第2章では一般グラフ上のσゲームについて考察した.第3章では,本 来のライツアウトパズルの形に戻って,{,、におけるライツアウトパズ ルを考える.長方形のグリッドみ,、において,m,ηがどんな条件を満た せば,σゲ]ムのルールで任意の状態から全ての頂点をOの状態にできる
のかを調べていく.
3.1 凡,、上の特性写像
この章では,第2章と同様に0pm,皿を考えて,状態や操作を0pm,、の元で 表す、以下,0pm,皿を簡単に0m,肌と表すことにする.第2章ではグラフG
の頂点にj頃番をつけることにより,0GをF2弁γ内のベクトルと対応させ て考えたが,第3章では以下の方法によって0m,、の元を別の形で捉える.
凡,肌の上から乞番目,左からゴ番目の頂点を(台,ゴ)と表す。すると,ん,、
の頂点集合は{1,…,m}X{1,…,η}となり,!∈0m,、=mαρ(γF2)は プ:{1,…,m}X{1,…,η}→F2となる.このとき,プを
・一
i∴∴)1})
という行列Xと対応させると,この写像は1F2土の線型写像で,0m,几と Mm,、(F2)との間の全単射となる.したがってこの対応はF2土のベクトル 空間の同型である.以下,この章では0m,、の元を上記のように行列と同一 視することする、この同一視では,全ての頂点がOとなる状態は零行列0
で表される.
定義3・1.1σ:0m,帆→0m,刊を次のように定める。0m,肌竺Mm,几(1F2)の元 λ=(α{ゴ)に対して,0m,肌皇Mm,、(F2)の元B=(6{ゴ)を
〜=α1j+α1−1,ゴ十α1。・,j+α1,卜・十α1,ゴ・1∈F・
第3章 長方形グリッドのσゲーム 52
とし,σ(λ)=Bとする.ただし,αoゴ,αm+1,ゴ,α40,α{,、十1はOとする.この対
応が線型写像となることは容易に確かめられる.
定理3・1・20m,、竺Mm,れ(lF2)の元X,γに対して,状態X=(〜)に操作 γ=(吻)を加えた状態x =(叱)は
X =X+σ(γ)
となる.
証明 σゲーム上では,頂点κ幻の操作後の状態{は,操作前の状態と,頂 点(乞,ゴ)を押すかどうか及び,頂点(乞,ゴ)に隣接している頂点をいくつ押す かで決まってくるので,各頂点に対して
幻=均ゴ十挑,ゴ十吻一1,j+眺十1,1+挑,j−1+眺,ゴ十/
が成り立つ.ただし,蛎,μm+15,腕,挑,、十1はOである、したがって,X =
X+σ(γ)である. □ 定理3.1.2と定理2.3.3を比べると,定義3.1.1で定めた写像σはσゲーム
における特性写像と同じ性質をもっていることが分かる.実際,定義2.3.4 では0GをF2弁γと同一視して特性写像σを考えたが,この定義3.1,1のσ は0p柵,、をMm,冊(1F2)と同一視して特性写像を書き下したものとなってい る.よって,この定義3,1.1のσをPm,机上のσゲームの特性写像と呼ぶこ とにする.
グラフみ,η上の特性写像をσとすると,状態0からある状態Xに,適当 な操作γを加えて変化することが可能であるということは,0+σ(γ)=X
となることと同値である.よって,状態0からある状態Xに,適当な操作 γを加えて変化することが可能であるための必要十分条件は,XがImσ の元であることである.
定義3.1.3み,冊上のσゲームにおいて,任意の状態Xにある操作γを 加えて状態0への遷移が可能であるとき,み,ηはσ可移であるというこ
とにする.
定理3.1.4グラフPm,机上の特性写像をσとする.このとき,以下は同値
である.
1,dim(Kerσ)=Oである。
第3章 長方形グリッドのσゲーム 53 2.み,冗はσ可移である.
証明 2.の,0m,。皇M肌,帆(F2)の任意の元Xに対して,0からXにでき るという二とは,0m,、≧Mm,、(F2)の任意の元Xに対して,ある操作γ があって,σ(γ)=Xを満たすことと同値である.つまりImσが0m,、全 体となることと同値である。ゆえにdim(Cm,帆トdim(Imσ)であり,定理 1.3.5より,dim(Kerσ)=0であることと同値である. 口 定理3.1.5グラフみ,帆上の特性写像をσとする。dim(Kerσ)=dとす ると,以下が成り立つ.
1
1・σゲームの操作で状態0から遷移できるXの個数は0岬全体のフ
2m几で1ア個である・
2.状態0から遷移できるようなXに対し,0をXに移す操作γの個
数は2d個である.証明 まず1.を示す。まず,dim(0m,仰)=㎜ηである.dim(Kerσ)=dな ので,定理L3,5より,dim(Imσ)=mn_dである.ゆえに,Imσの元の個 2mη
数は2㎜■d=_個である.
2d
次に21を示す.状態0から状態XできるようなXに対して,0をXに
移す操作γ∈0m,几は,0+σ(γ)=Xとなるようなγの総数である.ここで,0をXに移す操作の1つを㍉とすると,σ(篶)=Xである.ηに
ある操作zを加えて
σ(y乙十Z)=X (3.1)
となるような操作Zについて調べる.σは線型写像なので,式(3.1)は σ(η)十σ(Z)=Xと同値である.σ(巧)=Xなので,これはσ(Z)=0を 意味する。つまりZはKerσの元である。よって,集合{η十Z−Z∈Kerσ}
が,σ(γ)=Xとなるγ全体である.以上より,状態0を状態Xに移すよ うな操作γの個数はdim(Kerσ)=dより,2d個である. □ 定理3.1.4及び3.1.5から,σゲームにおいては,Kerσの次元が分かれ
ば,状態0から状態Xに変化できないようなXがあるかどうか,また何
通りの操作があるかが分かることになる1そこで,第3章の次節以降では,Kerσの次元を調べることを目標とする、
第3章 長方形グリッドのσゲーム 54
3.2 Kerσについて
定義3.2.1λm∈Mm(1F2)を以下のような行列とする.
0100...000 1010...OO0 0101...000
λm=
0000...010 0000.1.101 0000...010
定理3.2.2σをみ,、上のσゲームの特性写像とする.このとき,0m,、竺 Mm,η(lF2)の元Xに対して,
σ(X)=λmX+Xん十X
が成り立つ.
証明 X∈M m,兀(F2)について,λmXは,
0100...000 1010...000
〃一 P1∵:(∴)
0000...101 0000...010
と表されるので,λmx=B=(δ{ゴ)とすると,わ幻成分は z1ゴ
うザ(0…01010…0) 1ゴ =ル1,ゴ十叫・,ゴ
剛
である.
第3章 長方形グリッドのσゲーム 同様にXんを具体的に考えると,