(グリーンエナジー計画)第一期成果の概要
誌名
農林水産業における自然エネルギーの効率的利用技術に関する総合研究
著者
農林水産技術会議事務局,
掲載ページ
p. 1-207
発行年月
1982年3月
農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波事務所農林水産業における自然エネルギー
の効率的利用技術に関する総合研究
(グリーンエナジー計画)
第1期成果の概要
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昭和57年(1982年)3月
コ
農林水産技術会議事務局
農林水産業における自然エネルギーの効率的利爾技術に関する総合研究
(グリーンエナジー計醐)第三期成果の概要
正 誤 表
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近年,資源・エネルギー問題,環境問題,都市問題等人類の生存と繁栄にかかわ
る複雑かつ困難な問題が続出しているなかで,これらの諸問題を解決し,鼠民生活
の向上に寄与する革新的技術の開発が強く求められている。農林水産業の分野にお
いても21世紀における食料周題への対応,資源・エネルギー聞題や環境問題への
対応等,諸問題を解決するための鍵となる新しい技術開発が要請されている。
このため,農林水産技術会議事務局においては,これらの要請に応えるべく,従
来から実施してきた特別研究等とは異なった新たな観点に立って,長期的かつ大規
模なプロジェクト研究を構想し,その一つとして昭和53年度から10力年計画で
「農林水産業における自然エネルギーの効率的利用技術に関する総合研究(グリー
ンエナジー計画)」に着手したところである。この研究は,植物体そのものが持つ
物質生産能力を向上させるとともに,太陽エネルギーなどの自然エネルギーを一層
積極的に利用することにより,あまりにも多くの化石エネルギーに依存している現
在の農業生産技術から三脚し,革新的な技術体系の開発を目的とするものである。
本計画は,国の内外から多くの関心をもたれており,1980年に日米両国間で科学
技術研究開発協力協定において締結された農業分野における協力プロジェクトとし
て推進されることになった。このため,題際的な研究交流を通して研究内容の一層
の深化が期待されるところである。
ついては,本計画が昭和55年度に第1期3力年の計画を終了したので,ここに
成果の概要を取りまとめることとした。農林業における省資源・省エネルギー問題
に関心をもたれている方々の参考に供していただければ幸いである。
昭和57年2月
農林水産技術会議事務局長
岸
國 平
目
次
1.はじめに
2.系及び大課題の主要研究成果
緒 言
1 農林水産業におけるエネルギーの分布と利用一・
1−1 自然エネルギー資源の分布………・・
1−2 農林水産業におけるエネルギーの利用…一
生物の物質代謝及び植物の光合成機能の向上・・…
E−1
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E−5
且一6
光合成・呼吸機能の生理的並びに遺伝的機構………
生物的窒素固定の有効化………・・……・………
光合成産物等の転流,変換,蓄積の生理的機構とその制御……
植物個体群の生産機構と光エネルギーの利用機能………
植物の環境適応性の機構………一…・・………
植物の物質生産能力の向上に関する遺伝育種的研究………
生産環境の成立機構の解明………・…・・………・…・…・
3 619
35
38
50
60
71
92
94
壇 農林水産物生産環境の成立機構の解明と制御技術…・ 101
盃一1 103
W 自然エネルギー利用による生産補助エネルギー変換利用技術の確立…125
y−1 農林水産業の生産システムにおける各種エネルギーの熱・
光変換利用技術………・…・・………6…・・………・…・・…128
y−2 農林水産業の生産システムにおける各種エネルギーの動力
変換利用技術………・………・・……156
3. 資 料 編・・・・… 。… 一・・・・… 一・・・… 。・・・・・・・… 一・・… 一6・… 一・・・… 。・一・… 161ω発表文献登録一覧……・……・…・………・……・……・……163
(2)関連資料一覧……・……∴……一………・…・・………211
緒
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2i世紀初頭における世界の人口は約64億人に達すると予測されているが,これを支える食料生塵は 極めて厳しい情況にある。特に,小麦や大豆,飼料穀物の大部分を輸入に依存しているわが国においては, 食料自給率の向上をめざす努力が一層重要となっている。 農林業は作物・材木の営む光合成作用によって:太陽エネルギーを人間の利用可能な形態に変換する産業 である。農作物を食料として利用する人間にとって,植物を通して太陽エネルキ」を利用する効率はわずか1 ∼2%程度にすぎないが,農林業における技術開発はこの効率の向上をひたすら遮求してきたということ ができる。たとえばわが国の農作物の中で最も栽培技術の進んだ水稲では,明治初期の約0.35%(全乾 物鑑を基礎にして)から昭和50年頃には0.75%に達し,約100年間で2倍に改良されている。 昭和30年代以降の我が国農業は,工業部門における技術革新の成果をとり入れつつ生産技術の開発を 行い,土地生産姓及び労働生産性の向上や,過重な労働からの開放を達成して, 国民の食生活の 向上に三献した。具体的には,優良品種の育成・利用,化学肥料・農薬の活用,我が国農業にあった農 業機械の開発と利用,耕地基盤の整備,農業資材の利用による微気候の改善などがあげられ,今後一層 目技術発展が望まれるところである。ところで,今我が国農業には,1つ十分に留意しなければならない 点がある。それは,新品種の利用を除いては各技術とも多量の化石エネルギーの消費を基礎に成立してい るということである。 照和50年度に農林水産部門に薩接投入されたエネルギーは10,211×10重OKc盆で昭和40年度の約 2.3倍に増大し,我が題全体の直接投入エネルギーの約2.9%になっており,その96%は石∼由が占め ている。また,岡年度に化学肥料,農薬,農業機械などの資材として農林水産部門に間接的に投入された エネルギーは婚,627×101GK:ca1であり,全投入エネルギー25,838×101GKc銭1は我が国全体の必要 エネルギーの約2.6%を占めている。このように今日の農業技術は化石エネルギーなしには成立が困難な までになっている。そしてこのようなエネルギーの増投を化石エネルギーの効率的視点からみると,た:と えば水稲栽培では化石エネルギーの増投による生産力向上の効率は次第に低下しており,本来エネルギー を生産する産業であるべき農業が逆にエネルギー消費産業に変貌しつつある姿がうかびあがってくる。 さらに,石繭依存型農業の進展は,農産物や環境の汚染,農業内部における有機物下野系の崩壊,作付 体系の単純化,土地利用率の低下をひき起し,地球上で自然な物質・エネルギーの媚環にささえられ永続 的に行なわれるべき農業に大きな問題を招いている。 一方,これまで農業発展に大きな役割を果たしてきた,エネルギー事情にも問題が起ってきた。つまり, 二度にわたる不仲危機である。この危機が化石エネルギーに過度に依存する農業技術の危険性を私達にお しえてくれた。 将来の石1由エネルギーの需給動向を正確に把握することは種々の困難がある。しかし,長期的には石油 資源の遼迫基調を想定し,化石エネルギーの多投に依存しないで農業生産力を大幅に高める基本技術の確 立をめざした対策を講じていくことが必要である。 この研究は,以上のような情勢を踏まえ,エネルギーの潤沢な供給を前提とした従来の技術麗発の方向 を改め,作物の生物学的機構,特性等を基本的に見直した新しい原理に立って,植物体そのものの有する 物質生産能力を飛躍的に向上させるとともに,太陽エネルギー等の自然エネルギーをさらに積極的に利用 することにより,化石エネルギーへの過度の依存を解消する生産技術体系を創出しようとするものである。 研究は貝標として(玉)植物の物質生産能力の飛躍的向上によって,化石エネルギーの雪投を伴わずに総門 禺エネルギーを増大させること,(2)自然エネルギーの積極的利用によって総投入化石エネルギーを減少さ せること,(3)上記を通じて「総産出エネルギー/総投入エネルギー」の比の向上を園ることの3っを掲げ ている。このため研究は5っの研究系すなわち,(1)自然エネルギーの分布と利用系(D,(2)物質固定系(BD.(3>生産 環境制御系⑳,(4)補助エネルギー変換利用系働,(5)生産技術系(V)を設定した。極めて基礎的性格をもつ 研究から補助エネルギーの変換利爾研究にみられる鵬発研究及び生産技術系にみられる総合的な生産技 術研究という広範な内容にわたるものであり,次頁の研究体系図に示すように根亙に関連を保ちつつ研究 が推進されている。 自然エネルギーの分布と利用系α),物質固定系αD及び補助エネルギーの変換利用系働は昭和53年度に 着手し,生産環境制御系⑭は54年度に開始した。 主要な成果の概要は次章において紹介されるが,各系とも期待通りの成果が得られている。たとえば, 自然エネルギーの分布と利用系α)では,光合成有効放射エネルギーの金国分布の把握等にみられるように, 全国的組織をもつ農林水産省の試験研究機関が申心になり組織的に取り組むことによってはじめて得られ るようなデータ価値の高い成果が生まれている。また,物質固定系(EDの光合成に関する研究では, C 3植 物の生産力を高める1つの方法としてC3植物にC4植物の炭酸ガス濃縮機構を導入する砺究や光呼吸の制 御法等の硯究が実施されている。これらは,植物の進化過程で得られた機構を人為的に改変しようとする もので,極めて困難な課題であるが,同じ骨内のC3植物とC淫植物の交雑の成功や同一種内で異なる炭酸 圃定酵素をもつ品種の発見,光呼吸基質の生成系の変動機構の解明など多くの知見が得られている。さら に,同系αDの生物的窒素認定を積極的に農業に利用する研究では,窒素固定能力の高い有用根粒菌の選抜 法が開発され,この結果,窒素薗定におけるエネルギー利用効率0)高い大豆根粒菌株が発晃された。一方, 補助エネルギー変換利用系(Mにおける太陽熱など自然エネルギーの利用技術の踊発では,たとえば効率の 非常に高い水一空気熱交換器など,農業における熱利用の特性に合った:集蓄熱技術が開発されるな ど,今日的課題に活用しうる成果が得られている。遅れて発足した生産環境制御系⑳では,耕地・草地・ 林地・河川の各生態系及び園芸施設内部におけるエネルギーと炭素,窒累などの物質の流れのモデルが作 成されっつあり,作物栽培にとって好適な生産環境を作り出すための制御技術・開発の基礎的知見が得ら れつつある。 研究の進め方としては,本研究は長期閻にわたるためおおむね3力年ごとに研究の総合評価を行い,必 要に応じて全体計画の見葭しを行うこととしている。このため,開始3年目の昭和55年度の研究事忌部 会においては,第1期の経過を踏まえたチェックアンドレビューが行われ,全体計画の一部変更を含む第 2期計画が作成された。第2期においては日米非エネルギー研究協力等を通じて研究の国際的交流を密に しながら物質固定系(丑),生産環境制御系(巫)等の基礎研究の一層の深化をはかるとともに,補助エネルギー変 換利用系働における自然エネルギーの複合利用技術等の開発を強化促進する。 さらに,エネルギーの分布と利用系①では自然エネルギーの効率的利用の観点からみた資源管理,生産 環境働御系Φのでは好適生産環境の作出の課題を新たに発足させるとともに,生産技術系(V)では北海遵,関 東,九州の代表的な5地域にエネルギー資源の特筆を踏まえた革新的・総合的な生産システムの開発研究 に着手する。
「農林水産業における自然エネルギーの効率的利用技術に
関する総合研究」に係るチームリーダー及びサブリーダー
(昭和56年3月置
チームリーダ 氏 名 所 属 及 び 職 名 担 当 す る 系(高橋保夫)
@ 保 祐 雄
農業技術研究所 物理統計部長 エネルギーの分布と利用系 (坂 井 健 吉)a@ 橋 保 夫
農業技術研究所 生理遺伝部長 物質固定極光 田 饒
北海道農業試験場 草飽開発第2部長 生産環境制御系 千 葉 豪 農業土木試験場 農地整備部長 補助エネルギー変換利用系 サブリーダー 氏 名 所 属 及 び 職 名 担 当 課 戸内 鳩 善兵衛
農業技術研究所物理統計六気丸払ィ理第1砺究町長
自然エネルギー資源の分布 田 中 洋 介 農業技術研究所経営土地利用部経営第P科経営経済研究室長 農林水産業におけるエネルギーの?用
田 申 市 郎カ理帯1研究室長
農業技術研究所生理遺伝部生理第1科 光合成・呼吸機能の生理的並びに笂`的機構
都 留 僑 也 農業技術研究所化学部土じょう第1科yじょう微生物研究室長 生物的窒素闘定の有効化 北 条 良 夫 農業技術研究所生理遺伝部生理第2科ィ作第3研究室長
光合成産物の転流・変換・蓄積のカ理的機構とその制御 四 方 俊 一 農業技衛研究所庄理遺伝部生理第2科ィ作第1研究室長
植物群落の生産構造と光エネルギー利用機能 田 嶋 公 一 農業技術研究所生理遺伝部生理第1科カ理第2砺究室長
植物の環境適応性の機構 坂 口 進 農業技術研究所生理遺伝部遺伝科遺伝謔R研究室長 植物の物質生産能力の向上に関す驤笂`育種的研究 塩 見 正 衛 カ態システム研究室長草地試験場生態部 生産環境の成立機構の解明 内 藤 文 男 野菜試験場施設栽培部C象研究室長 施設環境における好適環境の作出 (根 岸 久 雄)井 欝十郎
農業土木試験場農地整備部生産施設第 Q硬究室長 自然エネルギーの熱・光変換利用Z術
(井 上 喬二郎) ? 江 道 男 農蛮試験場作業技術部作業技術第2研?室長
自然エネルギーの動力変換利用技p
( )内は第1期前半の担当者「圃一”『”
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「一一一一一}一『一一『一一}一一一一一コ 光合成・呼吸機能の生理的並びに遺 伝的機構 エネルギーの分布 ニ利用系 (D u一}一一一一一「 自然エネルギー資源の分布 農林水産業に ィけるエネル Mーの利用 自然エネルギーの効率的利 pの観点から ゥた資源管理L
L____ ___.」 光合成産物等の転流変 換蓄積の生理的機構と その制御 植物群落の生産構造と 光下貼ルギーの利用機能 植物の環境適応滋の機構 植物の物質 生産能力の 丁丁に関す る遺伝育種 的研究生物的窒素圏定の有効化
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(1次) 「一一『一『}一一一一一一一 自然エネ ルギーの 効率的利 用による 栽培植物 生産シス テムの確 立 (2次) r一一『一一一一一1 自然エネルギ ーの効率的利 用からみた栽 培植物の好適 立地配置1
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家蕾,家禽, 蚕の生産力 向上技術 水産物の生 産力向上技 術 流通利用技術系㈲ 「’『}一『一一一”u L___や1 へ ユ L____ 効率的革新 的流通技術 および省力 的な品質評 価法の開発 へ へ へ__訓
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_」1 エネルギーの分布と利用系
1 農林水産業におけるエネルギーの分布と利用
チームリーダー 久保祐雄 太陽・地熱・水力・風力等の自然エネルギーは,国土に広く分布しており,その効率的利用技術が魔発 されれば,広大な藤的広がりを持づ農林水産業にとって極めて有用なエネルギー源となる。しかしながら, これらのエネルギー資源の量は,鎗域及び季節により大幅に変動するので,これを実際に利用するために は,その実態に対応した生産形態,立地配置等を考える必要がある。 この研究系では太陽エネルギー等の自然エネルギーの陸地,内水面,浅海水域における地域的,季節的 分布を明らかにするとともに,気象条件等から植物の生産力を評価する手法を開発して,自然エネルギー を有効に利用しつつ植物生産を高めるための基礎資料を得る。また,農林水産物の生産から流通を通ずる 全体のエネルギー収支の実態を分析評価しエネルギーの流れを明らかにすること等により,エネルギー資 源及び生産物の効率的利用を図るための基礎資料を得る。きらに,これらの成果を基礎として自然エネル ギーの効率的利用の観点からみた農村生態系における資源管理の方策を明らかにすることを碍的とする。’ 研究は3つの大課題から構成され,相互の関連を下図に示す。第1期は第1,第2の大課題を実施した。 1.自然エネルギー資源の分布 3.自然エネルギーの効率的利用の 観点からみた資源管理2.エネルギーの利用実態
エネルギーの分布と利用系の研究体系 本系の研究成果とくに自然エネルギー資源の分布図,エネルギー単価などは系∬以降の研究課題の円滑 な推i進に役立つばかりでなく,農業生産場面での自然エネルギー資源の利用のための基礎的情報として重 要な位置を占めるものである。1・自然エネルギー資源の分布
農業生産に利用可能な自然エネルギー資源としては太陽エネルギー,風力エネルギー,水力エネルギー および生物エネルギーがあげられる。 太陽エネルギーについては,北海道から沖縄県に至る全困28地点において,基準化された測定方法の もとに,短波放射,散乱放射,直達放射,光合成有効放射,日照時間に関する観測を実施した。観測資料 は統一した方式により虚語機処理を行っている。観測は昭和57年度まで継続するが,現在までに得られ た資料を用い各地域での太陽エネルギー最と季節,太陽高度などの天文,日照率,雲鐙などの一般的な関 係および各放射墨間の関係が求められた。天気は年によって変動するので,最終結論は観灘終了後に出す こととなるが,太陽放射中の鷹達光の割合と目照率との関係,太陽放射中の光合成有効放射の翻合と日照 率や太陽高度との関係,大気の濁りと短波放射量との関係がかなり明らかにされてきた。また,波長別の放射量瀾定結果から,短波放射量と波長轄別エネルギー量との間の比例関係が明確になりっっあ
る。 農業生産という観点から太陽エネルギーを統一的・組織的に観測した事例はなくきわめて奮意義な資料 が集収されよう。研究の完了は第2期に入るが,研究の完了時には,金繍に配置されているアメダス(地 域気象観測システム)や気象官署のデータから任意地点での太陽エネルギーの推定が可能となる。 風力エネルギーについては,地形因子と風速との麗係から風速評価法を開発して,地上10m,20m の高さでの全国の季節的変化,地地理的分布を図化した。さらに同一地点においては年次問変動に比較し て季節変動がはるかに大きいことがわかった。これらの結果および風速評価法の活用により風力利用可能 姓の高い地域の指定,地点間の比較が可能となったQ 水力については,標高わよび降水量と蒸発散量の差からエネルギー量の県別分布を明らかにした。また, 融雪を推定するモデルから積雪地帯における水力エネルギーの季節変化が解析されており,さらに,水力 資源賦存量のエネルギー化の1目妥として50%が提隅されている。解析に用いた基本式は小水域におい ても適用できると考えられるが,小水域では浸透に対する考慮も必要となろう。 陸地および浅海域における植物生産力は農林漁業生薩の基礎であるという観点から,自然資源として取 り扱うことにした。植物の季節生産力を,水稲を対象にして,推定する方法が改良,開発され,生産力の 全国マップが作成された。浅沿海域の一次生産力についてはプランクトンや沈水植物の測定から現存量の 季節変化や生長速度を把握して水域の∼次生産力の評価法を確立し,我が国浅沿海域の一次生産力の地理 的分布図を作成した。 耕草林地の一次生産力の地理的分布評価については,評価の一方法としてランドサットデータによる解 析が行なわれた。栽培・栽植面積の把握には,東北鉋方以南に分布する狭少な水田を禽む地帯での誤差は やや大きくなるので地域的な補正が必要であるが,北海道の水田や林地では適用の可能性の高いことが明 確となった。また,2∼3の特徴的なバンドの利用による生産量の把握の可能性も見出されている。しか し,ランドサットデータでは一般的には雲の障壁が厚く,全天候型のセンサーの開発および航空機の利用 が強く望まれるところである。2・農林水産業におけるエネルギーの利用
農林水産業と関連産業のエネルギー利用の実態解析では,日本の農業生産と農家生活に消費するエネル ギーの年次にわたる傾向を明らかにし,さらに耕種,畜産などの部門別,エネルギーの種類別の需要動向 や農林水産業における肥料,農薬等の間接エネルギーの投入の特徴的な単項,たとえば畜産業では薩接エ ネルギーに比べて聞接エネルギーが多いこと,水産業とくに遠洋沖合漁業の醐接エネルギー需要が極端に 高いことなどを明らかにした。また農林水産業で使用する直接エネルギーの年次傾向からは1986年ごろ に需要のピークがあると推定されるが,使用の多い水産業ではピークが予想されるのに反し,農林業では エネルギー使用の増加が今後も続くと推定されることなどを把握,解析している。 地域農業における土地利用システムとエネルギー奴支の関連分析については,研究対象として北海道, 東北,関東,九州地方の代表的な畑作類型の地区をとりあげた。土地利用,投入資材,有機物量,産出量 のデータの収集及びエネルギー単価の作成を終了した。この結果に基づき地域劉エネルギー利用の特徴が 明らかになる予定である。 施設園芸については各種施設園芸作物の代表産地における作型別,施設の形式別に投入物暴を調査し, エネルギー換騨を行ない,エネルギー投入特性を明らかにした。たとえばキウリ促成栽培では各種生産手 段のエネルギーの約70%を燃料が占めることなどが明らかになった。 林業については,育苗,育材,伐出などの生産工程ごとにエネルギー投入鐙が把握された。また,木材 の主要用途である建築部門においては,木材が各種建桝に比べて省エネルギー資材であること,他方,木 材は運輸部門でのエネルギー消費の比重が高いことから,木材の省エネルギーの問題点は本材輸送にあることを指摘した。 農林水産物の利用に関しては,晶目,過程がきわめて多岐にわたり複雑になるので,とくに野菜,米, いも(でん粉),牛乳,水産物を対象に生産から流通,綜蔵,加工,消費の流れに沿って追求した。野菜 の輸送とくに自動車輸送,米の貯蔵に要する電力,水産物の乾燥,くん製に要する灯抽,副食物の調理に 投入されるエネルギーなどがエネルギー多消費型として指摘される。 廃棄物に関しては,農業生産の場における副産物としての廃棄物たとえば稲わらの廃棄に伴って棄て去 られるエネルギーと本来的な廃棄物たとえば使用済ビニールの廃棄に要するエネルギーが求められた。加 工の場からの一例としてとりあげたでん粉製造工程では,廃棄物処理にでん粉製造に要するエネルギー量 の2倍のエネルギーを要することが指摘された。木材加工工程からの廃棄物の利用は石抽価格とチップの 市況に左右されるが,小物材やチップ,燃料として100%に近い利用率であることを調査例から示した。 農林水産業におけるエネルギー利用の実態を解析するにあたって,生産,流通,貯蔵,利用,廃棄の各 過程に投入されるエネルギー墨を把握するには,投入諸要素のエネルギー単価が必要である。そのため本 系においてはエネルギー単価小委員会を組織し,昭和50年産業連関表でとりあげられている407部門の 投入エネルギー,エネルギー原単位,エネルギー単価(インテンシティ)を算出し,農林水産業における エネルギー単価表を翅行した。
王一1
自然エネルギー資源の分布
サブリーダー 内 嶋 善兵衛で 研究の員的と内容
緑のアトラス神といわれる植物が葉緑素の力をかりて固定・蓄積する太陽エネルギーは,100万種とい われる動物をふくめて全生物の生存の唯志っのエネルギー源である。約140億haの陸飽上に生育または 栽培されている植物群は,約1.5億Kmの宇憲の彼方から入射する太陽エネルギーを利用して,毎年約 1,300億tという莫大な植物体(乾燥壁で乾物とよばれる)を生産している。人間が食料および飼料の 生産に利用している耕地と草地の合計は約14億haで,いろいろな栽培技術と作物とを利用して約90億 しの乾物を作り出している。このうち,コムギ,コメ,トウモロコシなどの穀類は15億む前後である。 広く知られているように,単位面積の耕地から生産される食料もしくは飼料の量は,過去においてはか なり低かった。しかし,優れた高収性品種の育成・導入,効果的な農薬・肥料の大量施用および効率的な 農業機械などの導入によって,食料生産力は着実に上昇してきている。この傾向は,近代的な工業生産活 動をもつ国において特に著しい。たとえば,アメリカ合衆國の1人の農業労働者は約50人を扶養できる までになっている。 これは農業i技術の発達によって作物による太陽エネルギーの利用効率が著しく向上したことを物語って いる。一方,多くの解析から,このような農業生産性の向上はさまざまな工業生産物の投入によって達成 されたことが知られている。それゆえ,安価な工業生産物の補給なしには現在の高生産性農業の確立は考 えられないことである。しかしながら,農業生産部門への工業生産物の投入は,現在きわめて大きな困難 に薩面しようとしている。その第1は農薬などの多くの化学物質の多投による食料および環境の汚染と破 壊である。そして,もう1つは,工業製出の源である多くの資源と化石エネルギーの枯渇とそれに伴う価 格の高騰である。 これらの困難を合理的に克服して農業生産力を現在以上に発展させるには,それぞれの地域において, 地域の自然資源量およびその季節的変化にうまく適合しπ農業様式を発達させることが大切である。また, それぞれの地域に賦存している多くの自然資源とくに自然エネルギー資源を奴集・蓄積して,各種の農業 生産過程のなかで効率的に利用することが非常に大切である。 以上のような観点からみると,現在まで2,3の分野で各々独立的になされてきた自然エネルギー資源 の地理的分布や季節的変化に関する調査ならびに研究はまだかなり不十分といわざるをえない。そこで, 本研究グループでは,以下に述べるような爵標を解決するために研究活動を行っている。 i:耕草林地に入射する太陽エネルギー量の地域的および季節的変化の特徴を明らかにすると共に,そ れらの特徴を予測する方法の確立を図ること, li:植物の生理的および生態的な活動を,光エネルギーの質ならびに鐙の面から規制している太陽エネ ルギーの波長別組成の天候,季節ならびに地域による変化を明らかにすること, 縦:浅沿海および内水面の一次生産力の源である水面に到達する太陽エネルギー量および水中へ透諭す る太陽エネルギー量の地理的分布と季節的変化を明らかにすると共に,六体上および水体内の放射状態の 予測方法を確立すること, lV:化石燃料エネルギーの代替として農業生産過程に利用可能な自然エネルギー(太陽エネルギー,風 エネルギー,水力エネルギーおよび地熱エネルギーなど)の地域的賦存量を明らかにし,自然エネルギー 資源の分布図を作成すること, V:太陽エネルギーならびにその他の自然環境資源によって規定される各地域と各水域の植物生産力の 評価法を開発すると共に,植物生産力の挙節的および地理的変化を明らかにすること。 以上説明した研究を推進することによって,農林水産業の基本的なエネルギー源である太陽放射エネルギーの組成および季節的また地理的な変化を明らかにすることかてき,植物の乾物生産力の向上と安定化 ならびに耕地生産環境の制御法の開発に必要な基礎的チータか収集・整理される。また,化石燃料エネル ギー資源の代替として利用可能な各自然エネルギー資源の季節的および地理的な変化か明らかになり,こ の大型別枠研究の1つの系てあるエネルギーの変換・利用技術の開発ならびにその展開に必要な基礎チー タが整えられる。
2 研究成果
D太陽工*ルギー資源の分布と季節変化 (1)測器と観灘項闘 農林水産業の基本的なエネルギー源てあり,かつ有力な代替エネルギー源である太陽エネルギーの資源 量を明らかにするために,図1−1−1に示されているような日射測定器およびチータ処理・記録装置か 図1−1−2に示されている28観測地点に設置された。これらの測器を用いて,つぎの藤織が連続観測 A:1一日射計(305フィルター付き), 2一日射計(395フィルター付き), 3一日射言1(715フィルター付き), 4一日照計圏
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C 1一アナログ記録計 , 2一アナログ積算計 , 3一電源・増幅器 り 4一遮光…}ング補正ノブ臨
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B:1一遮光リング,2一日射計(305フィルター付き), 3一日中計(395フィルター付き), 4−B射言十(715フィルター付き)図1−1−1
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図一王一1−2 日射観測地点の分布
された。 全天Ei射量(Q+“), 三囲旧二二(q), 全天光合成有効放射量(Q+儀)PAR, 散乱光合成有効放射量qPAR, 日照時間 τ, これらの量は30分閾積算値として記録されるようになっている。日射エネルギーは300から3.000㎜長 の波長域に分布しているが,植物の光合成活動に利用されるのは380から710nπ1の波長域に限られて いる。それゆえ,この波長域の日射を特に光合成有効放射という。この有効放射量を測定するために,2
種類(GG395とRG715)のフィルター付き日射計を用いた。
つぎの計算式を用いて騰達放射成分が聞接的に求められた。直達田射量瓢(Q+儀)一儀
直達光合成有効放射量;(Q+傑)PAR一軸PAR これらの計弊は統一的なデータ処理プログラムを用いて農林水塵研究計算センターで集申的に行った。 この処理プログラムは,全国のβ射観測データ集のための基本データ(日量,月間値,月平均値)および 各地域の日射気候の解明に必要な詳細データ(30分閥値,時間値,大気混濁指標,太陽高度など)が出 力されるようになっている。すでに,日射エネルギー観測資料麗1(昭和55年2月)と462(昭和56 年2月)が発行されている。(2)研究結果
観測結果を用いて各地域の日豹気候の特徴が明らかにされているが,いま筑波飽区の観音台(農技研) での太陽エネルギー諸成分の妬変化を示すと図王一1−3のようになる。月面の全天日射量は冬期の7 MJ・nrセから夏期の17MJ・n・一2の聞に変化しており,太陽高度の季節変化によく対応している。 年聞量は4,800MJ・m}2であった(これは約110kca1・α餓一2に面当する)。年問量をみると,直達400
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月図王一1−3
筑波地区(観音台)における太陽放射成分(月間値または月平均値)の年変化 日射と散乱日射とはほぼ等しいが,月間量ではかなり大きい季節変化が見られた。すなわち,晴天の多 い冬期には覆達成分は約70%であるが,比較的に雲の多い夏期には30%台へ減少し,散乱成分の役割 が卓越してくる。このような特徴は太平洋岸において広く認められるが,冬期に曇天・降雪に見舞われる 日本海岸では,金く逆の傾向が観測された。日本海岸地区(上越市)から内陸部(松本市)へ入ると,急 速に太平洋十型の季節変化に接近することがわかった。 植物群落の光合成活動および斜面の放射状態の決定において重要な役割を果たしている散乱放射量は天 候条件および大気の汚れ程度などによってかなり大幅に変化する。1日量をベースとしてみると,全天日 射の組成は日照率(=τ・τ0−1,ここでτとτ0は日照時聞と可照時間)によって,つぎのように変化 することがわかった。Q
(Q+q) ( qp+傑)一・…(・/・・)a 一1−0.86(τ/τ0)a, , ここでaは経験定数で,ほとんどの観測地点でL3∼1.5の問にあることがわかった。上の蘭係を用 いると,日照時間の測定データから近似的に金天日射量の直達・散乱組成を推定することができる。晴天 日(0.85<τ・τ0−1)で太陽高度が45度以上の期間のデータを用いて,散乱放射率と大気混濁癒標 (平均減衰係数a)との関係が研究され,大気の混濁度の増加につれて散乱放射率の増大することがわか った。これは,癒達成分が濁った大気中で強く吸収・散乱されるためである。 作物生産の基礎的エネルギーである全天光合成有効放射は,全天日射量の季節変化にほぼ平行して年変化し,その年閥董は2,300MJ・m−2 で全天日射量の約48%である。月間値についてみると,太陽 高度の低い冬期に45%,太陽高度の高い夏期に52%に変化することがわかった。直達放射内の光合成 有効放射の翻合は,太陽高度および大気の汚れ具合によって変化するが,その1例が図1−1−4に示さ れている。 図にみられるように,光合成 有効放射の割合は太陽高度の増 加につれて最初急増し,30度 で約0.45になる。その後は太 陽高度によってほとんど変化し ない。一方,散乱放射内の光合 成有効放射の勧合は,G.6 ∼ 0。7 の問にあって,薗達放射 内のそれより多く,太陽高度で 余り大きく変化しない。 右の結果は,太陽放射の鷹達 ・散乱組成の変化によって全天 日射内の光合成有効放射の割合 の大福に変化することを示して いる。日量をベースとしてみる と,全天日射内の光合成有効放 射翻意は日照率によってつぎの ように変化することがわかっ た。 空 有 効 敏 射 の 割 舎 α9 0 0 散乱放射 0 o o o 0 げ。o
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太賜醐度 、 度 図1−1−4 置達光合成有効放射の割合の太陽高度と 大気の汚れによる変化(観音台)(Q+q)PAR
一・.6・x,卜・29(・・τr1)b〕
(Q+q) ここでbは経験定数で,0.3∼0.5の間に変化することがわかった。上式から,完全曇天時 (τ・τ0−1→0)には光合成有効放射の割合は0。6となり,そのあと日照率の増加に伴って減少し・ 完金創天時(τ・τ〇一1−1.0)に0・45に接近することがわかる。 太陽放射エネルギーの波長別組成を明らかにするために,305,395,475,530,570,630, 715nmに限界透過帯をもつバンドパスフィルター(ドーム状)を日射計7台にセットし,つぎの波長 帯ごとのエネルギーを分割観測した。 305∼395nln, 395∼475 n111, 475∼53011疑i, 530∼570nm, 570∼630nnl g 630∼715且π夏, 715∼3000nrn, 各バンド域のエネルギー量に比例する電気出力は30分聞積弊したあと,ディジタルプ11ンターにて印字娼力された。 観測データを用いて,晴天日における各波長域の瞬エネルギー量と日全天日射量との関係が研究された。 その結果が園1−1−5に示されている。図にみられるように,晴天条件下では,波長帯域のエネルギー
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図一1−1−5 晴天条件下における各波長帯域エネルギー量(日量)と日全天 日射壁との関係(都城)1−305∼395nn1, 2−395∼530nπ1, 3−530∼715nπ1, 4−715∼2,800n頁1,
量と全天日射量との間には比例関係がある。これは次式で近似された。(Q+q)305_395匹0.04(Q+嵯)
(Q+q)395_53G罵。.18(Q÷q)
(Q+爆)530_715=o・27(Q+旦) (Q+傑)>715 謹。・48(Q+璽) ここで(Q+q)は日全天日射量である。なお,比例係数は地点でわずかに変化することがわかったが, これは測器間の誤差のためのように思われる。 晴天日と曇天鼠における観測資料の解析から,曇天日(金天日射量約100ca 1・cガ2)には,715nm 以上の赤外放射域のエネルギー量は全体の約40%に,また:305∼395nmの紫外部放射は金体の2∼3%に減少することがわかった。しかし,395∼475,475∼530,530∼570,570∼630,630∼
715nmの波長域のエネルギー璽は増大した。395∼530nmの波長域での増加は他の波長域よりは多か った。以上の結果は曇天条件下では,地表面に入射する放射は短波長域に多くのエネルギーの集申してい る散乱放射からなっているためである。一方,晴天日(約600Ca1・cガ2)には,715nm以上の赤外放
射域のエネルギー墨は金体の約5G%に,また305∼395 nm域の放射は約4∼5%に増加するが,中
闘波長域では減少した。これは,晴天日の太陽放射量の多くが直達成分からなるためである。 内陸水面,浅沿海水域および富栄養内湾の水面上の太陽エネルギーの観測では,入射する全天日射量の 他に,水面から反射される量および水体内へ透入する太陽エネルギー量の決定に大きな関心が払われた。 このため,水中日射計および光鐘子計が特別に用いられた。 日麓ベースで求めた水面の日平均アルベドは6∼9%の間に季節変化し,太陽高度の高い夏期に小で, 太陽高度の低い冬期に大きくなる一般的傾向が認められた。内水面での観測データから,アルベドの時間 値は太陽高度によって大幅に変化し,それは次式でよく近似できた。 3.45 A= ( sin ho 一ト 0。02) りここでAは内水面のアルベド(時閥値),hoは太陽高度。すなわち, ho巴10ではA=15%, むho漏20 でA竺8%, ho=30 でA=6%, ho=50 で4%となり,それ以上はほとんど変化
しなかった。 水中に透入する太賜放射エネルギー量は,水中の一次生産力を決定している重要な因子である。そこで, 各観測点(京都大学臨湖実験所,御宿岸和田観測点,広脇大字靹水藍実験所)で水体肖照度,放射量,お よび光量子量の減衰を測定した。その結果の1例が図1−1−6に示されている。測点のバラツキは若干 あるが,3蚤とも水面からの深さにつれてほぼ指数関数的に減衰し,次式でよく近似できた。100 50
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⑭⑭ 図1−1−6 内水面における照度,日射量,光塗子量の深さによる減衰(京都大野兎実験所) a一ビワ湖(南部水域),b一ビワ湖(北部水域),×一日射, O一照度,⑭一光量子S(z)=S(0)exp(一kz)
ここでS(0)とS(z)とは表面および深さzでのフラックス燈,kは減褒係数(または消費係数), zは水面からの深さ(cm)。 園にみられるように,3量の減衰は湖内の場所(主として水中の散乱・吸収物質濃度に関係)および測 定対象量によって変化する。水体内での減衰はつぎの順になった田射エネルギー〉光量子〉照度
これは波長別消散係数の差に主として原因している。沿海水域での照度減衰観測データを用いて,照度消 散係数と水体内懸濁物質量(mg/のとの関係をしらべ,両者の問に比例関係を見出した。一般に,汚れ のひどい港内では,k二LO∼2.0/mとなり,比較的にきれいな港外ではk=0。2∼0.7ノ羅となるこ とがわかった。 2)風力資源の地理的分布と季節変化 いま,断面積Am窓なる面でとらえられる風力エネルギーをEとすると,それはつぎのように風速U(m/ s)の3乗に比例する。Eと⊥AρU3
2 ここでρは空気の密度(1.2Kg・m一3)。よく知られているように,風速は時間的に大きく変動する気象 量である。それゆえ,各地域の風力資源を評価するには,風速の変動特性をまず明らかにすることが必要 である。 この蟹的のために,気象庁によって全国に展開されているアメダス(自動気象データ処理システム,AMeDAS)の気象データを用いて,全臨約800塊点について風速変動特性一風況曲線一を調べた。
この愚姉曲線はある風速以上の風の吹く時聞の累計値の月,年という期聞のなかで占める割合を示してい る。それゆえ,風鐸曲線をしらべると,風力発電などに不適当な強風域と岬町域とが年間のなかでどのよ うな割合を占めているかがわかる。すなわち,風力エネルギーの利用可能時聞がわかる。その1例が図1 −1−7に示されている。これから,つぎのようなことがわかる。新鳥では強風域にかなり片寄っている が,尾鷲では野風の吹く蒔聞がほとん どを占めている。風況曲線は季節によ ってかなり変化し,そのパターンは山 岳型,日本海岸型,岬・島興型,平地型, 内陸型に分類できた。岬や臨鱗では1 ∼2月に最大風速を示すことが多くみ られた。 つぎに,風速に対する地形の影響を 定壁的に評価するために,風速観測地 点周辺の地形特徴(周辺地域の平担度, 谷の開放度,谷の方向,卓越風の方向, 標高差など)を加味した風速評価法( 電算機プログラム)を閥発した。これ らの方法で,農業への利用を考えて紬 上高10猟での年平均風力エネルギー 量(m3S−3)を計算し,その地理的分 布および季節的変化を明らかにした。 その結果の1つが第8図に示されてい 風25
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年 聞 % 壌00 図1−1−7 我が国の代表地点における風況曲線1 一 α エネルギー換算 。空気の密蔑 し2㎏/田a ・風嘩磯転面面蟹 lmΣ 。風車の効率 0.6 とすると 1(in/s)3。。。・毎秒O.3 Wの繊乃が 得られる 倒えば直後5mの風璽を用いると 隻(旧/s)i‘の地点で1時閣選り 50 /50
獣解
3 50 ∼ (獄/s) 璽 亀50 0 0£ 7鱈,響yll
20030{ 噛 図王一1−8 年間平均風力エネルギー(Hβ・ド3)の蟷理的分布(z需10m)。風毒の効率を0.6とすると, h13・♂3で風車回転1㎡あたり 0。36Wの出力がえられる。る。図1−1−8で,中部地方,近畿地方,中国地方で風力エネルギーの等値線が粗いのは,アメダス観 測点の展開がまだ十分でないためである。 図から,風力エネルギーは,海岸,岬,島撰,孤立した山などで高く,100m3 s}3以上になることが わかる。また,地域的には北海道西海岸一帯は風力資源が豊かで,300m3s−3という大きな量がみられる。こ れに反して,申国山脈および四国山脈に囲まれている瀬戸内海沿岸は風力資源のとぼしいことがわかった。 この 結果は,風力資源の豊かな地域が比較的に狭く,限られた地点でのみその利用の可能牲のあることを示している。 風速は季節のみならず,奪次的にもかなり変組することが予想される。それゆえ,1964∼1974年聞 のアメダス資料を用いて風速頻度分布の年次変化を代表地点(東京,八丈島,江差,伊吹山)について しらべた。その結果,風速の奪次闘変動は季節変化に比較してはるかに小さく,風力エネルギーの評価に おいては無視できることがわかった。 3)水力資源の地理的公布と挙節変化 水力資源は降水によってもたらされた水の位置エネルギーを表わしている。それゆえ,標高hm以上の Shなる地域上に降った降水によって生ずるhH1での水力エネルギー, Eh,は次式によって与えられる。
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ここでgは重力の加速度,φは面積積分を,Hは面積Sh内での最大標高を, rとeとは降水量と蒸発量 0 50 100 200 ダ 3・ げ. 5 o ‘ ., ’108kWh
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a:各県の年間水力資源量の分布 b:各県の土地面積当り年聞水力資源量の分布 ㌧2・とを示す。全團1,218か所の降水観測所の昭和31年から48奪にいたる期問の降水データおよびペン マン方式で推定した蒸発推定値を上式に代入して,各県の包蔵水力エネルギーを評価した。 結果の1部が図1−1−9に示されている。図bにみられるように,秋田,岩手,山形,福島,新潟, 富山,福井,長野,山梨,静岡,岐阜,高知および宮崎の13県は200億KWh以上の水力エネルギー資 源をもっている。これらの県は山岳多雨・多雪地帯および台風常襲地帯にあたり,水力エネルギーの形 成に冬期の積雪と夏。秋季の台風時の雨が大きな役割を果たしていることがわかる。 一方,関東5県,愛知,京都,福岡,佐賀,長崎,福島,北海道の約半分は水力エネルギーの少ない地 域であり,我が国のかなりの面積を覆っている。 以上の結果は県ごとの総量であるが,エネルギー利用においては単位土地面積当たりのエネルギー量の 評価が大切である。そこで図のaの資料と各県の土地面積とを用いて,単位土地面積当たりの水力エネル ギー最(KWhぎkm一2)を求めた。その結果が園1−1−10のbに示されている。 aとbとの比較から わかるように,水力資源の豊かな地域はせばまって,本州中部の山岳をもつ県と四国の高知だけになる。 それに反して,水力資源のすくない地域がかなり広い面積に広がってくる。とくに,北海道北東部,関東南 部,近畿地区,瀬戸内地方および北九州では100×104KW h・kR1→i以下とかなり低い。 水力資源の季節変化は,主として降水量および降雪の変化に支配されており,太平洋域では夏に多く冬 に少ない。一方,日本海に面した:地域では,多雪な冬期に多い。多雪地帯では,積雪量の季節変化と融雪 ・流出水の季節変化の位相の違いが水力エネルギー量に影響を与える。そこで,融雪墨を気温の奪変化曲 線から推定するモデルを作成し,流串水量の季節変化を評緬した。その結果,4∼6月の水力エネルギー 蟄は融雪水のために著しく増加することがわかった。それゆえ,多雪地帯で水力資源の季節的変化を明ら かにするには,融雪モデルを考慮に入れた水力エネルギー評価法を用いなけれはならない。 4)植物生産力の評価法の開発 陸地および浅沿海の植物生漆力は,それらの環境の自然生産力を表わす1っの指標で,農業生産,林業 生産および漁業生産の基礎である。それゆえ,本厨究グループでは,植物生産力を自然資源の1つとして 取扱い,我が国および周辺沿海の植物1次生産力の季節的・地理的変化の解明,ならびにそのために必要 な方法の開発に関する研究を行った。 G)植物の気象生産力の評価法の開発 陸上植物の1次生産力の評価に関する研究では,資料のよく収集されている水稲を対象として,登熟期 閥の気温および日射量または温度条件から最大紋量一気象生産カー・を推定する方式の改良を試みた。 出穂前の栄養生長期問の温度状態を考慮に入れて,水稲の最大収量の予測式として次式が求められた。 ・画( SR1十 M){・一・(θ・一・・)・} ここでSHとθ鼠は出穂後40日閥の日照時数と平均気温,θ0畿21.4はベース気温, aとbは経験定数, Mは出穂前の気象状態の影響を示す経験量で,気候生面量示数とよぶことにする。上の関係から求めたYR の値を用いて,水稲に関する気象生産力の地理的分布をしらべた。東北地方の日本海岸から新潟にいたる 地域,長野の山白地および九州酋部に800Kg/10a以上という高生産力地帯があり,その周辺に750∼ 800Kg/10aの地帯が,そして,関東地方から東海,近畿,申国地方,および北海道に700Kg/10a以 下の低生産力地帯が広がっている。 (2)耕草林地の一次生産力の地理的分布の評価 広い地域の植物生産力および現存量の感慨に,ランドサットによるリモートセンシング資料を応用する 方法を開発するために,高黍節に得られたランドサット資料から水稲の現存蚤(年間生産力に対応)およ
び林地面積とその現存量の評価を試みた。まず,バ≧ド4:500∼600,5:600∼700,6:700
∼800,7:800∼1,100nH圭の磁気テープ計数値と水稲田現存量との関係をしらべた。そして,図1一1−10の結果をえた。図にみられるように,水田の現存鐙とバンド6のデータ値との間には比例関係 があり,バンド6の磁気テープ計数値から,かなりの請度で現存蟹を評価できることがわかった。また, 若千の測定のチラバリはあるが,バンド4,5の計数値と籾重との間には相関関係があり,近似的に籾重 や 孚0.6 豊 睡 0.4