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謝辞

ドキュメント内 ま え が き (ページ 68-71)

ノ基と NHS- エステルの間で化学的に安定なアミド結合が形成される。一方,架 橋剤の他端に存在するマレイミド基はチオール基と高い選択性を持って共有結合 を生じることが知られている。そのため,マレイミド基で被覆された修飾探針を 基質であるジペプチド溶液中で静置することにより,マレイミド基とシステイン 残基中のチオール基間で結合し,最終的に基質ペプチドで修飾された探針を持つ カンチレバーを得た。

PepT1 を再構成した脂質二重膜をマイカ基板上に展開し,修飾カンチレバー を使って相互作用力測定を行った。上述の通り,サンプルステージがカンチレ バーを引き込む変位量とカンチレバーのバネ定数から,両者にかかる相互作用力 が算出できる。今回用いたカンチレバーのバネ定数は 0.02 N/m であり,測定で 得られたフォースカーブから両者にかかる力を算出したところ,ペプチド修飾探 針で再構成膜との相互作用を測定すると約 30 pN 程度であり,未修飾探針での 相互作用力よりも大きい値を示した。予備的検討の域を超えていないが,この結 果は探針を基質で修飾することによって PepT1 との相互作用力を検出できる可 能性を示唆している。これまでに評価技術の核となる各要素技術の構築が確認で きたものの,PepT1 の再構成効率の向上,探針修飾の安定化等,改良すべき点 が残っている。今後,多様な溶液条件下で相互作用力を測定できるようこうした 点を検討し,ペプチド吸収の試験管内評価技術として確立したいと考えている。

6. おわりに

本稿では,食品・バイオ領域における「微細構造/相互作用評価」をキーワー ドにした,AFM に関する研究を紹介した。このキーワードは,今回触れること ができなかった多くの分野に当てはまるため,AFM による微細構造/相互作用 評価は今後も進展していくものと考えている。実際,少しずつではあるが AFM の裾野が広がり始めたと感じている。この背景には,そもそも微細構造解析や 相互作用評価のニーズがあったことに加え,AFM 技術の成熟化・高度化が大 きく寄与していると考えている。しばしば AFM は電子顕微鏡と比較されるが,

AFM には電子顕微鏡にはない利点(溶液中観察や相互作用力測定)があるので,

高解像度観察はもちろんのこと,対象試料に応じた独創性の高い評価系を構築す ることが可能である。試験管内食品吸収評価技術はその一つであるが,他にも,

高速 AFM を用いてセルラーゼによるセルロース分解過程を一分子レベルで追跡 し,従来手法では知るよしもなかった酵素の性質の発見に繋がった研究事例も報 告されている21)。AFM は従来技術と有機的に融合させることによって,これま でにない知見を導き出すツールになると期待している。

ケール加工及び評価技術の開発」,農業・食品産業技術総合研究機構長期在外研 究員制度,及び文部科学省科学研究費補助金の支援を受けて実施したものです。

また,ケンブリッジ大学薬理学教室エドワードソン教授,及びヘンダーソン教授 には貴重な助言を頂きました。ここに記して感謝致します。

  (食品工学研究領域 ナノバイオ工学ユニット 小堀 俊郎)

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 核磁気共鳴(NMR)法を用いた立体構造解析

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