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重水素化ポリスチレン/多分散ポリスチレンブラシ界面での分子鎖混合によっ

第 2 章 重水素化ポリスチレン/ポリスチレンブラシ界面の分子鎖混合挙動に及ぼす

3.3. 結果および考察

3.3.3. 重水素化ポリスチレン/多分散ポリスチレンブラシ界面での分子鎖混合によっ

て形成される界面構造評価

Figure 3-3は、dPS/多分散hPSブラシ二層膜のNR曲線と散乱長密度プロファイルか ら計算したdPS/多分散hPS 界面におけるhPSブラシの体積分率分布である。実線は、

シリコン基板に対して垂直方向の散乱長密度分布を仮定したモデルを計算し、実験値に 対してベストフィットさせたものである。実験値に対してフィッティング曲線が良い一 致を示したことから、仮定した散乱長密度分布は実際の構造をよく表現しているといえ る。この二層膜は、Dryブラシの関係にあるが、393 Kで熱処理すると、界面での分子 鎖混合が進行した(Figure 3-3(b))。この二層膜界面をhPSとdPSが対称に混合した構造 (model i)を仮定して、反射率を計算すると、q=0.2~0.4 nm-1の領域の反射率曲線を十分に 再現できなかった。一方、フリーポリマー層側でブラシ鎖の侵入深さが大きい界面構造

(model ii)の反射率曲線は実測データとよく一致した。したがって、dPS/hPS ブラシ界面

で分子鎖が混合するとき、ブラシ鎖が優先的にフリーポリマー層へ浸入し、非対称な界 面構造を形成することが予想される。

非対称な界面構造形成は、互いのポリマーが異なる分子鎖熱運動性を持つことを意味 する。絡み合い点間分子量以上での高分子鎖の混合挙動は、レプテーション模型で説明 できるとされている。レプテーション時間τrepは、分子鎖の平衡長さLep (= aN)の管から 鎖が拡散・脱出するための特性時間に一致し、式(3-1)で表され、τrepが分子量の3乗 に比例することが分かる。

3 2 3 2

rep

N a M kT

 

   (3-1)

Na2:鎖の平均二乗末端間距離 k:バネ定数

T:温度 M:分子量 ζN:摩擦係数

Woolらは、分子量の異なるdPS(Mn:4000K)とhPS(Mn:200K)の界面での分子鎖 拡散によって、非対称な界面を形成したと報告している。これは、互いに異なる τrep、 つまり異なる分子鎖熱運動性を有しているため、非対称な界面を形成したと説明するこ とが出来る。また、界面拡散による界面位置の移動についても議論しており、低分子量 側に移動したと報告している2, 3。Figure 3-4は、dPS/多分散hPSブラシ二層膜のhPSブ ラシの体積分率である。Woolらに従い、hPSブラシの体積分率が0.5となる位置を界面 であると定義する。横軸は、シリコン基板の酸化層からの距離であり、界面混合によっ て界面の位置が hPS ブラシ側に移動していることがわかる。dPSと hPS ブラシの数平

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均分子量は、それぞれ38,500、148,000であり、もしPSフリーポリマー同士の界面分子 鎖混合であれば、界面の位置はdPS側に移動すると予想され、今回得られた結果と逆に なる。以上のことから考えると、Figure 3-5 に示すように、表面(界面)に存在する長 いブラシ鎖は、実際の分子量よりも小さいポリマーとして振舞い、高い分子鎖熱運動性 を有していることが示唆される。

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Figure 3-3. (a) Neutron reflectivity profiles (a) for dPS/hPS bilayer films annealed at 393 K for (1) 0, (2) 30 min. Symbols are experimental values and solid lines are calculated line from scattering length density profiles. NR profile (i) and (ii) are the calculated reflectivities obtained by (b) the model volume fraction of hPS at the dPS/hPS brush interface shown in method (i) and method (ii), respectively.

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Figure 3-4. The volume fraction profile for the dPS/hPS brush bilayer.

Figure 3-5. Schematic illustration of the shift of interface of dPS/hPS brush.

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