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道に迷った回数

ドキュメント内 ( ) Christian Sandor (ページ 69-87)

5. 実験 52

5.2 結果

5.2.2 道に迷った回数

図 40 迷っているのではないかと不安になったか

図を用いた場合が一般携帯電子地図を用いた場合より「はい」の数値が大きくに なるかについてt検定を実施した結果,t(23)=1.1266,p=0.2715となり,「途中 迷ったりあるいは不安に感じたか」という観点から,一般携帯電子地図を用いた 場合と観光携帯電子地図を用いた場合では有意な差が認められなかった.

図 41 途中迷ったりあるいは不安に感じたか

現在位置と比較し,地図に記入されたルートがユーザが実際に歩いたルートとは 異なっている箇所を数えた.図42はn回間違えたユーザのパーセンテージを示 しており,一般携帯電子地図を用いた場合は観光携帯電子地図を用いた場合より も記入したルートに誤りが多いことがわかる.

地図に記入された道順と実際に歩いた道順が異なる箇所の数が,一般携帯電子 地図を用いた場合よりも観光携帯電子地図を用いた場合に小さいか,という問い に対してt検定を実施すると,t(23)=1.8120,p=0.0830となり,一般携帯電子地図 を用いた場合と観光携帯電子地図を用いた場合では有意な差が認められなかった.

図43に,ユーザが報告した道を見失ったと感じた箇所の数を示す.それぞれ のユーザが,地図に記入したルートに記入した道を見失ったと感じた箇所を数え た.図43は地図にn回道を見失ったと感じた箇所を記したユーザのパーセンテー ジを示しており,一般携帯電子地図を用いた場合は観光携帯電子地図を用いた場 合よりも道を見失ったと感じた箇所が多いことがわかる.

ユーザが報告した道に迷った箇所の数が一般携帯電子地図を用いた場合よりも

図 42 地図に記入されたルートと実際に歩いたルートが異なる箇所の数 観光携帯電子地図を用いた場合に小さいか,という問いについてt検定を実施す ると,t(23)=2.1595,p=0.0414となり,有意水準5%において,一般携帯電子地 図を用いた場合と観光携帯電子地図を用いた場合では有意な差が認められる.

図 43 ユーザが報告した道を見失ったと感じた箇所の数

図 44 ユーザが記入した地図例1

図 45 ユーザが記入した地図例2

図 46 ユーザが記入した地図例3

5.2.3 地図閲覧時間

実験中に撮影した映像から,ユーザが地図を見ている時間を計測した.実験中 はユーザを横から撮影し,ユーザの顔が地図を向いていた時間と手に持っている 時間を記録している.図47はそれぞれのユーザが地図を見ていた時間を示す.図 47の結果から一般携帯電子地図を用いた場合よりも観光携帯電子地図を用いた場 合で地図を見る合計時間が長くなった.地図を見る合計時間が一般携帯電子地図 を用いた場合よりも観光携帯電子地図を用いた場合が長くなるかについてt検定 を実施すると,t(23)=1.3426,p=0.1924となり,一般携帯電子地図を用いた場合 と観光携帯電子地図を用いた場合では有意な差が認められなかった.

ユーザが地図を見ていた時間の内,紙の観光地図を見ていた時間を図48に示 す.観光携帯電子地図を用いた場合では,紙の観光地図を使う時間が一般携帯電 子地図を用いた場合と比べて少ない.紙の観光地図を使う時間が観光携帯電子地 図を用いた場合では一般携帯電子地図を用いた場合と比べて少ないかについてt 検定を実施すると,t(23)=4.0932,p=0.00046となり,有意水準0.1%において一 般携帯電子地図を用いた場合と観光携帯電子地図を用いた場合では有意な差が認 められる.

5.2.4 どちらの地図が好ましいか

後半終了後に上記アンケートに加えて,以下の設問に答えてもらった.

2パターンの地図を比較して,それぞれの長所・短所があれば記入してくだ さい

2パターンの地図について,次回の観光で利用するならどちらが使いたいで すか(7段階評価)

図49に「2パターンの地図について,次回の観光で利用するならどちらが使い たいですか」の設問に対する結果を示す.実際のアンケート用紙には,「1番目の 地図」「2番目の地図」の表記で1-7の7段階で回答してもらっているが,ユーザ によって試行する地図の種類が異なるため,観光携帯電子地図を先に用いたユー

図 47 観光中地図を見ていた時間

図 48 紙の観光地図を見ていた時間/地図を見ていた時間

ザの回答を変換して図49を描画しており,横軸の数字が大きい方が観光携帯電子 地図を好んでいることを示している.繰り返しの回答はない.ユーザの回答から,

観光携帯電子地図を次回の観光で使いたいと言う意見が多いという結果になった.

図 49 2パターンの地図について,次回の観光で利用するならどちらが使いたい ですか

5.2.5 地図に対する意見

「2パターンの地図を比較して,それぞれの長所・短所があれば記入してくだ さい.」の設問に対して,以下のような回答が得られた.

観光携帯電子地図

観光マップで自分の位置が分かるのは非常に便利

これまで観光マップで歩き回るときはGoogleMapsで位置を確認しながら だったが,今回はそれが不要だったので楽だった.

目印や目的地を設定しやすい

観光者が少ないエリアでも,見どころが分かりやすく,すぐに目的地を考 えられて動きやすい

紙のマップと同じ地図だと目標の建物や場所を直感的に理解できた

紙の地図とスマホの地図で対応が取れていたため,現在地を見失っても自 分の位置をすぐに把握できた.

観光ポイントが色分けされて行きたい場所が見つけやすい

目的地を特に定めない場合の観光では,見るべき観光スポットが強調され ている紙の地図から興味のあるスポットを探し,それと全く同じ地図が表 示されているスマホの地図で現在地や曲がる場所を確認するだけで目的地 に到着できるため,観光する上で安心感があった.

地図に載っていないポイントが現れると不安

細かい道がわからなくなる

観光する場所を探すという目的であれば,紙の地図で全体を見た方が良い と感じた

目印となる建物が少ない場所では曲がり角が分かりにくかった 一般携帯電子地図

観光マップに載っていないような小道や小学校などが描かれているので,そ の点ではわかりやすい

細かい道まで表示される

シンプルでよけいな情報が少ないので,道の形で覚えて行動している場合,

現在地を見つけやすい

目印や目的地が少なすぎて,スマホの地図だけでは観光できない

観光地が強調されていないので,目的地なくぶらつきにくい

紙のマップと照らし合わせながら見ないと分からなかったので不便だった

ズームしないと紙の地図の目標物と一致しているか確かめることができず 不便だった

紙の地図を見て定めた目的地をスマホ上で探しづらく,さらに道を見失っ ても気づきにくいなど,若干の不安があった

6. 考察

以上の結果を基に,ここでは地図の種別が観光中の不安感に及ぼす影響,そし て地図の見やすさ・利便性についての2点から考察を行いながら仮説に対する検 証を行う.

6.1 観光中の不安感

本実験の結果から観光携帯電子地図は一般携帯電子地図と比べて,観光中の不 安感にが減少することがわかった.実験後にアンケート回答されたQ1「地図で見 つけた目的地まで迷わなかったか」,Q4「途中迷ったりあるいは不安に感じたか」

においてt検定を実施すると,一般携帯電子地図と観光携帯電子地図の間に有意 差がある確認されなかったが,Q2「地図が見やすかったか」,Q3「迷っているの ではないかと不安になったか」においてt検定を実施すると有意水準5%で一般 携帯電子地図と観光携帯電子地図の間に有意差があることが確認された.この結 果から,観光携帯電子地図は一般携帯電子地図と比べ,地図が見やすい,迷って いる不安を感じにくい地図であると考えられる.

実験後のユーザからのインタビューでは,「紙のマップと同じ地図だと目標の建 物や場所を直感的に理解できた」「紙の地図とスマホの地図で対応が取れていた ため,現在地を見失っても自分の位置をすぐに把握できた」といった意見が得ら れた.紙の観光地図とスマートフォン上の地図で地図の種類が同じであることで,

現在位置特定の難易度を引き下げているために地図を見やすく感じ,観光中の不 安感を下げていると思われる.以上のことから,仮説2-1が部分的に確認された.

6.2 地図の利便性について

本実験の結果から観光携帯電子地図は一般携帯電子地図と比べて,道に迷った 箇所の数が少なくなり、次回の観光で使いたいと言う意見が多く,観光中の利便 性が向上することがわかった.3.6節の結果から,紙の観光地図と一般携帯電子地 図を用いて目的地まで進むときと比べて,観光携帯電子地図を用いた場合は道に

ドキュメント内 ( ) Christian Sandor (ページ 69-87)

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