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基本的な考え方

ドキュメント内 2010/01/29 (ページ 35-39)

4.バイオマス発電に関する未導入事例における要因分析

前章までは、国内における廃棄物・バイオマスエネルギーの導入実態について、アンケートを 用いたマクロ的な視点での調査結果を示した。本章では、より詳細な実態を把握するために、個々 の事業者がバイオマスエネルギー(発電)設備の導入の際に直面している課題について、「導入検 討が行われたが、実現に至らなかった事例(以下、未導入事例)」の抽出を通じて分析を行う。

FS本調査後のプラント設計や融資に関する交渉、固定価格買取制度の設備認定申請、施工等に 関するプロセスにおいて事業者が直面する課題および未導入事例は、上述の関係者が把握してい ると想定されるため、都道府県へのヒアリング実施後、バイオマス関連設備メーカー等へのヒア リングを実施した。

上述のような文献調査およびヒアリング調査に加え、既存のバイオマス導入事業者に対してア ンケート調査を行い、現在利用しているバイオマス設備を導入するにあたり直面した課題と現状

(運転時)に直面している課題に関する情報収集を行った。

以上の調査によって、国内においてバイオマス発電事業を行うにあたってのボトルネックの分 析を行った。

4.1.3 バイオマス発電事業の事業化プロセスの明確化と未導入事例要因の仮説設定

本節では、自治体およびメーカー等にヒアリングを行うにあたり、バイオマス発電の事業化プ ロセスを明確化した上で、それぞれのフェーズ毎に事業者が直面すると考えられる課題の仮説設 定を行った。

(1)バイオマス発電事業の事業化プロセス

バイオマス発電事業の事業化プロセスは、利用する原料および技術、並びに実施主体(自治体 または民間企業)によって異なるが、一般的に図 4-2に示すように設備の導入検討(FS調査)→

計画実行(設計および各種手続き)というステップを踏む。

①導入検討段階

まず、設備導入検討段階では、事業者(自治体を含む)は、バイオマス発電を実施する意義を 検討するとともに、FS調査として、①プラントを設置する場所を確保できるか、②長期的に原料 を調達できるか、③経済性を確保できるか、④どの技術を採用するか等の調査を実施する。木質 バイオマス発電では、立地選定と原料調達検討はほぼ同時並行に行われ、ターゲットとなる地域 を選定後、自治体等と協力しながら木材等の資源量を把握し、安定的に木材供給を行うことので きる業者を選定する。立地選定に関しては、社内的な事情で自社敷地内に限定する場合は除き、

基本的に騒音の問題にならない山間部かつ水資源や送電インフラが整った場所であることが条件 となる。

一方でメタン発酵プラントの場合は、導入を検討する事業者(酪農家、食品工場等、および自 治体)のほとんどは保有する土地で発生する湿潤系バイオマスを処理する目的で検討が行われる ため、利用原料や立地場所がある程度定まった状態で検討が進められる。ただし、湿潤系バイオ

図 4-2 バイオマス発電に関する事業化プロセス(FIT制度利用の場合)

②計画実行段階 1)基本計画

上述のFS調査にて、事業化に関する見通しが立った事業者は、必要に応じてコンサルティング 会社等と協力しながらメーカーを選定し、基本設計を開始する。並びに木質バイオマス発電であ れば木材供給事業者との間で原料調達関係協議を開催し、具体的な検討を行う。これらのステッ プを経て事業計画の策定および事業化判断を実施する。この段階では、発電出力や各種設計仕様、

メンテナンス体制、燃料使用計画等が定まっており、固定価格買取制度の設備認定申請を行うこ とができる。なお、系統連係に関する検討や金融機関との融資交渉を開始するのも事業化判断が 完了したこのタイミングである。

2)詳細設計

基本計画を経て事業者は、メーカーとの間でプラントの詳細設計を行い、具体的な設備仕様に 加え、土木建設に関する設計を実施する。同時に建設地周辺の住民等との調整を行い、必要に応 じて公害防止協定等の締結を行う。ここで、地元住民からの同意が得られない場合、再度別の地 域での事業実施に至るケースもある。

3)建設

設備認定および系統接続の申込が完了された時点で買取価格が決定される。これを受けて融資 の可否も決定され、金融機関との間で融資契約が締結されるとともに、施工メーカー等との工事 請負契約も締結される。次に、各種法規制に対する許認可申請を行った後、建設工事が着工され る。プラント建設が終了後、性能確認試験および使用前自主検査を経て運転開始に至る。

(2)バイオマス発電事業のボトルネックの仮説

上述した事業化プロセスを踏まえ、プロセス毎に事業者が直面し、事業の実施に影響を与える 可能性のある課題の仮説を表 4-1に示す。

調

調

調

採用技術の検討

F S調査

調

調

詳細計画 基本計画

調

Project Execution

使

導入検討段階 計画実行段階

表 4-1 バイオマス発電に関する未導入事例仮説一覧

分類 発電事業を断念した

主な理由 具体例

導入検討段階

イニシャルコストおよび

運転コスト 設備の初期費用を賄うだけの経済力が不足していた。

原料調達

(原料調達価格、複数の調達先 との調整)

FIT 制度導入の影響により、バイオマス燃焼価格が上 昇し、想定していた運営コスト内での実施が困難であ った。 複数の調達先からの原料調達ができず、安定供給が困 難であった。

立地場所

(地域住民の同意・水の確保・

電気等の系統接続等を考慮し た選定)

建設候補地域の地域住民からの賛同が得られなかっ た。 建設候補地域の送電網が脆弱であった。

適用可能な技術 バイオマスガス化等、技術的成熟度に懸念があった。

エネルギー利用方法

(エネルギー需要とのマッチ ング)

想定した熱需要が見込めず、経済的に成立しなくなっ た。

計画実行段階

設備メーカーとの契約 経済的理由以外(部品交換や保証、メンテナンス体制)

金融機関からの融資

バイオマスガス化設備において、国内実績が少ないこ とを理由に融資を受けることができなかった。

原料の安定調達への懸念から融資を受けることがで きなかった。

電気事業者との協議 系統接続について電気事業者から拒否された。

地域の合意形成

(地域の住民、森林組合、発電 事業者等に対して、施設導入に 対するコンセンサス(合意)を 図る)

地域の住民、森林組合等の関係者からの協力が得られ なかった。

固定価格買取制度および

各種助成制度の非採択 固定価格買取制度の認定条件に合致せず認定が得ら れなかった。

各種法令への対応

(環境アセス、規制対象の確 認、許認可申請等の法規制への 対応)

環境規制およびその他法規制への対応が困難であっ た。

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