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第六節 「運動有能感」を高めるための取り組み
本節では,筆者及びメンターが行った,児童の「運動有能感」を高めるための取り組み を解説する。単元中に行った「運動有能感」を高めるための取り組みは7つある。それは,
①第1次第2時から単元終了までのすべてのゲームで,「サイドアタッカー」というポジ ションを設けたこと,②第1次第2時から単元終了までのすべてのゲームで「ゴールマン」
というポジションを設けたこと,③第2次第1時,第2時において,基礎的な技術(イン サイドキック,トラッピング,ボールを受けるための動き)を獲得するための練習を行っ たこと,④第3次第1時,第2時において,チームで話し合うことによって,作戦やポ ジション,作戦タイム(授業時のチームでの練習時間)の使い方を決め,授業後に振り返
りを行ったこと(内容は「作戦カード」に記入),⑤第4次第1時,第2時において、チー ムで話し合うことによって,作戦やポジション,チーム目標を決めたこと(内容は「チー ムポジションカ・一一一・ド」に記入),⑥第4次第1時から第3時において、個人で目標を決め,
試合後に振り返りを行ったこと(内容は「個人目標カード」に記入),⑦児童が記入したワ ークシートに,筆者がコメントを書いたことである。
①によって「サイドアタッカー」となった児童は,パスを受け取るための動き,ボール 操作という特定の動きに専念できるため,プレーの成功体験が得られやすくなる。その 結果,「運動が上手にできる」と自信をもつことができるようになり,「身体的有能さの認 知」を高めることができると考えた。また,このポジションは,プレーの種類が限定され ているため,技能を向上させるための工夫が行いやすい。その結果,努力による技能の 向上を実感し,「頑張ればできるようになる」と自信をもつことができるようになり,「統 制感」を高めることができると考えた。そして,プレーが成功したり,技能が向上したり することによって,仲間から認められる機会が多くうまれ,「みんなに受け入れられてい る」と自信をもつことができるようになり,「受容感」を高めることができると考えた。
②によって「ゴールマン」となった児童は,味方からのパスを受け取る動きに専念でき るため,プレーの成功体験が得られやすくなる。その結果,「運動が上手にできる」と自 信をもつことができるようになり,「身体的有能さの認知」を高めることができると考え た。また,①と同様に,このポジションはプレーの種類が限定されているため,技能を 向上させるための工夫が行いやすい。その結果,努力による技能の向上を実感し,「頑張 ればできるようになる」と自信をもつことができるようになり,「統制感」を高めることが できると考えた。そして,プレーが成功したり,技能が向上したりすることによって,
仲間から認められる機会が多くうまれ,「みんなに受け入れられている」と自信をもつこ とができるようになり,「受容感」を高めることができると考えた。
③によって児童は,インサイドキック,トラッピング,ボールを受けるための動きが できるようになる。その結果,「運動が上手にできる」と自信をもっことができるように なり,「身体的有能さの認知」を高めることができると考えた。また,練習をすることで
技能の向上を実感し,「頑張ればできるようになる」と自信をもっことができるようにな り,「統制感」を高めることができると考えた。
④,⑤によって児童は,練習時間中に取り組むことやゲ・一一・ ムの際に自分の行うプレー が明確になり,動きやすくなる。その結果,努力の成果を実感し,「頑張ればできるよう になる」と自信をもつことができるようになり,「統制感」を高めることができると考えた。
また,プレーが成功したと感じる機会が増え,「運動が上手にできる」と自信をもつこと ができるようになり,「身体的有能さの認知」を高めることができると考えた。そして,
チームで話し合いや練習を重ねることで,仲間から認められているという実感を得られ,
「みんなに受け入れられている」と自信をもっことができるようになり,「受容感」を高め ることができると考えた。
⑥によって児童は,自分のプレーの課題や特徴にあった目標が設定され,ゲームの際 に自分の行うプレーが明確になり,動きやすくなる。その結果,努力の成果を実感し,「頑 張ればできるようになる」と自信をもっことができるようになり,「統制感」を高めること ができると考えた。また,プレーが成功したと感じる機会が増え,「運動が上手にできる」
と自信をもつことができるようになり,「身体的有能さの認知」を高めることができると 考えた。
⑦によって児童は,「先生から受け入れられている」という自信をもつことができ,受 容感を高めることができると考えた。コメントを書く際には,個人やチームの良い所を 書くこと,個人やチームの良い変化を書くこと,勝敗にこだわらずに目標に対する児童 のプレーに関して肯定的に書くことなどを意識した。
第四章 授業実践の結果
第一節 授業実践の実際
本節は,第三章第五節で解説した学習指導案の授業を行った実際の様子について述べ
る。