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9-1.鉱業省(MinistryofMining)

鉱物資源省は、モンゴルの鉱業、鉱物資源の各種 産業政策や、ビジネス支援プログラムの開発・実施を 行う行政機関であり、鉱業分野の促進を目的とする。

鉱物資源大臣の管轄業務内容

・地質・鉱物資源政策

・地質探査、探鉱、調査の調整

・石油、石油製品の政策、保存政策

・採掘の機械、技術の問題解決

・大気汚染対策

傘下に2つの実施機関である、鉱物資源庁(Mineral ResourcesAuthority)と、石油庁(PetroleumAuthority)

がある。

9-2.産業省(MinistryofIndustry)

産業省は、モンゴルの重工業、軽工業、工業団地、

自由貿易地域の政策や、ビジネス支援プログラムの開 発・実施を行う行政機関であり、産業の促進を目的と する。

産業大臣の管轄業務内容

・重工業開発

・軽工業政策

・工業団地問題解決

・中小企業開発

・輸出、輸入

・自由貿易地域問題解決

・大気汚染対策事業の実施 図23.鉱業省の組織 ・ 構造

9-3.鉱 物 資 源 庁(Mineral Resources Authority;

MRAM)

鉱業省所轄の政府実施エージェンシーのMRAMは、

モンゴル鉱業に関する情報管理、鉱業権の発行、地質 調査研究、地質データの保管を行っている。鉱業権の 申請受付、審査、発行、管理は、MRAMの地質鉱業 登記局(OfficeofGeologiyandMiningCadastre)が行 う。

MRAMは下記の6つの主要部局から構成される。

① 管理部AdministrativeUnit

② 地質部GeologyandResearchDivision

地質調査、地形図作成、鉱物資源埋蔵量の調 査・評価、地質情報提供、情報管理等を所管。

③ 鉱山部MiningandResearchDivision

鉱産物の開発に係る調査、鉱業統計整備、環境 保護及び労働安全に関する規則の策定を行う。

政府への鉱業政策提言も含まれる。

④ 石炭部 CoalDivision

⑤ 地籍簿部 CadastreDivision

⑥ 監 査、 管 理、 評 価、 統 計 部 Monitaring, Evauationandstatisticalinformationdivision

⑦ 地質実験所部MiningResearchLabortory

9-4.石油庁(PetroleumAuthority)

石油天然ガスの探鉱及び採掘、その実行管理、石 油情報の収集・管理、石油専門家の育成、石油製品の 貿易、生産、輸送、保管、投資に対する業務を行って いる。

9-5.原子力委員会(NuclearEnergyComission)

原子力委員会は放射性鉱物資源の投資関係を管轄 する機関であり2015年2月13日の原子力法改定により 設立された。

原子力法の改定で放射性鉱物の鉱業関係を鉱物資 源庁(Mineral Resources Authority)、検査関係を国 家専門検査庁(StateSpecializedInspectionAgency)

が管轄することになった。

原子力委員会の総裁を首相が派遣する。原子力委 員会の会員は鉱業を管轄する行政機関の副大臣、副総 裁などから構成する。

9-6.投資庁(InvestMongoliaAgency)

投資庁は国投資に関するワンストップサービスを 行う機関であり、モンゴルに投資しようとする外国投 資家の手続きをはじめ、全面的なサポートを行なう。

首相管下である投資庁は、モンゴルへの海外直接投資 の誘致及び促進活動を行っている。

戦略課題は下記のとおり

・海外直接投資、国内投資の増大を維持する

・情報提供サービス、公的対策を通じて、投資及び ビジネス環境を改善する

・中小規模の産業開発のための良好な環境を構築す る。

9-7.鉱業政策

2009年にモンゴル国会で制定された「鉱物資源政策 -2009年~2014年」に、下記の詳細な政策、企画が指 定された。

図24.産業省の組織 ・ 構造

・新規鉱床の開発

・設備の改善

・最終製品の生産拡大

・2015年までに銅精錬所、カーソード方式抽出銅の 生産増加

・モリブデン精鉱加工工場の設立

・リン肥料の生産

・ウラン鉱床の開発、ウラン鉱石の精製

・原子力利用条件、環境の調査

・電子産業に必要なレアアース鉱床の開発、最終製品 の生産

・貴金属の加工工場(100%程度)の設立

・各金属の純度を上げ、国内、国際市場で販売できる よう税制、金融上の支援措置の検討

・国産建設原材料(セメント、鉄、ガラス等)の供給

・原油精製による国産石油製品の供給、石炭の加工

・コールベッドメタンガスおよび天然ガスの地質調査 開始、ガス利用の増加

・原材料形態での輸出の減少と付加価値製品輸出の増 加

・進歩的技術を使用した金埋蔵量の増加、国内金精錬 所を支援

しかし、2014年1月にモンゴル国会で制定された

「鉱物資源政策-2014年~2025年」に政策、企画とい うより宣伝、スローガン的な項目が中心となった。主 要な概要は下記のとおり。

法的面

• 一般鉱物資源の法的環境を特別に制定する

• マイクロ鉱山で採掘を行なう法的環境を制定する

• 鉱業権の譲渡を登録する、管理するシステムを改 善する

• 金の採掘、販売に関する管理を改善する法的環境 を制定する

• 鉱物資源の埋蔵量の評価基準を国際評価化するな ど

地質面

• 安定した採掘業を支持する目的で、地質調査を開 発する政策をとる

• 地質マッピング、探査、探鉱を拡大化する

• 最新の技術、機械に必要な鉱物資源に対する地質 調査を支持する

• 外国との協力事業を拡大化するなど

採掘面

• モンゴルの開発政策に沿い、尚且つ国際基準を満 たした、安定した経済開発を支持する、輸出向けの 採掘事業、加工プラントを開発する政策をとる

• 戦略鉱床における政府の管理、調整を改善する手 法で経済的な効果を引き上げるなど

鉱物の加工面

• 鉱物の加工業における法的環境を改善する

• 付加価値産業を政策で支持する

• 選炭、コークス製造、石炭液化、ガス化、オイル シェール、山元火力発電所プロジェクトを支持する

• 加工業を税金、金融政策で支持し、鉱物の加工水 準を引き上げ等

9-8.鉱業公社

Erdenes Mongol社は、モンゴル国会により戦略鉱 床と特定された鉱山の開発に、政府を代理して参加す る目的で設立された100%国有の企業であり、首相に 直接管轄されている。2007年に同社が設立された後、

鉱 業 株 式 会 社 を 段 階 的 に「国 有 財 産 委 員 会」か ら ErdenesMongol社へ移行させてきた。ウランの場合、

Mon-Atom社の管轄である。Erdenes Mongol社に管 轄される株式公社は表18のとおり。

9-9.モンアトム有限会社

モンアトム有限会社は2009年2月11日の第45政令 によって設立された。設立目的はウラン開発のみに限 らず、原子力発電所の建設、ウラン資源の加工などの 分野の発展を含む。

原子力法においてウランのすべての鉱床は戦略的

鉱床と特定され、政府の権益参加が規定された。モン ゴル政府の資金で探査が行われた鉱床における政府所 有分は51%以上、モンゴル政府以外の機関により探 査が行われた鉱床に関して政府が権益の34%以上を 所有すると規定された。政府の持ち分を実際に所有し て、政府を代理するのがモンアトム有限会社である。

表18.ErdenesMongol 社に管轄の株式公社

会社名 国家所有率 組織形態 分野

Erdenes Oyu Tolgoi 34 株主 金・銅鉱山

Erdenes Tavan Togloi 100 国有株式会社 石炭採掘、輸出

Baganuur 75 国家所有率が大半を占める株式会社 炭鉱

Shivee Ovoo 90 国家所有率が大半を占める株式会社 炭鉱

Erdenet Mining Corporation 51 株主 モリブデン・銅鉱山

Tavan Tolgoi → Gashuunsukhait 国境

検問所の舗装道路 100 国有株式会社 輸送

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