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鍛造成形品のミクロ組織

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第 5 章 双ロール鋳造材の鍛造部品への適用および鍛 造成形性の検討

5.3. 実験結果

5.3.4. 鍛造成形品のミクロ組織

Fig 5.16 は鍛造成形品の断面の組織を示している.組織の観察位置は内側ピンの

根元付近(A)とピン中心部(B)および底板中央部(C)である.Fig 5.16よりいずれの鍛 造成形品においても結晶粒径は 20μm 以下まで微細になっていることが確認できる.

鍛造成形前の結晶粒径はFig 5.16に示すように10μmから90μm程度であるため,鍛 造成形により微細化したと言える.Fig 5.8 および Fig 5.9 で示しているように,双ロール 鋳造材を圧縮変形する際に動的再結晶が起こり,鍛造成形品の結晶粒が微細化して いると考えられる.また,結晶粒径は Al 含有量の高い AZ121 の方がより顕著に微細 化している.この傾向はいずれの観察位置(A,B,C)でも同様に認められる.Al 含有 量が増すと金属間化合物である Al12Mg17 晶出物(β 相)がより多く生成されるため,

AZ121 では多量の β 相が鍛造成形中に微細な状態で分散していると考えられる.す

なわち,AZ121の結晶粒径がAZ91に比べて微細化しているのは,成形中に粉砕され

微細となった多量の β 相が Mg 相(α 相)の結晶粒界に分散し結晶成長を抑制するピ ン留め効果として機能していることが推測できる.Fig 5.17 は鍛造成形品の各測定位 置で計測した結晶粒径をAZ91 からAZ121までの材料ごとに示している.結晶粒径の 計測は各測定位置(A,B,C)で,10視野により面積法で求めた.Fig 5.17 より AZ121 の結晶粒径はいずれの測定位置において 6μm 程度まで微細化していることが判明し

た.Fig 5.16 で示 している組 織 写 真 において扁 平 状 に白 色 に見 えている β 相 は,

AZ101 においては大きな島状で存在しているが,Al 含有量の多い AZ111 や AZ121

においては微細な粒状に変化し広範囲に分散した状態となっている.

Fig 5.18 は AZ91 から AZ121 までの鍛造成形品について結晶粒径とビッカース硬

度の関係を示している.両者の関係には弱い負の相関関係が認められている.この結

果より,AZ91 から AZ121 までの鍛造成形品においては,結晶粒径とビッカース硬度

の間にはホールペッチ則[75] が成立している可能性が考えられる.ホールペッチ則が 適用できると仮定すると,結晶粒径を微細化するほど高 強度な鍛造成形品が得られる ことが期待できるものと考えられる.

Fig 5.16 Microstructure of forged products

A B C

AZ91

AZ101

AZ111

AZ121

View Position

Fig 5.17Grain size of forged products

Fig 5.18 Relationship between grain size and vickers hardness

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