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部分集合と開集合・閉集合

ドキュメント内 【連続・コンパクト・連結】 (ページ 77-83)

第 4 章 ユークリッド幾何学と位相幾何学 63

4.5 部分集合と開集合・閉集合

4.5. 部分集合と開集合・閉集合 第4. ユークリッド幾何学と位相幾何学

注意 4.5.2. f が全単射で連続関数だけでは,変な例が作れてしまう.例え

ば,X = [0,1)[2,3],Y = [0,2]とおき,写像f :X →Yf(x) =



x (0≤x <1) x−1 (2≤x≤3)

で定義すると,これは全単射かつ連続だが,逆写像は連続にならない.この XY が「同じ図形」だとは,さすがにトポロジーでも思いたくない.

一方で,実は新しい問題が生じてくる.4.2節で,

「閉区間[0,1]と開区間(0,1)が,Rの同相写像で移り合わない」

ことを証明した.これからすぐに,

「閉区間[0,1]と開区間(0,1)は同相でない」

ことが証明できるだろうか?

とりあえず,同じように証明できるかやってみよう.そのためには,定理

4.2.2と4.2.3,さらにその拡張である前節の定理4.4.1の拡張版をつくる必

要がある.

まず同様に,前節の定義(4.4.3,4.4.4,4.4.5) を拡張してみる.

定義4.5.3. 【ε-近傍(ε-neighborhood)】XをRnの部分集合(つまり X Rn)とし,xをX 内の点とする(つまり,x∈X).与えられた ε >0に対して,xのXにおけるε-近傍とは,次の集合のこと.

N(x, ε;X) ={y∈X|d(n)(x, y)< ε}

注意 4.5.3. つまり,N(x, ε;X) =N(x, ε;Rn)∩X のこと.

定義4.5.4. 【連続写像の定義の言い換え】

X⊂Rn,Y Rm,f :X →Y とし,a∈Xとする.

このとき,fがaにおいて連続であるとは,次が成り立つこと.

faにおいて連続

∀ε >0,∃δ >0 s.t. x∈N(x, δ;X)⇒f(x)∈N(f(a), ε;Y) さらに,∀a∈X においてf が連続であるとき,fはX上で連続,また は,単に,fは連続写像であるという.

定義4.5.5. 【部分集合の開集合(relative open set)】

X RnかつY ⊂X のとき,Y がX 内で開集合であるとは,任意の

4. ユークリッド幾何学と位相幾何学 4.5. 部分集合と開集合・閉集合 注意 4.5.4. 例えば,任意のx∈X Rnε >0に対して,N(x, ε;X)は Xの開集合.

定義4.5.6. 【部分集合の閉集合(relative closed set)】

X⊂RnかつY ⊂Xのとき,Y がX内で閉集合であるとは,X−YXの開集合であること.

注意 4.5.5. 全体集合ではなく,部分集合の開集合である,ことを特に明示

したいときは,「相対開集合」という言い方をする(この「相対」は relative の訳).閉集合についても同様.

こうすると,確かに前節の定理4.4.1の拡張版が証明できる.

定理4.5.1. 【連続関数と開集合・閉集合】

X⊂Rn,Y Rm,関数f :X→Y に対して,fがX 上の連続関数

終域Y の任意の開集合V に対して,fによるV の逆像f1(V)が Xの開集合.

終域Y の任意の閉集合W に対して,f によるW の逆像f1(W) がXの閉集合.

ところが,問題発生.この定理を使って「閉区間[0,1]と開区間(0,1) は 同相でない」ことを証明しようと思うと...

(背理法)X = [0,1]とY = (0,1)が同相だったとしよう.つまり,同相 写像f :X →Y が存在したとする.もし,

「閉区間[0,1]が開集合でない」かつ「開区間(0,1) が開集合で ある」

となれば,f1(Y) = X より,定理 4.5.1 に矛盾.しかし,これは正しい のか??

次の定理を使ってみると..

定理4.5.2. 【部分集合の開集合の特徴付け】

XをRnの部分集合,V をXの部分集合とするとき,

VXの開集合 ⇔ ∃V˜ Rn s.t. V˜はRnの開集合 かつV = ˜V ∩X

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4.5. 部分集合と開集合・閉集合 第4. ユークリッド幾何学と位相幾何学 練習問題 4.5.1. X ={x∈R|x >0} ⊂Rとする.f(x) = (x,|xx|)で決まる 写像f :X R2は連続写像であることを示しなさい.

(Hint: まずは写像fのグラフを図示してみよう)

練習問題 4.5.2. X = [0,1]R,Y ={(x, y)|y=x,0≤x≤1} ⊂R2とす る.XとY は同相であることを示しなさい.

(Hint: f(x) = (x, x)で決まる写像f :X→Y を考える)

練習問題 4.5.3. X = [0,1]×[0,1]R2とする.N((0,0),1;X)を図示しな さい.

練習問題 4.5.4. X = [0,1]×[0,1]R2,Y =X−(0,0)⊂Xとする.Y が X 内で開集合であることを示しなさい.

4. ユークリッド幾何学と位相幾何学 4.5. 部分集合と開集合・閉集合

【余談】トポロジーと位置と形

もうちょっと複雑な例.平面上の単位円周と,3次元空間内の結び目とか.

これは図形としては「同じ」ように思えるが,空間への入り方が違うことに よる.そのような分類基準を採用すれば,また違う幾何学ができて面白いが,

一般的な位相幾何学では,それらは「同じ」図形だと見なしたい.

図 4.1: 結び目 結び目理論

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