第 4 章 ユークリッド幾何学と位相幾何学 61
4.2 連続関数と開集合・閉集合
後期第2講
4.2 連続関数と開集合・閉集合
ここでの目標は,閉区間[0,1]と開区間(0,1)が,Rの同相写像で移り合わ ないことを示すこと.
4.2.1 ε- 近傍
まず連続の概念を一般化する為に,ひとつ用語を導入しておこう.
定義4.2.1. 【ε-近傍(ε-neighborhood)】
xをR内の点とする.ε >0に対して,xの(Rにおける)ε-近傍とは,
(x−ε, x+ε)のこと.これをN(x, ε)で表す.つまり,次の集合のこと.
N(x, ε) ={y∈R| |x−y|< ε}
定義4.2.2. 【連続関数の定義の言い換え】
f :R→Rとし,a∈Rとする.このとき,
fがaにおいて連続⇔
∀ε >0,∃δ >0 s.t. x∈N(a, δ)⇒f(x)∈N(f(a), ε) さらに,∀a∈Rにおいてf が連続であるとき,fはR上で連続,
または,単に,f は連続関数であるという.
注意 4.2.1. 関数の定義域はR全体ではなく,その一部かもしれない(例え
ば,f(x) = 1xとかf(x) =√
xとか).そのような場合どうするか,は次回.
4.2.2 開集合と閉集合
次に,閉区間[0,1]と開区間(0,1)についてだけでなく,より一般の場合に も適用できるように,「開/閉」の概念を明確に定義しておこう.
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4.2. 連続関数と開集合・閉集合 第4. ユークリッド幾何学と位相幾何学
定義4.2.3. 【開集合(open set)】
U ⊂Rが開集合であるとは,任意のa∈Uに対して,あるε >0が存在 して,N(x, ε)⊂U が成り立つこと.
注意 4.2.2. εはaに応じてとれれば良い.
注意 4.2.3. (0,1)は開集合だが,[0,1)は開集合でない.もちろん[0,1]も開 集合ではない.∅は開集合.Rも開集合.
定理4.2.1. 【開集合の性質】
(1) U1,· · ·, UmをRの開集合とすると,U1∩· · ·∩UmもRの開集合.
(2) Λを添字集合とした集合族{Uλ}λ∈Λに対して,全てのUλが開集 合ならば,∪
λ∈Λ
Uλも開集合.
定義4.2.4. 【閉集合(closed set)】
F ⊂Rが閉集合であるとは,R−Fが開集合であること.
注意 4.2.4. 閉集合を先に定義して,あとから開集合を定義するやり方もあ
る.ただ,先に開集合を定義する方が一般的.
注意4.2.5. ∅は閉集合.Rも閉集合.つまり,開かつ閉である集合というも
のがありえる.
注意 4.2.6. 開集合でないからといって閉集合になるとは限らない.どちら
でもない集合やどちらでもある集合も存在する.
第 4. ユークリッド幾何学と位相幾何学 4.2. 連続関数と開集合・閉集合
4.2.3 連続写像と開集合・閉集合
定理4.2.2. 【連続関数と開集合】
関数f :R→Rに対して,f がR上の連続関数⇔ 終域Rの任意の開 集合V に対して,fによるV の逆像f−1(V)がRの開集合.
この定理から,閉区間[0,1]と開区間(0,1)が,Rの同相写像で移り合わな いことが示される.
注意4.2.7. 連続関数f :X→Rにおいて,Xの開集合Uの像f(U)が開集 合にならない場合もある.例えば,f(x) =x2で定義されるf :R→Rは連 続関数だが,開集合(−1,1)の像は[0,1)なのでRの開集合でない.
定理4.2.3. 【連続関数と閉集合】
関数f :R→Rに対して,点a∈Rにおいてf が連続⇔終域Rの任 意の閉集合V に対して,fによるV の逆像f−1(V)がRの閉集合.
練習問題 4.2.1. [0,1]が開集合でないことを示しなさい.
練習問題 4.2.2. (0,1)が閉集合でないことを示しなさい.
練習問題 4.2.3. (0,1]が開集合でも閉集合でもないことを示しなさい.
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