y 自然エネルギー利用による生産補助 エネルギーの変換利用技術の曜二
千 葉
農業生麓の場で償接使用されるエネルギーは,生産環境調節のための熱源,農業用施設,装置,機械 などの動力源となるものであり,そのほとんどが化石エネルギーによって賄われてきた。この硯究系にお いては太陽熱,地熱,風力,水力,農産廃棄物などの自然エネルギーを生産の場で利用できる形態の熱と
分な熱量を地下に貯えておいて夜間に利用すれば効率を高めることができるわけである。最も単純には日 申渥室内空気をファンで地…ドに送り夜閥地下から温室に吹き戻す方式が考えられるが、日中二二上部には 暖気が溜って高山になるので,天井にプラスチックチューブを張りめぐらし、この申の暖気を地下に導い て蓄熱する方式が考えられた。更にこのチューブを着色し,大口径の透明チェーブで覆って二重警にする ことにより,着色ホースは日射を捕捉するので能率よくホース内空気を温めることができた。もし二重管 にしなければ高温の着色チューブから温室内に無駄な放熱が起きることになる。もちろん日射の遮断は顯 物の光含成を妨げるが,晴天の日射の半分程度はカットしても支障がないことが知られている。
地下蓄熱方式としては温室地下部に玉石,水,あるいは土壌の蕎熱槽を設置し,この申に温風を送り込 むわけであるが,水,土壌の場合には内部に配管が必要となる。試験においては温室が必要とする温度と 熱量,蓄熱資材の熱容量,空気と蓄熱資材との熱交換率など必要事項が検討された。水は熱容量が大きく て蓄熱資材として適しているが、熱伝導率が小さく,空気との接触によって温めるのは容易でない。そこ で扁平長方形のポリエチレン袋を縦に多数セットしてその中を水膜が流下するようにし、下から温風を吹 き上げて熱交換を行う方式が考案された。温水は蓄熱水槽と袋を循環しながら高濾となり,夜澗は逆に吹 き上げる冷気を温めることになる。
地下蓄熱方式は日射の有効利用として効率はよいが,寒冷の地で高温を得ることは不可能であり,ソー ラーコレクター,好気性菌による発熱槽などの必要盤が認められた。また潜熱蓄熱方式も高温での熱交換 が可能であり,例えば融点30℃の蓄熱資材は室温がそれ以上になれば融解して熱を吸収し,それ以下に なれば凝固して熱を放出するので,室温をその附近に保つことができるわけで,現在では固液相閥に部分 的分離を起こすことなく一様に相変化をきたす資材,装置,およびそれによる施設内温度制御の技術が具 体化してきた。一方浅い溜池の底部で日射が熱変換して水温を高める場合,水の下層の密度を塩分で高め ておけば対流による熱の上部拡散を防ぐことができるわけで,このような蓄熱施設すなわちソーラーポン
ドについても,塩分濃度分布のあり方,ポンドの施設規模,ポンド蓄熱の利用技術などが明らかにされた。
太陽エネルギーの畜舎における利用についてはソーラーコレクターから熱水が蓄熱槽を経て畜舎の暖房 を行い,また冷凍機駆動によって冷房を行う〜切のシステムにっき,各部系列の熱特牲が検討され,設計 上の指針が得られた。
乾燥施設は温室内に平型乾燥機を設置した暖気の通風による乾燥方式が有利であることがわかったが,
乾燥物質の出し入れに作業上:の問題があった。そこでコンベアーによって持ち上げられた籾が6㎡の斜面 を徐々に落下するとき,この斜面上に一体となって固定きれた平板型温熱器底部の穴から温風が吹き出し 籾を乾燥する方式の装置を試作し効果を確認した。
2>農産廃棄物の利用
廃棄物の直接燃焼方式は,一定量のモミガラを空気と混合して炉内へ吹き込み,燃焼によって発生した 熱を水に与えて温水を得る方式であるが,600〜8000Cの安定した燃焼状況を得,灰処理も順調で実用
化の見出しを得た。高熱でモミガラをガス化し,これを燃焼する方式も主に貯蔵問題を残すだけの段階に ある。畜薩廃棄物のメタン発酵ガス回収方式では太陽熱をメタン発生適温維持のための保湿熱源とし,酸 発酵,メタン発酵の二網発酵式メタン回収装置を試作して高能率のガス群長,精製を行うことができた。
2.生産システムにおける各種エネルギーの動力変換利用技術
農業に対するこの分野の研究は未成熟なうえ研究勢力も明確ではなかったため,一年の調査期間を設け て研究対象と問題点の整理を行い,55年度から研究を開始した。
風車から動力を取得する研究においてはペロペラ風車と油圧ポンプのマッチングを図り,油圧シリンダ ー,油圧モーターによって温室内の窓およびカーテンの開閉,潅水。防除,作業台車の移動などの諸動力 を得る見通しを得た。風車から熱を得る研究においては風力特性と装置出力の関係,温室への熱供給法な どの研究が進められた。
水力利用においては波浪の賑動をフラップによって共駁槽内の淡水に伝え,この中で璽に賑幅を増した:
淡水が高水位で共賑槽を越流し,潅灘あるいは排水されるという方式を当薗目ざしている。実験としては,
海摩に接近する波浪の通路を絞ることにより,その振幅を数倍に増幅できることを模型によって確認した。
太陽熱ポンプによって液体を圧送し、潅概,防除などを行う研究が開始きれ,ソーラーコレクター,蓄 熱槽,太陽熱ポンプを組み合せた装置の特性が調べられた。
】V−1 熱源としてのエネルギー利用
サブリーダー 桜井 喜十郎
1.研究の背景
1)農業におけるエネルギー使用と代替エネルギーの現状
農業生産に使用される化石エネルギーは日本が諸外国から翰入する化石エネルギーの約3%である。こ れは生産に使われる総エネルギーであって,この中にはトラクターやコンバインを作るのに必要な悶接的 なエネルギーも含まれている。間接的エネルギーは我々が支配できる範囲外である。農業は本来自然エネ ルギーを主に使用して生産活動を行うものであったが,経済構造や技術の丸新によって化石エネルギーが 多量に投入されるようになった。この研究系で言う補助エネルギーとは薩接生産に使用されるエネルギー を補助するものであり,我々の支配範囲外にある前記の間接的なエネルギーは含まれないこととして話を 進める。
生産補助エネルギーの消費暴は黛々増加する傾向にある。農業i生藍技術がますます上置化,機械化の方 向をたどっていることもその原困の1つである。表W−1−1は現在の農業生薩技術の発展要因を丁合化
したものである。
表IV−1−1 農産物の需要側の要望に対する生産技術の対応 生 産 側 の 対 応
需要側の要望
総体的な対応
掴別的生産者の対応
安定供給
計画生産,産地分散 気象災害の防止対策 ◎安 い
適地適作
多雪,生産の省力化 ◎ ◎良 い 同 上 好適環境の作幽 ○ ○
消費者の
v 求
ャ通側の v 求
多 品 目
特産地生産 装置化による多品目生産 ○ ○めずらしい. 間 上 調節環境下の生産 ○ ◎
扱いやすい
品質・荷姿の規格化 ◎煽もちがよい
流通システム化禺荷改善(予冷,その他) ◎
施肥(多肥化)
具体的な対策
雀力化(機械化。装置化)
生年環境調節(施設化)
集出荷施設・設備の装置化
「子孫のため石油を大切にしよう」と言ったことは高地溝隠に見てももちろん大切なことであるが,この ようなむしろ道徳的とさえ言える議論を待つまでもなく農業も生塵を主体とした経済活動である以上パほ 油価格が高くなりっっある今日,何等かの形で生麓補助エネルギーの供給の安定化を迫られていることば
まぎれもない事実である。
石油代替エネルギーとしてまず考えられるのはバラ色の展望がささやかれた原子力(核分裂の方 法)が ある。そのほか,り六イバルムードの石炭,それにあたかも救徴主の如く欝われている生物資源,太陽熱 地熱その他の自然エネルギーがあげられる。
それらの資源としての将来展望を見ると図W−1−1に示すように再生可能或いは無限に取得可能な自 然エネルギー利用の他は,いずれ石油がたどるであろうと同じ運命をたどるものと考えられるpここで意 外に感じられるのが原子力(核融合は別として)利用の将来性であり,むしろ一見蒔代おくれの石炭より
も暗い。
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(西暦)
園W−1−1 再生不能エネルギーの年間生産鍛の推移予想
そこで無限の自然エネルギー又は生産が固定した自然エネルギーつまり生物エネルギーが対象となるが,
生物エネルギーは再生産練子の範囲内で,また自然エネルギーはその申でも比較的安定で熱として変換容 易な太陽エネルギー又は地熱がその対象となる。
2)太陽エネルギー利用上の問題点(現在研究解決を迫られている主要問題)
太陽エネルギーについても問題が皆無というわけではない。次のような問題点があり,現在これらを克 服するために主要な研究勢力がつぎ込まれていると言っても過言ではない。
(1)時間的分布の問題:気象条件に左右され取得が不確定であり,季節,昼夜により取得可能量が変 動するので需要に対する供給の調整(つまり蓄熱などの処置)が必要。
(2)空間的分布の問題:寡珊照地帯での利用限界。集熱装置を設置するスペースの問題。
(3)エネルギーの質(密度)の間題 :蚤としては無限に取得可能であるが,時間当り,面積当りの密 度の問題があり,高温状態でのエネルギー厳得には集光などの処置が必要となる。
(4)集熱装置の経済性(特に投資額)の問題 3)他の自然エネルギーについての問題
(1)生物エネルギー(バイオマス変換など広義の太陽熱エネルギー)
a.現存蟹でなく,あくまでも再生産される蟹のみが使用可能限界である。
b.化石燃料岡様,公害を伴ない,その除去のために更に公害を伴なう場合がある。農業廃棄物(稲 わら,もみ四物の排泄物等)も貴重な資源であり有効に利用すべきであるが,高次の廃棄物の処理を