの運転を停止させ,徐々にHPWH の運転 台数を減らして加重平均を算出する方法が,電圧が管理値上限に到達した住宅から PVの 出力が抑制する動作に類似していることが要因と推定される。しかし,IallSUPrateが25%の 際に,2月7日,8月10日のΔVnが 1~1.5V付近で個々のΔVnに対してISUPnrateが最大14%

の差で二点定まることが確認されていることから,この発生要因分析を行うこととした。

これについては,図 4- 20に示す2月7日のIallSUPrate25%時の住宅番号に対するΔVnISUPnrateを用いて解説する。なお,図 4- 20のX軸は,変圧器番号のみ記載しているが,

実際は図 4- 15の低圧配電系統構成に合致するよう,一つの変圧器に対して12 軒分のデー

タが記載されている。

(a)2月7日 0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

ISUPn rate

ΔVn

27

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

80 (b)11月15 日

(c)5月21日

(d)8月10 日

図 4- 18 手法1を用いたΔVnとISUPnrateの相関図 0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

ISUPn rate

ΔVn

1115

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

ISUPn rate

ΔVn

521

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

ISUPn rate

ΔVn

810

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

81 (a)2月7日

(b)11月15 日

(c)5月21日 0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

ISUPn rate

ΔVn

27

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

ISUPn rate

ΔVn

1115

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

ISUPn rate

ΔVn

521

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

82 (d)8月10 日

図 4- 19 手法2によるΔVn ISUPnrateの相関図

図 4- 20より,ΔVnが1.5V程度になるのは,Tr34,Tr36など高圧系統末端の柱上変圧器

の低圧インピーダンスが小さい住宅(住宅 No.4,5,6,7,8,9 以下,低圧 Z小住宅)と Tr9,Tr10 な ど 配 電 用 変 電 所 に 近 い 柱 上 変 圧 器 の 低 圧 イ ン ピ ー ダ ン ス が 大 き い 住 宅 ( 住 宅

No.1,2,3,10,11,12 以下,低圧 Z 大住宅)であることが確認できる。しかし,ISUPnrateは前

者の高圧系統末端の柱上変圧器の低圧 Z小住宅よりも,後者の配電用変電所に近い柱上変 圧器の低圧 Z大住宅のほうが大きくなったことから発生した現象である。この ISUPnrateの 差が,IallSUPrate 25%時の2月,8月に顕著に大きくなるのは,他の季節と比較して,PVの 発電電力量が少なく且つ送り出し電圧が高く設定されているためである。送り出し電圧を 高く設定すればするほど,系統構成とは無関係に全軒でISUPnrateが均一に近くなっていく。

また,図 4- 18,図4- 19より,自家消費等により,ISUPnrateは,最大でも50%弱で飽和す

ることが確認できている。従って,ISUPnrate が飽和に近い状態の住宅が多くなればなるほ ど,ΔVnとの相関関係が弱くなる。

このように手法2においても,送り出し電圧が高く逆潮流による電圧上昇の影響が少な い条件においては,高圧系統の連系位置が大きく異なる柱上変圧器のΔVnが一致した場合 については,必ずしも両者のISUPnrateが一致するわけではないことが確認できた。しかし,

本章における住宅リストは,ISUPnrateの大小関係を判断することが主目的であり,対象と なる住宅も限定的であることから,大きい支障がないものと判断し,以降の検討に使用す ることとした。

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

ISUPn rate

ΔVn

810

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

IallSUPrate 25%

IallSUPrate 15%

IallSUPrate 5%

83

図4- 20 各住宅の ISUPnrateとΔVn