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誓  う

ドキュメント内 ニュートリノ振動と質量問題 (ページ 33-50)

φ駐      安定点

図4.2 ゴールドストン模型のポテンシャル

 安定点としてこの円周上のどの点を選んでもよいが、1つの点が選ばれれると回転対称 性が破られる。基本法則であるポテンシャルの形は回転に対してまったく対称である1とも かかわらず、安定な点として実際に実現する場の配位は回転対称性を破ってしまう。すな わち、対称性の破れが自発的に起きている。

 本来、φ1とφ2とはまったく対等であったが、対称性の自発的破れが起こったときに は、最も安定な点として(4.6)という円周上の1点が選ばれる。どの点が選ばれるかは基

本原理からは決まっていない。どこかに落ち着いたとして、それに対してφ1,φ2の名前 を付け替えて(0(2)回転を施すのと同じ)、安定点が1軸方向になるようにできる。

砺一 ̀厚血一・

(4.7)

 この場合に、この安定点から見て、ポテンシャルがどうなっているかを見直してみる。.

安定点からのずれを

商一血一〜厚

(4.8)

と定義して、φ1とφ2とで表すと

       y一÷μφ呈+函φ・(φ爾+会(嗣)・ (49)

というポテンシャルになっている。場の2次の項を見ると、ポテンシャルの曲率がわか る。φ1については正の曲率(下に凸)だが、φ2については曲率がゼロになっている。こ こで、φ2について曲率がゼロになっているのは、もともとポテンシャルがφ1,φ2の直交 回転について不変であるという0(2)対称性をもっているためである。実際、図4.2から もわかるように、安定点を0(2)回転させる方向にポテンシャルは平坦になっている。こ の平坦な方向がφ2の方向に他ならない。

 量子効果を考えるために安定な場の配位からのずれを考えると、作用の中のスカラー場 について2次の項が運動項と質量項を表している。質量mのスカラー場を一般的にφと 表すと、作用の2次の項は

号一州1聯一1(ηZC充)2ザ+・・]

(4.10)

と表される。したがって、φ1,φ2の質量は

m画一・罐

mφ2=0

(4.11)

(4.12)

である。このように、対称性が破れると、破れた対称性に対応する変換の方向に、質量零 の粒子が必ず存在する。自発的に破れたときに必ず質量零の粒子が存在するという定理 を、南部一ゴールドストンの定理という。質量ゼロの粒子を南部一ゴールドストン粒子と 呼ぶ。ただし、次回で述べるように局所ゲージ対称性がある場合は例外となる。ゲージ対 称性を自発的に破るために導入されたスカラー場のことをヒッグス場またはビッグス粒子

とよんでいる。

4.3 ヒッグス機構とゲージ粒子の質量

 ゴールドストン模型で自発的に破れた対称性は、時空点に依存しない大局的変換であっ た。もしも、この変換の全部または一部をゲージ原理に従って、局所ゲージ化した場合に は、ヒッグス機構と呼ばれる大変興味深い現象が起こる。

 ゴールドストン模型は複素場φとその複素共役φ*とを用いると、さらに簡単に表さ

れる。

       1       1

      φ=万(φ・+乞φ・げ=再(φ・一乞φ・)  (4・13)

        θ 四一ノd4脚∂・φ+μずφ一λ(φ*φ)2) (4・・4)

 実場φ1,φ2についての0(2)回転(4.3)は、この複素場φの位相回転になっている。す なわち、0(2)回転群はσ(1)回転群と同等である。

      φ→φ =e乞αφ       (4.15)

 ゴールドストン模型では、σ(1)回転は時空点の位置に依存しない大局的な変換であっ た。ゲージ原理にしたがって、このσ(1)回転を各時空点で独立に行うという変換に対し て理論が不変になるように要求したのが、σ(1)ゲージ理論である。このσ(1)ゲージ理 論ではσ(1)ゲージ場が必要になる。ここでは非可換ゲージ場の場合と同様に、結合定数 が無次元になるようにとる。その結果ポテンシャルの次元は

[・4μ]=五一1=.Mん一1c,[9]=1 (4.16)

である。このとき、作用は

    3σ(1炉 ggs−/d4…抄・・+(▽・φ)・▽・岬φ一λ(ザφ)・(4・・7)

       j『μレ==∂μノ4レ_∂レノ生μ      (4.18)

共変微分は

       ▽μφ=(∂μ十乞9・4μ)φ       (4.19)

      (▽μφ)*=(∂μ一勾ノ1μ)φ*       (4.20)

と定義されている。この模型はσ(1)という可換なゲージ群をゲージ化したもので、スカ ラー場が物質場として用いられている。σ(1)ヒッグス模型、またはアーベル型ヒッグス 模型と呼ばれている。

この模型でパラ落雪ーの値がゴールドストン模型の場合と同じく       μ>0, λ>0      (4.21)

であるとすると、σ(1)対称性が自発的に破れる。このとき、スカラー場ポテンシャルの 安定な点は

      ザφ一去     (422)

である。ゲージ化される前と同じく、安定点として(4.7)という点を選んだとする。

       φ一ゲ÷蕩   (423)

 この安定点の周りで理論を考えるのに適切な変数として、次のような非線形変数変換を 行って変数ξ,ηを用いる。

      φ一・一信ξe義η)   (424)

ここで複素場φ=(φ1+盛φ2)/〜厄の自由度を二つの実場ηとξに置き換えた。σ(1)ヒッ グス模;型にはゲージ不変性があるからこうしておくとゲージ不変性が有効に使える。ゲー ジ不変性を使って、次のようにする。

       φ→げ一♂ξφ一 おη   (4・25)

       1

      蓋・→4=A・一八∂・ξ    (4・26)

 この結果、変数ξは作用から消えて、スカラー場のうち残るのはηだけである。すなわ ち、ゲージ変換を行って変数ξが作用から消えてしまうようなゲージに移ることができ る。このゲージをユニタリゲージと呼び、物理的な自由度を見るのにもつとも適したゲー ジである。.紘を.4μと書き直すと、結局ξ=0としたのと同じになって、得られた作用は

θσ(・)Hig9,=39・・g・+3Hig9・+θi・・

θ・讐一例一1㌦F岬+(91)2且・孟・]

5H ヒ一州1∂・η∂・η+¥一λ・・η…λ切3一奇η4]

  努一/姉2@η+1η2}・]

(4.27)

(4.28)

(4.29)

(4.30)

となる。電磁場の場合と異なり、ゲージ粒子が質量を持つことになる。

m.4=gu (4.31)

その上、質量を持ったゲージ粒子は、中性のスカラー場であるηとも相互作用する。生き 残ったスカラー場ηは(4.29)に見るように質量を持っている。このように質量0のスカ ラー粒子はなくなってしまい、南部・ゴールドストンの定理は局所ゲージ対称性がある理 論には適用されない。

 もともとゲージ場は質量が0であった。質量ゼロのベクトル粒子は光子の場合と同じ ように、横波しか存在しないので、両方向の2っの偏極しか状態がない。すなわち、右巻 きか左巻きの偏光しかない。スピン角運動量の大きさは1だが、進行方向の角運動量成分 が+1か一1の状態しかないということになる。質量を持ったベクトル粒子は通常のよう に角運動量の大きさが1で進行方向の成分は+1,0、一1の3っあるはずである。した がって、ゲージ場が質量を持つためには、縦波(角運動量の進行方向の成分が零)の自由 度が新たに必要となる。ヒッグススカラーの2っの自由度のうちで生き残ったものがη であったが、もう1つのスカラー場ξの自由度が縦波としてゲージ場に吸収されたので、

ゲージ場が質量を持つことができたのである。このようにしてゲージ粒子が縦波の自由度 を獲得し、その結果質量を持つ機構を、ヒッグス機構という。

 対称性が自発的に破れている模型で、さらにゲージ場が結合している場合には、質量零 の南部・ゴールドストン粒子が現れる代わりに、ゲージ場に質量が生じることがわかっ た。この結論は一般的であって、自発的に破れている対称性の方向の数だけのゲージ場が 質量をもち、その質量は対称性を破るスカラー場の値uとゲージ結合定数gの積(4.31)

で与えられる。

4.4 SU(2)×U(1)ゲージ理論

 弱い相互作用を記述するゲージ理論を構成してみる。簡単のためレプトンだけを考え る。荷電ゲージ粒子W士と光子以外に、中性のゲージ粒子一つだけを導入する最も簡単 な模型としては、このゲージ粒子が可換ゲージ群σ(1)から来ていると考えるのがよい。

すなわち、θσ(2)×σ(1)というゲージ群を考える。この8σ(2)×σ(1)ゲージ理論はワ インバーグ・サラム理論とも言われる。物質揚として電子とそのニュートリノだけを考え る。弱い相互作用の電荷をもったベクトル粒子W±は左巻きの電子やニュートリノとだ け相互作用するので、左巻きレプトンは弱いアイソスピンの大きさが1/2だが、右巻きレ プトンはゼロだとしなければならない。σ(1)ゲージ群の電荷を弱いハイパー電荷yと呼 び、西島一ゲルマンの法則にならって、電荷の大きさQと次のような関係にあるとして

みよう。

Q+誓

(4.32)

表4.1 レプトンの量子数

レプトン 弱いアイソスピンθσ(2) 弱いハイパー

大きさIL   第3成分増 電荷y

左巻きニュートリノレ。五

去   +去

一1

左巻き電子εL 工      _12      2

一1

右巻き電子eR 0      0 一2

結局レプトンの量子数は表4.1のようになる。

 したがって、左巻きレプトンを、ニュートリノを上に、電子を下にして2成分波動関数 砺で表す。

砺一

iμeLeL)

(4.33)

ニュートリノは、今までの実験事実からは左巻き(反ニュートリノは右巻き)しか見つ かっていないので、ここでは右巻きニュートリノは存在しないとした。

 この5「σ(2)×σ(1)ゲージ理論の作用はいくつかの部分からなっている。ゲージ場と ビッグススカラーだけの部分θgaug。;Higg、とレプトンの運動項(ゲージ場との相互作用が はいっている)81ept。n;gaugeと、レプトンとヒッグススカラーとの相互作用項31ept。n;Higgs

とに分けられる。

θ=θ9。ug,;Hig9、+θ1。pt。n;gaug。+3正。pt。。;Hig9・ (4.34)

これらはそれぞれ特徴的な物理的情報を担っている。

 まずは、第1項のゲージ場とヒッグススカラーだけの部分5gaug。;Higg,を検討する。

ビッグススカラーについての最も簡単な可能性としてビッグススカラーは3ひ(2)につい ては弱いアイソスピン1/2の表現であって、弱いハイパー電荷yニ+1だと仮定する。

したがって、上(下)成分が正(負)の電荷を持つ縦ベクトルとして表せる。

φ一

iの

(4.35)

φ+,φoは複素場なので、φ†=(φ一,φo)と合わせて実場として4つの自由度を表してい る。このとき、ゲージ場とヒッグススカラーからなる部分の作用は

準・一/語「1齢一1一(▽μφ)†wφ一y(φ†φ)](436)

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