• 検索結果がありません。

財産調査

ドキュメント内 高知県公報号外第 28 号 2 (ページ 135-138)

25 財産調査

(1)財産調査

財産調査とは、滞納処分の執行のために、滞納者の財産の有無や所有する財産の換価価値を調 査することをいう。

滞納者の納付能力を調査するために、近隣への聞き込み(任意調査)や、勤務先や取引先など の滞納者の関係先に対して、調査を行うことができる(国税徴収法第141条)。また、市町村 や税務署といった徴税機関に対して、資料の閲覧又は提供を求めることができる(地方税法第2 0条の11)。さらに、滞納者の住居等において差し押さえるべき財産等を発見する捜索も財産 調査の一種である(国税徴収法第142条)。

財産調査は、納付交渉を優位に進める点においても重要である。滞納者の言動や、家屋の外観・

身なり等に惑わされず、実際の生活状況・財産の保有状況の正確な把握に努め、差押え又は滞納 処分の執行停止という滞納整理方針を決定していく。そうした意味でも滞納整理において、財産 調査は不可欠である。

また、財産状況などの実情について回答を求めることが適当である(様式30)。

関 係 法 令 等

【地方税法第20条の11】(官公署等への協力要請)

徴税吏員は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、地方税に関する調査について必要があるときは、官公署又 は政府関係機関に、当該調査に関し参考となるべき簿書及び資料の閲覧又は提供その他の協力を求めることができ る。

【国税徴収法第141条】(質問及び検査)

徴収職員は、滞納処分のため滞納者の財産を調査する必要があるときは、その必要と認められる範囲内において、

次に掲げる者に質問し、又はその者の財産に関する帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録(電子的方 式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機に よる情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。第 百四十六条の二及び第百八十八条第二号において同じ。)を検査することができる。

滞納者

滞納者の財産を占有する第三者及びこれを占有していると認めるに足りる相当の理由がある第三者 滞納者に対し債権若しくは債務があり、又は滞納者から財産を取得したと認めるに足りる相当の理由がある者 滞納者が株主又は出資者である法人

【国税徴収法第142条】(捜索の権限及び方法)

徴収職員は、滞納処分のため必要があるときは、滞納者の物又は住居その他の場所につき捜索することができる。

徴収職員は、滞納処分のため必要がある場合には、次の各号の一に該当するときに限り、第三者の物又は住居そ の他の場所につき捜索することができる。

滞納者の財産を所持する第三者がその引渡をしないとき。

滞納者の親族その他の特殊関係者が滞納者の財産を所持すると認めるに足りる相当の理由がある場合において、

その引渡をしないとき。

■24所在調査(強制徴収公債権)

(5)法人の滞納者

法人の滞納者は、法務局に商業登記事項証明書の交付を申請する(様式21)。登記事項証明 書からは、業務内容、役員の氏名及び住所、解散の有無等を確認できる。また、法人所在地に所 在が確認できない場合は、代表取締役の住民票を確認する。

(6)現地調査

住民票調査等で所在が判明しない場合は、居住又は所在地を現地調査することで、情報が得ら れる場合がある。また、滞納者の主張の信憑性を計る上で財産調査と併せて行うこと、さらに催 告交渉に進展が見られない場合等に行うことも有効である。訪問催告の際は、納付交渉と併せて 周辺の環境を観察しておくとよい。

現地調査する際に見ておいた方がよい点は、以下のとおりである。

① 住居の状態

持ち家か賃貸、広いか狭い、新しいか古いかで滞納者の資力が判断できる。法務局にて不 動産登記事項証明書の交付を受けることで、所有者を確認することができる。

② 電気、ガスメーター

メーターの回転状況で滞納者の居住を確認することができる。

③ ポストの中の滞留郵便物

不在にしている時間が多いことがわかる。ただし、覗き込むと、私権の侵害になるので注 意すること(※捜索なら可能)。

④ 自動車

自動車のナンバーを控え、運輸支局自動車検査登録事務所にて現在登録証明書の交付を受 けることで、自動車の保有者を確認することができる。

※ 平成19年の法改正で、悪用を防ぐため、ナンバーに加え、車体番号を示さなければ交 付が受けられなくなっている。

⑤ 営業状況

店構えや客の出入りなどをみることで営業状況が判断できる。

⑥ マンション名、部屋番号、氏名表示の有無

後日、再び訪問する際に速やかに目的地に到着できる。ポストに氏名表示がない場合にマ ンションの管理人から居住確認したときは、必ず記録しておく。

(7)歳入金債権整理票等への記載

所在調査を行った場合は、調査年月日、調査方法、結果を歳入金債権整理票等に記載する。

高  知  県  公  報号外第28号成28年6月7日(火曜日)  136136

■25財産調査(強制徴収公債権)

(4)主な財産調査先

照会先 根拠条文 内 容

市町村

(様式22)

国税徴収法第146条の 2

滞納者の住民税課税資料等で電話番号、勤務 先、所有不動産等を把握することができる。

法務局

(様式21)

不動産登記法第121条 管轄する登記所で、不動産登記簿閲覧又は登 記事項証明書により、所有不動産を捕捉す る。

運輸支局自動車 検査登録事務所

道路運送車両法第22条 登録事項等証明書にて、所有者の住所、氏名、

抵当権の有無が判明する。

※車体番号が分からなければ入手困難 勤務先

(様式23)

国税徴収法第141条 給料等の支払状況が判明する。

金融機関

(様式24):全店照会用

(様式24-2)

:個店照会用

国税徴収法第141条 預金・郵便貯金の債権調査を行うことで、滞 納者の預貯金口座が判明する。

税務署 地方税法第20条の11 法人税の確定申告書を閲覧することで財産 を補足する。

電話会社 国税徴収法第141条 NTTに対して電話加入権の有無を調査す ることができる。電話料金の引き落とし先の 口座が判明する場合がある。

関 係 法 令 等

【国税徴収法第141条】(質問及び検査)

徴収職員は、滞納処分のため滞納者の財産を調査する必要があるときは、その必要と認められる範囲内において、

次に掲げる者に質問し、又はその者の財産に関する帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録(電子的方 式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機によ る情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。第146 条の2及び第188条第2号において同じ。)を検査することができる。

滞納者

滞納者の財産を占有する第三者及びこれを占有していると認めるに足りる相当の理由がある第三者 滞納者に対し債権若しくは債務があり、又は滞納者から財産を取得したと認めるに足りる相当の理由がある者 滞納者が株主又は出資者である法人

【国税徴収法第146条の2】(官公署等への協力要請)

徴収職員は、滞納処分に関する調査について必要があるときは、官公署又は政府関係機関に、当該調査に関し参 考となるべき帳簿書類その他の物件の閲覧又は提供その他の協力を求めることができる。

■25財産調査(強制徴収公債権)

徴収職員は、前二項の捜索に際し必要があるときは、滞納者若しくは第三者に戸若しくは金庫その他の容器の類 を開かせ、又は自らこれらを開くため必要な処分をすることができる。

【国税徴収法第146条の2】(官公署等への協力要請)

徴収職員は、滞納処分に関する調査について必要があるときは、官公署又は政府関係機関に、当該調査に関し参 考となるべき帳簿書類その他の物件の閲覧又は提供その他の協力を求めることができる。

(2)質問・検査

滞納処分のために、滞納者の財産の有無、所在、種類、価額、利用状況、第三者の権利の有無 等を調査する必要があるときに、滞納者などに対して質問又は検査を行うことができる(国税徴 収法第141条)。

質問の相手方は、滞納者、滞納者の財産を占有する第三者、滞納者に対し債権又は債務がある と認めるに足りる相当の理由がある者等である。

質問は、口頭又は書面で行う(様式30)。

関 係 法 令 等

【国税徴収法第141条】(質問及び検査)

徴収職員は、滞納処分のため滞納者の財産を調査する必要があるときは、その必要と認められる範囲内において、次 に掲げる者に質問し、又はその者の財産に関する帳簿書類を検査することができる。

滞納者

滞納者の財産を占有する第三者及びこれを占有していると認めるに足りる相当の理由がある第三者 滞納者に対し債権若しくは債務があり、又は滞納者から財産を取得したと認めるに足りる相当の理由がある者 滞納者が株主又は出資者である法人

(3)官公庁等調査

官公庁は、行政上の必要又は権利状況を明らかにするために帳簿、書類を備えている。

特に市町村や税務署は課税資料を備えているので、これらの資料の閲覧又は提供を求めるとよい

(地方税法第20条の11)。課税資料から滞納者の収入や財産の保有を確認することができる。

例えば、市町村の課税資料からは滞納者の所得及び収入、滞納者の所有する物件が判明する。

ただし、この調査は法令の規定による調査であるが、強制力がない規定であるため、税務情報 に係る守秘義務を理由に回答されない場合がある。

関 係 法 令 等

【地方税法第20条の11】(官公署等への協力要請)

徴税吏員は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、地方税に関する調査について必要があるときは、官公署又 は政府関係機関に、当該調査に関し参考となるべき簿書及び資料の閲覧又は提供その他の協力を求めることができ る。

ドキュメント内 高知県公報号外第 28 号 2 (ページ 135-138)

関連したドキュメント