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調査結果

ドキュメント内 平成17年度 (ページ 35-43)

水生底生生物を採集し,科レベルの分類を行った。また気温,水温,透視度, pH,溶存酸素,化 学的酸素要求量(以下 COD と表示),生物化学的酸素要求量(以下 BOD と表示),全窒素,全りん,

クロロフィルa,電気伝導率,底質の含水量,強熱減量の理化学調査を行った。

(4) 河川環境の評価方法

水生生物による河川環境の評価はスコア法,水質階級法の 2 法を用いた。

① スコア法 (「生物等による水環境評価マニュアル」 環境庁水質保全局より) 62 の科レベルの 指標生物に 1~10 までのスコアが設定され,きれいな川に住む生物ほど数字が大きい。地点毎に,

採集された指標生物の平均スコア値(以下 ASPT 値という)を算定し,ASPT 値が 10 に近いほど汚濁 の程度が少なく自然環境に近い人為的影響の少ない河川環境であると評価する方法。

② 水質階級法 (「川の生き物を調べよう」 環境庁水質保全局 建設省河川局編より) 30 種類の指 標生物を,きれいな水(水質階級Ⅰ),ややきたない水(水質階級Ⅱ),きたない水(水質階級Ⅲ),

とてもきたない水(水質階級Ⅳ)の 4 階級に分類し,多くの種類が採集された生物の階級で河川環 境の評価を行う方法。

3 調査結果

(1) 水生底生生物調査結果

河川および周辺の状況を表 1 に示した。表 2 に水生底生生物の ASPT 値を,表 3 に水質階級法による 調査結果を平成 22 年度と平成 25 年度を併記して示した。巻末に,調査地点の写真と生物の写真を示 した。また,総個体数について表 4 に示したが採集範囲が均一ではないため,参考とした。

①早出川上流の St1 水戸野は,川幅 30m,水深 18cm,流速は約 3.9cm/sec,川底は礫である。両岸は 自然地で,周辺は木や草が茂り,人家は見られない。スコア 9 のフタオカゲロウやマダラカゲロウ が採集され, ASPT 値は 7.7 で,3 年前の 7.1 とほぼ同様であった。水質階級法では,ヒラタカゲロ ウやカワゲラやヘビトンボが採集されⅠ(きれいな水)と判定され,前回と同様だった。総個体数 は 61 で,今回の 4 地点の中では一番多かった。

②早出川中流の St.2 善願橋は,川幅 30m,水深 20cm,流速は約 60cm/sec,川底は礫である。右岸は コンクリートで護岸されているが,左岸は自然地で周辺には植物が繁茂している。スコア 9 のマダ ラカゲロウやカクツツトビケラが採集されたが,スコア 3 のユスリカ(鰓なし)も採取され ASPT 値 は 7.3 となり,3 年前の 8.6 より低下した。

水質階級法では,ヒラタカゲロウ等が採集されたのでⅠ(きれいな水)と判定され,前回と同様だ った。総個体数は 55 だった。

③早出川下流の St3 新郷屋は,川幅約 100m,採集した所の水深 45cm,流速は約 14cm/sec で,川底 は泥質である。右岸はコンクリートで護岸されているが,周辺は自然地で植物が繁茂している。ス コア 9 のフタオカゲロウやマダラカゲロウ,またスコア 7 のサナエトンボが採集されたが,スコア 3 のユスリカ(鰓なし)も採取され ASPT 値は,7.7 となった。これは 3 年前と同じ値だった。

水質階級法では,ヒラタカゲロウ等が採集されたのでⅠ(きれいな水)と判定され,前回と同様だっ た。総個体数は 36 だった。

④阿賀野川下流の St.4 大阿賀橋は,川幅 700m,採集した所の水深 30cm,流速は約 8.3cm/sec で,

- 34 - 川底は泥質である。

両岸は植物が繁茂している自然地である。スコア 9 のフタオカゲロウやカクツツトビケラ,スコア 7 のカワトンボが採集された一方で,スコア 3 のユスリカ(腹鰓なし)やスコア 1 のユスリカ(鰓 あり)が採集され,ASPT 値は,6.4 となった。

水質階級法では,優先種としてユスリカ(腹鰓あり)が採集されたためⅣ(とてもきたない水)と判定 され,3 年前のⅢ(きたない水)から低下した。総個体数は 50 だった。

  調査地点 阿賀野川

上流 中流 下流 下流

調査項目 St.1水戸野 St.2善願橋 St.3新郷屋 St.4大阿賀橋

川幅 (m) 30 30 100 700

水深(cm) 18 20 45 30

流速(cm/sec) 3.9 60 14 8.3

護岸(右岸) 自然地 コンクリート護岸 自然地 自然地

護岸(左岸) 自然地 自然地 自然地 自然地

水際線(右岸) 植物生息 植物生息 コンクリート 植物生息

水際線(左岸) 川原(小石) 川原(小石) 植物生息 植物生息

植物繁茂 植物繁茂 植物繁茂 植物繁茂

(草) (草) (草・木)

植物繁茂 植物まばら 植物繁茂 植物繁茂

(草) (草・木) (草・木)

河床型

底質 礫(れき) 礫(れき)

採集範囲(m) 約 20 m 約 30 m 約 30 m 約 20 m 河畔(右岸)

表1 河川および周辺の状況  早出川

河畔(左岸)

- 35 -

ス コ アH17 H22 H25 H17 H22 H25 H15 H17 H22 H25 H15 H17 H19 H22 H25

フタオカゲロウ科 9

ヒラタカゲロウ科 9

コカゲロウ科 6

トビイロカゲロウ科 9

マダラカゲロウ科 9

モンカゲロウ科 9

トンボ目 カワトンボ科 7

サナエトンボ科 7

カワゲラ目 アミメカワゲラ科 9

カワゲラ科 9

オナシカワゲラ科 6

ミドリカワゲラ科 9

ア ミ メ カ ゲ ロ ウ 目ヘ ビ ト ン ボ 科 9 ト ビ ケ ラ 目ヒ ゲ ナ ガ カ ワ ト ビ ケ ラ 科9

シ マ ト ビ ケ ラ 科 7

エ グ リ ビ ケ ラ 科 1 0

ヒ メ ト ビ ケ ラ 科 4

カ ク ツ ツ ト ビ ケ ラ 科9

コ ウ チ ュ ウ 目ゲ ン ゴ ロ ウ 科 5

ガ ム シ 科 4

ハ エ 目 ガ ガ ン ボ 科 8

ユ ス リ カ 科 ( 腹 鰓 あ り )1

ユ ス リ カ 科 ( 腹 鰓 な し )3

ニ ナ 目 カ ワ ニ ナ 科 8

ミ ミ ズ 綱 ミ ミ ズ 綱 1

ヒ ル 綱 ヒ ル 綱 2

ヨ コ エ ビ 目ヨ コ エ ビ 科 9

エ ビ 目 サ ワ ガ ニ 科 8

7 5 7 1 9 2 8 4 9 5 5 8 1 9 4 5 6 9 4 6 3 4 2 1 2 9 3 7 5 1 9 1 0 1 2 1 0 1 1 8 3 7 9 6 5 3 6 6 8 8 . 3 7 . 1 7 . 7 8 . 4 8 . 6 7 . 3 6 . 3 6 . 4 7 . 7 7 . 7 6 . 8 7 . 0 4 . 8 6 . 2 6 . 4 表 2   平 成 1 5 , 1 7 , 2 2 年 と 平 成 2 5 年 の ス コ ア 法 に よ る 水 生 底 生 生 物 調 査 結 果

指 標 生 物

  カ ゲ ロ ウ 目

総 ス コ ア 総 科 数

S t . 2 善 願 橋 S t . 1 水 戸 野

A S P T 値 ( 平 均 ス コ ア )

早 出 川 阿 賀 野 川

下 流   下 流

中 流 上 流  

S t . 4 大 阿 賀 橋 S t . 3 新 郷 屋

- 36 -

H17 H22 H25 H17 H22 H25 H15 H17 H22 H25 H15 H17 H19 H22 H25

ヒラタカゲロウ

カワゲラ

(きれいな水) ヘビトンボ

ヨコエビ

サワガニ

シマトビケラ

カワニナ

コオニヤンマ

イソコツブムシ

ヒル

タニシ

Ⅳ(とてもきたない水) ユスリカ(鰓あり)

 ○:採集された生物を示す。  ●:数が多く採集された生物 水質階級の判定

阿賀野川 早出川

上流  中流 下流 下流 

St.1水戸野 St.2善願橋

Ⅱ(少しきたない水)

Ⅲ(きたない水)

St.3新郷屋 St.4大阿賀橋

表3 平成15,17,22年と平成25年の水質階級法による調査結果

水質階級 指標生物

阿賀野川

上流 中流 下流 下流

目 科 St.1水戸野 St.2善願橋 St.3新郷屋 St.4大阿賀橋

 カゲロウ目 フタオカゲロウ科 24 14 27 5

ヒラタカゲロウ科 8 8 1

コカゲロウ科 2 7

トビイロカゲロウ科 1

マダラカゲロウ科 9 10 1

モンカゲロウ科 3

トンボ目 カワトンボ科 30

サナエトンボ科 1

カワゲラ目 オナシカワゲラ科 2

カワゲラ科 6 1

アミメカゲロウ目ヘビトンボ科 3

トビケラ目 ヒメトビケラ科 1

カクツツトビケラ科 1 2 2

コウチュウ目 ゲンゴロウ科 1 2

ハエ目 ユスリカ科(腹鰓なし) 1 12 5 4

ユスリカ科(腹鰓あり) 4

ニナ目 カワニナ科 1

ミミズ綱 ミミズ綱

ヨコエビ目 ヨコエビ科 1 1

ワラジムシ目 コツブムシ科 1

61 55 36 50

総個体数 指標生物

表4 総個体数 (採集条件が異なるため参考)

早出川

- 37 - (2) 理化学調査結果

理化学調査結果を平成 22 年度の結果と併記して表 5 に示した。

4 まとめ

調査結果のまとめを表 6 に示した。

早出川の ASPT 値は,3 年前と比べて上流では,低スコアのミミズやヒルが採集されなかったこ とでやや上昇し,中流では前回採集された高スコアの生物が少なくなり,低下した。下流では総 科数が 9 から 6 に減少したが ASPT 値は変わらなかった。

また,その下流の阿賀野川,大阿賀橋では,総科数は 6 から 8 に増えたが,ASPT 値に大きな変 化は見られなかった。

一方,水質階級法による評価は,早出川では,上流,中流,下流ともⅠで,3 年前と変わらな かった。大阿賀橋は,ⅢからⅣに低下した。

全体としては上流の早出川 3 地点では ASPT 値が高く,下流の阿賀野川で,ASPT 値がやや低 かった。3 年前とくらべると各地点間の ASPT 値の差は小さくなった。

この間の水質の状況を見てみると,測定日の COD は明らかな低減がみられたものの,年間を 通した測定ではないため単純な比較はできない。そこで大阿賀橋について新潟県から公表され ている水質測定結果の BOD75%値(近隣の横雲橋)を参考にしてその経年変化と ASPT 値の経年 変化をグラフにした。(図 2)

最近 4 年間で,BOD75%値は 0.7mg/l から 1.5mg/l と年々上昇してきているが,ASPT 値に明 確な経年変化は見られなかった。

今後は,長期の水質状況が把握できる公共用水域の常時監視地点を考慮した調査地点の選定 や,ASPT 値の正確性を高めるために採集範囲を拡大して採集する生物の数を増やすなど,手法

    調査地点

調査項目 H22 H25 H22 H25 H22 H25 H22 H25

天候 晴れ くもり 晴れ くもり 晴れ くもり くもり 小雨

気温(℃) 21.0 23.8 18.1 23.2 20.7 24.1 17.0 23.9 水温(℃) 12.1 13.0 14.2 13.2 15.2 24.1 19.7 23.9 透視度(度) 100以上 100以上 100以上 100以上 100以上 100以上 46 60

p H 6.7 6.4 6.9 7.1 6.9 6.9 6.8 7.0

溶存酸素 (mg/l) 10 10 10 11 10 11 9.1 10

COD (mg/l) 2.7 0.7 2.3 1.5 2.6 1.9 5.9 2.1

BOD (mg/l) --- 0.7 --- 0.6 --- 0.9 --- 0.7

全窒素 (mg/l) 0.27 0.50 0.24 0.25 0.39 0.31 0.47 0.30

全りん (mg/l) 0.005 0.004 0.005 0.005 0.015 0.015 0.090 0.022

クロロフィルa (μg/l) 1.0 2.1 5.0 3.2 16 4.8 15 3.7

電気伝導率 (mS/m) 3.5 7.6 3.8 3.1 4.9 4.5 7.8 5.9

底質の含水量(%) --- 24 --- 17 --- 51 --- 58

底質の強熱減量(%) --- 2.6 --- 1.4 --- 5.7 --- 9.8

表5 平成22年と平成25年の理化学調査結果 

下流  St.4大阿賀橋

上流  中流 下流

St.1水戸野 St.2善願橋 St.3新郷屋

早出川 阿賀野川

- 38 -

の検討も加えつつ,新潟市の主な河川について調査を継続していきたい。

図 2 大阿賀橋の ASPT 値と BOD75%値(近隣の横雲橋)の経年変化 阿賀野川

上流 中流 下流 下流

St.1水戸野 St.2善願橋 St.3新郷屋 St.4大阿賀橋

ASPT値 7.1 → 7.7 8.6 → 7.3 7.7 → 7.7 6.2 → 6.4

水質階級 Ⅰ→ Ⅰ Ⅰ→ Ⅰ Ⅰ→ Ⅰ Ⅲ→ Ⅳ

総科数 10→12 11→8 9 → 6 6 → 8

周辺環境 変化なし 変化なし 変化なし 変化なし

水質(COD:mg/l) 2.7→0.7 2.3→1.5 2.6→1.9 5.9→2.1

底質(強熱減量:%) 2.6 1.4 5.7 9.8

流速(cm/sec) 3.9 60 14 8.3

表6 調査結果のまとめ 早出川

ドキュメント内 平成17年度 (ページ 35-43)

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