Q 図 図 2.2.18鉛直荷重下における上小梁の応力図
2.3 重量物落下実験 .1実験目的
家屋の 1 階部分にシェルターを設置すると想定し、家屋が崩壊した場合シェルターには 衝撃荷重が作用すると考えられる。なお、前節で示した許容応力度設計での判定、塑性設 計での判定では想定荷重を静荷重とみなしており、衝撃力の考慮を行っていない。そのた め実験目的としては、シェルターに衝撃荷重が作用する場合に、シェルター内部の安全性 が確保されているか確認するものとする。重量物の質量については、設計時に上小梁 5 本 が負担すると想定した荷重を参考にし、4トンとした。
2.3.2実験方法
実験方法としては、4トンの砕石を4つの袋に詰め(図2.3.1)、クレーン車(図2.3.2) で吊り地上高さ6mから、試験体シェルター(図2.3.3)の上部中央に自由落下させる。試 験体シェルターは、前節(2.2.1シェルターの概要)で示したサイズと同程度のものを採用 し、試験体シェルター上面では、8枚の構造用合板 15mm が上小梁にビス止めされている
(図2.3.4)。実験の様子を図2.3.5, 2.3.6に示す。
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-図 2.3.5実験の様子(1)
図 2.3.6実験の様子(2)
図 2.3.7実験結果の様子(1) 図 2.3.8実験結果の様子(2)
図 2.3.9実験結果の様子(3) 図 2.3.10実験結果の様子(4)
2.3.3実験結果
実験の結果、上小梁の変形とシェルター上面における構造用合板の損傷が見られた。具 体的には、上小梁の変形については、5本のうち重量物の荷重が直接作用した内側3本に横 座屈と思われる曲げ変形が生じた。構造用合板の損傷については、重量物の荷重が直接作 用した 4枚の構造用合板が大破し、内 1枚の一部がシェルター内部に落下した。上小梁の 変形とシェルター上面における構造用合板の損傷の様子を図2.3.7~10に示す。
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- 2.3.4考察実験結果より、上小梁の変形や構造用合板の損傷はあったものの、ラーメン構造及び上 小梁の接合部に破断等の致命的な損傷は見られず、衝撃荷重に対するシェルター内部の一 定の安全性を確保した。
上小梁の変形については、内側 3本に対して、外側2本は変形が認められなかった。よ って直接荷重が作用した内側 3 本の上小梁に、ほぼ全ての荷重が作用したと考えられる。
このように各小梁に不均等な荷重が作用するのを避けるためには、シェルター上面に貼る 面材の剛性を上げる事や、小梁の直交方向に横補剛材を設ける事によって作用する荷重を 横分配出来るようにシェルター上部の構造体を改善する事が考えられる。
崩壊した家屋部材の幅がシェルターの上小梁の間隔より小さい場合、シェルター上面の 構造用合板のみでその荷重に対処しなければならない。本実験では、構造用合板の損傷が 確認されたが、よりシェルター内の安全性を高めるためには、構造用合板の損傷は防ぐべ きである。そのための改善策として下にように考える。
1) 構造用合板の厚さを大きくする。
2) 構造用合板ではなく他の材料をシェルター上面に貼る 3) 小梁数を増やし、小梁のスパンを小さくする。
4) 小梁の直交方向に横補剛材を設ける。
上の改善策のうち、3)と 4)は構造用合板の支持点を増やし、構造用合板に作用する荷重 を分散させるものであり、また崩壊した家屋部材の幅がシェルターの上小梁の間隔より小 さいという可能性自体を低くするため、有効ではないかと考える。