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都道府県へのヒアリング結果

ドキュメント内 2010/01/29 (ページ 39-44)

4.2 木質バイオマス発電に関する未導入事例および導入時における課題

4.2.1 都道府県へのヒアリング結果

分類 発電事業を断念した主な理由

※複数回答可 件数 具体的理由(代表例)

その他

事業主体および山側の知識不足 1 ・両者の知識不足からくる買取価格の隔たり、意識の差からお互いへの不信 感などが生じた。

他県や他再エネと比較しての総合

評価 1 ・検討は複数県で行い、結果他県で実施した。

原料品質 1 ・既存の石炭火力発電所への混焼実験の結果、カナダ産チップに比べ微粉 炭加工機内のチップ滞留量が多くなり、安定運転に影響が出た。

不明 3

図 4-3 木質バイオマス発電に関する未導入事例の要因別集計結果(事例数47 ※複数回答可)

都道府県へのアンケートおよびヒアリング調査では、合計47件の木質バイオマス発電事業の未 導入事例が抽出された。これらの案件のほぼ全てが2012年の固定価格買取制度開始以降の事例で あった。先述のとおり、都道府県に対しては事業者が検討初期(FS中もしくはFS以前)の段階 で相談を行うことが多いので、47事例のうち26件が構想段階の事例、21件がFS調査における具 体的検討の事例となっている。

0 5 10 15 20 25 30 35

構想段階事例 計画段階事例

図 4-4 原料調達要因事例の原料別整理

図 4-5 原料調達要因事例の技術別整理

図からわかるとおり、原料調達が原因で頓挫したほぼ全ての事例(原料不明を除く)が林地残 材(ここでは未利用材全般を含む)を利用した直接燃焼による発電を検討していたことがわかる。

また、原料調達要因事例を計画規模別に整理した図 4-6 を見ると、これらの事例のほとんどが

5,000kW以上の大型プラントとなっていることがわかる。

ここで、図 4-7に示す「平成26年度調達価格及び調達期間に関する意見」によると、平成26 年 3月時点までの時点で認定を取得した案件もしくは認定に向けて相談・申請手続きを行ってい る案件の大半が林地残材によるものであり、規模の分布も図 4-6と一致していることがわかる。

以上の結果を鑑みると、32円/kWhという高い買取価格を設定されている林地残材は、全国的に 競合状態となっていることが推察される。

林地残材 55%

間伐材 /廃プラ混焼

3%

林地残材・建廃 /直接燃焼

3%

林地残材・製材端 材/直接燃焼

7%

林地残材・PKS /直接燃焼

3%

不明 29%

直接燃焼 97%

ガス化 3%

図 4-6 未導入事例の出力規模別分布

図 4-7 木質バイオマス発電の出力規模別分布(認定・相談・申請中の案件)

(出典)経済産業省 調達価格等算定委員会「平成26年度調達価格及び調達期間に関する意見」

林地残材の競合状況の問題は、表 4-1の本調査における都道府県へのヒアリング結果にも示さ れている。原料調達要因事例の断念理由において、既設または計画が進んでいる他のバイオマス 発電所との競合によって、林地残材等の木質バイオマスの供給体制が構築できなかったり、20年

0 2 4 6 8 10 12 14 16 件数

その他 原料調達要因

図 4-8 原料調達要因の詳細

の実施が難しくなったことにより断念する事例が存在するとの情報が得られた。

林地残材等の原料調達が原因で事業を断念するケースが多いのは、計画された発電所の規模と も密接に関係があると考えられる。

株式会社農林中金総合研究所の調査によると、2012 年7月から2014年4月までに稼動もしく は計画が発表されたバイオマス発電所の数は81件に登る1。そのうち50件が林地残材を調達する 計画となっている。発電規模は、81件中10,000kW以上が25件(うち10件が未利用材のみ使用 16.4万kW/10件が混焼25.2万kW)、5,000kW以上が32件(25件14.5万kW/6件3.8万kW)、

5,000kW未満が18件(14件3.2万kW/3件0.8万kW),規模不明が6件となっている。

このように、大半の事業者が5,000kWを超える大型プラントを志向する最大の理由は、大規模 化に伴い発電コストを低減させ、採算性が向上させるためと考えられる。実際、プラントメーカ ーおよび発電事業者の間では、林地残材をベースとした木質バイオマス発電所では、およそ 5,000kWが事業性の分岐点であるという認識が共有化されている。この5,000kW規模の発電所の場 合、一年間に必要となる木材量は6万トンにおよぶ。しかしながら、株式会社農林中金総合研究所 の推計結果によると、2014年4月時点で九州地方や中部地方等の複数の地域で林地残材の供給可能 量を上回る需用量が存在していると報告されている。

このような状況の中で、後発的にバイオマス発電所を計画する事業者が、安定的に木材を供給 可能な業者を見つけることは困難であり、本調査で収集された未導入事例は、国内における木質 バイオマス発電の事業環境が厳しさを増していることを示唆していると考えられる。

1株式会社農林中金総合研究所 安 「未利用材の供給不足が懸念される木質バイオマス発電」

原料収集 73%

原料価格 27%

ドキュメント内 2010/01/29 (ページ 39-44)