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2.5.5 安全性の概括評価

2.5.5.12 市販後の使用経験

国際誕生日(2005年11月28日)から2010年11月27日までに、全世界で 回分の V260を 出荷しているが、安全性の問題によって、製造販売承認申請が却下、取り下げ、又は保留された り、製造販売承認が取り消しとなった国又は地域はなかった。また、2011年8月現在、世界100以 上の国又は地域で承認されている。

2.5.5.12.1 副作用

国際誕生日から2010年11月27日までに入手した自発報告は4,913例であった。そのうち1,579例

(32%)が重篤であった。なお、米国食品医薬品局(FDA)との市販後のコミットメントに基づ き、すべての「血便排泄」の報告を自主的に「重篤」として扱い、規制当局に対して速やかに情 報の提供を行った。

報告が多かった事象(上位5つ)は、有害事象なし(1,241例)、下痢(903例)、不適切な投与 計画での薬剤の使用(747例)、嘔吐(696例)、腸重積症(680例)であった。

†:過量投与、妊娠時の薬物曝露、投薬過誤といった医薬品の使用の結果として有害事象が発現 しなかった場合にコーディングしている。

:Company Core Data Sheet(CCDS)に記載済みの事象

2.5 臨床に関する概括評価 - 68 -

2.5.5.12.2 市販後の安全性情報からCCDSに追加となった副作用

V260の国際誕生日以降、有害事象情報の評価の結果より国際添付文書(Worldwide Product Circular、WPC)のContraindications、Precautions、Overdosage及びSide effectsの項の改訂を行っ た。WPCとは、Company Core Safety Information、適応症、用法・用量、薬効薬理及びその他の医 薬品情報が記載されたCompany Core Data Sheet(CCDS)である。

CCDSのSkin and subcutaneous tissue disorders(皮膚および皮下組織障害)にUrticaria(蕁麻疹)

を2007年5月に追記し、Precautionsの項には「Cases of gastroenteritis associated with vaccine virus have been reported post marketing in infants with severe combined immunodeficiency (SCID)(市販後の自発 報告において、重症複合型免疫不全を有する乳児で、本剤のワクチン由来ウイルス株に関連した 胃腸炎例が報告されている。)」旨を2009年6月に追記した。

さらに検討した結果、2010年3月に CCDS を改訂し SCID に関する Precautions の項の記載を

Contraindications の項に移動させて SCID の乳児を禁忌に設定した。あわせて、Side effects の

Post-Marketing Reports のGastrointestinal disorders(胃腸障害)の項に「Gastroenteritis with vaccine viral shedding in infants with Severe Combined Immunodeficiency Disease (SCID)(重症複合型免疫不全 の乳児におけるワクチン由来ウイルス株の排出を伴う胃腸炎)」を追記した。

また、2010年3月に新たな市販後の報告に基づきPrecautionsの項の「There is a theoretical risk that the live virus vaccine can be transmitted to non-vaccinated contacts.(生ウイルス由来ワクチン株はワク チン非接種者に感染するおそれがある。)」の記載を、「Transmission of vaccine virus strains to non-vaccinated contacts has been observed post-marketing.(市販後において、ワクチン由来ウイルス 株のワクチン非接種者への感染が報告されている。)」に変更した。

そして、2010年6月にOverdosageの項の「There are no data with regard to overdose(過量投与に関 するデータはない)」の記載を、「There have been reports of administration of higher than recommended doses of RotaTeq. In general, the adverse event profile reported with overdose was comparable to that observed with recommended doses of RotaTeq.(本剤の推奨用量を超える高用量の投与が報告されて いる。概して、過量投与に伴って報告される有害事象プロファイルは、本剤の推奨用量で観察さ れる有害事象プロファイルと同等であった)」に変更した。

2.5.5.12.3 定期的安全性最新報告

本申請以降ここまでに、第7回~第10回の定期安全性最新報告(以下、PSUR)が作成された。

第7回、第8回、第9回、及び第10回のPSURは、[資料5.3.6: PSUR7] 、[資料5.3.6: PSUR8] 、[資料

5.3.6: PSUR9]、及び [資料5.3.6: PSUR10]として添付した。PSURには、腸重積症、血便排泄、川

崎病、二次伝播、特定集団、有効性に関する情報を解析した概要を記載しており、追加解析とし て、PSUR の規定項目(妊娠中の曝露、死亡、薬物乱用/誤用、ワクチン投薬過誤、薬物相互作 用、過量投与)を記載した。

2.5.5.12.4 製造販売後の安全性観察研究(019試験)

本試験は、乳児を対象としたV260の市販後の使用実態下における短期安全性を大規模に継続し

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てモニタリングすることを目的として外国で実施した市販後の観察研究である。その結果、生後6

~12週の健康乳児にV260を接種した場合、腸重積症、川崎病及びその他の有害事象に関する忍容 性はおおむね良好であることが示された[2.7.4.6.4項]。

2.5.5.12.5 市販後の使用経験の結論

V260の市販後の自発報告の集積状況から、V260の安全性プロファイルは概して良好である。す

べての「血便排泄」の報告は、規制当局に対して速やかに情報の提供を行うため自主的に「重篤」

として扱っている。このことを考慮すると、実際に「重篤」と報告された事象の発現頻度は低い といえる。V260のリスク・ベネフィットは良好であり、今後も V260の安全性について引き続き モニタリングする。

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