第 5 章 双ロール鋳造材の鍛造部品への適用および鍛 造成形性の検討
5.2. 実験方法
5.2.3. 鍛造実験
Fig 5.2 は鍛造試験に用いたビレット形状を示す.ビレットは外径 50mm,高さ 7mm
および外径 50mm,高さ 10mm の二種類を用いた.Fig 5.3 は双ロール連続鋳造材か らの試験片の抜き取り位置と抜き取り後の外観写真を示す.ビレットには外観に著しい 欠陥等がないことを確認している.
Fig 5.2Dimensions of billet used in forging tests
Fig 5.3 Sampling position of test specimen of twin-roll cast material
(2)鍛造試験方法
鍛造試験にはデジタル電動サーボプレス SDE1522 (アマダ製)を用いた.Fig 5.4 は鍛造試験で使用したダイセットの外観を示している.ダイセットは Fig 5.4 に示すよう に上型と下型にはともにヒーターと熱電 対が組み込まれ,温度コントローラーによって 金型の温 度が制御されている.金型の材質は SKD61 であり,上型と下型にはともに 台 座 との間 にセラミック板を設 置 しボルスターおよびスライドへの伝 熱 を防 いでいる.
Fig 5.5 (a)およびFig 5.5 (b)は,金型の構造を示している.Fig 5.5 (a)に示すように本 章で用いる金型はダイスに直径 5.5mm のピン穴が合計 12 カ所存在し, 半径 9mm と 18mm の位置にそれぞれ 6 カ所ずつ 60°の方向に配置された構造となっている.
Fig 5.5 (b)に示すようにピン部は前方押出となる構造で,ピンの先端側より背圧を付与
できる.鍛造成形品のピン部の断面減少率 ((ビレット断面積-ピン部の断面積)/ビレッ トの断面積×100)は85.5%,押出比6.9である.ビレットは加熱前に潤滑剤を刷毛によ り全面塗 布した後に,所定 温度まで加熱されたダイスに投 入し一 定時 間加 熱 後に鍛 造試験を実施した.
(3)鍛造予備試験
双 ロ ール材 の 基 礎 的 な鍛 造 成 形 性 を 調 査 する目 的 で 鍛 造 予 備 試 験 を 行 っ た .
Table 5.3 は実験条件を示している.実験に用いる鍛造用ビレットは双ロール法により
約10mmの板材(AZ91,AZ101,AZ111,AZ121)を製造し,それぞれFig 5.2に示してい る直径 50mm,高さ 7mm のビレットを切り出した.本実験の鍛造条件は試験温度が 350℃,鍛造速度が 0.1mm/s として背圧は付与していない.潤滑剤には鍛造成形品 の割れ等を確認しやすくするために,成形後の表面が比較的清浄な GM-100 を用い た.得られた鍛造成形品については,ノギスにより成形 させたピンの高さと底板の厚さ を測定した.
(4)鍛造成形試験
鍛造予備実験で用いた AZ121 よりもさらに Al 量を増加させた AZ131 の鍛造成形 性を調 査する目 的 で実 際の鍛 造に近 い条 件を設 定し 鍛 造 成 形 試 験 を行った.本実 験では,鍛造予備実験で用いた AZ91 および第 3 章と第 4 章の鍛造実験で使用した
AXM4303を用いてAZ131との比較を行った.Table 5.4は鍛造成形試験の実験条件
を示 している.実 験 に用 いるビレット(AZ91,AZ131)については双 ロール法 により約 13mmの板材を製造し,Fig 5.2に示している直径 50mm,高さ10mm のビレットを切り
出した.AXM4303 材については,φ75mm の連続鋳造棒の中心位置から鍛造方向
が平行となるように直径50mm,高さ10 mmのビレットを切り出した.試験温度は300℃,
鍛造速度は であり,背圧を付与しない場合と を付与した場合の 条件
とした.潤滑剤には摩擦係数の小さい HF5164 を用いた.得られた鍛造成形品につい ては,ノギスにより成形させたピンの高さと底板の厚さを測定した.
.
Fig 5.4 Photos of die set
Fig.5.5 (a) Die structure from top direction
Fig 5.5 (b) Die structure from cross-sectional direction
Table 5.3 Test conditions of forging test (First forging experiment) Material
Billet size
Punch
stroke Temperature Press motion
Forging speed
Back
pressure Lubricant
[mm] [mm] [℃] [mm/s] [kN]
AZ91
Φ50×7 6.65 350 Constant 0.1 0 GM100
AZ101 AZ111 AZ121
Table 5.4Test conditions of forging test (Second forging experiment) Material
Billet size
Punch
stroke Temperature Press motion
Forging speed
Back
pressure Lubricant
[mm] [mm] [℃] [mm/s] [kN]
AXM4303
Φ50×10 4.65 300 Constant 10 0, 1 HF5164
AZ91 AZ131