3-1 個体数の少ない河川について(信濃川・西川)
3-1-1 信濃川
表1に信濃川の結果を示した。優先種の生物種は、小須戸橋ではスコア9が4割以上であったのに対し、
親水広場ではスコア7の他にスコア1も多く採集され、各々3割を占めた。
これをスコア法で算出すると,小須戸橋が6.8、親水広場が6.0 となり、大きな差はない。一方、加重 スコア法で算出すると各々7.1、4.8となり、明確な差が生じた。
表 1 信濃川のスコア法と加重スコア法による比較
3-1-2 西川
表2に、西川の結果を示した。西川の3地点をスコア法で算出すると、小明橋は6.5で、前田橋、新通 橋はともに3.7であった。
一方、各地点の詳細な状況を見比べると、優先種のスコアは、前田橋と小明橋では7、新通橋では3で あり、小明橋ではスコア9の生物種も見られた。この結果を個体数も含めた生物種の分布から見ると、小 明橋が最も良く、次に前田橋、そして新通橋となるのが妥当と思われ、前田橋と新通橋が同じになるスコ ア法の結果には違和感がある。
西川
新通橋 小明橋
前田橋
小須戸橋 親水広場
新郷屋 大阿賀橋 信濃川
阿賀野川
科 スコア 個体数 スコア毎の計 個体数 スコア毎の計
フタオカゲロウ科 9 3 1
ヒラタカゲロウ科 9 1
マダラカゲロウ科 9 3
カワトンボ科 7 3 2
サナエトンボ科 7 1
コカゲロウ科 6 3 3
ユスリカ科(腹鰓なし) 3 2 2 2 2
ミミズ綱 1 3 3
スコア法 6.8 6.0
加重スコア法 7.1 4.8
6 2
3 3
指標生物 小須戸橋 親水広場
信濃川
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優先種 優先種 しかし、加重スコア法では、前田橋と新通橋の値は5.6と3.9となり、明らかな差が生じ、より状況を 反映した結果と考えられる。
表 2 西川のスコア法と加重スコア法による比較
3-2 個体数の多い河川について(阿賀野川)
表3に、阿賀野川の結果を示した。スコア毎の個体数の分布を見ると、新郷屋では8割以上がスコア9 なのに対し、大阿賀橋でのスコア9は2割以下で、スコア7が6割を占めている他、スコア1も約1割見 られた。
これをスコア法で評価すると,新郷屋が7.7、大阿賀橋が6.4であるのに対し、加重スコア法では8.0 と6.4となり、若干ではあるがその差が明確になった。このことから、個体数が多い河川でも、加重スコ ア法は一定の効果を得られる可能性がある。
表 3 阿賀野川のスコア法と加重スコア法による比較
4 まとめ
スコア法は、採集した生物の科を分類・同定して平均スコアを算出し、評価する方法である。このため、
個体数を数える必要がないのだが、場合によっては、状況を的確に反映できないことがある。特に下流域 では、個体数そのものが少ないことが多く、数値の信頼性に乏しい。
科 スコア 個体数 スコア毎の計 個体数 スコア毎の計 個体数 スコア毎の計
フタオカゲロウ科 9 1
マダラカゲロウ科 9
カワトンボ科 7 9 3 2
シマトビケラ科 7 2
コカゲロウ科 6
ユスリカ科(腹鰓なし) 3 3 3 3 3 4 4
ミミズ綱 1 1 1 1 1
加重スコア法 5.6 5.9 3.9
スコア法 3.7 6.5 3.7
1
9 5 2
指標生物 前田橋 小明橋 新通橋
西川
科 スコア 個体数 スコア毎の計 個体数 スコア毎の計
フタオカゲロウ科 9 27 5
ヒラタカゲロウ科 9 1 マダラカゲロウ科 9 1
カクツツトビケラ科 9 2
ヨコエビ科 9 1 1
カワニナ科 8 1 1
カワトンボ科 7 30
サナエトンボ科 7 1
ゲンゴロウ科 5 2 2
ユスリカ科(腹鰓なし) 3 6 6 4 4
ユスリカ科(腹鰓あり) 1 4 4
加重スコア法 8.0 6.4
スコア法 7.7 6.4
30 8
1 30
指標生物 新郷屋 大阿賀橋
阿賀野川
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そこで、各個体のスコアを合算して、個体数で割る加重スコア法を検討、従来の結果から検証を行った。
その結果、状況をより反映する指標として有効であることが確認できた。
生物指標を用いる水質評価法は、単に水質だけでなく、底質の状況や流速など河川環境を総合的に評価 する手段として有効であり、生物種を用いるため、身近な環境指標として環境教育への活用も考えられる。
日本の大河、信濃川と阿賀野川が日本海に注ぐ地に位置する新潟市として、今後とも調査を継続し、成 果の活用を図って行きたい。
文献
1) 環境庁水質保全局:大型底生生物による河川環境評価のための調査マニュアル(案)、p21(1992)
2) 猪股秀子、斎藤和子、小林秀昭、岸 洋志:新潟市における大型底生動物による河川水域環境評価と 評価法の検討、全国環境研会誌、Vol35、No4、p14(2010)
3) 野崎隆夫:大型底生動物を用いた河川環境評価―日本版平均スコア法の再検討と展開―、水環境学会 誌、第35巻、第4号、p118(2012)
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新潟市における酸性雨の状況調査
高橋昌臣 真田和衛 阿部秀人 立川正幸