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鍛造成形性に及ぼす潤滑剤の影響

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第 4 章 スクロール部品の鍛造成形性および機械的特 性の評価

4.3. 実験結果

4.3.1. 鍛造成形性に及ぼす潤滑剤の影響

Fig 4.15は二種類の潤滑剤を用いて,試験温度が 350℃,鍛造速度は1mm/s として

鍛造試験を行った際に得られた鍛造成形品の外観を示している.Fig 4.15 に示すよう に,鍛造試験における背圧は 0kN,1kN および 20kN の三条件で行った.背圧 0kN の 場合には,どちらの潤滑剤を使用してもスクロールの壁中心付近の成形は不十分であ る.GM-100 を用いた鍛造成形品のスクロールの壁外側端部には割れが発生した.しか し,HF5164 を用いた場合には割れは発生していない.背圧を 1kN 付与した場合,どち らの潤滑剤を用いてもスクロール壁中心部の成形性と割れが改善している.背圧 20kN を付与した場合は HF5164 を用いたときの壁高さは背圧 1kN と比べると低くなる.潤滑

剤 GM-100を用いた場合の壁高さは背圧 1kNのときとほぼ同じである.

Fig 4.16Fig 4.17は潤滑剤 GM-100とHF5164を用いた場合のスクロール壁高さと 背圧の関係をそれぞれ示している.Fig 4.16よりGM-100を用いた場合,背圧なしでは,

壁高さの最大値が約 23mm,最小値が 14mm であり,高さの差は約 9mm である.背圧 1kN を付与することによって,壁高さの最大値は 14mm,最小値は 11mm となり高さ差 は 3mm まで縮小する.しかし,成形された部分の壁高さは背圧が 0kNの場合と比較す る大幅に低くなっている.背圧 20kN を付与した場合は,壁高さの差が若干改善されて

いる.Fig 4.17より,潤滑剤 HF5164 を用いた場合には,背圧が0kNの時に成形された

部分の壁高さおよび壁高さの差は GM-100 を用いた場合とほぼ同じである.背圧 1kN を付与した場 合は,内 側部 分の壁 高さは高くなり,外側 部 分の壁 高 さは縮小するため 壁高さの差は改善される.背圧 20kN を付与しても壁高さの差は改善されず,成形され た部分の壁高さも減少する.スクロールの壁高差を小さくするためには GM-100 の方が 適当と言えるが,成形される壁高さを大きくとるためには背圧を 1kN 付与し HF5164 を 使用した方がよい.以上の結果より,HF5164を用いた場合には,成形される壁高さを高 くすることはできるが,壁高さの差を改善するためにはさらなる改善 が必要である.従っ て,本実験の背圧 付 加の範囲内ではスクロールの成形では摩擦係数の小さな潤滑剤 を用いるだけでは難しいことが判明した.

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Pressure GM-100 HF5164

0 kN

1 kN

20 kN

Fig 4.15Influence of lubricant on forging formability ( Tf : 350℃, Vf: 1 mm/s )

Fig 4.16 Effect of GM-100 lubricant on the scroll wall height

Fig 4.17Effect of HF5164 lubricant on the scroll wall height

Fig 4.18は鍛造荷重と背圧の関係を示している.鍛造荷重は HF5164を用いることに よって,GM-100を用いた場合の半分程度に減少する.鍛造荷重は潤滑剤の摩擦係数 に強く依存し,小さい摩擦係数の潤滑剤を用いることで鍛造荷重を低く抑えることが可 能となる.

Fig 4.18Relationship between of forging load and back pressure

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