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シミュレーション条件

第 5 章 PV 設置住宅群の定置型蓄電池とヒートポンプ給湯機による

5.3 シミュレーション条件

5.3.1 発電・負荷パターン

発電・負荷パターンは,前述のとおり,群馬県太田市で実証試験が行われた,NEDO事 業「集中連系型太陽光発電システム実証研究」にて 2006年7月3日から2007 年7月2日 に取得された553軒の発電・負荷データを用いることとした。図5- 7に年間の発電電力量,

負荷電力量及び逆潮流電力量の推移を示す。発電電力量及び逆潮流電力量は春季が,負荷 電力量は冬季が多いデータであることが確認できる。

(a) 発電電力量

(b) 負荷電力量

0 5 10 15 20 25

2006/7/3 2006/8/3 2006/9/3 2006/10/3 2006/11/3 2006/12/3 2007/1/3 2007/2/3 2007/3/3 2007/4/3 2007/5/3 2007/6/3

発電電力量(kWh)

0 5 10 15 20 25 30

2006/7/3 2006/8/3 2006/9/3 2006/10/3 2006/11/3 2006/12/3 2007/1/3 2007/2/3 2007/3/3 2007/4/3 2007/5/3 2007/6/3

負荷電力量(kWh)

122

(c) 逆潮流電力量

図 5- 7 年間発電・負荷・逆潮流電力量の推移

5.3.2 配電系統構成

本章で採用する配電系統は,第4章と同様に,電気協同研究が作成した C2系統とした。

図 5- 8に本章で使用する高圧配電系統構成を示す。高圧配電系統には,三相合計で117 台

(一相当たり 39台)の柱上変圧器が導入されている。図5- 8にて▼は柱上変圧器を,▽

は高圧需要家をそれぞれ示す。また,低圧配電系統構成は,図 5- 9に示すとおり,1台の 柱上変圧器に 12軒のPV,HPWH,BESS付住宅が導入される構成となっている。ただし,

BESSはシミュレーション条件によっては,導入されない住宅も存在する。

図 5- 8 高圧配電系統構成

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

2006/7/3 2006/8/3 2006/9/3 2006/10/3 2006/11/3 2006/12/3 2007/1/3 2007/2/3 2007/3/3 2007/4/3 2007/5/3 2007/6/3

逆潮流電力量(kWh)

CVT325mm2 AL 120mm2 AL 58 mm2 AL 25mm2

Tr 1 Tr 2

Tr 3 Tr 4 Tr 7

Tr 12

Tr 6 Tr 8

Tr 9 Tr 10

Tr 11 Tr 13 Tr 14

Tr 15

Tr 16 Tr 17 Tr 18

Tr 19

Tr 20

Tr 21 Tr 22 Tr 23

Tr 24 Tr 25 Tr 26

Tr 27

Tr 28 Tr 29 Tr 30

Tr 31 Tr 32

Tr 36

Tr 33 Tr 34

Tr 37 Tr 38 Tr 39

Tr 5 Tr 35

▽: 高圧需要家

▼: 柱上変圧器 0.18 km

0.36 km

0.54 km

0.21 km

0.39 km

0.234 km 4.04 km (R=0.99Ω, X=1.09Ω) 配電用変電所

123

図 5- 9 低圧配電系統構成

5.3.3 高圧負荷パターン

高圧需要家の負荷電力は,第 4章と同様に,電気協同研究で調査された結果(5-15),(5-16)を 元に,契約電力を 128kW,三相平衡負荷とした場合の平日・休日,重負荷期(6月~8月,

12 月~2月)・軽負荷期(3月~5月,9月~11月)別にそれぞれのパターンを設定した。

図 5- 10に本研究で用いる高圧負荷パターンを示す。

図5- 10 高圧負荷パターン

5.3.4 送り出し電圧の設定

本研究では,送り出し電圧は年間通じて一定となる前提を設けて, 季節や天候の変化に よる発電・負荷電力の変化に応じた IallSUPdrateが発生する条件を設定し,BESSやHPWH

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00 0:00

負荷電力量(kWh)

平日軽負荷期 休日軽負荷期 平日重負荷期 休日重負荷期

124

の運転方法を検討することとした。送り出し電圧は,第 4章で選定した春季,秋季,冬季 を代表する晴天日(5月21 日,11月 15日,2月7日)にて,それぞれIallSUPdrateが25%,

20%,15%,10%,5%になるように設定した15 通りの送り出し電圧の平均値を使用するこ

ととした。図 5- 11にIallSUPdrate別の送り出し電圧とその平均値を示す。平均送り出し電圧

は約 6.59kVとなり,この値を本研究の送り出し電圧として使用することとした。

図5- 11 送り出し電圧

図5- 12にIallSUPdrateの年間推移を示す。図5- 12 より,中間期はIallSUPdrateが最大20%

以上となり,重負荷期は,IallSUPdrateが最大10%~15%と中間期よりも小さくなることが確 認できた。年間平均 IallSUPdrate (以下,IallSUPrate)は,11%であった。中間期の IallSUPdrate

は大きく,夏季,冬季の IallSUPdrateが小さくなるのは,季節により発電電力量・負荷電力 量が変化するためである。季節や天候により IallSUPdrateが異なることから,BESS及び HPWH には,季節や天候に応じた運転が求められることになる。

6.4 6.45 6.5 6.55 6.6 6.65 6.7

IallSUPdrate 25%

IallSUPdrate 20%

IallSUPdrate 15%

IallSUPdrate 10%

IallSUPdrate 5%

送り出し電圧(kV)

2月7日 11月15日 5月21日 平均

IallSUPdrate IallSUPdrate IallSUPdrate IallSUPdrate IallSUPdrate

125

図5- 12 PVの出力抑制率 IallSUPdrateの推移

5.3.5 天候情報の分析結果

本章におけるBESS及び天気予報の使用方法は,第 4章と同様に「晴天指数と PVの出 力抑制率 IallSUPdrateの相関」及び「天気予報情報と晴天指数の相関」に関する分析結果か ら決定するものとする。以下,それぞれの分析結果について詳述する。

(1)晴天指数と PVの出力抑制率 IallSUPdrateの相関に関する分析結果

第一に年間365日間のデータを用いて,晴天指数と PVの出力抑制率IallSUPdrateの相関 について分析を行った。図 5- 13に分析結果を示す。図5- 13より,季節により傾きに差は あるものの,晴天指数と IallSUPdrateに相関関係があることが確認できた。特に冬季は前述 のとおり,発電電力量の低下,負荷電力量の増加により,IallSUPdrateが低下するが,冬季 においても,晴天指数が 0.5以上になると,IallSUPdrateが発生することが確認できた。また,

年間通じて晴天指数が 0.5以上の場合に,IallSUPdrateが発生しているが,晴天指数が 0.3を 下回ると,IallSUPdrateがほぼ発生しないことが確認できた。よって,晴天指数 0.5以上で IallSUPdrateが発生し,晴天指数が0.3未満でIallSUPdrateが発生しないことを前提条件として,

天気予報情報と晴天指数の相関に関する分析を実施することとした。

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

-

-July Aug. Sep Oct Nov Dec Jan Feb Mar Apr May Jun IallSUPd rate

126

図 5- 13 晴天指数とIallSUPdrate

(2)天気予報情報と晴天指数の相関に関する分析結果

本章においても第4章と同様に天気予報情報を4通りに分類し,それぞれの天気予報を 用いた場合の晴天指数との相関について分析を行った。天気予報情報の分類方法は,前章 と同様に,簡易的に 3パターン(「晴れ」,「晴れを含む」,「天候不良なし」)と比較評価用 として1パターン(「全天候」)を設定した。以上の 4分類を用いて,晴天指数を0.1刻み とした場合に該当する日の発生頻度を年間データを用いて算出した。図 5- 14に分析結果 を示す。

分類1:晴れ

定義 :「晴れ」の予報 分類2:晴れを含む

定義 :「晴れ」と言う表現が一部でも入る予報 分類3:天候不良なし

定義 :日中「雨」や「雪」という表現が入らない予報 分類4:全天候

定義 :全ての天候(比較のために使用)

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

0 0.2 0.4 0.6 0.8

IallSUPd rate

晴天指数

春 夏 秋 冬

127

図5- 14 天気予報分類別晴天指数(CI)0.1 刻みに対する該当日の発生頻度

図5- 14より,晴天指数が0.5を上回る日数が年間通じて 201日(約55%)発生すること

が確認できた。この値を基準とした場合に,天気予報の分類別の晴天指数 0.5以上の日を 抽出できる確率は,「晴れ」が 24.4%,「晴れを含む」が 93.8%,「天候不良なし」が95.5% と,「晴れ」のみが極端に低下することが確認できた。これは,「晴れ 」の予報が発表され る日が少なく,「晴れ」の予報では,晴天指数が 0.5以上となる日を高い確率で選定するこ とができないことを意味する。よって,「晴れを含む」と「天候不良なし」に対して,さら に晴天指数が 0.3を下回る日の発生頻度に関する分析を実施した。その結果,全天候にて 晴天指数 0.3を下回る日数が89日(約24%)であり,この値を100%とした場合に,同条 件の該当日を選定する頻度は,「晴れを含む」が 19.1%,「天候不良なし」が 52.8%となる ことが確認できた。よって,好天が予想される日を選定するための天気予報 情報として「晴 れを含む」を,好天日を選定するための晴天指数を 0.5以上とそれぞれ決定することとし た。